弟いじり〜イズミ君の受難〜 3
「ここがイズミの家か」
「そして同時にシズルさんの家でもある」
誰もいない職員室から居ない誰かに断って調べてきた生徒名簿から天津イズミの自宅の住所を調べてきた親友二人は、その玄関を前にして体をガクガクと震わせていた。
武者震いである。
まるでイズミを誘拐するように大型バイクで走り去ったシズルの姿はまだ二人のまぶたに鮮明に焼きついている。一度は何も見なかったことにして部活で疲れた体をさっさと家に帰らせるべきだと理性は命じたはずなのだが、
「ここに…イズミとあのお姉様が一緒に住んでるわけか」
「ああ、そして今は二人っきり……美人姉弟が二人っきり……」
「姉弟と書いて、あえてここは「シマイ」と読む! その心は!」
「俺たちのハートが震え上がるからさ心の友よ!」
互いの意思を確認してガシッと腕を組む学生二人。正直、こんなのが家の前にいたら警察に通報するのが一般的な反応である。
「……そうとも。あのシズルさんがどのようなお方であろうと、俺たちはそこで止まるわけには行かないんだ」
「俺たちの恋は何度壊れようとも、不死鳥のように蘇る! 例え弓矢で狙撃されても!」
「それではいざ!」
―――ともかく、イズミの姉のシズルがどのような人物か確認しにきたわけではある。
女性の(イズミは男なんだけど)家を訪問するなんて、男子校と言う男だらけの場所で部活に明け暮れ男女交際に関して純粋培養されたピュアな二人には超特大の一大イベントである。しかも先輩から渡された無修正のエッチな本よりエッチで綺麗なお姉さんと妹さん――間違い、弟さんのお住まいである。
なお、イズミがエッチできれいと言うところは間違いではないと、シズルの登場で混乱したままの二人の本能はそう理解してしまっていた。
「ぴんぽ〜ん」
何故か口でチャイムの音を真似ながら呼び鈴を鳴らすと、………誰も出てこなかった。
「あれ、おっかしィな。まだ帰ってきてないのか?」
「ンなわけねェだろ。あんだけのバイクでまっすぐ家に帰ったはずなんだし………もしや!」
想像その1。美人姉弟のラブホテルでの激しいラブバトル!
想像その2。美人姉弟の薄暗闇にまぎれての野外活動!
想像その3。………それよりもっと物凄いの!
「み、見てェ! 何故かよくわからんが俺の魂が二人を捜しに行ってこいと命じているゥ!!」
「俺もだマイソウルブラザー! うあぁあああっ! イズミがあんな事をするのか、シズルさんがそう言うことまでするのかァ!!!」
―――二人の考え方がイヤに吹っ飛んでるのは、部活の疲れとシズル・イズミ姉弟の事を精神が擦り切れるまで考えすぎたせいでテンパッてるからである。念の為。
「だけどちょっぴりされてみたいししてみてェ! 今の俺なら人生を捨てる!!!」
「どっちか選ばなきゃいけないのか!? 取捨選択か!? ここまで来たなら四人一緒でもいいじゃないかよォ!!!」
「泣くな兄弟。俺たちはノーマルだ。ニュータイプにはなれないんだぁぁぁ!」
「しかしそこには新世界への扉が待っている。俺たちは進むべきだ、いや、進まずにはおれようかぁ!!!」
「どいてくださいません?」
これほどまでに男子校生の頭の中はエロスな世界が広がっているのである。美人とすれ違うときには目で追いかけ、後ろからヒップのラインを視線で舐める。それぐらいしか生身の女性と接する事が出来ないかわいそうな生き物なのだァ!!!(言い過ぎ)……と余所様の家の前で頭を抱え、とても口では説明できないピュアピュアからアブノーマルまで多種多様なスーパー煩悩と既にグロッキーでノックアウト寸前の理性がエンドレスで殴りあわせていた二人は、不意に視界が回るのを感じて一瞬思考が真っ白になった。
「「……あれ?」」
クルッと回転した体は頭を下にして塀の高さよりも高く浮かんでいた……と言うよりと言うより飛んでいた。天津家の玄関前から左右へ吹っ飛びながらも、それでも視線だけは投げ飛ばした本人と、その背後に怯えた様子ですがり付いている女の子(?)の姿をしっかりと捉えていた。
「ごめんなさい。イッちゃんが怯えていたものだから」
二人を投げ飛ばしたのは一目で二人の心を鷲掴みにしたシズルだった。
まさに女神。ビューチフル。美しい黒髪をなびかせ、合気の技で二人まとめて吹っ飛ばすその強さに、恐ろしさと同時にますますハートをズギャ〜ンと射抜かれてしまう。
―――だが、もう一人の女の子は誰だ?……と考え始めた直後、頭の中である人物の顔がその彼女と重ね合わされた。
イズミである。普段は学生服で、女の子の服がよく似合うだろうと全校生徒がわかっていても、頭の中ででしかその姿を見ることが出来なかった、イズミの女の子姿が、
「「イズミちゃゲフホヘハァ!!!」」
「うあ……お、お姉ちゃん、二人が一気に肉ミンチにぃぃぃ!」
二人の滞空時間、ざっと一秒。その間に様々な事を考えながら、天津家を訪れた男子校生二人(未だ名称なし)は道路へ叩きつけられた。
「や…ヤベェ……めっちゃかわいい……」
「あそこまで…破壊力…抜群だとわぁ……」
「な、なに言ってるんだよ二人ともぉ! それになんで家の前に。こないでって言ったじゃないかぁ!!!」
背中から落とされたとは言え、硬いアスファルトの上でバウンドするほどの勢いで落ちた友達二人を、イズミが心配しないわけがない。けれど左右のどっちから助けに行こうか迷う姿も……これまたグッドと、倒れ伏した二人は思っていたりする。
首元から下にきたシャツが覗ける大き目のトレーナーはイズミの手首を隠すほどに袖が長い。小柄なイズミがますます小さく細く見える服だが、それにミニスカートとニーソックスを組み合わせられては、ちょっぴり幼女な雰囲気の危ない魅力に満ち溢れてしまう。さらにはトドメとばかりに度の入っていない伊達メガネをかけた顔を恥ずかしそうに赤らめられては、「その気」が無い人でも抱きしめて守ってあげたくなってしまう。無論、「その気」がある人なら……言わずもがな。
イズミとはれっきとした友達であり、今まで一生懸命「その気」を否定してきた二人ではあるが、落下の衝撃で頭のネジが何本か吹き飛んでいる時にこんな美少女姿を見せられては平静でいられる筈もない。シズル会いたさにここまで来た原動力がクルッと方向転換してイズミへと向けられ、全身がまだ動かないのにズボンの前だけは突っ張ってしまう。しかも頭の中では自分の体の心配よりも、「おれの方に着てもう一度スカートの中の確認を〜!」と考えてしまう壊れっぷりである。―――が、
「ダメよイッちゃん。こんな人に近づいちゃ」
両方を心配するあまり、どっちにも行けずにオロオロとしていたイズミを、シズルがギュッと抱きしめて豊満な胸の膨らみに弟(?)の頭を抱え込む。
「………それとも、その格好を間近で見て欲しいの?」
その一言が決定打だった。
初めて履かされたスカート。
初めてかけた伊達メガネ。
そして、初めてつけさせられたランジェリー……
体は男であると強く意識していなければ、まるで自分が女の子になってしまったかのように錯覚するほど、頭の天辺から爪先まで女の子の服装に統一されている。それを見られているんだと考えてしまうと、スースーしているスカートと、パッドを入れられて淡い膨らみまで作り出されている胸とを手で押さえて隠し、小さな体を強張らせてしまう。
「イッちゃん……恥ずかしがる顔、とっても素敵……」
「ヒあッ!? お、お姉ちゃ…んッ………!」
弟が恥らい戸惑っているのを感じたシズルは、右手をスッとイズミの内股へと滑り込ませ、ニーソックスと下着との間の肌が露出した場所を優しく撫で上げる。その一名で出イズミは太股に強く力を込めると、人一倍快感に敏感なペ○スを脈打たせてスカートを押し上げてしまう。
「ふふふ……イッちゃんのおチ○チン、スゴい事になってるよ。まだお家に入ってないのに、私のおなかをグイグイ突き上げてきてる♪」
どうしても下着の中に収まりきらず、先端をパンツの上端から飛び出させていたことが災いした。がちがちの硬直した体を姉に抱きしめられて、暖かくて柔らかい胸に顔をうずめていると、股間の強張りは下着を押しのけるほど大きく勃起してしまう。その小柄な体には似合わない大きく逞しい肉槍はスカートの前側を裏から押し上げると、身長差もあってほんの少しだけ上にある姉の股間を下から上に向けて力強く押し上げてしまっていた。
「もう我慢できないのね。さ、早くお家に入りましょう。お姉ちゃんになら何をしてもいいんだから」
―――何をしてもいい!!?
確かに聞いた。はっきり聞いた。道の真ん中に倒れたまま、イズミの友人二人はシズルお姉様の超弩級爆弾発言に、自分の耳を疑う事無く目を見開いてズボンを突っ張らせた。
「でも………やっぱいイヤだよ……だって…お姉ちゃんとだなんて……」
「私のこと、そんなに嫌い?」
「好きとか嫌いとかじゃなくて、僕とお姉ちゃんは―――」
姉を説得しようとおぼれそうな乳房から顔を上げたイズミだが、その言葉はその姉のシズルの唇にふさがれて遮られてしまう。
「お……へぇ…ひゃん………」
嫌いなわけがない。この美しい女性を一番間近で見てきたのはイズミだ。心地よい唇の感触に嫌な思いでは全て洗い流され、かわらず体をこわばらせたままだけど口内を嘗め回す姉の舌をおずおずとだけれど受け止めてしまう。
股間の高ぶりは、イズミのわだかまりが少しだけ消えた事に呼応してますますいきり立っていく。弟の唇をチュッチュッと吸い上げるシズルも、イズミの心の変化を全身で感じ取ると、自分を欲している肉棒の先端へ腰を擦り付け、ただ一方的に愛するだけでは得られなかった興奮に身も心も喜びに打ち震わせてしまう。
「んぁ………お…お姉ちゃん……」
「イッちゃんは何も心配しないで。今日は今までよりもいっぱい愛してあげちゃうんだから」
「ぅ……ぅん……ん……んむぅ………!」
時間も遅くなったとは言えまだ薄暗いレベル。回りからシズルとイズミの濃厚なキスシーンは丸見えであり、地面へ倒れたままの二人の他にもご近所の家々からもカーテンの隙間から覗き見る視線が、恥じらいの強いイズミには感じられていた。
「もう…もうダメだよぉ……みんな見てるのに、こんなの…こんな場所じゃ……んムゥ!」
見たいんなら見せたって構わない。大切なのは一分一秒でもイズミと触れ合っていることだけ……そう言わんばかりにイズミの唇を自分の唇で塞いだシズルは、イズミの小柄な体を抱きしめたまま、その弟に履かせたミニスカートの中へと手を滑り込ませる。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
露わになったイズミの純白の下着にし乳二人の眼が釘付けになる。小ぶりだが形の良いヒップを包む下着はもちろんブリーフなどではない。世間一般に勝負下着と呼ばれるような一品で、一部の薄い部分からはイズミの肌の一部が透けて見え、男の興奮を昂ぶらせる扇情的なデザインをしていた。
(見られてる……僕がこんなの履いてるって…友達にも見られてる……もう、ご近所も歩けないし学校にも行けないよぉ……!)
「もう……イッちゃんたら。おチ○チン、こんなに硬くして……そんなにお姉ちゃんとエッチな事がしたいの?」
シズルの手がイズミの腰を撫でさすり、後ろから前へとスカートをめくりあげて行く。ニーソックスから除く太股を指先に這い回られながら、玄関の目の前で女性用の下着を履いた下半身を少しずつ露出させられていく。
「ゆ…許して……そんな事されたら僕、もう……外を歩けなくなる……」
「そしたら私と一日中愛し合えるじゃない。誰にも気兼ねせずに、ず〜っと一緒にいられるのよ」
本気か冗談かわからないけれど、それを聞いてイズミの背筋に冷たいものが流れ落ちる。シズルならイズミを監禁してでも自分の「愛」を満たそうとする事を誰よりも知っているだけに、ウソだと言い切れない。
「さぁ……苦しかったでしょう? 街を一周してる間中、ず〜っと手で押さえてたもんね。今からお姉ちゃんが楽にしてあげるからね」
サイドのスリットに指を掛けられる。イズミの股間を包む小さな下着はほんの少し下ろされただけでブルンとイズミのペ○スを内側から吐き出してしまう。
「やッ……だめぇ………!」
それはまるで怯える乙女のような表情と仕草だった。赤らめた顔の前で両手をギュッと握り締めたイズミは抱きしめられるままに姉のふくよかな胸へ顔をうずめると、根元からビクビクと震えているペ○スが冷たい空気に触れる感触に身を震わせてしまう。ただ、先端だけはスカートを押し上げ、シズルの股間を押し込んでいるおかげで温もりに包まれている。
(こんなに恥ずかしい思いをさせられてるのに……気持ちいいなんて………)
実の姉の胸から立ち上る甘い香りを胸いっぱいに吸い込んだイズミは興奮が抑えられないでいた。ここが屋外で、周りに人の目がある事を自覚しながらも、二枚のスカートを姉の股間に押し込み、左右から張りのある太股に圧迫される快感にイズミの背筋は幾度となく震え上がる。喉から漏れそうになる声を必死に飲み込むけれど、いたずらな姉の手がイズミの股間をあらわにするようにスカートをたくし上げた途端、股間は恥ずかしさでますます硬直し、ドクドクと脈打ちながら燃えるように熱くなっている先端をシズルの股間へと突き上げてしまう。
「ああぁ……素敵よイッちゃん……お姉ちゃんも……お姉ちゃんもずっとこれが欲しかったの……♪」
恥丘の膨らみをイズミの亀頭にも見上げられ、シズルは艶かましい吐息を抱きかかえたイズミの髪の毛へ吐きかける。そしていすみのスカートをまくった手で自分のスカートまでめくり上げると、左脚を前へ出し、より一層体を密着させてしまう。
「家に帰ったらいっぱい、い〜っぱいイッちゃんと楽しもうと思ってたのに……もう目の前なのに…イッちゃんが好きなの。イッちゃんを愛してるの。イッちゃんのこと、ず〜っと見てたからもう一秒だって我慢なんて出来ないんだからぁ!」
腰をすり合わせたためにイズミのペ○スはシズルのスカートに隠されたようになり、回りからは見えなくなる。二人の腰が最接近すると、シズルは弟のスカートの中でもぞもぞと手を動かし、前へ出した左足のかかとを浮かせる。そしてお互いの秘所の間にわずかな空間を作り上げると、トロトロと愛液が湧き出ている自分の股間へ握り締めたイズミのペ○スの先端をあてがい、股間を覆う下着と肌の間へサイドから差し入れてしまう。
「それに見られたって構わないもの……私とイッちゃんが結ばれるところ、たくさんの人に見てもらいましょう」
「やっ…ぁ……、〜〜〜〜〜〜〜!」
興奮で熱を帯び、しっとりと湿り気を帯びたシズルの柔らかい手指がイズミのものを優しく扱く。ペ○スが軽く震えるたび、割れ目へ浅く押し込まれたペ○スの先端が粘膜と擦れ、染み出した愛液でいやらしい音を鳴らしてしまう。
「はぁぁ……イッちゃんの…とっても素敵……こんなに大きいんだもの……」
「う……あ……っ」
シズルが腰に体重を掛けると、張り詰めた亀頭が弾力のある秘所の中へ入り込んでしまう。慌てて腰を引こうとするイズミだが、シズルが足を絡ませ、背中に腕を回しているので思うように体を動かせない。それに無理にシズルから離れようとすると、ペ○スをご近所の人たちが盗み見ている中でさらけ出してしまうかもしれない恐さがイズミの体を押し留めてしまう。
(女の子の格好でおチ○チン丸出しだなんて……やだぁ…おまわりさんに捕まっちゃし、は…恥ずかしすぎるよぉ……)
「ハァ…ンッ、んんゥ……くッ、いッ……イッちゃんのおチ○チン……おチ○チンが…はぁぁ……♪」
一番敏感な場所が膣壁に包み込まれ、締め付けられる。まだ先端しか入っていないのに、姉弟の性器はまるで元々一つにつながっていたかのような密着感で絡み合い、ほんの少しペ○スが奥へ進むだけでイズミとシズル、二人の体にビクッと短く鋭い震えが走り抜ける。
けれどイズミは気が気ではなかった。自宅前とは言え外は外。次第に感じられる覗き見の視線は強くなってるのに、姉のシズルは不自由な体制から浅い位置を往復するペ○スの感触を味わい始めてしまっていた。
「んくゥ……硬いぃ……あ、ん…あぁぁ♪ 素敵ぃ……イッちゃんのが…すり上げて……あ、ん、ハァ、あぁ…♪」
「お、お姉ちゃん……そんなに動かれたら……僕…我慢が……」
「気持ちいいんでしょ? お姉ちゃんの、おマ○コ、気持ちいいんでしょ? い…いいのよ…イッちゃんの好きにして……膣出ししても、グチャグチャに掻き回しても、ぜんぜん構わないんだからぁ……♪」
奥まで入りきらない肉棒にヴァギナとアナルを隔てる薄い肉壁をゴリゴリと抉られながら、潤んだ声をイズミの耳元へ吐き掛ける。耳を撫でる響きと甘い吐息に肩をすくめるほど体を硬くしたイズミは、反射的に腰を押し込み、グチュゥ…と音を響かせてシズルのヴァギナから愛液を押し出してしまう。
「あぅうん…! ふ、深ぃ……ん、んぁ…か、感じちゃうよぉ……」
「ん…ん〜〜〜……!!」
「イッちゃんのおチ○チンが、わ、私の中で、震えてるの……感じてる…イッちゃんのおチ○チンが入ってるって思うだけで、感じるだけで、もう…ダメなのぉ……!」
「お姉…ちゃんゥッッ!!!」
震えているのはシズルのヴァギナの方だった。イズミのペ○スも射精感が根元から込み上げてきているのに、シズルは感極まった声を漏らしながら先端を包み込んだヴァギナに心地よい痙攣を走らせ、動かなくてもその心地よさだけで弟を絶頂へと導いていた。
唇を噛み締めていないとすぐにでも射精してしまいそうな快感になんとか耐えながら、姉の……大好きな姉のヴァギナへ向かおうとしている精液を堪えるイズミ。けして嫌いじゃない……むしろ、イズミ自身も姉の姿を想像するだけで股間を押さえられなくなり、結ばれる事を夢想したことも一度や二度ではない。
けれどシズルの行為は何もかもが過激すぎた。行き過ぎていると言っていい。もしこれが普通にベッドの上での出来事ならイズミも血のつながりを忘れて情欲に溺れてしまったかもしれないけれど、
(こんな結ばれ方……僕…僕……イヤだよぉ………)
「あハぁ……また…おっきくなってる……イッちゃん…そんなに私の事……あぁぁ…♪」
姉への愛と姉と結ばれる背徳感。それに道の真ん中で肌を重ねる恥ずかしさとが混ざり合い、シズルが腰をくねらせるたびにイズミは困惑を深める。けれど締め付けはキツいのに膣内は柔らかく、どこまでもペ○スが入ってしまいそうな感触のシズルのヴァギナにペ○スを飲み込まれてしまった時点で、イズミにはもうどうする事も出来なくなっていた。
「イッちゃん……愛してる。世界中の誰よりもイッちゃんの事を愛してる……イッちゃん…は?」
「………え?」
「イッちゃん…は……私の事………好き?」
シズルの胸から顔を上げて冷えてきた空気を吸い込んだイズミは、
「好き……お姉ちゃん………好きぃ………」
熱に浮かされたような表情のまま姉のシズルへ隠しきれない想いを口にしてしまう。
「でも……ンンッ!」
でもこんな愛され方はヤダ……と言葉をつなごうとする前に、シズルの柔らかい唇がイズミの口へ押し付けられる。
「イッひゃん……んむ…んんぅ……好き、大好き、このまま、離したくないの……!」
本心を口にしてしまった事と、シズルの下と唇に口を犯されることへの興奮で、ついに堪えていたものが肉棒の先端めがけて突き上がり始める。
「やっ……わた…し……クあぁ…あっ、ああッ…い、いいぃ……!」
「も……らめ………んッ、ンハぁァァァ………!!!」
「イく、イくぅ、イッちゃん、私、わたし、アッ、ンムゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
一際強くペ○スの先端がシズルの膣壁を擦りあげる。そこへ叩きつける様にイズミは熱い精液を迸らせ、奥まで届かなかったシズルの膣内を濃厚な白濁液で溢れ返させる。
「はぁぁ……イッちゃん………私の中に…イッちゃんのがい〜っぱい……ウフフ…♪」
抱き合いながらも二人一緒に達した事が嬉しいらしく、シズルは火照った顔に満面の笑みを浮かべてイズミの柔らかい髪の毛へ頬擦りする。二人が繋がった場所からは少しずつ粘液が染み出してきていて、絶頂を向かえた姉弟の性器は溶け合うかのような余韻に包まれていた。
(でも……これじゃダメなんだ………こんなの…ダメ………)
「―――お姉ちゃん……もう…いいでしょ? 家に…入ろうよぉ……」
「ん……もう少しだけ……このままでいさせて………イッちゃんの体…柔らかくて気持ちいいから……」
「お願い……お姉ちゃん、お願い………」
男子校で無敗を誇るイズミの「お願い」だが、実の姉には効果がまちまちだった。けれどこの時は、潤んだ瞳と快感の余韻に震える表情によってその破壊力は大幅増大。加えてシズルもメロメロ状態であったために、もうイズミの言う事なら何でも聞いちゃうようになっていた。―――ただし、もしこれが「エッチな事やめて」だったら絶対に聞いてくれなかったであろうが。
「そうよね……恥ずかしいもんね、お外でするの」
「わかって…くれたの?」
「うん。今度はイッちゃんの同意を得てからお外で楽しもうね。人気のない公園とか川原とかで…ね♪」
(あぅ……わ、わかってもらえない………)
この程度の事でわかってくれる姉でないことは分かっていた……が、少し期待しただけにガックリ度も少し大きかった。
「んっ………イッちゃんのおチ○チンの仮が…擦れて…ああぁ……♪」
「ッ………!」
引き抜くとき、敏感な場所へイズミのペ○スが引っかかり、ビクッと震えた膣壁が強く収縮する。終わったものと安堵していたイズミもこの一瞬の締め付けには声を漏らしてしまい、尿道に残っていた精液の残滓を思わず放ってしまう。
「もう……イッちゃんのおチ○チン、こんなに出したのに元気満々なんだから……♪」
「ご、ごめんなさい……」
「いいの、気にしないで。……むしろ、イッちゃんの一滴でも多く出してもらえたら、そっちの方が嬉しいし♪」
そう言いながら精液と愛液で濡れた割れ目からペ○スを引き抜くと、シズルは回りから見えないようにスカートをペ○スへ被せる。なんだかんだと言いながらも、弟のおチ○チンはやっぱり他に人に見られたくないらしい。
「ねぇ、まだ出来るんでしょ? 今度は下着の見せ合いっこしながらしましょう。着替えるときに見たイッちゃんの下着姿、もう一度お姉ちゃんに見せて欲しいな〜♪」
(やっぱりダメだ……お姉ちゃん、全然わかってくれてない……)
自分もスカートを降ろし、イズミに背を向けて玄関のドアへ向かうシズル。その形の良くて丸々とした量感を感じさせるラインをスカートに浮かび上がらせているヒップを見つめながら、自分を玩具のように扱う姉を押さえ込む唯一つの方法を行うべきかどうかと悩んでいた。
(やっぱり……お姉ちゃんにひどいことするの、気が咎めるし……女性にそう言う事をしたら、姉弟でも犯罪になっちゃうのかな……)
毎回毎回悩まさせられるシズルの暴走を止めるには、イズミの方が主導権を握るしかない。けれど文武両道、と言うか常人離れした「武」を修めているシズルから行動の主導権を握るなんてほぼ不可能と言っても過言ではない。
「あっれ〜。なんか鍵が入んない。もう、早く中に入りたいのにィ!」
興奮が先走りすぎて震える指先では鍵穴に上手く鍵が差し込めない。身をかがめて鍵穴にシズルが顔を近づけると、まるで誘うようにスカートに包まれたお尻をイズミへ向けて突き出してしまう。
(………スカートの中……ボクの…アレで………)
姉の秘部から滴る自分の精液を想像すると、少し持ち上がるだけで股間が覗けてしまいそうなミニスカートが内側から押し上げられてしまう。けれど姉のヒップの丸みからは目が離せず、スカートの内側の事を考えながら顔を赤く火照らせてしまう。
「ん………っ」
太股に力を込め、勃起したものをスカートの上から押さえつける。けれど無自覚の興奮を抑えれば抑え付けるほどにイズミの鼓動が早まり、知らず知らずの内に鍵穴と奮闘しているシズルの背後へ息を殺して忍び寄ってしまう。
「あれ? 勝手口の鍵と間違えてた、てへ♪ さ、イッちゃん、中に入―――」
ようやく玄関扉を開けて後ろへ振り向いたシズルの背中をイズミは両手で突き飛ばしていた。まさかと言う表情を浮かべて家の中へ倒れこむ姉に続いて中に入ったイズミは、素早くドアを閉めて鍵を掛けなおすと、シズルが起き上がる前にその背中へ覆いかぶさった。
「お姉ちゃんが…いけないんだ、全部お姉ちゃんが悪いんだからぁ!!!」
「い、イッちゃん!?」
シズルなら自分よりも小柄なイズミを払いのける事は出来たけれど、心の底から「愛している」とまで言った最愛の弟に乱暴を働く事を理性と本能の両方が許さなかった。それが災いし、イズミは姉の長い髪の毛に鼻先をうずめながら手を胸と股間の両方へと伸ばして行く。
「僕…僕……今からお姉ちゃんにひどい事をしちゃうんだからぁ!!!」
涙を流しながらイズミは猛り狂ったペ○スをスカート越しに姉の下半身へと押し付けた。
言葉ではもう言いつくろえないほどに、イズミのペ○スは先端を突き上げ、太く逞しく膨張しきっていた。まだ姉と繋がった名残を纏わりつかせた肉棒は狂ったように脈動を繰り返し、ミニスカートから飛び出して姉のヴァギナを貫く時を今か今かと待ち望んでいた。
「お姉ちゃん………ああ、お姉…ちゃん……ッ!!!」
今まで姉の為すがままに交わってきた際に感じたのとは異なる興奮に支配され、闇雲に手を動かし腰を擦り付ける。そんな弟の変わりように驚きながらも、シズルはただ黙って荒々しい愛撫を受け続けることしか出来なかった―――
「………なあ」
「………言うな」
「………俺たちいつまで道路で寝たままなんだ?」
「………イズミとシズルさんに気付いてもらえるまで」
―――うわ、俺たち絶好調で放置プレイ中!?
完全に打ち所が悪かったようである。
こうして、アスファルトに叩きつけられたダメージが抜けなくて動けないだけの二人は、イズミへの倒錯的な興奮とシズルから受けた被虐的な興奮によって新たな世界に目覚めてしまっていた。
「ああぁ、い、イズミのミニスカートをローアングルで、ローアングルでェェェ!!!」
「あんないいものだったなんて。けど、やっぱりシズルさんも捨てがたいというか捨てられねェェェ!!!」
「畜生俺たち今日一日で変わりすぎだァァァ!!!」
「変わったって言うな! 知ったんだ、そして目覚めたんだァァァ!!!」
もし二人が玄関扉の向こう側でイズミがシズルを押し倒しているのを見たら何と言うか興味があるところだが、そんな二人に今、近道しようとしてきた砂利満載のトラックが迫ってきていたりしていた。
「イズミィィィ〜〜〜! 俺たちは親友だ、来ても切れない中の親友だァァァ!!!」
「シズルさん、もっと投げてください無視してください、それに魅かれる憧れるぅぅぅ!!!」
こんな二人がどうやってトラックに引かれそうな危機から脱し、傷だらけの体で帰宅の途についたのかは……それはもう語りたくないほど本筋から離れた別の話だったりする。
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