第4話 ホワイトアウト
残るカップルは7組。私達は、マフラーとオーバーニーだけという格好で、会場の奥へと進んでいく。
たった14人となってしまった参加者は、二人で手をつないで賞金を目指し歩いていった。
ここで、司会者から説明があった。
「ここからは、彼と彼女は別々に進んでもらいます。」
よく見ると、この先は二手に分かれており、別々のルートが用意されているようだった。
男性は左、女性は右へと進む事となった。
私は鈴木美佐子。16歳の高校1年生。彼は3年生の緒方正人。今日ははじめての二人で迎えるクリスマスだった。
「ミサコ、がんばって。」
「うん。マサトもね。」
私達は最後に口付けをして、二手に分かれていった。
私達は、薄暗く細い通路を歩き、奥のほうへと進んでいく。
すると、遠くのほうに円形のステージが、そして周りには白い液体で満たされていた。
私達はそれを上から臨むところに立っていた。ここで私達はスタッフに、白い毛糸の手袋を渡される。
「みなさんの前には、一人ずつ滑り台が用意してあります。」
よく足元を見ると、角度が15度ほどの白い滑り台が7つセットされていた。幅は1mほどのもので、
かなり高い位置にセットされているようだった。
「この滑り台に、みなさん座ってください。」
私は、この滑り台に座って、やっとゲーム内容がわかった。
そして、サンタの声が聞こえてくる。
「このゲームは名付けて『バトルロイヤルダイビングゲーム』じゃ!」
そう、この滑り台から下はよく見えないが、明らかに高所に設置されている。
「真ん中のステージを見るのじゃ!」
真ん中のステージに、彼氏達が7人立っている。
「男は強くなければいかん。この男達に、ステージ上でバトルロイヤルを行ってもらう。」
直径5mほどのステージ上には、竹刀やボクシンググローブといった道具が置かれている。
「このステージの周りには、白い温泉がある。ここに彼氏が落ちてしまうと、彼女の滑り台が上がっていく。」
滑り台には、横に手すりがついており、ここで踏ん張る事ができるが、手袋をしている為滑ってしまう。
「彼氏が温泉に入ってしまっている間は、どんどん角度がついてしまうぞ!」
ということは・・・
「角度が上がっていき、彼女は踏ん張る。しかし、踏ん張りきれずに力尽きて滑り落ちてしまうと、ゲームオーバーじゃ!」
彼女が滑り台に残っている限りは失格にならないルールだ。
「この滑り台は水上8mの位置に設置されている。そして、そのプールには、今宵一人で寂しくクリスマスを迎える
男達が入っているぞ!みんな、最後までがんばるのじゃ!では、スタート!」
そう言い終えると、サンタはゴングを鳴らす。
カーーン!
一斉に彼氏達は、温泉に落とそうと筋肉質な体をぶつけ合う。
ドボーーン!あ、誰かの彼氏が温泉に落ちた!
ウィーーーン!!
私の隣の滑り台が、少しずつ上昇を始めた。
「あ、あ、がんばって!」
彼女は両足を縁に突っ張り、手と足で踏ん張っていた。
戦いは激しくなり、次第に他の滑り台も動き出す。
ウィーーーーン!
「キャ!やだ!」
ついに彼氏が落ちてしまい、私の滑り台がアップしていく。
高い女の子は、既に角度は60度近くになり、ほとんど壁のような状態である。
そして、ついに最初の犠牲者が出てしまう。
「さあ、はやく上がらないと、彼女が落ちてしまうぞ!」
「クッ、あぁ、あたし、もう・・・ダメ・・・・」
ずるうっ!
きゃあああーーーーーーーぁぁっ!ドバアーーーーーーーン!!!
「あーーっと、残念、ついに女の子が落ちてしまいました!最後までがんばりを見せましたが、ついに力尽きました!」
そして、下のほうでは男達が群がってくる。
「やめろぉーーー!!」
彼氏が必死に叫ぶ。しかし、彼は温泉の中で係員に手足を抑えられ、身動きが取れない。
彼女はそのまま男達に担がれ、生まれたままの格好にされX状のはりつけ台に晒されてしまう。
身動きの取れなくなった彼女は、恥部を大きく晒され、更にそこへ男達の手によって恥辱を受ける。
「あああああっ!はあ・・はあ・・・た・たすけ・・て・・・」
「やめろおおおーーー!!」
彼氏の目の前で、見ず知らずの男達に恥ずかしい姿を晒していく彼女。
激しい吐息、そして愛液を流し、ついに絶頂を迎えてしまう・・・
そして、彼女はそのままステージ裏へと連れて行かれてしまう。
呆然とする彼。自分の無力さの前に彼女は倒れ、そして記憶を消されてしまうのだった。
その間にも、次々と耐え切れずプールへと転落する女の子は続く。
いやあああああ!!!!ドボーーーン!
も、、もう、ダメ!あああああああぁぁぁぁ!!!ドボオオオーーーーン!
そして、自分の彼氏の目の前ですべてを晒され、犯されていく・・・
残るのは、私ともう一人の彼女だけ。
「おーーっと、ミサコちゃん、大股を広げて、マフラーの下からは恥ずかしいところが丸見えだ!!」
私は落ちないように踏ん張る事に精一杯で、すっかり見えてしまっていることを忘れていた。
少しずつ私の握力にも限界がきており、ズルズルと滑り台を滑り始めている。
ここで私は、マフラーがすべる原因であることを知り、足で踏ん張ったまま胸を覆っていたマフラーを取り、
すぐにうつ伏せになった。
これで胸を滑り台に押し付け、摩擦で踏ん張る事ができる!!
「おっと、ミサコちゃん、うまい作戦だ!しかし、これは反則なんですよ。これはペナルティですね。」
え?くっ・・・
すると、目の前に透明なローションが流れてくる!
私の胸と滑り台の間はローションで満たされる。
「くうん・・ううっ」
思わず喘ぎ声を上げる私。下半身までローションが染み渡り、マフラーを伝って恥部に直接ローションの刺激が
走る!「あふっ!んんんん・・・」つい体が反応し、突っ張っていた足に力が入らなくなってくる。
ズルズルと追いやられていく・・・下半身を隠していたマフラーは、染み込んだローションに流され滑り台から
流されてしまい、私は全裸で滑り台に張り付いた格好となった。
ザバーーーーン!
遠くで水しぶきの音が聞こえた!!
ウィーーーン!
私の滑り台が角度を上げていく・・・もうだめ・・
ズルッ!!
「いやあああああああぁぁぁぁぁぁマサトォーーーーーーっ」
ザブーーーーーーンンンン!!!
私は、水中深くまで体が沈み、そしてすかさず男達に担ぎ上げられる。
「やめろおーーーーーー!!!」
「マサトーーーーーーーーっ!!!」
私は、もう・・・これで・・・・アウッ!!くっ・・・・いやあああああ!!!
そして、気がつくと、私は会場の裏出口に立っていた。
夜の寒さにからだを 震わせ、会場をあとにした。
遠くに見える赤、緑、黄色のネオンを見つめ、今日がクリスマスであることをやっと思い出した・・・
正人 美佐子 第3関門にて失格
(続)
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