その3「聞いてないよぉ!?」


「ふほほほほっ。まろに戦いを挑むとは、いとおかしき女子よ。よきかなよきかな、心ゆくまで嬲ってくれようぞ。  ふほほほほほっ」  ヒトデ男は滑るような足捌きで間合いを詰めてゆく。 「あんっ。せっかちねぇ・・・責めるのは、私よ」  麗裸と名乗った仮面ファイターは、そう言うと同時に右手を閃かせる。  豊かなバストに伸びてきたヒトデ男の腕に、カシャンと音を立てて、緊縛プレイ用のパッド付きの手錠がかけられた。 「お!?」  意外な展開に、ヒトデ男が戸惑っているうちにすばやく背後に回った麗裸は、立て続けにヒトデ男の手足に手錠を  掛けていく。  手錠は丈夫そうなロープに繋がっており、麗裸は手早くロープを引いて、ヒトデ男の自由を奪っていた。 「これ、戯れが過ぎるでおじゃる。まろは責めるのが好きなのじゃ!ぐへっ!」  抗議するヒトデ男を荒っぽく蹴り倒し、その背にまたがった麗裸は。 「口答えするなんていけない子ねぇ・・・たっぷりお仕置きしなきゃね♪」  そう言うと、黒いボンテージウエアの股間に付けられたジッパーを開けていた。 「んっ!」  かすかに悩ましげな声を上げると、その股間からズルリと鞭の柄が出てくる。  麗裸は、体液にぬめ光るそれを掴んで一気に引き抜いていた。 「はあぁぁぁんっ!・・・お仕置きウエポンその1、ナインテールキャット・・・」  胎内から鞭が引き抜かれる快感に白い喉をのけぞらせた後で、麗裸は更に艶かしさを増した声で告げていた。  麗裸の手に握られているのは、長さ1メートルほどの皮ひもを9本束ねたタイプの、スパンキング専用の鞭である。  派手な音がするわりには威力が低く、高範囲に打撃を与えるために、肌に傷がつきにくい。  麗裸は無造作に鞭を振り下ろした。  スパーン!と快音を立てて、ヒトデ男の尻に鞭が打ち降ろされる。 「ほおおおおおっ!・・・なんじゃ!?なんじゃ、この心地良さは!?」 「ふふっ。いいでしょ?この鞭は、衝撃を全て快感信号に変えて神経に伝えるのよ。淫魔のあなたならこの素晴らしさ  が判るわよね?さあ、どんどん行くわよぉ!」 「ひょおおおおおおっ!・・・うひぃぃぃぃぃ!・・・はおおおおおっ!」  快音とともに鞭が尻を打つたびに、ヒトデ男は情けない声を上げて身悶える。 「げ・・・SMショーだぁ・・・」  ちょっと引いた表情と声で、羞姫は目の前で行われている奇怪な緊縛スパンキングプレイを眺めていた。 「ほらぁ!ほらほら、もっと鳴きなさい!あなたの背中、イボイボが一杯あって、股間にグリグリ食い込んでくるわぁ、  何ていやらしい身体なの・・・」  最後の追い込みをかける競馬の騎手のように、激しく鞭を振るいながら、麗裸はヒトデ男の背に股間をグリグリと  押し付けていた。  豊かな胸の先端にある乳首はピンと尖り、肌は艶かしい汗に濡れ光っている。  ヒトデ男を鞭打ちながら、自らも激しく欲情しているらしい。  真性Sの女王様だった。 「ほらほらほらぁ!嬲られるのも気持ちいいでしょ?さあ、そろそろイかせて上げるわ。私のファイナルエクスタシー  でね・・・」  拘束されたヒトデ男の身体を荒っぽく蹴り転がして仰向けにすると、麗裸はその顔をまたいで仁王立ちになった。 「行くわよっ!ゴールデンスプラッシュ!!」  股間に手を添えてそう叫んだ麗裸の身体が一瞬硬直し、ブルッと震えた次の瞬間、金色に光り輝く液体が、その股間  から盛大に迸っていた。 「ふほおおおおおおおおおおおっ!!」  顔面に迸りの直撃を受け、歓喜とも断末魔ともつかない声を上げたヒトデ男の身体が、光に包まれて消えてゆく。 「うわぁ・・・あれが噂に聞く、女王様の聖水プレイかぁ・・・」  すっかり圧倒された羞姫は、その光景を見つめているだけだった。 「・・・さて・・・今度はあなたの番ね」  しばらく放出の余韻に浸っていた麗裸が、羞姫の方を向いて言う。 「え?」  何がなにやら判らないうちに、麗裸が向かって来た。 「亀甲魔から聞いてないの?仮面ファイター同士も、戦わなきゃいけないのよ・・・もちろんセックスバトルでね」 「えええっ!聞いてないよぉ!」  意外な展開に狼狽して叫ぶ羞姫は、一瞬で麗裸に組み敷かれていた。 「あら、聞いてないの?それは運が無かったわね・・・」  羞姫の抵抗を軽くあしらい、両手を例の手錠で拘束しながら麗裸は言う。 「心配しなくても、死にはしないわ。強烈な絶頂で、失神するだけよ・・・ふふっ、ひとおもいには失神させずに  じわじわ嬲ってあげる。あなた、凄くそそる身体してるわよ」  麗裸は赤い縄で緊縛された羞姫の裸身を撫でまわし始めた。 「ひんっ!やぁぁ・・・止めてよぉ!」  黒いボンテージファッションに身を包んだ同性に、赤い縄で亀甲縛りされた裸身を撫で回されるという、凄まじく  倒錯的な、妖しい快感に敏感に反応してしまいながら、羞姫は哀願していた。 「ふふっ。ダメよ・・・たっぷり泣かせてあげる」  いやらしく蠢きながら羞姫の胸を這い上がった麗裸の指が、乳首を摘んで揉み転がし始めた。 「ひゃぁ!・・・やっ!・・・あっ!・・・あんっ!・・・くぁぁぁ!」  敏感な乳首に走った、甘い電撃のような快感に、羞姫はビクビクと反応する。  巧みな指使いでクリクリと揉み転がされた乳首は、たちまち硬く尖り、ジンジンする快感を送り込んできた。  麗裸の指は更なる勃起を促すかのように、摘んで転がし、根元から先端に向けて扱き上げ、先端を爪の先でコリコリ  と引っ掻いて刺激し続ける。 「ひんっ!・・・あんっ!・・・そんなっ!・・・乳首っ!・・・ふわぁぁぁんっ!」  羞姫は甘い声を上げて亀甲縛りにされた裸身を波打たせるだけだった。 「ほら、嫌がりながらもしっかりいやらしい乳首勃起してるじゃないの。ホントにいやらしいわ・・・お仕置きしたく  なっちゃう」  羞姫の乳首を散々弄りまわしてよがり泣かせた麗裸は黒い洗濯バサミのようなものを二個取り出した。 「今度はこれで挟んであげる♪」 「いやぁぁ!そんなの付けないでぇ!・・・ひいいいいぃ!」  抗議の声も空しく、左右の乳首に洗濯バサミが食い付いた。  固く尖ったピンクの乳首を押し潰すかのように挟み込んだ洗濯バサミには、小さな鈴がついていた。  それが羞姫の身体のわななきでチリチリと小刻みに鳴る。  強烈な圧迫感とともに、キューンと鋭い快感が羞姫の胸を貫く。  痛みと呼ぶには、あまりにも快美で強烈な刺激だった。  チリチリと鳴る鈴の振動が、血の気を失うほど圧迫されて疼いている乳首に伝わり、それが微細な感覚神経を  震えさせて更なる快感を生む。  羞姫は絶頂へのレールに無理やり乗せられ、疾走を開始していた。 (気持ちいい・・・気持ちいいよぉ・・・またイかされちゃう・・・SM女王みたいな仮面ファイターのお姉さんに、  乳首だけでイかされちゃうよぉ・・・)  麗裸は、羞姫のFカップの胸の頂点で、乳首を挟んだ洗濯バサミがチリチリと震え、それによって甘い声をあげて  上り詰めていく様子を観察していた。 「可愛い声で泣くのね・・・ふふっ、ここも濡れ濡れね、縄越しにも滲み出してるわ」  時折、ビクン、ビクンと激しくわななく羞姫のお腹に馬乗りになった麗裸は、後ろ手で、羞姫の秘裂に食い込んだ  縄の縁をなぞっていた。  ふっくらとふくらんだ恥丘を揉みこねるようにしながら、時折手のひら全体で恥骨を圧迫するような動きを見せる。  胎内にわだかまっている疼きを押し出そうとしているかのようにグリグリと押し揉んでやると、羞姫の泣き声が  引きつったものに変わり始めた。 「もう限界みたいね、じゃあ、一回イかせて上げるわ。失神しない程度にね・・・」  麗裸は羞姫の乳首を挟んだ洗濯バサミを摘んで捻り上げていた。  血の気を失うほど強烈に挟まれている乳首がグリッ!とらせん状に捻り上げられ、それが爆発的な快感に変換されて  羞姫の身体を貫いていた。 「ひっ!・・・ひいいいいいいんっ!」  馬乗りになった麗裸の身体を跳ね飛ばしそうな勢いで、羞姫の身体がのけぞり、硬直した。  股間に食い込んだ赤い縄の表面に、絶頂の証の愛液が滲み出してぬめ光る。  数秒間、ブリッジでもするかのようにのけぞっていた羞姫の身体は、やがてぐったりと弛緩して崩れ落ちる。 「ふふっ、いい声・・・それにいいバネしてるわ。これならかなりハードに責めても良さそうね」  麗裸は仮面の下で、美しい唇に妖艶な笑みを浮かべていた。 (・・・ああ・・・イっちゃった・・・イかされちゃった・・・)  ようやく重力の感覚が戻って来た羞姫は、ぐったりと弛緩して横たわっていた。  その乳首を挟んでいる洗濯バサミからは、いまだにジンジンと甘い疼きが送り込まれている。 『しっかりしろ羞姫!君も反撃するんだ!』  カメの声が耳元で響く。 「ふぁ・・・できないよぉ・・・」 『このまま連続でイかされて、失神絶頂してしまったら、エクスタシースフィアを奪われてしまうぞ!』 「ほえ?」 『エクスタシースフィアは全部で3個。それを全て奪われたら・・・仮面の力を制御できずに、犯し殺されてしまうぞ!』 「うええええええっ!!そんなの聞いてないよぉ!」  羞姫は思わず叫ぶ。 「何?いきなり叫んだりして。ふふっ。それだけ体力があれば、色んな責めができそうね次は鞭で泣かせてあげる♪」  麗裸は先ほどヒトデ男を責めた鞭を取り出していた。 「さあ、鳴きなさい!」  鞭が羞姫の脇腹を打つ。 「ふわぁぁぁぁ!」  羞姫は釣り上げられた魚のように、亀甲縛りにされた裸身を跳ね回らせる。  鞭がもたらしたのは、痛みではなかった。  電気ショックのような、圧倒的な快感の爆発だった。 「ひいいいんっ!・・・ふやぁぁぁ!・・・ひゃうぅぅぅ!」  鞭が脇腹を、お尻を、内腿を打つたびに、羞姫は甘い悲鳴を上げてのた打ち回る。 「ほらほらほらぁ!堪らないでしょ?もっともっと鳴きなさい。こんなにいやらしい身体してるあなたが悪いのよ。  手加減しないで、徹底的に嬲ってあげるわ」  のた打ち回る羞姫の身体に鞭を振り下ろしながら、麗裸は自らの股間を弄りまわしていた。  麗裸の鞭は性器と胸を巧みに避けて打ち下ろされ、羞姫の身体を今まで感じた事の無い、責められる快感で  わななかせる。 「ふふふっ!いい声よ。今度はここよっ!」  鞭が狙ったのは、おっぱいではなかった。  その先端で乳首を挟んでいる洗濯バサミだった。  鞭が洗濯バサミを打つ度に、乳首が激しく引っ張られながらなぎ倒される。  本当なら絶叫モノの激痛の筈なのだが、今の羞姫にとっては、限界を超えた快感の爆発だった。 「ふわあああああああっ!!」  二度目の絶頂が羞姫を襲う。  大量の愛液を吸い込んだ赤い縄が、いきなりパカッ!と、左右に開いていた。  麗裸の目の前に、ピンクの秘裂がさらけ出される。 「ふふふっ!とうとう開いたわね。でも、ファイナルエクスタシーは発動させないわ!これで、失神絶頂よっ!!」  鞭が開ききったピンクの谷間に叩き込まれた。  ビシャッ!と、湿った音を立て、革紐を束ねた鞭が敏感な粘膜を直撃する。  腰が爆発したかと思われるほどの、壮絶な快感が羞姫を貫いていた。 「ひゃわああああああっ!!」  失禁のように愛液をしぶかせながら、羞姫は最大級の絶頂の大波にさらわれ、失神していた。  その膣口から、ビー玉ぐらいの大きさの、赤い宝石がコロリと転げ落ちてきた。 「・・・まずは一個・・・今夜はこれで勘弁してあげるわ」  赤い宝石・・・エクスタシースフィアを拾い上げた麗裸は、そう言うと闇の中へと歩み去ってゆく。  羞姫は失神したまま、ぴくりとも動かなかった。  続く


その4へ