]]]]Y.声色


「い、いやあああぁぁぁ〜〜〜!!」  トッ  裸足に固い感触が触れる。  えっ!?……ここって………  目の前で開いた窓ガラスの向こう側へと押し出されたあたしは森か山の中にでも放り出されたのかと思いきや、 足の裏には平らにそろえられた木の感触が触れ、ある意味では自由にもなれた身体を動かして周りを見回すと、 すぐにそこが窓から大きくせり出したベランダである事が分かった。  へぇ……窓の外側ってこんな風になってたんだ……  仕事やなにやらで色々と忙しかったせいであまり客室を観察できなかった事もあるけれど、あたしがやった布 団の上げ下ろしはほとんどが二階だったので今までこんな風になっているとは全然知らなかった。  奥行きは大人二人が立つのには十分で、勢い余ってあたしが手をついた手すりは床と同じく木製で腰の高さに ある。もし昼間の明るい時にここに立てば自然の山々の風景を堪能する事もできるんだろうけど、残念ながら今 は夜で、ふくろうのホーホーと言う鳴き声をBGMにして星明りに照らされた山の巨大な輪郭が立ちふさがる光 景はいかにも恐ろしげだった。 「うっ……」  別にそんな物が本当に怖いと言うわけじゃないんだけど、町よりもキツい夜の寒さが風となってあたしの髪を 吹き乱しはじめると、少し乾き始めたとは言ってもまだまだ汗と精液で濡れている身体はあっという間に体温を 奪われ、急速に冷え始める。あたしはちょっとでも寒さに耐えようとボタンのはじけ飛んだブラウスをかき合せ、 露出した胸を覆い隠しながら素足の太股を擦り合わせる。  ううう……胸も太股もヌルヌルぅ……気持ち悪いぃ………  まるで悪い事をした子供が外に放り出されてお仕置きされているような気分で身体を縮こまらせると、胸の谷 間に溜まった精液や股間から垂れ落ちた愛液がグチュグチュと音を響かせ、寒さで一瞬忘れてしまいそうだった 凌辱行為をいやでも思い出させる。  ガラガラガラ、ピシャン  背後から聞こえてきた窓ガラスの締まる音に、「ここに置き去り!?」と思いながら慌てて降りかえると、ソフ ァーに座る夏目やあたしを粘着質な視線で見つめる小林のいる室内を、まるでテレビの画面のように塞ぐ冷たい ガラス窓のこちら側、まるで画面からただ一人抜け出したかのようにあたしのすぐ後ろには梅さんが立っていた。 「やれやれ、これで静かに話せるのぉ。客を相手にするのはこの歳になってもわずらわしいもんじゃわい」 「う…梅さん……」  急に音が少なくなった世界……窓を閉めると室内の音はほとんど聞こえず、あたしの回りにある音といえば背 筋の冷たくなりそうな風鳴りと背筋が凍りそうな梅さんの声だけだった。  梅さん…いったいなに考えてるのよ……あいつらとグルであたしに変な事しようとしてるのか…それとも他に なにかあるのかも……  なんだかはっきり分からない梅さん…室内からの逆光で表情がまったく見えないせいでさらに不気味さを感じ、 ブラウスで必死に身体を隠しつつ後退さろうとするけど、いくらなんでもそれほど広くないベランダ、二歩と進 まずに手すりが腰に触れる。 「さて…それでは早速――」  梅さんがいつも着ている法被の懐に手を入れると、食事の時にお膳の上に置いてあるビニール袋入りのお手拭 を取りだし、あたしの足元に放り投げた。 「それで胸や顔を拭くとええ。いつまでも男の出したものにまみれとるのも気持ち悪かろうて」 「………えっ?」 「ほれ、はようせんか! 言われる前にさっさと動く!!」 「は、はいっ!!」  梅さんの行動が何なのか全然わからなかったあたしは、それでもこの数日で叩きこまれた梅さんの怒声に対す る条件反射で急いで動き出し、足元に転がったお手拭を拾い上げ、少し迷ってから梅さんに背中を向けて自分の 顔や胸を噴き出した。  んっ…結構こびりついてるな……早めに拭けてよかった…のかな?  湿った布のお手拭をビニールから取りだし、広げて乾き始めてカピカピになった精液をごしごしと拭き取ると、 ブラウスの合わせ目から服の中に右手を差し込んで、首から胸元、そして左胸の周囲を通って谷間に…そして左 手に持ち変えて右胸へと、少しでも夏目に犯された痕跡を消すかのようにごしごしとお手拭を心地よい弾力で押 し返してくるおっぱいに擦りつける。 「さて――それでは客が待っとるから早めに始めるかのぉ」  突然耳のすぐ後ろから声が聞こえて振り向こうとするよりも早く、脇の下から回ってきた二本の腕がブラウス の上からあたしの胸をムンズと鷲掴みにしてきた! 「あっ…きゃああぁぁああ!?」  油断はしていないつもりだったんだけど、梅さんから目を離したのがいけなかった。気配もなく近づいてきた 老人の手は服の上からでも分かるほど大きく開いた十本の指を火照りが残っている胸の膨らみに食いこませ、大 きさと柔らかさを確かめるように力強く揉みまわしながら中央に向かって寄せ集めてくる。 「ほっほっほ、やはりこの触り心地はたまらんのぉ。揉むたびに若返りそうじゃ」 「やめてっ! 梅さん何考えてるんですか、離して、触らないでぇぇぇ!!!」  咄嗟の事だったので、あたしは叫びながら自分の胸を守ろうと腕を抱え込んだけど既に梅さんの手はあたしの 胸を揉んでいるんだから逆効果になって、より一層強く胸に押し付けてしまった。  ああん、もう、なんなのよ!  心の中で自分の馬鹿さ加減に悪態をつきながら、何とか逃れようと肘で梅さんの腕を押し下げながら身体をよ じるけど、その細い腕のどこにそれほどの力があるのかと思うほどあたしの背中に密着しながら強く抱きしめて きて、リズムよく乳房を揉み続ける。 「くくくくく、暴れてもよいのか? ここで声を出せばすぐに二階の客に気付かれるぞ?」 「あっ……んんっ!」 「それでもいいんじゃったら声を出すとええ。わしらも楽しめると言うもんじゃ、くくくくく……」  そうか……すぐ上には松永先生や遙くんたちが……  あたしがちらりと上に視線を向けると、部屋からは灯りが漏れてなかった。今夜はあたしの部屋に来るとか言 っていたから、今はいないのかも…… 「ほれ、よそ見をするでないわ。お客様に失礼じゃぞ」 「くっ、んんんっ!!」  意識を余所に向けた瞬間を見計らったように、ムニュムニュと形を変えるおっぱいの頂上で勃起したままの乳 首を人差し指で両方一辺に転がされ始め、思わず声が出そうになるのを慌てて飲みこんだ。 「声を出さんのか? 助けを呼んでも構わんのじゃぞ。それでもそれが男じゃったら逆に楽しむ人間が増えるだ けかもしれんがの」  ブラウスの布地から浮かび上がらせるように、固く尖った乳首の根元に沿って入念に円を描くと、人差し指と 中指で挟み、そのままはちきれそうな胸乳を乱暴に揉みまわしてくる。 「んっ…ふぅ……ふぁ…んっ!…くぅ!!」  ひと揉みごとに乳房の張りが増し、高まる圧迫感に思わず声が出そうになる。その欲求を指を咥えて必死に耐 えるけれど、放てなかった声は身体の中で暴れまわり、左右に悩ましく揺れる下腹にゆっくりと溜まり始めてい た。 「んっ!!」  汗の滲んだ喉元がクンッと反り返る。  いつの間にはだけたのか、ブラウスが滑り落ちて露わになった肩や首筋に梅さんの舌が這い回る。唾液をたっ ぷりと絡ませ、ねっとりと吸いついてくる感触に甘い悲鳴が喉元までせり上がってくる。  い…いけない……あたしってば…感じちゃってる……き、きもち…いっ、いい……  ちゅぽ…… 「んはぁ……んくぁぁぁ!!」  梅さんがあたしの手を掴んで口から涎にまみれた人差し指を引き抜いたかと思うと、汗で張りついていた紺色 のブラウスは肘まで引き下ろされ、そして両腕を抱え込むように梅さんの手が再びあたしの胸を弄ぶ…… 「んあぁ…はぁ!! あっ!!」  服を脱がされると、入念に乳首ばかりが弄りまわされ、汗を塗り広げるように乳房のふもとから頂上まで皺だ らけの手が何度も何度もさすり続ける……時折込み上げるゾクッとした感触を耐えようとしても、口を塞ぐ物が なくなったので、唇から大きな声が時々漏れてしまう。 「んふぅ…や、やめて……もう…これ以上……」  それでも上にいる松永先生は砥部さん一家を巻き込むわけにはいかないと言う思いが、必死に快感を押さえこ もうとする。でも逆に……もしばれたら…こんなところを見られたら…… 「……んんっ!!」  徐々に力のこもる指先に嬲られている乳房が一瞬膨張したかのような感触に包まれる。  後ろからの灯りであたしの視界はほとんど真っ暗だったけど、それでも自分のおっぱいの白さはよく見える… …その膨らみはまるで絶頂寸前かのようにビクビクと鼓動し、寒空の下で弾むように揺れている。それが示すよ うに、あたしは梅さんに触られて感じて…身体が熱くなってしまっている…… 「あんっ!!」  徐々に声の出る頻度が多くなっていく。  乳首だけ出なく、脇の下や首筋などのあたしの感じる場所をさらに早くなる指先で巧みに攻められ、突然乱暴 に揉み解され、乳房はズキズキするほど疼いてしまっている。このままだと……こんな場所でイかされちゃう… … 「お…お願い……お願いだから…やめて…もうやめてぇ……」 「何をやめて欲しいんじゃ?」  快感で美味く動かない口で泣くようになりながら頼んだのに、梅さんは手の中に収まりきらないほどの大きさ の乳房を下から持ち上げ、乳首を引っ張りながらプルプルと揺らし始めた。 「い、いや、乳首が、んっ、んんん〜〜〜〜〜〜!!!」 「声を出したいんじゃろう? 感じておるんじゃろう? イきたいんじゃろう? 好きにするとええ。ワシはと めんからの」 「う、梅さん、や、いや、やめて…やめてよぉ……んんっ!! これじゃ…変に…くあぁ!!」  コリコリにしこった乳首を摘み上げられると、ビリッとした刺激が身体を突き抜けていく。その刺激が下半身 にまで響き、充血した粘膜の間から新しい愛液を噴き出し始めた。 「あっ…ああ…あああ……」  さらに滲み出す汗で手を滑らせ、プリンプリンと大きな乳房が弾ける。そのたびに身体が緊張し、蜜壷がビク ビクと痙攣を繰り返した。 「ゆ…許して…もうだめぇ……こんな事…もうやめてぇ……」  沸騰したお湯のように熱く感じられる愛液がドロッと肉管を流れ落ちていく。それをはっきりと感じ取ってし まったあたしが大きく息を突いた途端に大量のいやらしい汁が秘唇から溢れ出して、太股に筋を作りながら垂れ 落ちていく…… 「くくくくく……淫らな女よのぉ、たくや。素直に言う事を聞いておれば好きなだけイかせてやったものを」 「うっ…ううううう……」  梅さんの言葉があたしの心をなじり、両の瞳から涙が溢れ出す…… 「よいか、お前はこの部屋の中にいる限り逃げられんのじゃ。他の者を巻き込みたくなければ、黙って男の言う 事を聞いて、肉棒を咥えこんだらええ。わかったな?」 「うっ………………は………はい………」  少し逡巡したけど、あたしは自分から奴隷のような仕打ちを受け入れる事をついに納得してしまった…… 「そうかそうか、ようやく分かったか。ではご褒美をやらねばいかんな。手すりに手をついて少し待っておれ」 「………はい……」  もう抵抗する意思が完全になえてしまったあたしは梅さんが離れると言われるがままに手を突き、後ろに向か ってお尻を突き出した。  スカートの中に下着は履いてない……この体勢が何を意味する事が何かわかっているあたしは、夜の寒さでも 冷やす事ができないほど身体を熱くしてしまう…… 「いい眺めじゃ……よもやお主を今一度抱けるとはの……く…くくく…くくくくく………」 「う、梅さん…?」  今までとは違う、まるで込み上げてくるものを我慢しきれないような笑い声を耳にしたあたしは、首だけ降り かえって肩越しに背後の人間に目をやる。 「犯してやるわい…タップリとな……あの夜のようにお主が狂うまで蜜壷を犯しぬいてやるからのぉ……」  逆光で表情は見えないはずだった……だけど、その時、梅さんの血走った目がギラリと輝いたような気がした……


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