その14「合体攻撃! 二人の仮面ファイター」
「ブホッ! ムホッ! ブフルルルルルッ!」
牛型淫魔は鼻を鳴らし、涎をたらたらと垂らしながら、鋼鉄院長を相手に腰を振るのに余念がない。
「……ねぇ、麗子さん。これってかなりおぞましい眺めだよね」
ちょっと表情を引きつらせながら羞姫は隣に立つ仮面ファイター麗裸……SMクイーンの麗子に話し掛けた。
確かに、身長三メートルを越える機械人形を相手にヘコヘコと腰を振る牛型淫魔の姿はかなりおぞましかった。
「ええ。おぞましいわね、だから……さっさと片付けるわよっ!」
麗裸はその手の中に愛用武器の「九尾のネコ」を招喚し、滑るような足取りで間合いを詰めるや否や、牛型
淫魔の尻に手にした鞭を思いっきり振り下ろしていた。
「ズパーン!」とかなり派手な音が響いたが、牛型淫魔は夢中になって腰を使っている。
「このおおおおっ! 泣けっ! わめけっ! 這いつくばって靴をお舐めっ! ……あ、いや、靴は舐めなくて
いいわっ! ドロドロになるから。とにかくっ! さあ、なきわめけえええええええええええええっ!
おーっほっほっほっほっほっ!」
鞭を振るったことで「女王様モード」のスイッチが入った麗裸は、狂ったように牛型淫魔の尻を打ち据える。
見事なプロポーションを黒いボンテージルックと仮面に身を包んだ彼女は、昂ぶりのままに鞭を振りまくる
姿は、そういう趣味の人間にとってはたまらない見物であった。
「ブモゥ……ブモンッ!!」
ようやく気付いたらしい牛型淫魔がうるさげに尻尾を振った。
「きゃわああああっ! 何であたしがぁあぁぁぁぁぁぁっ!」
素早く後退して尻尾の攻撃を避けた麗裸の隣にいた羞姫は、それを避けられずに思いっきりふっ飛ばされる。
「もう! ドジな子ネコちゃんねぇ……こらぁ! 牛っ! 家畜は逆らわずに這いつくばるのよっ! こうなったら、
ブラストエクスタシー! ワックスショット!」
麗裸が叫ぶと同時に手に握られていた鞭がもつれ合うようにして変形し、巨大な黒いロウソクに変形していた。
その先端にポッ! と炎が灯る。
「行くわよぉ! くらえっ、熱き欲望の滴りっ!」
ロウソク先端から次々と融けたロウの雫がしたたり、それが強風に煽られたかのように
起動を変えて牛型淫魔の尻に降り注いだ。
巨大な尻に点々と融けたロウが黒くへばりつく。
「ヴオッ! モオオオオオオオオッ!」
さすがにこれは効いたのか、牛型淫魔はようやく「鋼鉄院長」から離れていた。
「まだまだよっ! 私色におまえを染め上げてやるわっ! おーっほっほっほっ!」
角を振り立てて突進してくる牛型淫魔を軽やかなフットワークでかわしつつ、黒いロウを連射してその視界を
塞ごうとしている。
ついに右目をロウで塞がれた淫魔の突進が止まる。
「ほおら、這いつくばるのよっ! ピンヒールスタンプっ!」
やや踵落とし気味に、黒いピンヒールブーツを履いた足が淫魔の頭部に炸裂する。
「ブギュッ!」
その一撃で巨大な牛型淫魔が這いつくばっていた。
「おほほほほほっ! そうよ、そのまま素直に昇天しちゃいなさいな!」
這いつくばった牛型淫魔の頭部をピンヒールのロングブーツでグリグリと踏みにじりながら麗裸は豊かな胸を
そらせて高笑い。
「麗子さんすごおおおおぃっ! あたしは見てるだけでいいかも……」
少し離れたところでその様子を見ていた羞姫はポツリとつぶやいていた。
すると耳ざとくその声を聞きつけた麗裸が人差し指をクイクイうごかして羞姫を呼ぶ。
「うぅ……ギャラリーに徹していたかったのに……」
さすがに無視するわけにもいかず、渋々麗裸の傍らに歩み寄る羞姫。
「今は軽く失神してるみたいだけど、こいつ、異様にタフなのよね。そこで相談なんだけど、合体技でしとめない?」
「はぁ? 合体技ですか?」
いきなりの提案に、羞姫はちょっと戸惑ってしまう。
「そう言われても、あたし、たいした技は使えないし……」
そう言いつつ、もう一人の仮面ファイターである菊刺の姿を探した羞姫は、まだ倒れたままの「鋼鉄院長」を
消毒薬の噴霧器みたいなもので洗い清めている彼女の姿を発見していた。
「ああああっ! わたしの鋼鉄院長がぁ! 色んないやらしいお汁でドロドロになってるぅ! 消毒洗浄!
消毒洗浄!」
かなりの潔癖症らしい菊刺は、半ば半狂乱で洗浄行為にいそしんでいる。
「……あの人はしばらく放って置くしかないか…・・・はぁ……」
ため息をついた羞姫に、麗裸の言葉がかけられた。
「だってあなた、操妃のスフィアを挿入したんでしょ?」
「うん……」
そのときのことを思い出してかなり恥ずかしくなりながらも羞姫は頷く。
仮面ファイターの胎内には、三つのエクスタシースフィアと呼ばれる宝玉が収められており、失神絶頂を与え
られると、一個ずつ排出されてくるのである。
自分が倒した相手の胎内から奪ったエクスタシースフィアを膣内に挿入し、定着させることで仮面ファイター
は更なるパワーアップを遂げるらしいのだが、羞姫の場合はその実感がまったくなかった。
「変ねぇ。私の場合は、さっき使ったワックスショットと、ピンヒールスタンプが使えるようになったのに……
あなた、技を使うのが恥ずかしくて隠してるなんてことはないわよね?」
「うっ! そっ、そんなことないですよぉ……多分」
実際のところ、羞姫の武器らしい武器は、性感が高まると秘裂の奥から突き出してくる「亀頭剣」という恥ずか
しい刀ぐらいしかないのである。
「そういえば、あなた、アソコから刀を出せたわよね? さあ、早く出しなさい!」
しっかり覚えていた麗裸に半ば命令口調でうながされてしまう。
「うぇぇぇぇっ! いやですよぉ! 恥ずかしいから……」
「えーいっ! 問答無用! 私が手伝って あ・げ・る♪」
甘く妖しい声を出した麗裸は、牛型淫魔を踏みにじるの中断して足早に羞姫のもとに歩み寄り、逃げようと
した彼女の背後に回りこむと、いきなりバストをわし掴みにしてきた。
「ひゃわぁぁぁんっ!」
悲鳴混じりの甘い声を上げて身をくねらせる羞姫の胸を、麗裸は同性ならではのツボを心得た指使いで揉み
こね始めた。
「あいかわらず張りのあるいいおっぱいしてるわね。きめも細かくて、指に吸い付いてくるわ。それに乳首も
こんなに立てちゃって……敏感なのよね」
「んにゃぁぁぁっ! 摘まれっ! 摘まれたらぁぁっ! はわぁぁぁぁんっ!」
Fカップの美乳の頂点で固く勃起していたピンクの乳首を摘んでクリクリと弄り回され、羞姫は前かがみに
なって身を震わせた。
「ほおら、もう身体が震え始めた。敏感乳首、た〜っぷり虐めてあげるわ。うふふっ♪」
牛型淫魔のことなどすっかり忘れ去り、麗裸は赤い縄でくびりだされて突出した羞姫のバストを扱き上げる
ようにして揉みこねながら、乳首を執拗に弄り回す。
中指と親指で摘んで揉み転がしながら、人差し指の爪で先端部をコリコリと掻いてやると、羞姫は引きつった
声を上げて身をのけぞらせた。
元からちょっとMっ気があった所に、羞姫に変身する事で全身を締め上げる赤い縄の感触が火を着け、さらに
麗裸の巧みな乳首責めを受けて、被虐嗜好が一気に開花していた。
「ほおら、ちょっと痛いぐらいがあなたは気持ちいいのよねぇ。いやらしい乳首、もっと虐めてあげるからイっ
ちゃいなさい」
指先がギチギチと乳首を圧迫し、血流を阻害されたパールピンクの乳首が真珠色に変わる。さらに先端を人差し
指の爪が掘り返すように掻き、鋭い痛みと、それが変化した疼くような快感を羞姫に送り込んだ。
「いっ! ひっ! やあぁぁぁぁぁっ!」
麗裸に後ろから抱き抱えられたままの恰好で、羞姫は亀甲縛りにされた裸身をわななかせて絶頂を迎えていた。
その股間に食い込んだ赤い縄が、左右にぱっくりと開き、それによって押し開かれた秘裂の奥から、淫蜜に濡れ
光る亀頭剣の柄がズルリ、と姿をあらわした。
「よおしっ! 借りるわよ!」
迷うことなく麗裸はその柄を掴み、一気に引き抜いた。
「あひいいいいいいいっ!」
新たな刺激に羞姫は二度目の絶頂を迎え、へたり込んでしまう。
「わお! こんなに長いのが入っていたの!?」
羞姫の秘裂から引き抜いた亀頭剣を見た麗裸が驚きの声を上げた。
それは刃渡り一メートルを超える豪壮なつくりの大太刀だった。恐らく羞姫の胎内から引き出されると同時
に実体化したのだろうが、その表面はねっとりとした淫蜜に濡れ光り、妖艶とすらいえる美しい輝きを放っ
ている。
「これなら、あの牛の首も落とせそうね……」
麗裸がそうつぶやくのと同時に、牛型淫魔が息を吹き返していた。
「ぶもおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
物凄い怒りの雄たけびを上げながら、麗裸に突進してくる。
「くらえっ! 即興奥義!亀頭牛断剣っ!!」
麗裸は牛型淫魔の突進を紙一重でかわし、バットのフルスイングの要領で剣を振り抜いた。
「ぶぎゅわああああああああっ!」
カウンターで剣を受けた牛型淫魔は、上下に切り分けられながら走り抜け、爆発的な光を放って消滅する。
「ふっ。つまらぬものを斬ってしまったわ……」
クールな口調でつぶやいた麗裸の傍らで、羞姫はまだ絶頂の余韻にわななきながら、
「合体技……じゃないよぉ……」
泣きそうな声でぼやいていた。
続く
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