Eルートその3


 コンコン――カチャ 「失礼します…あの…お飲み物をお持ちしました……」 『!!〜〜!!♪!〜〜♪♪〜!!』  飲み物の入ったコップを二つ乗せたトレイを片手に、あたしは一号室のドアをノックして薄暗い室内への扉を 開けた。その途端、あたしの身体がビリビリと細かく震えるほどの大きな音に出迎えられた。 『おお、ナイスタイミング。喉がカラカラだったんだよ』 「たくやちゃ〜〜ん、おじさんたち待ってたよ〜〜」  こ…この二人か……まったく、毎度毎度よく来るんだから……  あたしへの返事にもマイク話さずに大音量で喋るのは、このカラオケハウスの常連のおじさん二人組だった。  やばいなぁ……この人たちって……  以前にチップを掛けたカラオケ野球拳勝負であたしはこの二人の卑怯な作戦に敗れ、ちょうどこの1号室で服 を全部脱がされて…そのまま……お…思い出したくもない……  それで味をしめたのか、さらに頻繁に会社帰りに店へ来るようになった二人は、さすがに本番を強要してきた りはしないものの、仕事中だというのに制服の上から胸やお尻を触って来たり、食事とかホテルとかに誘って来 たりと、本当にスケベな中年親父なのである……  当然今日もあたしにお触りしてくる可能性が高い……もしそうなったら…… (想像中…想像中…) 「おやぁ? たくやちゃん、ひょっとしてノーブラぁ?」 「きゃあ! み、見ないで下さい!」 「いいじゃないのいいじゃないの、減るもんじゃなし。おじさんにちょっと見せてご覧…」 「や…やめて、近づかないで! いやぁ!!」  下着を着けていないことに気付いたオジさんがイヤらしい目で近寄ってくる……その視線から逃れようと胸を 押さえて後退さったあたしを、もう一人が背後から羽交い締めにする。 「ほほぉぉ〜〜、前よりも胸が大きくなったんじゃないのか? 最近の娘は発育がいいねぇ〜〜…おっ、ぽっち りはっけ〜ん」 「やっ…んんっ!」 「もう硬くなってるぞぉ…俺たちに見られて興奮しちゃったのかなぁ?」 「ち…違うの…これは……ふぁぁ……」  服の上から硬く尖った乳首を指先で摘ままれていじりまわされていると、後ろのオジさんの片方の手がぴっち りと閉じた太股に触れ、そのままスカートの中の花弁へと…… 「おやぁ……へへへ…たくやちゃん、下も履いてないじゃないか」 「マジか!? そりゃ……いけないなぁ…オジさんたちをノーパンで誘惑するなんて……」 「ち、違う、本当に違うんです。これは…その……んっ…はぁ……」  オジさんのシワだらけの指で縦筋を撫でられる感触に困惑するあたし……上手く事情を説明する事ができない うちにオジさんたちの行為はさらにエスカレートし、大きく開いた胸元からブラウスの中に手を差し入れ、ボタ ンをいくつか弾き飛ばしながら大きな乳房を窮屈な服の中から引っ張り出した。 「あぁ…んあぁ……や…こんなの…するつもりじゃ……はぁ……んっ!!」  露わになった乳房に顔を埋めこむように激しく乳首を吸われ、同時に下半身では蜜を滲み出し始めた花びらを 指で挟まれ、敏感な粘膜をイヤらしい動きでいじりられる…… 「さぁ、今すぐ欲しかった物をあげるぞぉ」  そして…あたしはソファーの上に押し倒され、何も守ってくれる物のない無防備なアソコへとそそり立った肉 棒をつき込まれる……… (想像終わり…想像終わり…)  な…なんてことになりかねないかも……ここはさっさと飲み物を置いて退散した方がいいよね……  幸いな事に、ミラーボールぐらいしか灯りの無い室内は壁紙の色と相俟って紫色をした暗さに包まれていて、 ブラウス越しでも見えている乳首の出っ張りもほとんど分からないはず…… 『たくやちゃ〜ん、おじさんたちと一緒にデュエットしなぁい?』 「そうそう、リストラを恐れ、日夜働き尽くめのおじさんたちに優しい愛の手をぉ〜〜」 「しない、絶対にしない。この前、泣き喚くから一緒に歌ってあげたら制服の中にまで手を入れてきたくせに」  今そんな事をされたら身の破滅だし。そんな危ない事、できますかっての。  はっきりと申し出を断ったあたしはトレイをテーブルに――  あっ……そうか、身体を屈めないと……  テーブルの高さはソファーに座った人間の膝ぐらいとすいぶん低く、身長は低めのあたしがたっている状態で の膝の上ぐらいの位置にある。  店のマニュアルでは膝を突いて、丁寧に並べるように言われているんだけど……それはスケベなお客へのサー ビスみたいなものだけど、それは今のあたしにとって致命的な事になりかねない。  もし、あたしがひざまずいたりすれば、制服の短いスカートは確実に太股の付け根までめくれあがる……その 時にこの二人が太股やスカートの中を食い入るように見つめてくるのはいつもの事だから……もしかしたら…見 られちゃうかも……  そう思うと、内股に力を入れてぴったりと閉じ合わせた太股に緊張が走る。もし見られてしまったら…その考 えは恥ずかしさに直結し、暗闇の中で一度冷めたはずの頬が熱を再び持ち始める…… 『あれぇ? たくやちゃん、そんなところに突っ立ってどうしたのぉ? 早くこっちにきて、一緒の歌おうぜ』  部屋に入ったのはいいけれど、その場から直立して動かないあたしをおじさんたちがいぶかしがる。  ………大丈夫…よね……暗いんだし、ちょっとぐらいなら……  一歩足を踏み出す。  あっ……ほんとに…身体が熱い……  おじさんたちに少しだけ近づいただけで、ふくよかな胸の奥で渦巻いている羞恥心が刺激され、身体が火照っ たように熱を持ち始める……  ビルの中にあるので、ひと部屋はそんなに大きくない。いつもなら三歩あるけば中央においてある小さなテー ブルにつくはずが、下着を履いていない事を意識しすぎて太股を開く事が出来ずに擦り合わせるようにしか歩け ないせいで、おじさんたちの注目の視線の中をゆっくりと、背筋を伸ばして進んでいく……  これ…本当にダイエットになってるのかも……  少しずつ背広姿のオジさんたちに近づいて行くたびに、身体の奥から熱が沸き起こってくる……小さく一歩進 むたびに心臓が大きく鼓動し、全身の肌があわ立つような感触に包まれていく……  ……はぁぁ…………  やっとテーブルの前についた時には背中や内股にはびっしょりと汗をかいていた。あたしはようやくたどり着 けた事への安心から熱いため息を吐き出した……  ヌチュ……  あっ!?…い、今のって……  最後の一歩……後ろに残した足を引き寄せる瞬間、股間の奥から身体を通って、あたしにだけ聞こえる湿った 音が聞こえてきた……  濡れてるの……は…恥ずかしいから……こんな事で…… 『おおぅ、なんだか今日のたくやちゃんは色っぽいねぇ〜〜!!』  そ…そんな事マイクで…言わないで……  改めて声を出して言われると、さらに胸や股間を見られている事を意識してしまう……  ブラウスのツンと張り出した小さな膨らみに…徐々に緩み出して奥から愛液をこぼしてしまいそうなスカート の奥に…スカートから露出した生の太股に…二人のオジさんのイヤらしい視線が無遠慮に浴びせ掛けられる……  こんな暗い室内で見えるはずがない…下着を着けていないことが分かるはずがない……そう頭の中で理解して いても、手を伸ばせば触れる事も出来そうな距離からいつも以上に恥じらって立っているあたしの姿に興奮して いるオジさんの視線を…どうしても感じ取ってしまう……  は…早く……ここから出ていかないと……  そうは思っても、二人を前にしてあたしの頭は熱く煮えたぎっていた。恥ずかしくてもそんなそぶりを見せる 事ができないあたしは背筋を伸ばして立つ……その行為はまるで、張り詰めた乳房や潤いだした秘所を自分から さらけ出しているような気分にさせる…… 「お…お飲み物は……こちらでよろしい…ですか…?」 「お、おお、そこでいいよ」  頭の中が真っ白になって何も考えられなくなりそう……でも…もう少し……  あたしの姿をじっと見ていたオジさんが、我に帰って言葉を返してくる…自分が見られていた事への恥ずかし さをグッとこらえて、あたしはゆっくりと…腰を屈めていく…… 「おおぉぉぉ〜〜〜!」  そんなに…見ないでよ……  羞恥心でいつもよりも色っぽくなっているあたしが身を折り曲げたのを見て、オジさんたちが身を乗り出して くる……その視線は…ブラウスの襟から覗く…胸の…谷間に……  !…そ…そこだったら、まだマシかも……お願い…下は見ないでよ……  スケベな投げかける事も忘れ、重力にしたがって下を向いて揺れる胸ばかりを見ている事に気付いたあたしは、 普段なら「チップはずむから生で見せてくれぇ!」と言われても見せないのに自分からググゥ〜〜っと前に腰を折 り曲げて、進んで奥を覗く事ができないほど押し寄せられて密着した胸元を二人に見せつける。 「うおおおぉぉぉぉぉ!?」  オジさんの視線を今にも服の中からこぼれ出しそうな乳房の柔らかそうでいて重そうな膨らみに集めながら、 股間の方だけは絶対に見られまいと太股を前後によじり合わせてしっかりガードし、その場に片膝をついた。 「オジさん感動だなぁ。たくやちゃんがこんなにサービスしてくれるなんて」 「もしかして俺たちの誘いを受けてくれるとか!?」 「そ、それは…遠慮させてもらいます……あたしも色々忙しいんで……」  話し掛けないで……グラス…落としそう……  一番大事なところは見られていないとはいえ、いつブラジャーを着けていないことがばれるか気が気でない。 興奮度合いがマックスまで上昇したオジさんたちの下手なお誘いの言葉をやんわりと断る一方で、あたしの手は 緊張のあまり小刻みに震え続けている。どうしても押さえる事ができない震えに、胸の方にばかり気が行ってい る二人は気付いていないみたいだけど……これ見よがしに晒した胸に突き刺さる視線に……あたしの興奮も高ま ってしまう……  話しかけてくる間にも、二人の視線は恥ずかしげな表情を浮かべるあたしの顔と、暗闇の中のわずかな光でヌ ラリと光る胸元の肌とを往復していた。  ――嘘…なんでこんなに……んっ……はぁ……  薄いブラウスを大きく盛り上げている二つの丸い膨らみからじわぁぁ…と熱い感触が広がり、服の中では乳房 が完全に張り詰めていた。乳首も部屋に入ったときよりも硬く勃起し、締めつける布地の擦れるくすぐったさと 疼きの交じり合った刺激に、あたしの身体の奥が悩ましく蠢き始める…… 「それでは…これで失礼します……」  グラス二つをテーブルを乗せるのに一分以上時間をかけて終えたあたしは……下半身を見られないようにトレ イで隠しつつ、最初と同じようにブラウスで強調された谷間を見せ付けるように腰を折り曲げてたちあがった… …  ――クチュ 「んっ!」  あと少しで膝が伸びきる。その時、ねっとりとした愛液を滲ませた膣道が腰と太股の動きにあわせて擦れ合っ てしまい、いきなり走り抜けた刺激に思わず声を出してしまった!  !…気付かれた!?  その一瞬で背を軽く逸らせ、身体をしならせたあたしの姿にスケベな二人が何も気付かないはずがない。  あたしはオジさんたちが何か言うよりも早く、慌てて姿勢をただし、トレイでスカートの前を押さえると軽く 頭を下げてその場を振りかえった。  す…スカートがひるがえっちゃう…!!  頭がパニックになる寸前にまで焦っていたせいで、来た時よりも歩幅が少しだけ大きくなる。その少しのずれ と、疼きを少しでも解消しようと勝手に左右に揺れるお尻の揺れとで、短いスカートの端がヒラヒラとはためい てしまう……  もう少し…あとちょっとで外に出られる!  冷静なふうを装おうとしても、恥ずかしさは止まらない! 歩くたびにプルプル震える胸の動きで、張り詰め たブラウスが今にも張り裂けてしまいそう……  スカートの軽い布地を手で押さえつけたい衝動を必死に我慢しながら、あたしは目をつむってドアに歩み寄る。 『お…おい……』 「し、失礼しました…どうぞごゆっくり!」  オジさんがようやく声を出したときには、あたしはドアノブに手をかけ、顔も合わせずにただ頭を下げるだけ の礼をしながら、一番危険な腰から最初に廊下へ滑り出ていた…… 「ふぁ…はああぁぁぁぁ〜〜〜〜………」  ドアから数歩離れ、そこで力尽きて壁に背中からもたれかかると、身体の中に溜まっていた熱い空気を全て肺 の中から押し出した。その一瞬後に大きく息を吸いこむと、空調が聞いていて熱くも涼しくもないはずの空気が やけに冷たく感じられた。  胸の鼓動が止まらない……本当に止まっちゃったら大変なんだけど、ドキンドキンと鳴りつづける心臓の音が、 目を伏せて深呼吸を繰り返すあたしの耳に響き続ける……  見られた……かなぁ………  後頭部を後ろの壁に押しつけて胸にそっ…と手を当てると、高鳴る胸は本当に内側から破裂してしまいそうな ぐらいに張り詰めている。  下半身を見られないために見せつけた胸…腰を上げる時のあたしの態度…そして最後の腰の振り……呼吸をす るたびに少しずつ冷めていく頭の中で、もしかしたら…と言う思いがどうしても拭えない……  そんな不安はともかく、緊張からの開放と共にあたしの身体から力が抜け落ちていく……そして同時に、全身 に切ない疼きが広がっていく……  あたし…感じちゃってたんだ……見られるかもしれないと思って……あんなスケベなオジさんたちに下着を着 けていない姿を見られて感じちゃったんだ……  一回り大きくなった乳房が汗で肌に張り付いたブラウスの薄い布地を押し上げている。そしてその先端には勃 起した乳首がはっきりと浮き上がっていた。これがあたしが感じていた何よりの証拠……すでに肌の下では性感 帯が完全に目覚めていて、この乳首を摘ままれただけでもあたしはイってしまうかもしれない……  股間の方も、吸い取るはずのまた布がないために、どんなに力を入れてもドロドロの愛液が少しずつ秘唇から 漏れだして密着した太股に絡みつき始めている。肉付きのよい太股の間にできた谷間に沿うように年度の高い愛 液が……  も…もう十分よ……このままじゃあたし…どうにかなっちゃいそう……頭の中が…熱い……  銀色のトレイを持っていない方の手で汗を拭い、そのまま壁について身体を離すと1号室のすぐ近くにある受 付に向かってゆっくりと歩き出した。それだけの動きでもスカートの中で片方ずつ揺れるお尻が擦れ合い、気を 抜くとアソコから愛液を溢れ出してしまいそうになる……  早く…更衣室に行って何とかしないと……  もう人に見られているわけではないので背筋を伸ばす必要もない。足を動かすたびに感じてしまう疼きを必死 に我慢しながら歩く……ドロドロの愛液が足を伝い落ち、開いて歩く事ができない太股の間でグチャグチャ湿っ た音がなるのを聞きながら……  しかし、あたしの受難はまだまだ止まらなかった……そこには―― 「あっ……おはようございます……」 「おう」  受付の前に店長が立っていた。いつものように背広を着て真っ直ぐ立っている姿には貫禄さえ感じてしまう。  その姿を見てしまったあたしは、ほとんど反射的に背筋を伸ばし、頭を下げて挨拶をした。 「あ…拓美さん、おかえりなさい……あの……」 「どうした、顔が赤いぞ」  めぐみちゃんの労いの言葉を聞き終わるより早く、店長の重たい声が聞こえてくる。  あと少し…あと少しで更衣室なのに…… 「あ…その…少し風邪気味で……」 「――そうか。だが仕事はサボるなよ」 「は、はい。分かりました」  この人を前にすると……どうしても緊張しちゃう……  例えその筋の人ではなくても、喧嘩した三人を病院送りにしたというのは事実らしいし、サングラス越しでも 感じてしまう鋭い眼光に見据えられただけで、指一本動かせなくなってしまう。さっきまで受付でのんびりして いた新庄さんがビシッと直立している事でも、この店長の怖さがイヤと言うほどよく分かる。 「俺は奥の個室にいる。面倒なく仕事をしろ、いいな」 「はいっ」  答える声にも思わず力が入ってしまう。  でも…これでこの緊張から開放されて更衣室に行けるわ……  店の一番奥の個室へ向かおうと、あたしの横を通りすぎる店長に身体を回転させて常に正面を向ける……そし て、その背中を見て、あたしは足を動かし―― 「きゃあ!?」  ――色々と緊張が続いたせいで足がすぐには動かず、足首から先をその場に残すように動き出したあたしは、 店の廊下に敷き詰められた絨毯の上に倒れこんでしまった。 「あたたたた……」 「だ、大丈夫ですか? 怪我はありませんか?」 「あ…ありがと、めぐみちゃん。ちょっと肘をぶつけちゃっただけだから……」  あたしが転んだのを見て、慌ててめぐみちゃんが受付の中から出てきて、起きるのに手を貸してくれた。  怪我の方は言葉の通り、絨毯がクッション代わりになってくれた事もあって、軽い打ち身だけ。手に持ってた トレイは……放り投げて、壁にぶつけてしまったみたい…… 「ごめんね、ビックリさせちゃって、あはは……」 「いいんです。怪我がなくてよかっ……」  ん? どうしたんだろう、急に黙っちゃって……  立ちあがったあたしと向かい合うめぐみちゃんが、喋っていた言葉を不自然なところで切り、視線をあたしの 肩から後ろの方に向けたまま動きを止めてしまった。  ? 後ろに何があるって……あっ!? 「相原、お前……」  振りかえった先には……あたしが転んだ事に気がついて戻ってきた店長が立っていた。その上、さっきまでは 感じなかった、殺気と言うか……そばに立っているだけで後退さってしまいそうな迫力に満ち溢れていた。 「あ…あの…別に怪我とかはしてませんから――」 「これはどういう事だ?」  あたしが気付くよりも早く、店長の太い指があたしのスカートを掴み、上へと引っ張り上げた! 「きゃあっ!!」  やだ、もしかしてさっき見られたの!?  あたしがスカートを押さえても、店長の強い力で引き上げられたスカートを押し下げる事はできず、受付前の 広い空間であたしの下腹部は完全にさらけ出されてしまった!  店長は倒れた時に後ろにいたから、横たわったあたしのスカートの中が見える位置にいた……つまり…このカ ラオケハウスで一番怖い人に見られちゃったの!? 「おい……この店は風俗じゃねぇ。なのになんだ、この格好は?」 「これは、あの、違うんです、別にやらしい事をしていたとか――」  必死に言い訳をするけど、この店長がそれで許してくれるはずもない。なんたって、自分のお店で露出魔のよ うな事をされたんだから…… 「――新庄、後で俺の部屋に道具を持ってこさせろ」 「は、はい、わかりましたぁ!」  道具って…きゃあ!?  スカートを下ろして股間を隠そうと一生懸命頑張っていた手を店長にいきなり掴まれると、有無を言わさぬ力 であたしは廊下の方へと引っ張られていった。 「相原、お前がそんな趣味だったとはな」 「誤解です! これは新城さんに言われてそれで!」 「別に構わんさ。前から目をつけていたからな」  えっ……何かイヤな予感が……  あたしの方を振り向かずに喋る店長の雰囲気がさらに怖い物へと代わっていく…… 「今からタップリ教育してやる。風俗嬢としてな」  その言葉を聞いた途端………あたしの股間に快感と似ているようで、まったく違う、冷たい衝撃が走り抜けて いった……


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