たくやと明日香は大学の飲み会に二人して参加していた。
男から女に、しかもものすごい美人に変じたたくやは、さすがにその日の話題の中心になる。
そんなたくやを見ていて面白くないのは明日香だ。自分以外の女性から盛んに話しかけられて笑顔で返答している恋人を見ていると無性にイライラが募り、その日はついペースや限度を忘れてお酒を飲みすぎてしまう……
気が付くと、明日香は誰かの背中におぶさっていた。
自分が酔いつぶれたのだと気付くのに、それほど時間はかからなかった。
それでも“恋人”の背で揺らされながら、少しの時間、幸せに浸っていると、明日香の家の前まで辿り着いた“たくや”が戸惑い始める。
………そういえば、鍵……
自分のカバンは……手元にない。だから最近隠し場所を変えた予備の鍵の場所を教えて扉を開けてもらう。
ようやく帰り着いた我が家。けれど“たくや”は寄った明日香を玄関に下ろそうとする。
「やっ、部屋までちゃんと運んで〜♪」
何故か嬉しくて、笑顔でギュッと“拓也”の首を抱きしめる。
しかたなく“拓也”は明日香を部屋まで運び入れるが、ベッドに寝かされた明日香は立ち去ろうとする“拓也”の服の袖を握り締める。
「あのね……わたし、好きなの、大好きなの……」
普段押し隠している感情が、お酒によって露わになる。
突然の“再告白”を受けて戸惑う“拓也”。そんな“拓也”を引き寄せ、ベッドの上で唇を重ねた明日香は……
その夜、明日香は“拓也”に喜んでもらおうと、できる限りの奉仕をして、求めるままに絡み合った。
そそり立つものに口をつけて丹念にキスをしながら“拓也”の顔を跨ぎ、ずっと寂しい思いをしていた秘書への愛撫を求める。
ちょっとつたない愛撫でも、久しぶりに“拓也”に触れられて、明日香の身体は瞬く間に準備が整い、ゴムもつけずに生で……
まるで犯されているかのような強引なストローク。けれど明日香の両足は“拓也”の腰に絡みつき、引き寄せ、子宮の入り口にたたきつけられるような深いSEXを求めてしまう。
―――翌朝、隣に寝ているのが“拓也”でないと気づくまで……
結果的に、これはたくやに対する裏切りだ。
たくやが女になると男の人とエッチしてしまう運命にあることは知っている。だからと言って、自分も浮気して言いというわけではない。
そしてそこからはお決まりのパターンだ。
「この間はあんなに積極的だったのに、どうして避けるんだよ」
「あれはお酒に酔って……」
「酔っ払ってたら別の男のチ○ポでもSEXしちゃうのかい? 相原が知ったら――」
「やめて、たくやには言わないで!」
「だったら、わかってるだろ? 大丈夫、ちゃんと避妊はするからさ……まあ、あの日にできてたら責任も取るよ」
「………っ!」
その非、たくやとの買い物も約束を急な用事と言って断り、明日香は同じゼミの男とラブホテルへと―――