プログラム209「終局へ(その7)」


 プログラム209 最終段階(その7) 「ん・・・ふぁ・・・ぁ・・・もう・・・朝・・・なんだ・・・」  目が覚めた。昨日までの息苦しさはもう感じない・・・ 「・・・おはよ、お姉ちゃん」  隣を見ると、かすみは既に起きていた。 「ん、おはよ、かすみ・・・」  私を抱き締めているかすみに返事する。かすみの体温が心地いい。 「おはようございます、さやかお嬢様、かすみお嬢様」  その反対側からかえでさんが挨拶してきた。 「おはようございます、かえでさん」 「おはよう、かえで姉」  かえでさんも私とかすみを抱き締めてくれている。人肌って・・・触れてると凄く 落ち着く・・・ 「さ、朝御飯にしよっか?」 「うん」 「はい」  そう言って立ち上がる。 「今日は腕に寄りをかけるからね?」 「ホント? 楽しみだなぁ♪」 「私も手伝いますね」 「はい、お願いします」  そして私たちは憩いの間へと移動した。今日は・・・私たちのお披露目の日・・・ 「ふやぁ・・・お腹一杯なり。余は・・・」 「満足じゃ〜でしょ?」 「うゆぅ、台詞を取るのは酷いなり。 「ふふふ、いつも同じ台詞だもの、いい加減聞き飽きたわよ」 「うゆぅ・・・」 「さぁ、食器を片付けましょうか」 「はい」  そう言ってお姉ちゃんとかえで姉は食器を片付け始める。 「私も手伝うよ」 「・・・お願い、それだけは」 「これ以上食器を減らさないで下さい」 「・・・はい」  咎められちった。そ、そんなに割ってたかなぁ? 確か先週で15枚、今週で7枚 ぐらいお皿を割って・・・お椀は10個ぐらいなのに・・・え? 割り過ぎ? それ は失礼致しました〜 「そういえば今日も調教あるのかな?」 「・・・さぁ?」 「一応、お披露目と言ってましたし・・・無いんじゃないですか」 「だったら今日は楽が出来るかな?」 「だといいんだけど・・・」 「いくらなんでも朝早くからしないよね?」 「・・・多分」 「・・・・・」  何? この微妙に気不味い雰囲気は? 「え・・・と、もし無しだったらゆっくりしようね? お姉ちゃん、かえで姉」 「そうですね」 「まぁ、娯楽は少ないけどね」  言われてみれば確かに・・・本読んでまったりしてるのもねぇ? 「朝寝でもしてよっかな?」 「悪いがそれは却下だ」 「ってうやぁ!? ま、まさひろ、き、急に現れないでよ!?」 「下萄さん・・・」 「何だ、結局今日もするのか・・・」 「いや、今日は調教は一切無しだ。何しろ大事なお披露目会だからな」 「じゃあ、何するの?」 「何、さすがに何の飾りっ気も無いんじゃ、クライアント達も満足出来ないからな。 色々と準備をするだけだ」 「じゅ、準備ぃ?」 「そうだ」 「それは化粧をしろということか?」 「まぁ、それもあるが・・・」 「? 他にもまだあるのか?」 「なぁに、ちょっとだけ下拵えするだけだ」 「一体何するの?」 「それは部屋に着いてのお楽しみだ」 「結局ココから移動するんですか?」 「そうだ」 「で、そのお披露目会はいつ始まるんだ?」 「今日の午後15時からだ」 「準備にそんなに時間がかかるの?」 「いや。それほど手間は取らんさ。ただ、朝寝は出来ないが」 「なるほど」  そう言う意味だったんだ。何か凄く勘違いしてたなり。 「さぁ、行こうか」 「・・・はい」 「お姉ちゃん・・・」 「いよいよ・・・始まるんですね」 「おい、早くついて来い」 「うゆぅ、了解ッス」  まさひろに促されて急いで部屋を出る。とうとう・・・始まるんだ・・・ 「頑張ろうね? お姉ちゃん」 「うん・・・」  お姉ちゃんの表情は昨日の怯えた影は全然無かった。もう、大丈夫みたい・・・ 「それにしても・・・」  まさひろ、どうやって中に入ってきたんだろ?


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