[.火曜日登校時刻
「う〜〜ん」
「なによ、まだ悩んでるの?松永先生から電話があったんでしょ?工藤のことは大丈夫だって」
「そうは言ってもさぁ……」
制服の上に学園指定の足首まである冬用コートを着たあたしと明日香は仲良く……とは言えないか。あたしだけ
悩みまくりながら学園前のバス停に降り立った。
金曜日に弘二が女になってからずっとこんな調子。まぁ、三連休なんだから明日香と遊びに出かけたりしたときは
忘れてたけど……そんなわけであたしが話をあんまり聞いてないから明日香がちょっとご機嫌斜めなのよね。
「でもやっぱり心配よ。だってあの松永先生なのよ。弘二がただで男に戻してもらえるかどうか……」
先生が家にかけてきた電話で「今ちょうど相原くんの気分を味わってるところよ、ふふふ……」と何やら意味深な事
を言っていた。で、あたしが弘二にされて思ったことって……思いっきりいけないことしかないじゃない!という
ことは弘二は女になって誰かに犯されてるって事?
明日香は今まで松永先生のレズ指導の現場を目撃したり、寝ているところを男子数人と一緒に襲われて快楽の虜に
なりかけた事がないからなぁ……あたしも説明しにくいから、結局あたしだけが悩むことになるのよねぇ……
「はぁ……」
「元気出しなさいよ。たくやがそんなに悩んでもなっちゃったものはしょうがないでしょう。だから早く保健室に
行って事の成り行きを確かめましょ」
「先輩」
「分かってるわよ。でもなんだか気が進まないなぁ……」
「先輩」
「ん?」
あたしが明日香に手を引かれて歩き出そうとした時、後ろから声をかけてくる女の子の声が聞こえてあたしは足を
一歩だけ歩いて止めた。
振り返るついでに周りを見ると、バス停にはあたしと明日香以外に降りてきた人たちはもう学園の中に入っていったし、
弘二のことが心配だったから早めに来たせいで歩きの生徒も時間的に少ないから、ここにいるのはあたしと明日香、
そしてあたし達の後ろにいた女の子だけ。
「先輩、おはようございます」
「え?あ…おはよう……」
あたし達と同じようにコートを前をしっかりと閉じて着こんでいる女の子は明日香じゃなくてあたしの顔を見ながら
挨拶してきたので、自分の顔を指差しながら困惑しながらも反射的に挨拶を返す。
そんなあたしをいぶかしんだのか、明日香が横からあたしのコートの袖をクイクイと引っ張ると、顔をあたしの耳に
寄せてきて目の前の女の子に聞こえないようにささやいてきた。
「ねぇ、あの娘誰?科学部の後輩なんでしょ」
「うちの部は千里のせいで部員がいないのは知ってるでしょ」
「じゃあ誰よ」
う……明日香ってば怖いよう……いくらあたしが男子にも女子にももてるからって、そんなに疑わなくても……
とにかくこの子が誰なのか思い出さなきゃ。そうじゃないと今日一日どんな目にあうか分かったもんじゃない。
小柄でショートカットで結構かわいいかな?うちの学園の生徒みたいだけど、あったこと無いんだよね。
でもどこかで見たような……だんだん近づいてきてるからもっと顔をよく見て……って?
「相原先輩!」
な…なに〜〜〜!!
明日香が隣にいるにもかかわらず、その子はいきなりあたしに抱きついてきた!
「先輩!相原先輩!会いたかったです〜〜!」
「ちょ…ちょっと待って!いったいなに!……はっ!」
「……たくや」
女の子に抱き疲れたまま視線を横に向けるとなんだか明日香が手をポキポキッて……殺気!
「ち…違うわよ!あたしには子供の頃の幼馴染は明日香しかいないし、遠い親戚の従姉妹や許嫁なんかもいないし、
これは何かの間違いなのよ〜〜〜!!」
「ふぅん……昨日私にあんな事してくれたってのに影でこそこそとこんな子と……へぇ……」
うあ、絶対誤解してるよ。この子が誰かはあたしのほうが知りたいのに〜〜!!
刻一刻と近づいてくる死の時をなんとか回避しようと女の子を引き剥がす。
「あ…明日香ちょっと待っててね。えっと…悪いんだけど、あなた誰だったかな?」
「先輩ひどいです!私の事忘れちゃったんですか!?私、先輩のことを思ってずっと……」
「たくや……」
ああっ!ますます泥沼!!何てこと言うのよ!!あたしは潔白よ〜〜(嘘です)!!
「先輩、私です、弘二です。分かりませんか?」
「そう、弘二ちゃんて言うの。ちょっと待っててね、今あなたの彼氏(?)のこの浮気野郎を……え?」
「こ…弘二……??」
あたしが死を覚悟して途方に暮れていた時、なんだか話題の中心の女の子がとんでもないことを口にした。
「はい♪先輩を待ってました♪」
う……かわいい……
あたしに名前を呼ばれて喜んでる顔をみて、不覚にもそう思ってしまった。
「ちょっと、たくや。どうなのよ」
「そ…そんな子といわれても……確かにショートカットで小柄で……本当に弘二なの?あんた男に戻してもらえるん
じゃなかったの?」
目の前の弘二と名乗った女の子は顔立ちとかは確かに弘二っぽかった。でも身体のほうは、あたしほどじゃないけど、
細身で出るところは出てて引っ込むところは引っ込んでて本当の女性みたい…というか、ほんとの女になったんだけど……
「男に戻る薬でしたら捨てました」
「へ?……う…嘘!なんで!何で捨てちゃったのよ!何で男に戻らなかったのよ!」
「だって…先輩が男に戻ったら男同士になっちゃうじゃないですか」
「それは当然でしょ。それが本来の姿なんだから」
「だから私は女のままでいいんです。私が女なら先輩が男でも女でも大丈夫だから……」
そう言って弘二はつぶらな瞳であたしをじっと見詰めてきた。
こりゃ本気だわ……一体どうしよう……
「でもいいの?あたしの事は置いといて、えっと……親とか……」
「父さんと母さんなら喜んでくれましたよ。本当は女の子が欲しかったらしいですから、前よりも仲良くなりました」
「そ…それじゃあ……」
「はい。私は先輩のために女として生きていきます」
あぁ〜〜!!そんな事言わないで〜〜!!あたしは何にも悪くないのに〜〜!!
そのとき、弘二の身体がピクリと震えた。
「や…やだ……」
「どうしたの弘二?まさか薬の副作用とか?」
弘二はお腹の辺りを片手で強く押さえて、少し身をかがめている。なんだか指が一本、コートの中に入ってるような……
「すみません、ちょっと溢れてきちゃったから……」
「溢れて……?」
その言葉にあたしは少し考えた。
「昨日からずっと使いっぱなしだから、ちょっと疲れちゃって」
使うって何を?
「最初は五人に輪姦されたんですよ。もう一日中学校のいろんな所で。あん♪溢れすぎちゃってもう止まりません♪」
まわされ…!?
その言葉であたしは弘二の言っていることがようやく理解できた。
「それから松永先生に一晩掛けて女性のイかせ方とかいろんな事教わって、その後で街に出ていろんな人にナンパされて
抱かれたんですよ。おじさんとかいろんな人に。最後に外人に連れて行かれて十人ぐらいに廃ビルで輪姦されて……
おマ○コが壊れちゃうかと思いました」
弘二はこの連休で自分の身にされたことを頬をピンクに染めながら話している。そんなかわいい仕草の一方で、手は
コートのボタンを下のほうから一個一個はずし始めている。
「家に帰って親に説明したら一晩中私の事犯すんですよ。まだ女になったばかりなのにたくさんの人に入れられて
ヒリヒリしてる所に無理やりねじ込んできて……でも父さんのおチ○チンとっても大きかったんですぅ……
それに全部中だったんですよ。ひどいと思いません?」
熱いと息を吐きまるで感じてるような表情をしながらも、弘二の体験談は止まらない。声はあたし達に聞こえる程度
だから回りの人も立ち止まらずに通り過ぎていく。
「さっきなんか変なバスに乗っちゃって……痴漢バスって知ってますか?私、街中を走るバスの中で男の人にも女の
人にもメチャクチャにされたんですよ」
「あ……えっと……あう……」
「ふふふ……私もいやだったんですよ。でもね、男の人のおチ○チンぜ〜んぶ先輩のおチ○チンだと思ったら……
あんっ…もう…私止まらないんですぅ……」
弘二の話を聞いて何も反応できなくなったあたしの目の前で、弘二が自分のコートの前を開く。
「な…なぁっ!」
コートの下は全裸だった!透き通るような色白の胸やお腹には白い精液がこびりついている。股間からは精液とも
愛液ともつかない液体があふれ出ていて、太股を伝って足首の靴下に届いて染み込んでいる。そして、あたしの目は
そんな股間の一点で止まってしまった。
「あぁん……これですか?これ、先生にもらって鞄の中に入れてたんです、先輩に使ってあげようと思って。
そしたら痴漢に見つかっちゃって……やっぱり最初から服着てなかったのがいけないんですかぁ……」
う…うぃんうぃんて言ってるよ……あんなに太そうなのが中で動いてるの?
「先輩……こんなエッチな私じゃだめですか?私、もう先輩にしか裸見せませんし、先輩にしか抱かれませんからぁ……」
「え……あ……うん」
弘二の裸を見つめていたあたしは弘二の問いに生返事を返した。
「本当ですか!じゃあ今からすぐに保健室に行きましょ。科学室でも、トイレでも、屋上でもいいです。
今日一日先輩の事イかせ続けてあげます♪あぁん!もうたまらない♪」
「な……え……違う!そんな意味で言ったんじゃ……」
「さっき千里にあったらおチ○チンを付けてくれるそうです。絶対先輩を満足させてあげます♪」
「ちょい待ち!そんな意味で言ったんじゃ……」
「せんぱぁい……」
あたしの言葉にも耳を貸さず、弘二はこんな道の真中でコートの前を広げてあたしに抱き着いてこようとしている。
「じょ…冗談じゃないわよ!」
あたしはいつからか隣で硬直していた明日香の手を取って、ダッシュで校門の中に入っていった。
「あん♪先輩、放置プレイですか?待ってくださ〜〜い♪」
「松永先生の馬鹿〜〜〜!!!状況悪化しちゃったじゃないの〜〜〜!!!」
半裸の弘二に追われながら、あたしは少しずつ賑やかになりだした校庭で思いっきり心の丈をぶちまけた。
結局、弘二は弘二。女になってから今まで以上に積極的にあたしに付き纏うようになった。
あたしの平穏は……どこにあるの………
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