「真夜中の図書室」作品
祭りの夜 第4回
(4) 連休の朝。快晴。 茶谷紘志は、暑さで目を覚ます。 時計は8時を過ぎていた。 よしえがいない。 もう出かけたのか? ああ、叔父の葬式で、田舎に行ったのだった。 朝食の支度はしてあった。 アパートの通路で、人の声がする。 さをりが、ダンナを送り出している。 朝食をすませて、南側の窓から顔を出す。 緒実川の向こうに、田んぼが広がっている。 気配がして、そちらに顔を向けると、さをりが洗濯物を干すところだった。 「おはよう」 「おはよう」 「これから、仕事かい?」 「うん、でも、遅番だから、11時」 「そか」 「連休、休みなの?」 「ああ、昨日のうちに、祭りの準備も済ませたから、のんびりできる」 「なにするの?」 「パチンコにでも行くか」 紘志はさをりを見詰める。 ノースリーブの肩から細長い腕が伸びて、洗濯物を干していく。 紘志の視線に、さをりは恥じらいを浮かべる。 ......可愛い女だ 「それすんだら、お茶のみに来ないか?」 さをりは、紘志を見詰めながら、ちょっと間をおいて、うん、と答えた。 恵庭一樹は、女の子を連れ込んでいる。 先週、制服姿のその子を、コンビニでナンパしたのだ。 電車で3駅ほど先にある女子校の制服を着ていた。 何度か見かけていた。 ミニのスカートから伸びる素足が肉感的で、胸もしっかり膨らんでいる。 好みのタイプだ。 桑名夕夏も、ジャニーズ系の男に誘われて、悪い気はしなかった。 駅前で待ち合わせをして、部屋に誘うと、すんなりついて来た。 二階建てのおんぼろアパートだが、部屋の中は、きちんと片付けてある。 部屋の中には、ベッドとテレビ。衣類をしまう小さな家具。 それだけだった。 殺風景な部屋だと、夕夏は思う。 日当たりのよい南側の窓の外に、シャツとパンツが干してあった。 「すわんなよ」 一樹に促されて、夕夏はベッドの端に腰を下ろす。 たわいのない話が、夕夏を笑わせ、そして、唇を重ねていた。 ベッドに横になる。 一樹の指が、ブラウスのボタンにかかる。 「だめぇ」 一樹は、夕夏に口づけをしながら、ボタンから指を離す。 ブラウスのうえから、大きさを確かめるように、膨らみをなでる。 一樹の唇が、頬へ、首筋へ移っていく。 耳たぶを、そっと噛まれて、夕夏は目を閉じる。 ......キモチ、いい ......あ ブラウスの胸元のボタンがはずされ、一樹の唇が胸元を吸う。 手早くボタンがはずされて、ブラジャーをつけた胸があらわになる。 「だめぇ」 一樹は、夕夏をやさしく見詰めながら、口づけをしてくる。 背中に回りこんだ一樹の指が、ブラジャーのフックをはずした。 乳首を吸われて、夕夏は、からだの芯が熱くなる。 一樹は、乳房をゆっくりと揉みながら、乳首を吸い続けた。 夕夏の唇を押し開くようにして一樹の舌が入り込んできて それが、夕夏の舌を舐めまわして 乳房は、ずっともまれている。 ......へん ......あそこ、へん ......アソコが、熱くなってる ......ああ、どうしよう 一樹は、夕夏を抱きかかえるようにしてブラウスを脱がせ、ブラジャーを剥ぎ取った。 乳首を吸われて、とってもキモチ、いい。 うっとりしてしまう。 今日、誘われるかもしれない。 予感はあった。 しても、いいかな、と思って、きた。 したい気持ちがあった。 麻美も、沙貴も、可奈も、経験済み。 ......こんなに、キモチがいいことだったんだ スカートが脱がされる。 さすがに、一樹の指がパンティにかかったときは、ためらった。 でも、結局お尻を持ち上げて、脱がせてもらった。 一樹の指が、アソコをなでる。 ......オナニー、より、ずっと、いい ......とろけてしまいそう ......クリ、感じちゃう ......すっごく 一樹の指は、入り口を探り当てる。 狭く、硬く、指の侵入を阻む。 ......おいおい、バージンかよぉ 「ああ、だめぇ」 一樹が、夕夏の下半身にからだを沈めていき、夕夏の両足を開いた。 夕夏は、一樹が何をしたいのか、わかった。 「恥ずかしいよ」 一樹は何も応えなかった。 処女膜を、じっくりと観察した。 ピンクのビラビラが、入り口からすぐのところにあった。 パンツを脱ぐ。 肉棒が、窮屈な場所からはじけ出る。 夕夏のそこは、潤いを失いかけていた。 恥ずかしさからか、緊張からか。 一樹は、処女とするのは初めてだ。 初めは、ナマで、と決めた。 先走りが、先端を濡らす。 ......ぶっすり、やってやるよ 夕夏が、不安そうな顔をしている。 「大丈夫だよ」 「ほんとに?」 「ああ、気持ちよくしてあげるから」 乾ききっていた。 一樹は、夕夏の唇を吸いながら、乳房を揉み始める。 早く入れたい気持ちと、急ぐなという気持ちと。 ぎんぎんになった肉棒が、びくんびくんと脈を打つ。 そのときだった。 「ああん...いい...いいっ」 壁越しに、隣の声が聞こえる。 おんぼろアパートの板壁一枚。 音は筒抜けだ。 夕夏が、驚いて、目を開ける。 「お隣だよ」 女のあえぎ声が、高まっていく。 「お隣も、エッチしてるんだ」 ......いつもの声と違う。 ......奥さんじゃないのか ......ふふ、おっさん、やるじゃん ......奥さんがいないときに、女を連れ込むなんて 「ああっ、あああっ、ああっ」 隣室の女のよがり声は、夕夏を刺激した。 「キモチ、よさそうだね」 「う、うん...」 「夕夏も、キモチ、いいだろ?」 「う、うん」 ......ほんとに、キモチ、いい ......あんな、いやらしい声、出すのかなあ 「いいっ! いいっ! いいよっ!」 ......すごい 夕夏のすぼまった入り口から、蜜が流れ出す。 一樹は、指先を浸すと、入り口の周りに伸ばしてやる。 ヌルヌルが、夕夏を気持ちよくしてくれる。 夕夏のからだから染み出したヌルヌルが。 「ああっ! いいよっ! ね、ね、ね、突いて、突いて、突いて!」 男の、ハッ、ハッ、ハッ、と言うリズミカルな息が、聞こえる。 ......どんなにするの? 「おく、おく、おくぅ! もっと、もっと、もっとぉぉぉ」 お隣のエッチな声が、BGM. 毎度のことだが、一樹をいきり立たせる。 夕夏のそこが十分に潤っているのを確かめる。 「夕夏、入れるよ」 夕夏が、うんとうなずく。 起き上がった一樹が、夕夏の両膝を左右に開く。 夕夏の正面から、両足のあいだに割り込もうとする。 それを、いきり立ったそれを、夕夏は初めて目にして、あっ、と声を出しそうになった。 ......あんなに、おっきいの? 「いくっ、いくっ、いくよっ!」 隣室の女の動物的な声に、夕夏は、今度は自分...と、思う。 ......アレが、あたしの中に入るんだ 目を閉じる。 「あうっ、あうっ、あうっ、あうっ...いぐうううううううぅぅぅ」 隣室の女が、感極まって泣き声にも聞こえそうな声を上げた。 夕夏は、女が《イク》のがわかった。 「ひっ!」 夕夏は、思わず息を止めた。 「いたいっ」 両腕を伸ばし、一樹を押し返そうとする。 「夕夏、ちょっとだけ、我慢して」 「う、うう、いたいよ」 一樹は、肉棒の先端が、しっかり入り口にかかっていることを確かめると、ぐぐぐぐぐっ、と推し進め た。 夕夏は、苦痛に顔をゆがめる。 「もう、ちょっとだ」 「抜いてよぉ」 「あと、すこしだって」 「いたいよぉ」 亀頭がようやく入ったところだ。 強く締め付けられる。 押し出そうとするかのように。 一樹は、夕夏に圧し掛かり、腰をしっかり抱きかかえると、容赦なく、埋め込んだ。 紘志は、さをりを抱いたまま、畳に寝転がっている。 さをりの顔に、疲れが浮かんでいる。 激しくいきまくった、そのなごり。 くにゅくにゅと、よく蠢く肉鞘にしごきたてられて、紘志も、たっぷりいい気持ちになったのだ。 じっとりと、汗をかいている。 ......隣室の学生の野郎、女を連れ込んでるな 「いたいっ! いたいよっ!」 ......なに、やってんだ? さをりが、紘志を見る。 「お隣さん、エッチ始めやがった」 「うふ」 「やけに痛がってるな。SMでも、やってるのか?」 「あは」 「喉が、渇いたな。ビール、取ってくる」 起き上がろうとする紘志の陰茎には、コンドームが張り付いたままだ。 はがす指先を、さをりが見詰めている。 パールを5つ埋め込んだ、いぼマラ。 隣室の悲鳴が高まって、泣き声に変った。 「激しいな、お隣」 「縛ったりしてるのかなあ」 「さあ、どうだろう」 冷えたビール缶を、さをりの乳房に押し当てる。 「きゃっ」 それから、さをりの股間に押し当てる。 「ああん」 「霜焼けになるかな」 「もぉ」 冷えたビールを、紘志は口移しでさをりに飲ませる。 さをりが、紘志に口移しで。 「うまい」 さをりが、紘志の乳首を吸う。 冷たい唇が心地いい。直ぐに温まってしまうのだが。 「いいキモチだ」 一樹は、イク直前で、抜いた。 肉棒は、血まみれだ。 夕夏の肉穴から鮮血が流れる。 涙にほほを濡らした夕夏が、見上げている。 一樹は、コンドームを装着する。 圧し掛かる。 「いやぁ」 「今度は、キモチ、いいから」 「あああっ!」 夕夏は、一樹にしがみつく。 激痛が走る。 「夕夏、おなか空いてないの?」 「...うん」 「おなかの具合でも、悪いの?」 「そんなことないよ」 母親が心配してくれるのはわかるけど、なんか鬱陶しい。 今日一日、言えないことをしたせいかな。 そのせいで、からだが、ヘンなんだ。 5時過ぎまで、一樹くんのアパートで、イケナイことをした。 初体験しちゃったのだ。 で、アソコに、まだ、なにかはさまってる感じ。 なんにも挟まってなんか、ないのに。 食欲、ない。 アレが、何回も入って来て、おなかを突き上げた。 あんなにでっかいものが入ってきたせいで、おなかが口のほうに押し上げられた感じ。 そんなこと、ないと思うけど、そんな気持ちなんだ。 一樹くんが作ってくれた、お昼のカップ麺も、食べ切れなくて、残してしまった。 午後の時間も、一樹は夕夏に何度も入ってきたのだ。 《感じる》と思ってたのに、ぜんぜん違ってた。 同級生の可奈が、「痛かった」って話してた。 可奈の言うとおりだった。 すっごく痛くて。 慣れたのか、あんまり痛くなくなったけど、それでも、《イク》なんて、なかった。 《イク》って、経験してみたかった。 だって、朝、隣の部屋から聞こえてきたおばさんの声。 すっごく、キモチよさそうだった。 あんなにすごい声を出して。 思い出して、どきどきしてしまう。 夕夏も、あんなに《感じる》ようになるんだよ、と一樹くん、言ってくれたけど。 沙貴が、すっごく気持ちいい、って言ってた。 「夕夏、どうしたの?」 「晩ご飯、食べれないよ」 「いいよ、じゃあ、おなかが空いたら、食べな」 妹が、お姉ちゃん、おやつ食べたんだよ、と母に言うのを後ろに聞きながら、自分の部屋に入る。 夕夏が《食べた》のは、おやつではなくて、一樹のおちんちんだった。 フェラチオを教わった。 いきなり、あんなことまで、させられて。 なんか、あごも、へん。 夕夏は、一日で、いっぱい経験したのだった。 明日も、一樹と会う。 お隣のおばさんみたいに、《イク》のかなあ。 恵庭一樹は、今日の女の《味》をノートに書き込む。 朝から夕方まで、味わった女体の感想を。 このアパートに越してきて、13人目の女。 初体験から、47番目の女。 初体験のときに、感じたことを書き付けて、それから、ノートをつけ始めた。 女たちの写真も、アルバムに、きれいに整理してある。 ノートとアルバムは、段ボール箱に入れて、ベッドの下に押し込んである。 夕夏の体つきを克明に記す。 乳房のふくらみ、弾力。 毛の生えぐあい。 性器の締まりぐあい。濡れぐあい。 処女の肉が、あんなに固いとは、思わなかった。 痛がり、血を流す夕夏に、犯している気分にすらなった。 腹が鳴ったので、カップ麺を食うことにしたのだが、服を着させなかった。 さすがに、パンティだけは、はかせた。 血が、にじみ続けたのだ。シーツが、汚れていた。 引き裂いた膜は、血に染まっていた。 写真を撮り損ねたのを悔やんだ。 映美は、一日待ち焦がれていた。 修斗が、休日家庭奉仕をするのは仕方がないと言い聞かせても、妻子と楽しそうにしている場面が頭に 浮かんでしまい、どうしようもなくなるのだった。 連休は、特につらい。 凄まじい孤独感に、泣き叫びたいほどであった。 声が聞きたい。 優しい言葉をかけてほしい。 こっちから電話したいけど。 たまに電話をくれる。 奥さんがそばにいないときに。 嬉しくてたまらない気持ちと、つのる嫉妬。 気が狂いそう。 抱きしめてよ! 「別れたほうが、いいよ」 母に何度も言われた。 そんなこと、いや! 携帯が、鳴る。 「迎えにいくから」 その一言で、不安が消し飛んでしまう。 今夜は、あれを着ていこう。 飯田鉄夫は、赤座映美の家の向かいのマンションの非常階段に隠れている。 休日、何もすることがなく、ぶらぶら過ごして、いつの間にか映美の家の前にいた。 窓が開いていた。 映美は、化粧の最中だった。 下着姿で。 すけすけの白い下着。 ぷりぷりの乳房。 乳首の影。 お出かけみたいだ。 アイツが、迎えに来るというのか。 ルージュを引くときのしぐさに、鉄夫は勃起する。 携帯の呼び出し音が聞こえる。 映美は、相手と二言、三言、言葉を交わす。 はっきり聞き取れない。 直ぐに切った。 映美が立ち上がる。 Tバックをはいているのだった。 尻が、丸出しのいやらしい下着。 映美は、クロゼットから、銀色の服を取り出した。 チャイナ服だ。 からだにぴったりの服をつけるとき、すけすけTバックの下に、黒々としたヘアがくっきり見えた。 胸の膨らみ、腰のくびれ、尻の張りぐあいが、もろだしのチャイナ服。 鏡の前で、自分の姿を確かめている。 両脇の割れ目から、太ももが、むき出しだ。 鉄夫のチンポは、精液を吹き上げていた。 路地に、車が進入してくる。 あいつだ。 明かりを消して、映美が視界から消える。 玄関の明かりがともり、映美が鍵をかけて出て行き、アイツの車に乗り込んだ。 アイツは、車幅ぎりぎりの路地をやすやすとバックで出て行く。 母親も、いないのか、映美の家は真っ暗だ。 鉄夫は、映美が洗濯物を取り込み忘れたことを見逃さなかった。 路地に下り、人目がないのを確かめると、隣家のブロック塀によじ登り、それから、映美の生乾きの下 着をポケットに押し込む。 待ちきれなかった。 街頭の薄明かりの下で、ポケットから映美の下着を引き出す。 黒いブラとパンティ。 今日一日、着けていたのか。 ブラジャーを顔に押し当てる。 ああ...いい匂い 映美の匂い 映美のおっぱいの匂い ぷるぷるしたおっぱい カップに口づけをする。 それから、パンティを口に当てる。 片手に収まる小さなパンティを、口元に当てて、大きく息を吸い込んだ。 映美の、おマンコの匂い。 くらくらする。 生乾きの洗濯物の匂いなのだが、鉄夫には、映美の匂いだ。 何度も、何度も、深呼吸をした。 あの部分、映美のアソコに直接触れる部分を舐める。 かすかに、味がする。 映美の、おマンコの味 ジーンズに押し込められたチンポが、締め付けられて悲鳴を上げている。 先走りが滲み出して、ジーンズにしみを作っている。 自転車が近づくのに気がつかなかった。 夢中になっていた。 映美のパンティに、顔をうずめて。 はっとして、自転車のほうを向く。 若い女は、ぎょっとして、スピードを上げて、走り去る。 桑名夕夏は、自転車で可奈の家に行くところだった。 すごく、痛かったよ、って、可奈に話したら、もっと聞かせてよ、というのだった。 夕夏も、可奈に尋ねたいことがあった。 薄暗い道を走っていると、向こうの電柱の脇に、うつむき加減に男が立っている。 (酔っ払いかな?) 道路の反対側を通り抜けようと、ハンドルを切る。 男は、片方の手で口元を覆って、深呼吸をしている。 もう片方の手がだらりと下がって、それが何を掴んでいるかわかったとき、夕夏はぎょっとして、ペダ ルを踏む足に力を入れた。 男は、濃い色のブラジャーをぶら下げていたのだ。 可奈の家には、沙貴も来ていた。 まず、このヘンタイ男で、ひとしきり盛り上がる。 それから、夕夏はふたりに促されて、詳しく話して聞かせた。 「明日は、痛くないかもね」 「きっと、そうだね」 「だと、いいけど」 「だいじょうぶだって」 「うまく、いくって」 「カレシ、優しそうじゃん」 夕夏は、ヒニンのことが気になっていた。 一樹くん、ちゃんとやってくれたか、思い出せない。 ただ、痛いのと、初めてのことで、それどころではなくなった。 「それって、やばいじゃん」 沙貴が、大きな声を出した。 夕夏は、不安になる。 「ばか! 沙貴ったら、もぉ! 夕夏、マジ心配するじゃん」 「あ、ごめん」 「明日は、ちゃんと、ゴム使ってもらうんだよ」 「うん」 帰り道、またあのヘンタイがいると怖いから、けっきょく夕夏は可奈のうちに泊めてもらう。 沙貴も一緒に。 明け方近くまで、3人は自分の体験を話して聞かせた。進む