プログラム210「終局へ(その8)」


 プログラム210 最終段階(その8) 「さて・・・準備はいいか? 3人とも」  部屋で待機していた私たちに、下萄さんが語りかける。 「・・・はい」 「・・・いよいよか」 「何だか・・・緊張するよ」  かすみもかえでさんも緊張で表情が強張ってる。 「くくく、さぁ、いくぞ・・・」 「はい・・・」 「うん・・・」 「解った・・・」  私たちがそう返事すると、下萄さんは黙って部屋を出て、移動し始めた。私たちも その後を追う。 「うゆぅ、緊張するよぉ・・・」  私の腕を抱き締めながら、かすみは怯えた表情をしてそう言った。確かに、私も怖 い。でも・・・ 「頑張って。かすみ。今から怖気ついてちゃ後が大変よ?」 「うゆぅ、そりはそうだけど・・・」 「大丈夫、私だって怖くて緊張してるんだから・・・ね?」 「・・・何が大丈夫か解んないけど・・・頑張ってみるよ」 「うん」 「くくく、美しい姉妹愛だな? お披露目の場に出てもその姉妹愛を忘れないことだ な」 「・・・はい」 「うゆぅ・・・」  下萄さんの卑しい比喩に、素直に頷くしかない私達。でも、今は耐えるしかない。 「くくく、さぁ、もう時期着くぞ」  下萄さんの言葉に、私たちは更に緊張が増していく。かすみもかえでさんも、下に 俯いたまま、黙っている。 「・・・・・」 「・・・・・」 「・・・・・」 「・・・着いたぞ」 「・・・え?」 「・・・着いたのか?」 「・・・うやぁ、何? こんなデカイ扉あったっけ?」  目の前には、見たこともない大きさの、頑丈そうな扉が聳え立ってたっていた。確 かに、こんな扉、初めてみた気がする。 「くくく、それはそうさ。ここは昨日まで封鎖していたからな」 「封鎖・・・ですか?」 「うゆぅ? 何のために?」 「別に深い意味は無いがな・・・ここは他の部屋と違い、調教室ではないんだ」 「そうなの?」 「ここはお前達牝奴隷の品評会専用の場所だ」 「つまり、ここは会場みたいなものなのか?」 「そういうことだ」 「もう・・・クライアントの人達は?」 「あぁ、既に来ている。みんな早くお前達を見たがっているからな。早く入れ」 「・・・はい」 「・・・き、緊張するよぉ」 「頑張りましょう、かすみお嬢様」 「さぁ、お披露目会の始まりだ」  そして・・・扉は開かれた・・・ 「皆さん、大変お待たせ致しました。これより、3匹の牝奴隷のお披露目会を始めた いと思います」  まさひろが会場に来てる人達にマイクを持ってそう説明する。ここって結構広いや ・・・大きさで言うとホテルの広間ぐらいかな? 結構大きい。 「さぁ、お前達、前に出ろ」 「はい・・・」 「うぃ、了解ッス」 「解った・・・」 「愛想良くしてろよ?」  まさひろに促されて前に出る。周りを見ると、10人ぐらいの人がいた。・・・っ てなんで10人!? 「ま、まさひろ。何でこんなに人がいるの?」 「ん? なんのことだ?」 「だって・・・私たちを牝奴隷にしろって依頼した火とって多くても3人じゃ・・ ・?」 「くくく、気にするな。すぐに解るさ」 「・・・はい」 「・・・解ったなり」  何か合点がいかないんだけど? 「・・・それにしても、皆仮面を着けてるね? 何で?」 「今はまだ知るべきじゃない。少し黙っていろ」 「うゆぅ、了解ッス」  でも、やっぱり変な感じ。黒い礼服に、仮面を被ってて・・・まるで某アニメのタ ○○ード仮面みたい。 「さぁ、挨拶を始めるぞ。まずはさやかからだ」 「・・・はい」  素直に頷くお姉ちゃん。いよいよ始まるんだ。私たちの御披露目会が・・・


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