stage1「フジエーダ攻防戦」51


 デーモンだからと言って、肌が岩のようにゴツゴツしているとか、足の裏に耳があるとか、そう言うことはほとんどない。頭に何重にも封印帯が巻きつけられていて素顔を見ることが出来ない事、そして背中に翼がある事を除けば、逞しい体つきをした男の人とそう変わりは無い。―――そして、性的興奮を覚えて股間を充血させるのも、人間やオーガなどの亜人と変わりない。
 あたしは目の前に仁王立ちになったデーモンの、封印帯以外では唯一の衣服であるボロボロのズボンを下ろす。されるがままにズボンを脱がされたデーモンは、もう自分の意思とは関係なく膨張したペ○スを、まるでバネのように跳ね上げ、間近にあったあたしの頬をペチッと打つ。
「…………っ!」
 ―――これがデーモンの……
 さすがに想像していたものよりは控えめだった。先端にトゲが生えてないし、三本も四本も生えてたりしていない。大きさも巨根ではあるけれどオーガのものに比べればわずかに小さいし、形だって……言うなれば、体と同様に人間とさして変わらない巨大なペ○スがあたしへと突きつけられている。……できれば形だけじゃなくて、大きさも普通の方がよかったのに……
「これは見ものだ。自ら進んでデーモンのモノをしゃぶろうと言うんだからね」
「っ………」
 佐野の言葉に羞恥心を刺激され、ペ○スから視線をはずして俯いてしまう。
「分かっていると思うが、これはキミから言い出したことだ。デーモンと最後までしてもらう。もし拒否すれば―――」
 デーモンのペ○スを頬張る事に迷いを見せていると、佐野は手にした魔法の杖をあたしへ――正確にはあたしの後ろで気を失ったままのめぐみちゃん(と寝たままのオーガ)へ向ける。
 ―――その気になればいつでも…か。
 あの魔法の杖から放たれる無数の衝撃弾はリビングメイルが体にまとう黒装束では簡単に貫通される。地下の泉の水全てを圧縮している今のジェルなら防げるだろうけど、デーモンの爪に引き裂かれた傷が想像以上に深いらしい。爪に魔力を帯びていたのか、剣で斬られてもダメージを受けない巨大なスライムに五本の傷が刻み込まれていて、あたしが合図を送っても身悶えするだけで立ち上がることさえ出来ないでいる。
 ―――残された手段は、このデーモンをSEXでこちら側に引っ張り込んで、無理やりにでも契約することだけか……
「さあ、街を守るヒロインのSEXショーだ。せいぜい僕を楽しませる事だね、あの少女の命を散らしたくなければね」
「………………」
 わかってる……佐野の視線を感じ、頬が熱を帯びていくのを感じながら、あたしはデーモンの逞しいペ○スに両手をそっと絡みつかせた。
「―――――――!」
 ビクンッとはねる肉の固まりを根元から先端に優しく撫で回す。感触はあたしのよく知る……まさに男性器そのものだけど、脈の打ち方が尋常じゃない。あたしの手の中から逃げ出しそうなほど大きな脈動を繰り返し、次第に鉄のような固さと火箸のような熱を帯びて行く。
「あ……んむぅ………」
「ほう……手馴れたものだ。一体どれだけの男をくわえ込んできた事か。――ああ、そういえば先日キミは、この場所で三十人か四十人の男と楽しんでいたのだったね。ククク、まさに淫売と言う言葉がふさわしいよ」
 耳を佐野の言葉に侵されながら、あたしはデーモンのモノを飲み込んでしまいそうなぐらい深く咥え込む。
 ―――んんっ…ちょっと…キツいかも……
 あたしの口内の柔らかくて暖かい粘膜に包み込まれたペ○スは痙攣し、ググッと膨張してあたしの喉を押し上げる。吐き出したくなる衝動を押さえ、根元をキュッキュッとそぼるように扱きながら竿の裏側を舌でくすぐり、ぶら下がった大きな睾丸を指の中で弄ぶ。
「たいしたものだ。あのしゃぶり方、娼婦も顔負けの口使いだ。よほどのチ○ポ好きなのだろうね」
『あああ、あの唇はワシのもんじゃ、ワシのもんなんじゃ〜! なんじゃこなクソ、ワシの方が先に目ェつけとったんじゃぞう、このアホんだらぁぁぁ!!』
「うるさい。お前は黙っていろ」
『ウんギャアァァァ!!!』
 早朝の静寂を切り裂くような魔王の書の悲鳴に目を向けると、魔法で地面に火を起こした佐野が魔王の書をその中へ投げ込んでいた。
 さすがに意思を持ち、勝手に飛び跳ねる魔道書だけあって火の中からすぐに逃げ出すけれど、その表面には無数の焼け焦げが付いていた。
「何をしている。キミの存在意義は僕を楽しませる事だけなのだ。一時でも休めば……」
 わかってる…わかってるわよ……!
 今は佐野の言葉に従うしかなく、あたしは固くなる一方のデーモンのペ○スを口の内側へ散々に擦り付け、唾液をまぶす。そしてわざと音が鳴るように吸い上げながら顔を前後に振りたくる。
 ―――ん、もう…こんなに痙攣してるのに……まだなの? まだ射精してくれないの? 早く…早くしないと……
 めぐみちゃんの事だけじゃない。神殿の中では衛兵長やみんながまだ戦っているはずだ。あれからの時間を考えれば戦いに何がしかの決着が付いていてもおかしくない。もし……と考えると、どうしても焦る気持ちを抑えられなくなる。
 けれど、あたしがどんなに急いでデーモンを満足させようとしても、当のデーモンは一向に射精しようとしない。恥ずかしくなるぐらい唾液で音を立てて口の中を肉棒を嘗め回しても、尿道の周りを丹念に舌で責め立ててあふれ出ている苦味のある先走りの液体をすすり上げても、デーモンは同じ場所に立ち尽くすだけで、快感を堪えるような震え以外ほとんど動きを見せない。
 あたしのブラウスを引き裂いたのは、佐野が許可した五秒だけの力の行使の間の事だ。もし、デーモンの自由……射精と言う生理行動にまで佐野の支配が及んでいれば、あたしがしている事は全て無駄な行為と言う事になりかねない。
 ―――それでも…今のあたしに出来るのはこれしか……
「ぷあっ……ん………イきたくなったら…遠慮しなくてもいいんだから……」
 口から吐き出したペ○スは、散々フェラしたせいでかなりの熱を帯びている。もう手で押さえなくてもお腹を打ちそうなほど反り返っている。それを挟むように、あたしはブラウスから飛び出ている乳房を両手で持ち上げる。
「クックックッ……今度はパイズリかね。いやはや、見物人を楽しませる術を心得ているかのようだ」
「ッ………!」
 聞いちゃいけない……それでも胸の谷間をグッと寄せた途端、ペ○スに纏わり付いた唾液がグシュッと音を立てると、唇を噛み締めずにはいられなかった。
「フッ…うぅん……」
 膝と腰を使って、あたしには似つかわしくない豊満な膨らみでペ○スを挟んだまま体をズリ降ろす。谷間から突き出てきた赤黒く輝く亀頭へそっと息を吹きかけると、あたしは顔を前へ倒し、プクッとあふれ出た粘液を盛り上がらせている亀頭へ唇を押し付けた。
「さっきより大きい……口…入るかな……」
 短い時間の間に二周りは大きくなったんじゃないかと思うぐらいに腫れ上がった先端を唇で浅く挟むと、左から右へ唇の谷間をゆっくりと滑らせる。そして端に辿り着けば、そのまま反対へ……小さく舌を突き出し、チロチロと敏感な粘膜を刺激し、顔を上げながら胸を上へ滑らせてカリの裏を張りのある胸の表面で挟み扱く。
 デーモンのペ○スはあたしの胸に挟まれたまま何度も痙攣を繰り返している。もう射精は近い……いや、射精していてもおかしくない。その証拠に、デーモンの吐く息は荒く、二つの膨らみとペ○スを擦れ合わせる中で何度も短い悲鳴を漏らしている。
「お願い……もう、我慢しなくていいんだから、早く…早く満足して……」
 腕を使って胸を左右から圧迫し、ペ○スを胸の谷間で包み込むと、大きすぎるペ○スの先端が谷間の奥の胸板へ触れる。まるで悲鳴を上げているような痙攣を骨に振動として直接感じながら、唇から垂らした唾液でヌルヌル感を増した膨らみを、乳首同士が触れ合うぐらいに寄せ上げる。
「こんなにビクビクしてるのに……まだなの? イって…イってよぉ……ねぇ…気持ちよくないの? 教えてくれたら…もっと気持ちよくしてあげるから……」
 焦る気持ちが感情を昂ぶらせ、涙が目じりに浮かび上がってくる。その潤んだ瞳で封印帯を巻きつけられたデーモンの顔を見上げると、まっすぐ下に降りていた腕がギリギリと軋む音を響かせそうな動きで持ち上がり、突き出したアゴを引き戻しながら封印帯の奥でらんらんと光る興奮した眼差しでまっすぐにあたしを見つめ降ろしてくる。
 ―――もし、あたしと契約してくれてみんなを助けてくれるなら……メチャクチャに犯されることぐらい、なんでもないのに……
「いや、実に淫靡。まさかここまでとは……ククク……まさに汚れた天使そのものだ。さぞ、街の連中はキミを慕っていただろうね」
「こ…の……ッ!」
 背中を引き裂かれ、ブラウスと一緒にずり落ちそうになる肩鎧を意識しながら佐野へ鋭いまなざしを向ける。
 そうやって勝利に酔いしれているのも今のうちだ……と、なんとしてもデーモンと契約を結ぶ事を決意していると、ずっとあたしのほうを見つめて痛さの歯、突然地面に転がっていた魔王の書を踏みつけた。
『グエェェェ!!』
「エロ本!」
「休むなと言ったはずだ!」
 魔王の書の悲鳴を聞いて、思わずそちらへ身を乗り出したその瞬間、あたしはこめかみに衝撃を受けて吹き飛ばされるように倒れこんでしまう。
「君は僕が何も気付いていないと思っているのか? 考えているはずだ。「ボクのデーモンを味方にする」方法を。巨獣、オーク、スライム、そこにいるゴースト。天才のボクですら支配できるのが妖魔だけと言う枠をなかなか越えられないでいるのに、君はそれをあっさりと越えてしまっている。認めよう、その点だけは君の方が優れていると」
 思いっきり殴られたようなダメージで、頭の中でクワンクワンと変な音がなっているような感じだ。打ち所が悪くて平衡感覚が狂い、すぐに起き上がれずにいると、あたしの喉に固い帯状のものが巻きつけられる。―――翼の付け根の間から生えたデーモンの尻尾だ。ムカデと言うより多節のブレードと言う印象に近く、こんなものを巻きつけられたまま尻尾を引かれれば、あたしの喉はずたずたに引き裂かれるだろう。
「だから油断はしない。君に自由は与えない。君の望む結果は与えない。君は自分から望んだな、「デーモンと交わる」と。何の意図を隠している? もしやデーモンまで君の支配下に置こうと考えていたのではないのかね!?」
 ―――佐野に……モンスターを操っているところ…見せすぎた……
 まだ混濁したままでまともに戻らない意識では反論する事も出来ない。仮に反論できたとしても、あたしなんかの言葉で佐野を言いくるめられるかどうかは難しいところだ。それに……逆上を押さえつけて冷静さを保とうとしている佐野は爆発寸前のような恐さを感じさせる。下手に刺激すれば、言葉すら聞いてもらえずにやられる可能性もある。
 それに、いくら仕方なかったとは言っても色仕掛けを何度もやりすぎた。あたしが一番抵抗を覚える行動だけに、繰り返す辛さが安直と言う考えを無意識に除外していたのかも知れなかった。
 ―――最後の最後でミスして……ミスしてたって事にも気付かないでいたなんて……
「……だが、僕はキミに興味を覚えている。もし仮にSEXでモンスターを服従させる方方があるのなら、僕の研究に君と言う存在は多大な影響を及ぼすかもしれないからね。―――だが、聞いたところで僕に教えてはくれないだろう。そこで、だ」
 佐野は地面に転がってぴくぴく痙攣していた魔王の書を拾い上げる。
「エロ本……」
「僕も「生きている魔道書」と言うのは初めてだよ。そして、君はこの本を「魔王」と呼んだ。そして自分の事も「魔王」だと言った。つまり……この魔道書が少なからず「魔王」に関わる書である可能性はそれなりにあるようだ」
 さすがにあのボロ雑巾のようになったエロ本を魔王と認めるのには抵抗があるようだ。
「そして君の魔物を操る能力が「魔王」に関わる応力である可能性も高い。そしてたくや、キミとこの本の間につながりがあると言う事は……だ」
 そう言うと佐野は魔王の書の決して開かない錠に指をかけ、小声で魔法――おそらくアンロックを掛ける。けれどそれは神官長やジャスミンさんも試したけれど一度として開いたためしがない。あれが開くのは、魔王の書が自分の意思で錠をはずした時だけだ。
「なるほど……だが今は中を見る必要も無い。世にも珍しい、喋る魔道書なのだから」
 佐野の足元で、焚き火程度の炎が燃え上がる。その熱気に目を覚ましたのか、
『ほえ?………ンアァァァチャァァァァアアアアアアッ!! 焦げとる、焦げとるがなぁぁぁ!! ワシの黒くて固くてぶっとい革表紙がぁぁぁ!!!』
「熱いかね? ならばボクの問いに答えたまえ。そうすればキミを僕の研究のために活用してやってもいい。名誉なことだろう?」
 ―――さすが佐野……もうエロ本の弱点に気付いたんだ。―――って、見たまんまだけど。
『わ、わかった、答える、答えるから火あぶりローストは勘弁しちくリィィィ!!』
「質問はたった一つだ。―――たくや、あの女はどうやってモンスターを服従させている?」
 ―――い、いきなり核心を……エロ本、それを喋っちゃダメだからね!
 それを佐野に知られれば、あたしが佐野に勝つ事は出来なくなる。……が、自分本位であたしの事を顧みようとした事の無いエロ本に、それを求めるのは最初から無理な話だったのかもしれない。
『それは契約しとるからじゃ、アチー! 魔王は…アチアチアチィ! 火が近すぎるゾイ、萌えるぅぅぅ!…いや、燃えとるぅぅぅ!!!』
 あたしの思いとは裏腹に、魔王の書は本の端っこが焦げ始めると、あっさり口を割ってしまう。―――このバカぁぁぁ!
 魔王の書が人間だったら、それこそ火あぶりにされているようなものだから、口を割ってしまうのもしかたがないと言えなくもない。けれどモンスターとの「契約」の事を知った佐野の顔に浮かぶ笑みを目にしたあたしの背筋には、無数の芋虫が這い回るようなおぞましい震えが込み上げてくる。
『たくやはアチチチチィ! 面倒なところをすっぱり全部省くとじゃなぁ、たくやはモンスターとエロい事をしたら契約して服従アッチィイイイイイイイッ!!! まあ、あくまで両者合意しなけりゃ〜って、こらホモメガネェ! いい加減にワシを離さんかい!!』
「ああ、これは失礼した」
 そう言って佐野が手を離す。知りたい事を十分聞ければ後は用済みとばかりに、魔王の書を真下で燃える魔法の炎の中へ落とすと、
「これはささやかだけれどボクからの礼だ。魔王を名乗るおこがましい魔道書よ、灰になりたまえ」
 あたしの方へ歩み寄りながら、背後に置き去りにした炎に魔力を注いで、さらに燃え上がらせる。
『ンギャァアアアアアッ!!』
「エロほ……カッ――…ァ…!」
 あたしの喉に巻きついたデーモンの尻尾が締め付けを増し、あたしの言葉は途中から苦しみ悶える呼気へと変化する。か細く呼吸は出来るけれど、喋ろうとすれば硬質の尻尾が容赦なくあたしの細い喉を締め上げられ、本能的に空気を求めて大きく開いた唇をパクパクとさせてしまう。
「君は学習能力を持ち合わせていないらしい。ボクは休む事を一度も許した覚えは無いのだけれどね」
 デーモンに命令を与えて首を締め付けさせている佐野は、あたしが全力で駆け寄っても五歩以上かかる場所で足を止める。
「さあ、それでは君が望んだとおり、デーモンに犯させてやろう。ただし喋る事は許さない。デーモンに話しかけた時点でキミや君の仲間の身に何が起こるかは保証しない。
「………!?」
「それでもよければ喋るといい。―――ああ、言い忘れていたよ。「契約」とやらには意思疎通が必要なのだろう? そのデーモンの感覚器には厳重に封印を施し、あらゆる力を震うのにボクの許可がいる。聞こえるのはボクの言葉のみ。もちろん射精するにしても僕が許可を出さなければならない」
「っ………!?」
 それじゃあ……テレパシーでも使わない限り、デーモンとは契約は……
「君は何度デーモンをイかせただろうねぇ。そのたびにこいつは苦しんでいたはずだ。泣き叫んでいたはずだ。射精させてくださいとね。ああ、無知とは罪。キミの美しさは決して害ではないと言うのに、このボクの僕たるデーモンにとっては、まさに……クッ…クックックッ……クヒャ〜〜ハッハッハァ! 滑稽、まさに悲劇だよこれは!」
「……………!」
 ―――あたしが…あたしが苦しんでるのが、何でそんなにおかしいのよ!
 確かに行動が浅はかだった事は自分でも認める。行き当たりばったりで、偶然に助けられてここまで来た。―――でも佐野の哄笑が周囲を埋め尽くすと、悔しさに奥歯を噛み締めるだけでは感情を押し殺す事が出来ない。
「――――――ッ!!!」
 けれど立ち上がろうとしても足には力が入らず、地面に突いた手も滑らせてすぐに倒れ伏してしまう。そしてあたしの抵抗に反応したデーモンの尻尾がギリッとあたしの喉に食い込んでくる。
「カッ―――ハ……!」
 両手をデーモンの尻尾にかけ、何とか苦しみから逃れようとするけれど、あたしの細い指先では引き剥がす事はおろか、喉との隙間に指先を捻じ込む事すら出来ない。喉への締め付けが増すたび、あたしは固い地面の上で体を反り返らせ、開ききった唇から震える舌先を突き出して必死に空気を求めてしまう。
 ―――このままじゃ……佐野を倒す倒さない以前に……あたしが絞め殺される……!
 唇から溢れた涎がうなじへ向けて伝い落ちる。ぼろぼろになったメイド服と、裂けた服から覗き、こぼれている肌が砂にまみれて汚れていくけれど、呼吸が苦しくなるに連れてそんな事を気にしている余裕は瞬く間に奪われていく。反った体はそのまま硬直したように動かなくなり、時折、ビクンッビクンッと大きな痙攣を起こしながらあたしの意識は霞むが掛かったように徐々に薄れ、消えていこうとしていた。
「そういえば、首を締めれば女性器は締め付けを増すと聞いたことがあるな」
「―――カハッ! ハッ、ハッ、ハッ、ハァ!」
 意識が途切れる寸前で喉の締め付けが緩み、ふっくらとした乳房を大きく上下させながら喘ぐように胸へ空気を取り入れる。―――そんなあたしの視界に急に影が差し、抗う事も出来ないままにデーモンの大きな体に覆いかぶられてしまう。
「ぁ………や…ぁ………ヒうッ!」
 自分の剛直を握り締めて、先端をあたしの膣内へ押し込んでくる。そして……その圧迫感の大きさに、あたしは自分の口を押さえて迸ろうとする悲鳴を押さえつけてしまっていた。
 口で奉仕している間にもデーモンのペ○スは信じられないぐらいに膨張を繰り返していた。今のその大きさは、オーガ以上。先端の大きさは子供の握りこぶしほどもあり、それがキツキツの膣口を限界以上に押し広げ、膣壁とこすれあいながら奥へズブズブと侵入してくる痛みに、あたしはうわごとのように拒む言葉を口にしながら髪の毛を振り乱した。
「ンンゥ! ぬ、抜いて、い…痛っ……こんなの…無理……はいりっこ…ない…なっ…んぁあああああっ!!!」
 デーモンのペ○スとあたしのヴァギナとの摩擦で、そこから火が出たかのような痛みが全身の感覚を支配する。射精できないデーモンは狂ったようにペ○スを押し込み、密着した粘膜がそれに抗い締め付ける。けれどデーモンがゆっくりと腰を引き、勢いをつけてヴァギナを突き上げてくると、何度も絶頂を味合わされて収縮の収まらない膣道が強引に割り開かれてしまい、卑猥な水音を響かせながらあたしの下腹はデーモンの巨大すぎるペ○スに蹂躙されてしまう。
「ほう……裂けるかと思ったが、まさかあれを飲み込むとは。これほどの名器なら、壊れる前に様々なモンスターと交尾させてみればよかったな。面白いデータが取れたろうに。いや、実に惜しい」
「痛い、痛いィィィ! ひッ、んっ、んあぁ、イッ…んんんっ! こ、こんなに大きいの、ダメ、ダメェェェ!!!」
 もうデーモンに語りかける余裕など無いほど、痛みと、痛みに馴染む中で芽生えてくる肉の快感にあたしの意識は混濁していく。押し出された愛液が結合部で白く泡立ち、子宮を押し上げられると下腹部がデーモンのペ○スの形に沿ってぽっこりと盛り上がる。長いストロークでペ○スを引き抜かれ、一気に押し込まれると、あたしはねじって横へ向けた体を緊縮させ、涙を流しながら喉を震わせてしまう。
 唯一幸運だったのは、ここに至るまでに魔蟲の媚薬やスライムの魔力吸引などで繰り返しアクメを迎え続けていたヴァギナが十分すぎるほどに潤み、柔らかくほぐれていた事だ。そうでなければ今頃、あたしの淫裂は棍棒のようなデーモンのペ○スに内側から引き裂かれていたかもしれない。
 けれどそれが帰って、あたしを快楽の深みへと堕としていく。繰り返される激しい抽送にあたしの陰唇からはとめどなく愛液があふれ出し、最初はただ震えていただけだった花弁がキュッキュッと野太いペ○スを食い締めていた。
 浅い場所からズリュッと奥深い場所にまで届き、ヒクつく子宮口を押し上げる男根はあたしの体の変化を読み取ったのか、さらに速度を上げてあたしの肉壷をかき回す。ハァ…ハァ…と荒い息を封印帯の隙間から漏らし、ギラギラと輝く瞳であたしを見下ろすデーモンは、逞しい腕と首に巻き付けた尻尾に力を込め、手に入れたあたしの肉体を離すまいとするかのように押さえつけてあたしの子宮を押し上げる。
―――ビクンッ!
「きゃふぅ!!!」
 あたしの膣内でペ○スが跳ね、思わず悲鳴とも嬌声ともとれる声を漏らしてしまう。―――今の瞬間、デーモンは間違いなく達していた。あたしが限界以上にヴァギナを押し開かれているのなら、デーモンは限界以上にペ○スを張り詰めさせている。どちらも触れるだけで、擦られるだけで激痛以上の強烈な快感に頭の中を掻き回されてしまうのに、翼を持った悪魔は腰の振りを止めず、痙攣の止まらないペ○スであたしのヴァギナを強く抉り抜く。
 ―――あ……こんなに…イってるのに……まだ続けるの? あたしの…あたしの何が、そんなにいいって言うのよぉ……!!
「はあぁぁぁ!! あうん、い、いいぃ……もっと、掻き回して。あたしのおマ○コ、もっと、好きにしていいから……あ、いッ、んァあああああッ!!! はぁあぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!!!」
 ますますいきり立ち、それでも射精できずに苦しむデーモンのペ○スが深々とあたしのヴァギナに突き刺さるたびに、その苦しみがあたしの中にも流れ込んでくる。……いや、全て理解できてしまう。それはあたしが元々男だからなのか…と頭の隅に考えがよぎるけれど、肉棒の先端が子宮口に密着し、精液を吐き出せないまま大きな震えだけ感じさせてくると、今までに感じたこともないほどにデーモンへの愛情と興奮が込み上げてきてしまう。
「あ、あたしも…イってるの……スゴく、感じて……あ、うぅ…! ま、また…キちゃう……太いおチ○チンが、あたしの…ナカで…暴れて……」
「グルゥゥゥ………!」
「―――はじめて…口、きいてくれたね……」
 左右に開かされ、突きこみのリズムに合わせて揺れていた両足をデーモンの腰へと巻きつける。そして喉に巻きついた尻尾をはがそうと試みていた両手までデーモンの首へと巻きつけると、もうほとんど残っていない腕の力を振り絞って相手を引き寄せ、封印帯の上から唇を押し付けた。
「んっ……んんぅ……あ…変な…感じ……んん……」
 布の上から口付けを躱す意味なんて分からない。ただ感情に任せ、鼻息を漏らしながら唇を押し付けていると、デーモンも腕をあたしの背中へ回し、キツく抱きしめてあたしの体を抱え上げる。
「んああああぁぁぁ―――――!!!」
 対面座位へと移行した途端、あたしの全体重がデーモンとの結合部へと掛かり、強烈なペ○スの突き入れを受けたヴァギナからブシャッと音を立てて愛液が噴き出した。それはすぐには収まらず、まるで失禁したかのように白く濁った絶頂愛液を撒き散らし、あたしとデーモンの股間を濡れ汚す。そして、愛液の噴出が収まりきっていないあたしのヴァギナの一番奥めがけ、まっすぐ真下からデーモンの太い肉杭が打ち込まれる。
「――――――――――――――――――――――!!!」
 その瞬間、あたしの意識はいとも容易く弾け飛んだ。
 も自分がイってるのかもわからない。それでも丸々と膨張した乳房をデーモンの胸板に擦り付け、内股に痙攣が走り続ける両脚を絡みつかせて、ヴァギナ全体で巨大なペ○スにしがみついているのだけは感じられた。
 お尻に十本の指が食い込んで体を持ち上げられ、揺さぶるというにはあまりに大きすぎるストロークであたしの体は何度もペ○スの上に落下し、その都度、ズンッと重たい衝撃が脳天まで突き抜ける。その衝撃に負けて首を学理と後ろへ倒せば、窮屈な姿勢でデーモンが乳房の先端で色づいている乳首へ顔をすり寄せてきて、あたしの唾液を吸った封印帯を擦り付ける。
「そ…それ……ダメ……乳首は…ちく…びぃ…!! お…願い……おっぱい…張り裂けちゃ…うぅぅぅ……!!」
「グルルルルゥ………!!!」
 ―――我慢できないの…わかってるけどぉ……あたしも、もう、耐えらんないの、これ以上感じ続けたら、あたし、あたし……戻れなく、なりそうなのにぃ………!!!
「あっ、はあッ、あッ、ふあ…ああっ、あひィぃぃ!!! ナカで、おマ○コで、ビクビクしてぇ!!! ダメ、あッ、ふっ……あああああ――――――――ッッッ!!!」
 頭の中が真っ白になり、プツン、プツン、と音を立てて理性の糸が切れていく。そのたびにあたしの声は激しさを増し、恥じらいを失ってより淫らな声へと変貌していく。そしてそれを間近で聞くデーモンもまた、興奮を昂ぶらせて情熱的に顔をすり寄せ、あたしの膣内を突き上げ、Gスポットを張り詰めた亀頭でグリッグリッと強く抉ってくる。
 このままどちらかが気を失うまで、終わりのない連続絶頂に身を委ねるのも……もう快楽を貪る事を否定せず、デーモンに掻き回されるままにドロドロの愛液を膣口から溢れさせたあたしは砂と汗で汚れたボロボロのメイド姿の体をデーモンに密着させ、自ら腰を振り始める。
「いいのぉ♪ 奥が、おマ○コがグリグリってェ!! 響く、あああっ! おチ○チンのビクビクが響くぅぅぅ!!! あ…♪ く…る……イッ…く……はッあぁ、んぁああああああああっ!!!」
「―――もう十分だ。これ以上は必要ない」
 蕩けるようにデーモンのペ○スをヴァギナの奥に迎え入れ、リズミカルに腰を揺さぶっていると、不意に佐野の声がすぐ傍から聞こえてきた……ような気がした。正直、佐野のことなんてどうでもいい。今はデーモンと結ばれ続けている事があたしの全てだった。
「僕が見たかったのはこんな三文芝居ではない。ええい、なぜ泣き叫ばない!? なぜボクを睨み付けない! キミはボクが憎いはずだ。それこそが僕たちを結び付けていた何よりも深い絆だったはずだ。それなのになぜ!?」
「う、うるさい、そんなの、どうだって…いいぃん♪ ん、んふぅ、また…あたし……んぁ…イイッ…くぅぅぅ〜〜〜〜〜〜!!!」
 デーモンを抱きしめる腕に力が入る。翼の根元に爪を立て、激しい痙攣を起こしているヴァギナの奥でために溜めた会館を愛液に変えて何度もはじけさせ、オルガズムの大波を失神だけはしないように必死になって堪え続ける。
「あ……ふぅ……あたしの中で…震えてるね……苦しいよね……出せなくて苦しいよね……だから…まだ……ね♪」
 腰までたくし上げられたスカートの中は、デーモンが射精できない代わりとばかりにあたしの膣から溢れた愛液でまみれている。さすがに動きを止め、深い場所でお互いの絶頂を感じあい、涙と涎で汚れた顔に恍惚の表情を浮かべて泣き叫ぶ。
「…………………!!!」
 そして激しい快感が納まり、荒く乱れた吐息をつきながら余韻を味わっていると、バキッと、なにか固い物が砕ける音が聞こえてきた。
「それほどまでに……僕を無視するのか……デーモンの方が…いいと言うのか……」
 まるで犬のようにあたしの胸の谷間へ顔をうずめるデーモンの頭を優しく抱きしめる。全身を満たす心地よい余韻にうっとりしながら重たい顔を上げると、歯が砕けそうなほど歯を噛み締めた――実際、足元に砕けた歯が落ちていた――佐野が、魔力が充満した杖をあたしと、あたしと抱き合うデーモンの方へと向けていた。
「まッ―――」
「ならば味わうがいい。デーモンの精液を。キミが人間の尊厳を失う前にボクへ許しを請うていればこんな事にはならなかった。さあ、汚れろ、汚れたまえ! 悪魔の精をその身に受けて、僕は殺そう、汚れた君をこの手で殺すことを今ここに誓おう!」
 ―――我に帰る。
 いつから? あたしはいつから溺れてた?
 デーモンとは……まあ、肉体的には深く結び付けたけれど、今ここで射精されても契約は出来ない。せめてあたしの声をデーモンに届かせなければ……!
 とっさに、あたしはデーモンの封印帯に手を掛ける。―――けれど、ダメだ。佐野の命令に逆らえないデーモンはあたしの首へ巻き付けたままの尻尾を締め付け、あたしの行動を妨げる。
「貴様の性器の封印を五分間開放する! 注げ、その女の子宮が破裂するほど射精しろぉ!!!」
 涎を飛び散らせて叫ぶ佐野の言葉の最後に合わせ、デーモンがいきなり首を仰け反らせる。
「――――――――――――――――――――――!!!」

―――ドクン

「はぁああああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 すぐにあたしは押しを押さえつけられ、まだ絶頂痙攣が収まりきっていない子宮めがけて精液がぶちまけられた。
 ―――深ぃぃぃ…! それに…なに、この熱さ…おっきいのが、震えながら…あたしのおマ○コにぃ……!
 デーモンのペ○スは射精しながらさらに大きさを増し、根元から先端へと、今まで味わった事がないぐらい濃厚な精液をあたしの中に溢れさせる。体は揺さぶられていないのに、子宮の奥の壁にズンズンと響くぐらいテンポよく精液は噴き上がり、収まろうとしていた絶頂が再びあたしの脳天にまで突きあがってくる。
「両腕の封印を三秒開放するゥゥゥ!! 突き上げろ、その女が壊れるほど突き上げて、よがり狂わせろォォォ!!」
「!?」
 いつしかポロポロと大粒の涙をこぼしていたあたしは、デーモンがあたしの膝を抱えて持ち上げられて、ほんの少しだけ理性を取り戻す。そして巨大なペ○スがズルリと引き抜かれ、ゲル状に近い精液が堰を切ったようにあふれ出してきたヴァギナへすぐさま、出てこようとする精液を押し戻すように深々と肉杭を突き入れられる。

―――ドクン

「――――――――ッッッ!!!」
 押し戻された精液が子宮を中から押し広げ、加速して打ち出されたものすごい量のザーメンがあたしの下腹を押し上げる。
 まるで内臓まで精液に汚されているような感覚だった。子宮に入る限界を越えて精液を注ぎこまれているのに、あたしのおマ○コとデーモンのペ○スとでは精液が逆流する隙間なんてほとんどありはしない。男根が脈打ち、今まで溜めてきた精液を流し込んでくると、強い圧力を受けてようやく押し出された白濁がブジュッと盛大な音を立てる。

―――ドクン

 もう快感は痛みへ変わっていた。
 張り詰めた胎内に、もう限界などお構い無しに注ぎこまれる精液。濃厚な体液はあたしの中へ染み入るぐらい熱くて、

―――ドクン

「や……何…これぇ………!!?」

―――ドクン

 いつしか、感じていた脈動があたしのものに変わっていた。

―――ドクン

 あたしの中を、デーモンの魔力が駆け巡っている。

―――ドクン

 人間ではありえない、闇の色をした魔力。

―――ドクン

 血管を介し、神経を介し、魔力回路を介し、細胞の一つ一つにまで染込んで行くそれが、

―――ドクン

 それが、

―――ドクン



 あたしの中にあるモノを目覚めさせる。


stage1「フジエーダ攻防戦」52