Y.流水


「なぁ、あゆみ、なんで俺も手伝うの?」 「だって、たくやくん疲れてるみたいなんだもん……顔真っ赤にしてて……」 私と隆ちゃんは布団部屋に向かって歩いていた。 私の手にはたくやくんに渡す制服が握られている。準備してあった制服は三着目のこれが最後。ちゃんとスカートの 長さも確認してあるの。 真琴さんにその事を話すと、直接手渡しするように言われた。恥ずかしがってたようだから、少しでも早く渡そうと 思って、お手伝いついでに持ってきた。 ほんとは私一人で手伝おうと思ってたんだけど、隆ちゃんもちょうど仕事が終わってたので、手伝ってもらう事に したの。側にいた真琴さんが包丁で脅してたけど…… 「あれ?布団がひとつも干されてない」 「あ、ほんとだ…どうしたんだろ?」 窓から外を見ると、たくやくんに「ここに干してね」と説明した場所には一枚も布団が無かった。 「疲れてたんなら、そのまま布団部屋で寝ちゃったんじゃないかな?」 「そんなの隆ちゃんだけだよぉ…」 私たちは、渡り廊下を渡り、自分たちの部屋のある離れに入って行って、そのまま廊下の奥の布団部屋に向かった。 「ま、あゆみには無理させられないからな。力仕事は俺に任せとけ」 「うん、がんばってね、隆ちゃん」 私が妊娠してから、隆ちゃんは私の仕事を手伝ってくれる事が多くなった。その分、いっしょにいられる時間も 増えたの。 口ではいろいろ言うけど、そんな隆ちゃんのやさしいところが…… 布団部屋の正面の廊下に差し掛かったとき、 「あれ?」 今、誰かが布団部屋の方から外に出て行ったような…? 「なぁ、あゆみ。今誰か出て行かなかったか?」 「隆ちゃんも見たの?たくやくんかな?」 自分でそう言ったけど、違うと思う。たくやくんはあたしと同じ青いブラウスのメイド服を来てるけど、さっきの 人はなんだか黒っぽい服を着ていた…… 「おい、あゆみ……あれ…」 「?どうしたの、隆ちゃん……!」 隆ちゃんの指のさす方向を見たとき、私は息を飲んだ。開け放たれている布団部屋の入り口から倒れているたくやくん の姿が見えた! えっ、たくやくん…! 「あゆみ!」 「!あ、うん」 既に布団部屋に走り出している隆ちゃんに名前を呼ばれて、ボーッとしてしまった私は正気に戻った。 私が布団部屋に着くと、隆ちゃんは入り口で立って、布団部屋の中を見つめていた。 「はぁはぁ、隆ちゃん、どうしたの?」 「!あゆみ、見るな!」 隆ちゃんがあたしの視界を塞ごうとしたけど、その光景は、もう私の目に飛び込んでいた。 「た…たくやくん………」 メイド服を引き裂かれ、無残に凌辱された、たくやくんの姿が…… 猿轡をされ、引き裂かれた胸元で大きな胸が露わになり、からだ中にかけられた白い液体が、たくやくんの身に何が あったのかを語っていた…… 目を閉じていたけど、胸が上下しているから、気を失っているだけのようだ。 「…そんな…ひどい……」 ひどい目にあってしまったたくやくんを見たとたん、私はその場の立ち尽くしてしまった。息をすることも止めてた かもしれない。 「くそ、さっきの奴だな。あゆみ、たくやちゃんを頼むぞ!」 「あ、隆ちゃん!」 隆ちゃんはそう言うと引き戸から外に飛び出して行った。 そうだ、泣く前に、私もたくやくんを介抱しなくちゃ。 布団部屋に入って、たくやくんの傍らに座り、肩に手を乗せ、体をゆすってみる。 「たくやくん!たくやくん!目を覚まして!たくやくん!」 「……やくん!たくやくん!」 ………なに……あの男の声じゃ…ない…… あたしはゆっくりと目を開ける。 ………まぶし…… そこは明るくなった布団部屋。 目の前には心配そうにこちらを覗きこんでいるあゆみさんの泣き顔があった。 「!たくやくん、大丈夫?」 「ん、んん……」 「あ…ごめんね、今はずすから」 あゆみさんの白い指が精液まみれのあたしの顔に近づき、猿轡をはずしてくれる… 「ぷはっ、はぁはぁはぁ…」 ようやく自由になった口で、息を大きく何度も吸う…… 落ちついたところであゆみさんが声をかけてきた。 「たくやくん、大丈夫?」 「はぁ…はぁ…はぁ……ははは…あんまり大丈夫じゃないです…」 レイプされた事による精神的ダメージは、まったく無いと言えば嘘になる。けど、それほど酷いわけではない。 無理やりヤられた事は今まで一度や二度じゃないし…それにヘタクソだったし…… あたしのささやかな抵抗として、目を閉じ、男の行動に何の反応も示さないようにしたのである まぁ、ヘタクソのふにゃチン男にイかされるほど、あたしは敏感の性欲多過じゃない。 無反応なのが気に食わなかったのか、最後はあの男、ぜんぜん感じないあたしを無理やりイかせようとして、 あたしのからだに無茶な事をしてくれたので、どちらかといえば、からだの方が疲れている。 「とにかく部屋に行きましょ?ここじゃどうしようもないし…」 「はい……その前に…手の紐ほどいてくれませんか?」 「たくやくん、ほんとに一人で大丈夫?」 「大丈夫ですって。あゆみさんだって、まだ仕事があるんでしょ?ちゃんと自分の部屋に戻りますから安心してください」 「……うん…」 あゆみさんがシャワー室から出て行く。 あたしはその後、従業員用のシャワー室でからだを綺麗に洗った。 「……さぁ、きれいにして仕事に戻らなきゃ」 温かいお湯が頭の上から降り注ぐ。 からだにこびり付いた液体と臭いが流れ落ちていく。 それといっしょに、オ○ンコとア○ルからは、薄くさらりとした精液が流れてきた。 「……そうよ。こんなこと、今までにも何度かあったじゃない」 なにも考えないようにしてサッと洗い流す。 「平気よ。あたしは男だもん。女の今、何されたって平気なんだから」 床に座る。オ○ンコとア○ルに指を入れ、中に溜まった精液を奥まで掻き出し、お湯を流し込んで洗い流した。 「く……」 痛くても、染みても、気にしない。 からだも洗う。触られたところを手が通るたびに…… 「…う…」 あの男の触れた場所を何度も擦って、少しでも忘れるように、何度も擦って、何度も擦って何、度も擦っ、 て何度、も何…度も…… シャァァァァァァァ…………… 頭の上から、                          落ちてくる、           お湯といっしょに、                                あたしの涙も、                    排水溝へと、       流れて、                                       いった……… ただ…今は……何も考えたくない………


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