30・Rained Out -雨の日に…-(XC3)-後

「は、ああァ、んああああぁ〜〜〜！！！」
　ＳＥＸをするなら狭い助手席よりも後部座席で……お互いの身体を一旦離した明日香と翔は、前から後ろに移る間に全身に降り注いだ大雨のせいでびっしょりと濡れてしまっていた。けれどそんなことは気にも留めず、逸る心を抑えて後部座席に飛び込んだ明日香は、翔の身体をシートに押し付けるとショーツを引き裂かんばかりの脱ぎ捨て、腰の上にまたがり、芯までぬかるみきったヴァギナに翔の分身を自分から迎え入れてしまう。
「ああああああっ！」
　明日香の秘所は、前戯の必要もないほどに濡れそぼっていた。それどころか年下とは思えないほど太く長いペ○スに子宮を押し上げられた瞬間、ただその一突きで達してしまい、全身を引き攣らせながら翔にしがみついてしまう。
「そんなに締め付けられたら……お、オレ、またすぐ出ちゃうよォ！」
「ダメ、そんなの、ゆ…許さない……イくなら、一緒に、私と一緒にィ！」
　翔のペ○スを膣内に迎え入れてしまった以上、もう明日香には後戻りできない……それは同時に、拓也のことはもう忘れて、何週間ぶりかのＳＥＸを心行くまで味わえると言うことでもあった。
「はッ、ああァ、こんな…気持ちいい…の……は…はァあん、あ、あ、あああァァァ！」
　剛直とも言える翔のペ○スの上で、明日香が恥丘を叩きつけるように腰を振る。目の前の後部ウインドウからは、降りしきる雨の向こうに流れいくヘッドライトが見えているというのに、拓也への貞操を振り払うと同時に羞恥心までなくしたのか、長い髪が跳ね上がるほど身体を上下させ、愛車のシートに淫蜜を際限なく撒き散らしてしまう。
「あうっ、はあッ、んっ、いッ、あアアッ！！！」
「なんだよ、最初と違ってずいぶんヤらしいじゃん……か！」
「だって……このおチ○チン、さっきあんなに出したのに、大きくて、すご…いのォ！！！」
　もし目の前にいるのが拓也だったら……きっとここまで乱れられないだろう。年下の少年との浮気という禁忌を犯す興奮に揺れ弾む腰の動きはますます加速し、雨音をかき消すほどに肉と肉とがぶつかり、擦れあう淫猥な音を狭い車内に響き渡らせる。
　一秒も休むことなく背筋を震わせながら秘唇に肉棒を突き立て、メス犬同然のよがりきった美貌を少年の前にさらけ出すと、最後のたがを外すかのようにチューブトップをずり下ろし、ストラップレスのブラに包まれた膨らみを翔の顔へと押し付ける。すると翔もまた、あられもない声を上げる明日香のくびれたウエストに腕を回し、乳房の谷間に吸い付きながら、狭い膣内に肉棒を根元まで突き上げる。
「あっ、あああァ！！！」
　拓也のことが嫌いになったわけじゃない。女になっても愛する気持ちに変わりはない……ただ、自分を見てくれない寂しさだけはどうしようもない。
　心のむなしさを埋めるために、明日香は拓也にしか許さなかった身体を、たくやによって女を教えられた翔の肉棒の上に降ろしてしまう。
「ああっ、はあああっ！　いいの、もっと擦って、それ……いいィ！！！」
　もし翔とたくやとの関係を知っていれば、それが感情のブレーキとなり、明日香もここまでの深みにはきっとはまっていなかった。―――けれど今の二人には、ＳＥＸの相性こそが全てとなっている。
　鼻先でブラをずらされ、飛び出した乳首にキツく吸いたてられながら、愛してもいない少年の前で女にとって一番恥ずかしい痴態を晒していると、何もかも忘れて快感だけに思う存分溺れてゆけた。亀頭に子宮口をグリグリと擦りつけ、あつらえたようにペ○スにぴったりと絡みつく膣壁を蠢かせていると、若い精力のみなぎりペ○スは力強く胎内を掻き回し、もう歳の差など忘れさせてくれる圧迫感に肢体を震わせ、雨に濡れた白い肌を波打たせる。
「ああァ、あアァ、私…お、おかしく……ああッ、うァあああッ、クる、わたし、わたし、も、ダメェ――――――！！！」
　年上の女性の膣内を蹂躙する悦びに狂喜するかのように脈動を速めていた翔のペ○スがひたすら執拗に明日香の子宮口を抉り抜く。高まっていく危険な期待感に逆らえず、笑みを浮かべた唇から涎を零し出しながら髪を振り乱すと、ずっと満たされていなかったヴァギナを押し広げられ、埋め尽くされる感覚に酔いしれながら、子宮口にめり込んだまま精液を迸らせ始めたペ○スをキツくキツく締め上げた。
「ひゃあ、んあああああああああッ！　中に……熱いの、私の…中にィ〜………！！！」
　イき狂っている胎内に大量の精液が注ぎ込まれる最中、避妊していないことを思い出す……が、そんなことはどうでもいいことだった。緊縮している胎内に熱い精液を撒き散らされると放心したかのように長い息をゆっくりと吐き出し、白い光が明滅している瞳をまぶたで覆い隠し、翔の首に巻きつけた腕に力を込める。
　―――たくや……
　拓也の事を愛している……その気持ちにウソ偽りはない。ただ、以前ほど愛しているかと言う問いには、否と答えざるを得ない。年下の少年に身体を許してしまうだけの隙が、拓也と明日香の間に生まれてしまっているのは確かなことだった。
　膣の奥深くに中出しされたオルガズムの余韻は、長く長く続いていた。けれど翔のペ○スは明日香の膣に深々と突き刺さったまま、萎えることを知らないかのように硬く勃起したまま……それはまるで明日香と拓也の中にヒビを入れる楔のように、一度抱いた明日香の所有権を主張するように、めり込んだ明日香のヴァギナの中で力強い脈動を繰り返していた。
「……いいわよ。もう一回……させてあげる……」
　明日香は翔の身体を抱きしめたまま、後部座席に身を横たえる。片足をシートの上に乗せ、片足を助手席のシートに引っ掛けて開脚すると、欲望を満たしたばかりの少年は若さ任せの情動に突き動かされ、二人分の体液でドロドロにぬかるんだ蜜壷へと獣のように腰を叩きつけだしていた―――





「んあっ、はっ、あっあああっ、い…イっくゥ…！　スゴ…いの…きて…もう……ああ、ダメ、んハァあああああああああッ！！！」
　ベッドにうつ伏せになった明日香の膣内に精液を吐き出すと、翔はまだ脈動の収まっていないペ○スをズルリと引き抜き、突き出されたヒップに性交の残滓を撒き散らした。
　もう何時間も翔と肌を重ねていた明日香の秘所は、搾り取った精液ミルクをイきながら溢れ出させていた。そのすぐ上でヒクついているアナルからも白濁液が滲んでおり、二人があらゆる穴で性行為をしてしまったことを主張してしまっている。
「ん…ふゥ……ハァあぁぁぁ………」
「今日はもう勘弁してよ……彼女に出す分まで全部搾り取られちゃったんだから」
「別にいいじゃない……久しぶりだったんだし、尻尾を振って襲い掛かってきたのは翔の方なんだから……」
　それはそうなんだけど……そう言って頭を掻いているのは、明日香と車の中で肉欲にふけっていた頃の翔ではなかった。身体はあの頃よりも一回り大きくなり、股間のモノは二回りも三回りも大きくなっている。顔つきからはあどけなさが抜け、今ではすっかり大人の顔だ。
　そして、腰が抜けるまで絶倫の翔に犯された明日香も、以前のままの明日香ではなかった。身体には以前にはなかった柔らかさを全身に薄く帯び、成熟した女の印象を纏っている。
　たくやと別れてから数年が経つ……明日香は獣医の勉強をするために海外に留学し、その間にたくやは北ノ都学園を卒業し、明日香が帰ってきた時には弘二と結ばれて街を去っていた。
　好きだった恋人が待っていてくれなかったことは、正直言って寂しかったが、未練はなかった。守るべき操を失った明日香が海外で作ったボーイフレンドも一人や二人ではない。それに翔という新しい恋人が待っていてくれたのも、明日香に新しい人生を踏み出させる支えになっていた。
　そんな翔も、今では北ノ都学園を卒業して立派な社会人だ。獣医としての生活を送る明日香とは生活サイクルが違うけれども二人は同居し、瑞々しさを残しながらも熟れていく淫乱なメスの肉体と萎えることを知らない底なしの精力を持つにオスの肉棒とを暇さえあれば貪りあっている。
　翔には明日香よりも若い恋人が何人かいるようだけれど、本人が年上の女性としか本気になれないらしく、そちらはただの性処理用のセフレと関係を割り切っている。当然本気の対象である明日香とではＳＥＸの濃さがまるっきり異なっていた。
「翔……ちょっとストップ。私、明日も早いんだか……んんゥ！」
「やっぱり我慢できないや。もう二発三発付き合ってよ」
　まだベッドの上でぐったりとしている明日香に背後から抱きついた翔は、長い髪に鼻先を押し付けて愛する相手の香りを胸いっぱいに吸い込むと、いぜにょりも大きさを増した乳房を根元から絞り上げるように乱暴に揉みしだく。そしてもう片方の手を秘所へと忍び込ませると、あふれ帰る精液を押しのけるように、まるで絶頂潮のように愛液が噴き出してくる。
「い…いつまでも子供で……しょうがないん…だから……」
　まだオルガズムの余韻が抜けきっていない身体をまさぐられると、疲れ果てていたはずなのにまたシたくなってしまう。今更ながら淫欲になってしまった自分自身に内心ため息をつくと、真後ろにいる年下の恋人へと顔を振り向かせて唇を絡め合わせる。
「んっ……」
　もう徹夜で出勤でもいいや……骨の髄まで翔とのＳＥＸの快感を刻み込まれた明日香がそんな決意を固めると、それを邪魔するようにベッドサイドに置いていた携帯電話がメールの着信音を鳴り響かせる。
「ったく、誰だよ。これからって時に」
　明日香の足を持ち上げ、いざ挿入というところを邪魔されては、翔でなくても文句の一つも言いたくなる。だがしかし、メールの差出人の名前を見て表情を多少和らげ、メールの内容に目を通すと、
「へ〜、アイツにもついに春が来たんだ！」
　翔が嬉しそうに声を上げた。そしてすぐさま祝福の返信を打ち込んでいると、いいところで中断されたまま放り出されていた明日香が恨めしそうな目で翔の肩にもたれかかってくる。
「明日香さん、ワリィ。すぐ終わるから待っててよ」
「ダ〜メ。なによ、普段は私が一番いいとか言っときながら、他の娘にデレデレしちゃって。悪いと思うんなら今日はソファーで寝てくれる？」
「ち、違うって！　相手は男。明日香さんも知ってるだろ、明だよ！」
「ああ、あの子……」
　明日香の頭に、翔とは対照的に優しげな美男子の顔が思い出される。なんでも二人は子供の頃からの友人らしく、宮野森、北ノ都とずっと同じ道を歩んでいた。もっとも卒業後はお互いに忙しくて顔を合わせる機会は減ったらしいが、
　―――そう言えばあの日に翔と遭ったのも、明君が宮野森を受けるのに付いて行くからだっけ……
　もし明が宮野森ではなく、翔の学力に合わせた進学先を選んでいれば、翔は塾通いすることもなく、あの雨の日に明日香と出会うこともなかった。言うなれば明は明日香にとってのキューピットと言えるかもしれない。
「で、その明くんに春が来たってどういうこと？　彼にも彼女はいたでしょ？」
　ただ……明日香に愛しい人を引き合わせてくれるキューピッドは、もしかしたら運命を弄んでいるだけかもしれないと、しばらく後に気付くことになる。
「前に話さなかったっけ？　オレと明ってさ、あいつの家庭教師やってた人に童貞食われちゃったって」
「そう言えば……その後で思いっきり搾り取ってあげたっけ」
「はいはい、今は明日香さん一筋ですよ。……で、その人って急に俺たちの前から姿を消して連絡も取れなかったんだけど、明のヤツ、ずっと忘れられなかったんだよ」
「ふ〜ん……初めての人はやっぱり忘れられないんだ……」
「ＳＥＸした相手を忘れるってのもどうかと思うけどね……で、今日引っ越してきたんだって。明の住んでる部屋の目の前のマンションに。これってスゲェ偶然だなってメールを送ってきたんだよ」
「そう……なんだ……」
　話を聞くだけ聞いたものの、さして興味を持つには至らなかった。翔も行方不明になっていた初体験の相手の話とあって多少喜んでいるようだけれど、明日香には関係のない話でしかない。むしろ恋人を取られるかもしれない存在への嫉妬や危機感のほうが強いと言えた。だからささやかな抵抗としてさっさと翔に背を向けると、明日に備えて疲れた身体を横たえてしまった。
　―――忘れられない人……か……
　明日香にもいる……いや、いた。その名前を思い浮かべただけで顔を思い出しそうになるけれど、それを無理やり停止させ、眠りに落ちようとする意識の奥底へと投げ捨ててしまう。
　―――そう……私が棄てたんだ。拓也を、拓也との関係を……
　あの雨の日から、裏切ってしまったあの夜から、ずっと降り続けている雨の中に、思い出さなくてもきっと現れる。
　その顔を思い出すたびに、明日香の胸は締め付けられる……だから忘れられない人はもう、忘れてしまいたい人になっていた。
　なぜならそれは、



　―――以前ほどではないけれど、今でも“好き”だと思ってしまえる人だから……