第2章「−1」第7話


「し…舌を……そ、そんなに…入れちゃ…んあっ!……も…だめぇぇぇ……」 「じゅる……す、すごい…女の子ってこんなに濡れるんだ。変な味だけど…ものすごく興奮するな……」 「いや…言わないでよ……そんな事……はぁぁ……うっ…あっ!!」 「いくら吸ってもどんどん溢れてくる。これって感じてるんだよね。スゴいなぁ」  そ、そうよ…あたしは感じてるわよ……だからって…いちいち言わなくても……ああぁん!  「拓也」に股間をクンニされ始めてから既に十分以上経っている。ふくよかなお尻の膨らみの間から、水蜜桃か ら溢れる果汁のようなあたしの愛液とそれにかぶりついて口から垂れ流している「拓也」の唾液が混ざり合ってグ チュリと粘っこい音が聞こえてくると、しっかり抱え込まれたヒップにブルッと寒気のような快感が走り抜けて いく。  本人が夢だと思っていても、「拓也」にとって本物の女性器を見るのは今が初めて。子供の頃に母さんや明日香 とお風呂に入った事を除けば、だけど。回りには明日香や夏美のような気の強い女性ばかり、加えて気が弱くて 女の子とろくに話もできなかったあたし――「拓也」にはいくら舐めても舐め足らないんだろうけど、最初はただ がむしゃらに舐めているだけだったのに、そのうちに舌先はクリ○リスや蜜壷などのあたしの敏感なポイントを 理解し始め、平面ではなく力を入れて固くした舌先でほじくりかえしてくる。 「ううぅぅ……!」  声を出せば家族にばれる。  まるでお気に入りの玩具のように、何人もの男を魅了してしまったあたしの股間の膨らみにむしゃぶりついて 離れない「拓也」がほんの少し舌を動かすだけで、官能的なラインを描くウエストから床に突いた膝までにガクガ クと震え、熱くとろけ始めてしまったおマ○コからは上り詰めようとするのを必死に耐えるかわりに透明な愛液 が止まる事無くにじみ出てきてしまう。そして、股間から流れ出た汁を音を立てて啜られると、相手が「拓也」な のに、背筋になんとも言えない快感がゾクゾクっと広がってしまう。  こ…このままじゃ……い…イかされちゃう……何とかしないと…このまま……  あたしの腰は度重なる舐めまわしで今にも崩れ落ちそうだった。気を抜けば快感の波に理性や羞恥、嫌悪感な どの全ての感情が押し流され、自分から腰を淫らに振ってしまいそうだった。もしそうなれば、あたしは「拓也」 に……  脳裏には「拓也」に床へ組み敷かれ、その下で足を開いて受け入れてしまっている自分の姿が浮かんでくる。快 感に負けて自分と同じ顔の男に向けて膝を開き、お腹につきそうなほど反りかえったペ○スで……ペ○スで……  暗かったとはいえ、その形や大きさは目にに焼き付いていた。他人として、「女」になっって別人としてみると、 あんなにも逞しく思えるのかと感じさせるほどに「拓也」の逸物は立派で、思い出すだけで胸が激しく鼓動してし まう。  ………も…もしかして……欲しがってるのかも……「拓也」の…お…おチ○チン…… 「い…いやぁ! ちがう、そんな事…あああぁぁぁ!!」  自分で思い描いた想像を頭を上げて振り払おうとするけど、出てくるのは喘ぎ声だけ。そして、それをきっか けに捻れるように膣道が絞られていく。 「んっああああぁぁぁっぁぁぁっぁ〜〜〜〜〜!!!」 「な、なんだぁ!?」  それまでで一番大きな声が叫びとなって部屋中に響き渡る。それに驚いて「拓也」はそれまで決して離れようと しなかった陰唇から口を離し、何事かと顔を上げてしまう。  そ…そんな……あとちょっとで…うっ……こんなところでぇ…… 「ひっ!……うっ…うあぁ……はぅ………はぁ……」  全身の血液が股間に集中しているような気分だった。頭や胸の血管が大きく脈打ちながら全ての感覚がアソコ に集中し、すぐにでも気を失ってしまいそうなほど頭から血が引いてしまっていた。  全裸の相手を前に、パンティーを膝まで降ろされているとは言ってもほとんど制服を着たままのあたしの体に は爆発寸前にまで激しい疼きが溢れかえり、割れ目の奥からこぼれ出た蜜はたっぷりと付着している唾液と混ざ り合いいながら、はきだしに太股の表面を一筋、二筋と伝い落ちていく。そのわずかな感覚にさえも若くて健康 な体は敏感に反応し、お尻を突き出したままアナルからヴァギナ、クリ○リスまで全ての秘部をビクンッと痙攣 させてしまう。  それなのに……それなのにあたしの体はもどかしく、淫らにウネってしまっていた。あと少しという所で「拓 也」が口を離してしまったせいで、ここまできながら絶頂に上り詰める事ができず、体の中で開放されなかった 開放が何度呼吸を繰り返しても燻り続けてしまっている。  床に顔を押しつけ、お尻を舐められていたままの状態で浮かせているあたしは行きも絶え絶えに呼吸を荒げ、 服の下にはびっしょりと汗をかき、異様なまでの熱気に包まれている。  顔と同じように床に押しつけられたEカップの胸もブラを引き裂いてしまいそうなまでに丸々と張り詰め、ビ ンビンに勃起した二つの乳首と一緒に脈動し、心地よい痺れに包まれている。もし今、最初みたいに乳首を摘み 上げられたら、あたしは恥も外聞もなく、「拓也」にイかされているだろう……  それなのに「拓也」は何もしてこない。焦らされているのかと思いチラリと視線を後ろに向けると、宙に向かっ て小刻みに腰を振るあたしを前にしても、尻餅を突いたまま床から起きあがってこない。それでも開いた膝の間 には前にも増して屹立した肉棒が真っ直ぐに伸びあがっていた。  ………ゴクッ  腰を横に倒し、上半身を起こしたあたしの喉に生暖かい唾液が流しこまれる。  な、何考えてるのよ……これでよかったのよ。これ以上はしたらダメ。それにいいかげん「拓也」も目を覚まし ただろうから、今ならあたしの話も聞いてくれるだろうし。  快感がいつまでも消えずに燃え盛っている腰を少しで紛らわそうとよじりながら、露出もしていない胸元を左 手で隠し、珠の汗が浮かんでいる額の汗を右手で拭い取る。そして一つ息をついてから「拓也」に向けて顔を上げ る。と、元々それほど距離の離れていないところに座っていた「拓也」がいきなり腰を上げ、まるで飛びかかるよ うにあたしに抱きついてきた! 「きゃあ!!」 「もう我慢できない! 入れてやる、入れてやるぞ!」  い…入れるって……もしかしてアレぇぇぇ!?  ようやく快感も下火になってぐったりしていたあたしがすぐには動けなかった間に、足から白い下着を抜きと って膝の間に体を割り込ませて来る「拓也」。そっちに思わず目を向けた際に例のアレが視界に入り、「入れる」の 意味を瞬時に理解してしまう。 「そ、それだけはダメ! やめて、イヤ、イヤアァァァ!!」 「うるさい! あんなのを見せられて我慢なんてできるか! どうせ君だって感じてるんだろ? だったらいい じゃないか、一回、一回だけでいいんだから!」  その一回が問題なのぉぉ!! 一回だってあんたとしたら、あたしは…あたしは……どうなるんだろ? じゃ なくて! 一回だってするのはイヤなんだってばぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!  ここまでしてしまっておいていまさらと言う気もしないではないけど、できることならこのまましないですま せたかった。けど、この状況で逃げ出すには……そうだ! 「え、えっとね、手、手でして上げるから! 出すんなら一緒でしょ? あ、口ででもいいから、お願い、そこ だけはダメェぇ!!」 「いれるぞ、いれるぞ…こ、ここか? くっ……」  せっかくのあたしの大幅妥協した提案も、しとどに濡れた花びらに熱い視線を向けている「拓也」には聞こえず、 右手に握った肉棒の先端をうっすらと口を開いたヴァギナへと押し当てる。  グチュ…… 「あっ…」  見た目以上の大きさを感じさせる亀頭が陰唇の間に入ってくると、心地よい刺激が背筋を走り抜ける。その光 景はめくれあがったスカートが邪魔して目にする事はできなかったけど、丸みのある肉の塊がクレヴァスに入り こんだ感触が入り口から寝とねとに粘液の絡みついた肉ヒダ、そして一番奥の子宮にまで痺れるような快感にな って響いてしまう。  どうしよう……このままじゃあたしこいつに…「拓也」に…自分に犯されちゃう! どうすれば、どうすればい いのよぉ!!  どうしようもない。今まで何度も男性に無理やり犯されてきたあたしの一番冷静な部分がそう決断を下す。  そしてあたしの体も「拓也」に犯される事を待ち望んでいた。狙いを定めるために肉棒の先端が割れ目に沿って 上下するたびに蕾を亀頭の裏側で擦られ、少しだけ開いてしまった入り口からドクドクと愛液が溢れだす。まだ 膣の中に入っていないというのに、まるで既に貫かれてしまったかのように抵抗する気力を失ってしまっていた。  もう……いいかも……目をつむってれば普通に男の人にエッチされてるのと同じなんだし………それに…… 「こ…ここかな? よぉし、いくぞ、い、いれるよ!」  どれだけ性の知識を知っているかは知らないけど(まぁ、あたしよりは少ないよね)やっぱり初めての経験なだ けに声が今にも裏返りそうなほど高くなっている。その声から顔を背け、諦めて脱力したあたしは、目を閉じて コクリと小さく顔をうなずかせる。  少し間を置き、「拓也」の両手はあたしの体の左右に突かれ、鼻を馬のように荒々しく鳴らす。  その時間がどれだけ続いただろうか……不意に鼻息の音が消えたと思った瞬間、股間に押し当てられた肉棒の 圧迫感が急激に強くなっていく!  く、くる!!  まるで処女を失う乙女のように、挿入の感覚に耐えようと体を強張らせる。  ジュブッ! 「んんっ!!」  「拓也」が動いた直後、電撃のような刺激が子宮へと突きぬける!  そして…それだけだった。  腰を勢いよくあたしの股間に叩きつけたのはよかったんだけど、ペ○スの先端はキュッとすぼまった膣口へ入 ることはできず、大きく狙いを外しておマ○コの上を滑って行ってしまった。 「……………」 「あ、あれ? おかしいな…入らないなんて、ちょっと待ってね、あれ、あれ?」  思いもかけない出来事に、行為が終わるまで閉じていようと決意していた目蓋を開いて「拓也」を下から見上げ る。すると、挿入失敗のショックにあたしの冷たい視線が加わり(まぁ、多分そう思ってるんじゃないかな?)、 「拓也」は慌てて体を起こしてペ○スを再び秘唇に押し当てる。 「えいっ!」  ニュルン 「やあっ!!」  チュルン 「今度こそ!!!」  ツルン  そして遂には―― 「ううっ!!」  ビュク! ビュク! ビュクククッ!!  焦って何度もチャレンジした挙句、あたしの中に入る事無く終わってしまった「拓也」……… 「え…えっと、あ…うっ……」 「……………………………(プチッ)」  その間、単発的に襲ってくる快感に少しは反応を示していたあたしだけど、股間の回りに精液を撒き散らされ て、夢だと思われて押し倒され、せっかく話しても全然聞いてもらえず、さらには思わず感じてしまった事への 逆恨みなども全部まとめて溜めに溜めに溜めに溜めに溜めに溜めた怒りの入った堪忍袋の緒を音を立てて引き千 切ってしまったあたしであった。


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