stage1「フジエーダ攻防戦」45


「はぁ……はぁ……はぁ……ッ……ぅ……」
「足元に気をつけてください。前よりも階段が崩れてる箇所がありますから」
「んッ……わ…わかっ…ッ……た……気を…つけるから……」
 ―――っ……階段を下りるだけなのに…こんなにキツいなんて……
 地下へ向かうくらい階段を下りながら、頭の中で真っ白い火花が容赦なく弾ける。足を踏み出すたびに絞ればポタポタと汁が滴りそうなほど愛液を吸った下着がスカートの中でグチャグチャと音を響かせる。
 水の神殿の地下……そこには浄化の魔力を秘めた地下水が噴き出ていて、「清めの泉」と呼ばれている。
 あたしも女にされた呪いを解くためこの神殿を訪れた際にめぐみちゃんとミッちゃんに案内されて連れてこられている。結果的に男に戻ることは出来なかったけれど、それでも広大な地下室を満たす地下泉の魔力は……と言うよりも美少女僧侶二人に体の隅々まで「清められた」感触は―――
「フゥ………んッ………!」
 余計な事……思い出しちゃった……何も考えないようにしないと……ほ…本気でイっちゃいそう……っ!
 すれ違うのも難しいほど狭い通路を、前はめぐみちゃん、そして後ろは護衛としてついてきてくれた二人の若い衛士さんに挟まれていては、声を荒げて絶頂を迎えるなんて出来るはずがない。それなのに体内の魔力に反応する媚薬を魔蟲に打ち込まれた体は立つ事さえ苦痛なほど快感を全身に溢れさせ、長いメイド服のスカートの内部に愛液の湿り気と濃密な香りとを充満させてしまっていた。もしこの通路に十分な灯りがあれば、あたしの歩いてきた後に点々と黒い染みが突いているのをみんなに見られていただろう……
「ふぅぅ……ッう………んぅ……」
 階段を一段下りるたびに愛液に覆われた内股が擦れ、下着が深く食い込んだヒップが左右へ揺れる。時折後ろから聞こえる息を飲む音は二人の男性が食い入るようにあたしのお尻を見つめている証拠で、唇を噛んで耐えようとしても突き刺さる視線に痙攣が込み上げるほど体の火照りを抑えられないでいた。
「たくやさん、大丈夫ですか? あの、よかったら休憩を……」
「い、いいから……早く…先へ……あたしはなんとも…ない…から……ね?」
 下へ向かう階段の先をランプで照らして先導するオークと黒装束のリビングメイル。まだ地下の安全は確認されていないとの理由で先を行くモンスターに少し怯えを見せながら付いていくめぐみちゃんに、これ以上心配をかけられない。無理に笑顔を作って微笑み返し……暗いのをいい事に、あたしはそのままヴァギナを絞り上げ、止めた足の間めがけて煮えたぎった熱くて濃厚な淫液を溢れさせてしまう。
 ―――あ…あたし……めぐみちゃんの前でこんなに濡らして……
「………分かりました。たくやさんがそうおっしゃるなら。けど、体調が優れないようでしたらすぐに言ってくださいね。あの……一応、理解はしているつもりですから……」
 言葉の最後の方が細く聞き取りにくい。けど言おうとしていたことは分かる……めぐみちゃんにも、佐野に凌辱されているところを見られているんだし……
 背中へ垂らした三つ網を揺らして前へ向き直っためぐみちゃんは、先ほどよりも少しだけ体をすくめているように見える。その背中をボンヤリ見つめていると、熱に浮かされた視界がぐにゃりと歪み、体を支えようとした手が冷たく湿った壁へ触れる。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 とてもじゃないけれど足を踏み出すことなんて出来ない。喘ぎそうになる声を必死に噛み殺したせいでめぐみちゃんには気付かれなかったけれど、前を行くオークに離されまいと付いていく背中はあたしから少しずつ遠くなっていく。追いかけなくてはいけないと想うけれど、前後に絡み合った膝はまるで一つに解け合ったかのように離せなくなっていて、すがりつくように壁へ体を預けると身動ぎしか出来ないぐらいに体から自由が失われ、そのまま痙攣を繰り返しながらいやらしい体はオルガズムへと突入する。
 メイド服を内側から突き破らんばかりに膨れ上がった乳房を急激に昂ぶる快感の圧力で打ち震わせ、固くなりすぎた乳首から発する強烈な疼きと痛みにアゴが跳ね上がる。
 声は出せない……めぐみちゃんに知られたくない一心で口元を左手で覆い、跳ね上がる恥丘をスカートの上から右手で押し込み、荒々しく揉みしだく。いきり立ったクリトリスは今までの我慢から開放されると、わずかな刺激のはずなのに陰唇で下着を食い締めてしまうほどの反応を返す。予想以上に大きい快感にあたしの羞恥心が刺激されてしまうけれど、こんな暗い階段の途中で意識が飲み込まれるほどの強烈な愉悦が押し寄せてくる事へ体は喜びを覚えてしまう。
 腰を引き、スカートも下着もいっしょくたに恥丘のドロドロに蕩けた入り口へ押し付ける。間に挟んだ何枚もの布地越しにさえ感じる湿り気……そこから水分を搾り取るように指先へ力を込めると、足元の階段を見つめていた視線が天井を見上げるほど背中が反り返り、腰がビクビクと震える。そして焦点の定まらない瞳で天井を見つめながら大きく唇を開き、冷たい空気を胸いっぱいに吸い込むと、
「―――――――――――――――――――!!!」
 通路中に響き渡るはずの涙交じりの喘ぎ声は、背後から伸びて口を塞ぐ手に押さえ込まれてしまった。
「こんなところで声を上げられたら困るんだけどな」
 ―――あ、そう言えばすぐ後ろに……お、男の人…二人も……
 失念していた。後ろからモンスターが追いかけてこないとも限らないからと、列の最後尾にいた二人の衛兵さんの事を。
 そのことすら忘れて秘部を弄る手を止められなくなっていた自分への恥ずかしさよりも、先に現われたのは足の震えだった。
 体が崩れ落ちる……突然口を押さえられた驚きで何も考えられなくなり、そのまままっすぐ下へ座り込もうとするけれど、沈み込む体にさらにもう一本の腕が回され、あたしは背後から密着してきた男性に抱きすくめられてしまう。
「………悪いけど、こんなの見せられたら、いくら手を出すなって命令されてても、我慢なんて出来ないからな」
「んんッ!」
 ウエストに回されていた男の左手がブラウスの上から乳房に触れ、ためらいがちにこね始める。大きく、けれど固く張り詰めた乳房を揉み解すような手つきだ。指が食い込む場所から神経に突き刺さる痛みはすぐさま熱と快感に変換され、豊かな膨らみがいびつに形を変えるたびに媚薬で火照る体を男の腕の中でくねらせる。
 ―――跳ね除け…られない……
 ブラウスにくっきりと形が浮かび上がるほど尖っている乳首をキュッとつままれた瞬間、あたしの頭の中で何かが弾け飛ぶ。ボタンがほとんどなくなっているブラウスを引っ張られると、地下の泉から登ってくる冷たい空気の中に乳房が露出し、恥らえば恥らうほどに全身を駆け巡る血液が沸騰したように体が熱くなっていく。
「この胸だよ……俺達、スッとこの胸を揉みしだきたいと思ってたんだぜ。広場では気持ちよくしてくれるのはチ○ポだけで、ずっと手を縛られてたから……」
「お、俺もいいよな。あの時から……広場でして貰った時からずっと収まりが付かないんだ。あの魔法使いに犯されてるのを見た時なんか、訳がわかんなくなるほど興奮したんだ」
 胸を揉みしだかれるあたしの横を通り抜けて前に回ったもう一人の男は、カチャカチャと音を鳴らしてベルトをはずすと、言葉の通りに今にも精液を噴き上げそうなほど痙攣している勃起したペ○スを引っ張り出し、充血しすぎて真っ赤になっている亀頭をあたしのスカートの湿っている場所へ押し付けた。
「んっ、んんん……んっ、ん…んむぅ! ん…むぅ……んんんぅ!!!」
 ―――おチ○チンが…固い……
 むき出しのおチ○チンに股間を圧迫され、体の奥がビクッと震える。服を突き破ってヴァギナへ入ってきそうなほどいきり立ったモノが充血した恥丘の膨らみをグリグリと押し上げるたびにあたしの体を燃え上がらせ、普段では感じることのない心地よさに抵抗する事も忘れて酔いしれてしまう。
 ―――ダメェ……おチ○チン…そんなに押し付けちゃ…んっ、や、んん……っ!!
「か…かわいいよな、ホント……」
「あんなのが初めてじゃなけりゃ……ちくしょう……!」
 ―――はじめてって……あの広場でのが、初体験……?
 前と後ろから抱きつかれ、腰の下からズンズンと重たい疼きが込み上げる。目の前にはギラギラと抑えきれない性欲に輝かせた目があたしを見つめ、耳元には熱と湿り気を帯びた喘ぎが吐きかけられる。逃げようとしても逃げられない。口を塞いでいる以外の三本の手と、前だけでなく後ろにも押し付けられ始めた二本のペ○スに責め立てられ、何度も喉を震わせ、淫裂からすさまじい勢いで愛液を迸らせる。
「んッ!! んうううぅ〜〜〜!!!」
 あたしの反応に気を良くした二人はそれぞれがあたしの胸を片方ずつこね回す。左右異なるリズムで白い膨らみは形を変え、下から上に、そして円を描くように、初体験の時には触ることも出来なかった乳房の柔らかさを手の平全体で堪能している。
「んんんッ……!!」
 指の間から乳房が搾り出されるほど強く握られ、塞がれた口の中で歓喜の嗚咽を響かせる。胸を揉みしだかれるほどにメイド姿に震えが走り、力の抜けた体を後ろの男に預けきって興奮にわなないてしまう。媚薬が駆け巡る体は軽い絶頂を何度も繰り返し、石の階段に大量の愛液を噴出しながそれでもまだ絶頂へと体を登りつめさせる。
「んん……んむぅぅぅ……!!!」
 反り返った喉元を大粒の汗が伝い落ちていく。体をまさぐる男二人の手つきはぎこちないと言うのに、あたしの体には甘酸っぱい汗の香りが纏わりつき、ペ○スが強く下半身を抉るたびに意識が飛んでしまう。ヴァギナとアナル、直接触られているわけでも、入れられているわけでもないのに、ほんの数分の間ずっとオルガズムを味わい続けた体は快感を堪えきれず腰を蠢かせ、より深く気持ちよくなれる場所を探してペ○スに感じる場所を擦り付けてしまう。すると――
「たくやちゃん……そ、そんな格好するって事は、い…いいんだよね?」
 ―――……え?
 不意に男の人たちの動きが止まる。突然快感を中断させられた体はあたしの意思とは無関係に腰を揺さぶり……グチュッと、粘つく音を周囲へ響かせた。
 ―――あ…なんで、あたし、スカートを捲り上げて……
 抵抗しなかった両腕はいつの間にか長いスカートをたくし上げ、娼館でのお仕事に使う過激なデザインの下着を露わにしていた。立っているから屈まない限り二人からは直接見えないけれど、興奮で濡れそぼった割れ目からはドクドクと愛液が溢れ、スカートと言う一番の障害がなくなったことで固いペ○スがクリトリスや割れ目により強く、生々しい感触と共に擦り付けられてくる。
「入れても…いいんだよな?」
 正面の男がペ○スを筆のように持ち、下着を横へずらして挿入する場所を探し始める。
「ぅんんんっ! んん、んんっ、ん〜〜〜〜〜!!!」
 先端がわずかに埋まり、直接亀頭に触れられた膣口が押し広げられていく。けれど男はそれ以上先へ進もうとはせず、うかがうような眼差しであたしの顔を見つめていた。
「……………」
 あたしの手からスカートが落ちる。性器同士が繋がりあった下腹部を覆い隠したスカートをそのままに、あたしは口を覆う手をゆっくりとはずすと、そっとまぶたを伏せ、
「………ごめん」
 喉から謝る言葉を搾り出した。
「あたしだって……すごく…欲しいの……もう狂いそうなの……おチ○チンが欲しくて欲しくてしょうがないの……でも…今はダメ……ダメなの……」
 喋っている内に感情が昂ぶってくる。
「おチ○チン欲しい、欲しいの。晩角中だってドロドロで、おマ○コを滅茶苦茶にかき回して欲しいのぉ!でも、でも、みんな上で戦ってるし、あたしだけこんなことしてちゃダメなのぉ!!」
 キツく閉じた瞳からポロポロと涙を溢れさせた男は、目の前でショックを受けている男の体へすがりつくと、膝を左右に開いて階段に座り込む。
 目の前にあるのは血管が浮かび上がるほど勃起したペ○ス……それも二本。体を横へひねり、後ろの人のペ○スを口いっぱいに頬張り、前の人のペ○スへ指を絡みつかせて纏わり付くあたしの愛液を拭うように激しく扱き始める。
「んっ、んグゥ、んぅ…ちゅ、んん……ごめん…ごめんなさい……今はこれで、これでゆるして。めぐみちゃんも…待ってるの……だから…だから……」
 瞬く間に唾液まみれになったペ○スを口から吐き出すと、糸を引いて落ちる涎の雫を下ですくい取り、汚れの溜まったカリ裏を舌先で拭い、裏筋からぱっくり開いた射精口へと舌先を滑らせる。そして先端に口を吸い付かせ、濡れ汚れたペ○スの根元を指の輪で扱きながら口内でピチャピチャと舌と唇を使って弱いところを愛撫する。
「うっ、あああ……は、激しすぎ…うあっ!」
「ハァ…ハァ……今度…こっち……」
 チュポンと音を立てて涙に濡れた顔を男の股間から離すと、待ちぼうけを食わされている間に先走りが垂れ落ちてしまったもう一人のおチ○ポを深く深く口の中へ飲み咥えた。
「ん、んふゥ…んむ、んむぅ……」
 一気に喉を塞ぐ位置までペ○スを飲み込んだ苦しさでむせそうになる。でも、それ以上に二人への謝罪の気持ちが強く、むせるのを必死にこらえると、唾液をだらだらと唇からこぼしながら顔を大きくスライドさせる。
「た、たくや…ちゃん……!」
 アゴへ伝う唾液を拭いもせず、唇で肉茎を扱き上げる。顔を少し斜めにし、頬の壁へ先端を擦り付けて刺激を加えると、直立した男の人の脚がガクガクと震え始める。
「射精……いつしてもいいからね……」
 先へ言っためぐみちゃんへ追いつくには一分一秒でも急がなければいけない。でもおチ○チンを口に頬張れる嬉しさに頬を緩めたあたしは、笑みを浮かべた顔で男の人を見上げ、激しい摩擦から開放されてそそり立つおチ○ポを舌先で弄びながら、スッと、人差し指をお尻の穴のあたりへ這わせてしまう。
「――――――!!!」
 男の人の顔色が変わるのを妖しい目つきで見届けたあたしは再びペ○スを深く咥える。ビクビクと震える射精間近のペ○スの先端を喉の奥で包み込み、鼻を鳴らしながら顔を揺さぶって刺激を加える。すると、お尻を責められることで興奮したチ○ポはさらに一回り大きさを増す。
「イかせて…あげるね……♪」
 もう一本の方にも満遍なく指を絡みつかせて刺激を与えながら、あたしは片手と唇とでおチ○チンを舐め責める。自分の口の仲から溢れた唾液をわざと音を鳴らしてすすり上げ、早いピッチで顔を揺すり立てる。
 ―――頭の中で、興奮がちりちりとくすぶるように火花を上げる。射精が近づくに連れてあたし自信の興奮も高ぶり、感情に任せた舌と頭の動きがますます加速してしまう。
「たくやちゃん……ダメだ、俺、出すよ、だ、出させてぇ!!」
 突然、男の人の手があたしの頭を押さえ込む。そのまま股間へと引き寄せられ、喉の奥へズリュッと亀頭が入り込んだその瞬間、ペ○スの痙攣は最骨頂に達して大量の精液を口にではなく直接喉へと流し込んできた。
「ンブウゥゥゥ〜〜〜〜〜!!!」
 あまりの苦しさと吐き戻したい衝動に目を見開く。それでも頭を押さえつける男の人の手から逃れられず、根元に唇が触れるほど深くペ○スを咥えさせられたまま、喉が、そして口の中が、脈動を繰り返すペ○スから放たれた精液で満たされてしまう。
「んふぅ、ん、フゥゥゥウウウウウッ!」
 それでもあたしは……喉を鳴らして精液を飲み下してしまう。あふれ出した精液がぼたぼたと口から溢れても、だんだんと力を失っていくペ○スに舌をねっとりと纏わり付かせ、射精を終えたばかりの尿道から中に残った精液の残滓までジュルッと吸い上げてしまう。
「うあっ!」
 濃厚な最後の精子を座れた刺激で、続けざまに男の人が絶頂を迎える。けれど放つべき精液がない今、ただ腰を震わせるだけ……その快感を責めて長く味あわせてあげようとペ○スの根元を握り締める。そして柔らかくなろうとするペ○スを無理やり上向かせて、敏感になっているのを承知で先端から根元まで何度も唇と舌を擦り付け、その場に崩れ落ちてしまうほどの快感を味あわせてあげてしまう。
「……今度は…ちゃんとさせてあげるからね」
 目が虚ろになっている男の人にそう微笑みかけてから振り返る。―――と、待ちぼうけを食わされて怒ったのか、背後にいた男の人はおチ○チンを握っていたあたしの手を自分の両手で握り締める。
「そのままでいいから。顔、こっちに向けて…!」
「あ……」
 何を望んでいるのか思い至り、ほんの少しだけ躊躇ってしまう。……けど、口の中に残っていた精液の残り香を唾液と一緒に飲み込んだあたしは、アゴを心持ち突き出し、目を瞑って唇を開いた。
「掛けるぞ……その顔に、タップリと!!!」
 自分から腰を突き出し、ヒクヒク震える亀頭をあたしが唇から出した舌に擦り付ける。そして次の瞬間には、
「んぁあああぁぁぁっ……!」
 あたしの顔に熱くて粘つく精液が浴びせかけられた。
「ああっ……精液…こんなに……」
 噴き出した精液はあたしの顔を汚しただけでは収まらなかった。開いた口の中へ、白い肌をさらしている喉元へ、そしてブラウスから飛び出している豊満な乳房へ次々と火傷しそうな白濁液を次々と打ち放っていく。
「っ……熱ぅ…いぃ………それに…濃くて…臭いもスゴくて………はぁぁ………」
 あたしが陶酔感に包まれながら目を開いたとき、精液にまみれた視界の向こうには、まだ脈動の収まっていない逞しいペ○スが差し出されていた。力の抜けた男の人の手が解け、そのおチ○チンをあたしの手だけが握り締めている。それをそのまま顔へ寄せたあたしは、精液まみれの顔でペ○スに頬擦りし、ザーメンまみれになったおチ○チンを下から舌で舐め上げていく。
「う、お……それ、以上は……うあっ!!」
 扱きながらさらに口奉仕を続けていると、最後の一発が勢いよくあたしの顔へ撃ち放たれる。それを眉間に受けたあたしは垂れ落ちてくる体液をペロッと舌先で受け止め、コクッと喉を鳴らして飲み込むと、油断した男の人を驚かせるように陰嚢へ手を伸ばし、敏感な場所を指先でくすぐり上げた。
「うああああっ!!!」
 もう全部放ってしまったおチ○チンはビクッビクッと震えるだけ。アレだけ逞しかったのに、今はちょっと可愛いとさえ思える反応を見せるおチ○チンをツンッと指先で突っつくと、
「ご満足……していただけましたか?」
 白濁液まみれの顔で男の人をほとんど真下から見上げる。
「本当に……ごめんなさい……これで許して…もらえるはずないんだろうけど……全部終わったら、ちゃんとしてあげるから……」
 あまりに急いで相手を射精させてしまったので、時間も全部で十分ぐらいしか経っていないと思う。そんなフェラチオで満足してもらえるはずもなく、少しでも早くめぐみちゃんい追いつくには……男の人に抱かれるのはイヤだけど、こんな約束をする以外に方法を思いつかなかった……
「後で、また、してくれるの?」
「ちゃんとって……さっきのより、キチンと……?」
 やっぱり不満なんだ……問い詰められて思わずたじろいでしまい、帯びえた眼差しを浮かべながらコクッと頷く。
 ―――もしかしたら、あたしなんかじゃ満足してくれないのかも……
 元々男だと言う話は衛兵長あたりから伝わっているのかもしれない。それならこんな事をされたら逆に嫌がる人もいるかも……
「……お、俺は別に構わないけどなぁ。こ、このぐらいじゃ満足したわけじゃないけど、そうだろう?」
「あ、ああ。たくやちゃんがどうしてもって言うから、ま、また後でもきちんとしてもらえるなら、なあ?」
 ―――……? なんか…様子がおかしいんだけど……ま、いっか。
「あの……それより今はめぐみちゃんを……」
 時間もずいぶん経ってしまった。もうそろそろ清めの泉には着いていると思うけど……どちらにしてもあたし達がいなくなって心配しているだろう。
 ―――さすがにこれ以上、あの娘に心配かけたら罰が当たるよね……
 心配しなくてもいいのに勝手に心配し過ぎてくれる優しい僧侶の女のこの事を考えると、色ボケした頭がそよ風が吹いたみたいに涼しさを取り戻す。地下から登ってくる冷たい空気を胸いっぱいに吸い込み、火照った体を引き締めると、先を急ぐために壁に手を付いて足に力を込める。
『――――――――――――――――――――!!!』
 ―――今の声…めぐみちゃん!? しまったぁ!
 離れるべきじゃなかった。どこにモンスターが潜んでいるかも分からない現状で、快楽に飲み込まれてめぐみちゃんの事をおろそかにしていた自分を呪いながら、歯を食いしばって何とか立ち上がる。
 しかし今にも気を失いそうだ。壁に立てた指は震え、曲げた背中を伸ばす事も出来ない。簡単に言えば満身創痍…聞こえはいいけどエッチな事のしすぎだ。拭っても取れないほど精液の臭いを漂わせては格好いいところなんて一つも無い。
「っ………!」
 右ひざが崩れ落ち、体が沈む。
 悲鳴はあの一度だけだったけれど、ここで崩れ落ちるわけには行かない。あたしは今すぐに動けないけれど、出来る事は―――
「あたしの事はいいから二人とも先に行って、お願い!」
 まだ汚れたままの顔を上げ、悲鳴にどう対処するべきか迷っていた二人の衛兵を見る。この人たちなら射精して少しだるい所だろうけど、すぐに動けるはずだ。
「けど、今の悲鳴って、下で何かヤバいことがあったって事だよなぁ?」
「俺達、志願兵でまだそんなに強いわけじゃないし……」
 返答が弱い。
 助けに行かなくてはと言う思いはあるようだけれど、大事なものをズボンにしまう二人の衛兵の反応はどこか怯えの色を見せていて、すぐに動いてくれそうに無い。
「そんな……早く、めぐみちゃんが危ないんですよ!」
「それは分かってるけど……」
「二人は大切な人を守ろうと思って衛兵になったんじゃないの? なんで街に残ってモンスターと戦おうと思ったの? 今がその時じゃないの!?」
 あたしはいくら訴えても、二人は顔を見合わせて言葉を濁すだけで、階段を駆け下りて行こうとしない。
「………わかった。もういい」
 この二人に何を言っても無駄だ。そう判断したあたしは手を伸ばし、壁を這うように下へ向かい始める。ここで時間を無駄にするよりも、例え遅くなったとしても一秒でも早く着く事を選ぶ。……その一秒でめぐみちゃんを救えるか救えないかの運命が分かれてしまったら、公開してもし足りないぐらいにあたしは自分自身を恨む事になる。
「っ………」
 唇を噛み、力のない足を踏み出して一段一段降りて行く。こんなペースじゃ地下の泉に到着する頃には日が昇っているだろうけれど、それでも行かないわけにはいかない。行かなくちゃいけない。ここで迷っているような時間はないのだから……と、そんなあたしの横を、カンテラの光が通り過ぎていく。
「ここで逃げ出すのは格好が悪いしね……たくやちゃんも見てるし」
「確認して、無理そうなら逃げてくるから」
 そう言い残すと、二人の衛兵は靴音を響かせて階段を駆け下りていく。
「あ、ありがと……」
 ワンテンポ遅れた感謝の言葉が二人に届いたかは分からない。それでも離れていく鎧姿がちょっとだけ格好よく見えて……あたしが暗闇の中にたった一人で取り残された事をすぐに思い知らされた。


stage1「フジエーダ攻防戦」46