プログラム260「全てが・・・終わる・・・」


 プログラム260 結末へ・・・ 「とうとう・・・この日が来てしまいましたね・・・」 「うゆぅ、一体どんな人なんだろう?」 「・・・・・」  あの淫靡な宴が終わった日から、あっという間に最後の日が訪れてしまった・・・ 「・・・・・」 「さやかお嬢様・・・」 「お姉ちゃん・・・」  今朝から延々と沈黙を続ける私に、心配そうな表情をするかすみとかえでさん。二 人とも不安なのに・・・私のことをこんなに心配してくれるなんて・・・ 「ん、大丈夫・・・大丈夫だから・・・」  二人を少しでも安心させようと、そう呟く・・・ 「お姉ちゃん・・・」 「さやかお嬢様・・・」  でも、その力無い声が二人をさらに不安にさせたみたい。もっと心配そうな表情で 私を見てきた・・・ 「・・・・・」 「・・・・・」 「・・・・・」  暫く続く沈黙・・・ 「・・・どうなるのかな? 私達・・・」 「そうですね・・・」 「・・・・・」  二人とも・・・不安一杯なのに・・・強いな・・・ 「いつまで待たせるのかな?」 「・・・すぐとは言ってたはずですが・・・」 「・・・・・」  そう、後少しで・・・私達3人は離れ離れになってしまう・・・ 「・・・・・」 「うやぁ? どしたのお姉ちゃん?」 「ど、どうしたんですか? 急に抱きついてきて・・・」 「・・・・・」 「お姉ちゃん・・・」 「さやかお嬢様・・・」  強い不安を表すように、二人に強く抱きつくと、二人はその不安を拭うように、強 く抱き締め返してくれた・・・ 「耐えましょう、今は・・・」 「そうだよ、お姉ちゃん・・・」 「うん・・・」  二人の肌が・・・心地良かった・・・ 「待たせたな、3人とも」 「別に待ってないよ?」 「・・・・・」 「・・・・・」  私以外は沈黙してる。こんな状況でも明るく振舞えるのってある意味変? 「くくく、今日でお前達のその美しい体を見るのも最後かもな?」 「うゆぅ、そう改まって見つめられると恥ずかしいなり・・・」  もう、散々まさひろに見られたけど・・・こうやってマジマジと見られると凄く恥 ずかしいよぉ・・・ 「さぁ、クライアントに会う前に準備をするぞ」 「準備?」 「そうだ」 「化粧をしろってこと?」 「それもあるが、ちゃんとした礼装を着てもらわないとな」 「うゆぅ? 礼装?」 「服が・・・着れるんですか?」  うゆぅ? 何だか嬉しそうだね? お姉ちゃん・・・ 「あぁ。普通のな」 「そう・・・ですか・・・」  一瞬の喜びの後、また曇った表情になるお姉ちゃん。ま、仕方ないか・・・ 「さぁ、早くしろ。クライアントを待たせるわけにはいかないからな」 「はい・・・」 「うゆぅ、そんなに急かないでよぉ」 「解った・・・」  まさひろはさっさと部屋を出ると、化粧をする為の部屋へと移動し始めた。 「ちょ、待ってよぉ」 「・・・・・」 「ふぅ・・・最後の最後まで・・・」  そうやって愚痴りながらもまさひろの後を追う。 「コレを着て、化粧をしろ。化粧は薄めにな」 「うやぁ? これって・・・」 「制服? 学校の?」 「私のは・・・メイド服? 一体・・・?」 「ふん、すぐに解るさ・・・」  ・・・? 一体何? 何で私の学校の制服なの? 「解るって・・・一体・・・?」 「ひょっとしてクライアントってコスプレマニア?」 「そんなわけないでしょ、かすみ・・・」 「確かに、クライアントの3人とも全てがそれは無いでしょう・・・」 「だよねぇ・・・」 「早くしろ。ずっと待たせるわけにはいかないんだからな」 「うゆぅ、解ったよ・・・」 「はい・・・」 「解った・・・」  で、まさひろに言われるままに服を着て、化粧を始める。因みに、下着もちゃんと 着てるよ。 「くくく、その格好も久しぶりだな」 「そうだよねぇ・・・かなり着てなかったもんねぇ・・・」 「何だか・・・凄く落ち着く・・・」 「ふぅ・・・まさかまたコレを着ることになるとはな・・・」 「ほら、ブツクサ言ってないで、終わったんなら早くついてこい!!」 「うゆぅ、だから急かなくても・・・」 「解りました・・・」 「何だか・・・変な違和感があるな・・・暫く裸だったからな・・・」 「そだね・・・」 とか何とか話しながら、まさひろの後を追う。 「ねぇ、一体どのひとかなぁ?」 「解りませんよ、そんなこと訊ねられても・・・」 「だよねぇ・・・」 「・・・・・」  そんな会話の最中も黙ってるお姉ちゃん。不安で一杯なのは私も同じだけど、お姉 ちゃんのは桁が違うみたい・・・ 「くくく、この扉の向こうにクライアントがいるからな。粗相のないようにな?」 「ほーい」 「はい・・・」 「解った・・・」  そして・・・扉は・・・開かれた・・・


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