第四話


「はは! さぁ、たっぷりよがらせてやる!」 「あ……ン」  彼はしばらく笑い続けた後、私の脚を肩にかけ、自由になった腕でズボンからペニスを 取り出しました。それは既に完全に勃起しており、先走りの液でぬらぬらと濡れています。 まさしく天を突くといった表現が似合うほどに勃起したペニスを目にし、思わずツバを飲 み込んでしまいます。  それを見逃さなかった彼は笑みを深めると、取り出したペニスを私のアソコに擦り付け てきました。 「あ! ふぅううん!!」 「どうだ、どうしてほしい!?」  血走った瞳で問いかけてくる彼からは、先ほどまでの余裕は感じられません。恐らく彼 自身も、私の痴態を見続けて興奮していたのでしょう。  このまま何も言わなくても彼はペニスを挿入してくれるとは思いますが、溜まりに溜ま った熱い想いの前には、そんな冷静な考えなどすぐに消え去ります。ただ少しでも早く満 たされたいという本能に従い、彼の望む言葉をつむぐだけです。 「あ、あぁん! は、早く入れて……私のアソコにペニス入れてください!!」 「そうか。はは、だったら入れてやるさ、ほら!」 「ひぅっ、ああぁああぁ!」  自分でも驚くほど大きな声で出したおねだりに、彼は喜びを隠そうともしません。  一旦腰を引いて擦り付けていたアソコからペニスを離し、そして一気に私の中に刺し込 んできました。彼のペニスは根元まで私の中に埋まり、熱く硬い感覚が私の膣を満たしま す。  本当にただ一突きだけの、何の技巧もない動き。それでも焦らされ続けていた私にとっ ては雷でも落ちたかのような衝撃であり、それだけで軽い絶頂に達してしまいました。  もっともこれ位の法悦では、今更満足できません。そしてそれは彼も同じ事で、激しく 腰を動かしてきます。 「やぁ、あぁ、んぅ! は、激し……ぁああぁぁああ!!」  彼は様々な角度で私の膣内を蹂躙し、急速に快楽を引き上げていきます。私は感じるポ イントを的確に突いてくるその動きに酔いしれ、自らも腰を動かし貪欲に快楽を得ようと します。 「はは、最高だ。ここまで良いとは……な!」 「ひぁああああぁあ!! い、いい! もっと、もっと突いてぇ!」  浅い所をかき回すように腰を動かしたかと思うと、いきなり奥深くまで突き入れてくる。 そういった動きの一つ一つに私は敏感に反応し、嬌声とヨダレ、そしてさらなる快感の求 めを口から溢れ出してしまいます。  もはや自分が口にした言葉への羞恥心も消え去り、残っているのは快楽への欲求のみ。 ただ一心不乱に腰を振り、膣の締め付けを変える事で、彼から与えられる快楽をより強い ものとし、同時に彼に与える快楽も深くしていきます。  それに答えるように彼も腰の動きを激しくしますが、その顔が次第に恍惚としたものに なってきます。どうやら彼も絶頂が近いようです。 「ハァ、ハァ……そろそろイくぞ、中にたっぷりと出してやるからな」 「え……あくぅん! そ、それはダメ……中には出さないで……あぅぅう!」  膣内射精を予告する彼の言葉に、沈みきっていた理性が蘇ってきます。ですが弱々しく 懇願する私の声が、彼の興奮を誘ったのでしょう。彼は笑みを深め、ひどく面白そうに一 つの提案をしてきました。 「中には出されたくないのか?」 「ひぐぅ! あん、は、はい……」 「ふふ、だったら一つ勝負といこうか。もし俺が先にイったら、お前の望みどおり外に出 すが、お前が先にイった場合は中に出す。ちなみに拒否権はないからな」 「そ、そんな……ひゃぅうう!!」  一方的な言葉を告げた後、彼は私の子宮を突き破るかのように大きく腰を動かしてきま す。ただ前後に腰を振るだけの単純な動きですが、その分アソコへの刺激も純粋に強くな り、快楽を強引に引き出していきます。  彼が言ったように、この勝負に関して拒否権の無い私にできる事は、彼を先にイかせる よう努力する事だけです。腰や膣の動きを変化させて彼を攻めようとしますが、すぐに中 止してしました。なぜならこの方法では、彼に与える快楽も大きくなりますが、それと同 時に私も気持ちよくなってしまうからです。  既に一度イってしまい敏感になっている私のアソコでは、彼を先にイかせるまで耐える 事などできそうにありません。  結局私の取った方法は、唇を噛みしめ、イくのを我慢するという消極的なものでした。 「ん、うぅ……ふんんぅうう!!」 「ふふ。かわいらしいな、必死に我慢して。だが、いつまで耐えられるかな」  必死に嬌声を抑え、絶頂に至らないように耐えていきます。しかし彼はそんな努力をあ ざ笑うかのように手を伸ばし、私の胸に触れてきたのです。 「っんぅ! あん、あくぅううぅうう!」  彼の指により、私は忘れかけていた乳首の疼きを強制的に思い出してしまいました。  決して直接は触ってもらえず、感度だけを上げ続けられた乳首への想いが、再び胸を焦 がし始めました。  しかし、その想いが叶えられることはありません。彼の指は印を探していた時と同じく、 敏感な突起の周りを撫でてくるだけなのです。 「どうだ、乳首にも触ってほしいか?」 「ん、はぁ、あぁああぁあああ!!」  大胆な腰の動きはそのままに、彼は繊細な指戯で私の胸をくすぐるように愛撫してきま す。アソコから送られる強烈な快楽と、胸から溢れ出るもどかしい快楽。それらが一つに 解け合い、私の理性を押し流していきます。  今乳首を触られたら、我慢できずにすぐイってしまう。  その事を理解し、さらには先にイった時に何があるかも分かりながらも、私は乳首を触 ってもらう事を望み始ました。  もしこのまま焦らすように触られ続けても、私は彼より先にイってしまうでしょう。で すがそれでは満足には程遠い絶頂になってしまい、しかも膣内射精も免れません。それな らば、この全身の疼きを解消できるほどの絶頂を味わいたいと思ったのです。  いえ、実際にはそれだけではないでしょう。私は心の奥底で、中に出されたいとも思っ たのです。  そういった幾つかの思惑が浮かんだとしても、結局求めるものは一つです。私はそれを 叶えるため、快楽に悶えながら敗北の言葉を口にしました。 「あぅ、ん、くぅ! お、お願い……触って……」 「触って? ふふ、どこをだ、もっとはっきり言え」 「ひぁあぁ! あ、あぁ……乳首、乳首触ってぇ!」 「乳首を触る? そんな事をすればイってしまうんじゃないのか?」  自分でも納得して言った言葉なのに、わずかに残っている理性が羞恥心を訴えてきます。 しかし今の私にとっては、それすらも心地よく身を焼く要因です。  私は無意識の内に自分と彼を悦ばせる言葉を探し、必死になってそれを叫びました。 「あ、ふぅ……いい、イってもいい……ン……う、うぅん、イきたい、イきたいのぉ…… あなたより先にイって、中にいっぱい出されたいのぉ!」 「ははははははは!」  涙とヨダレを流しながら叫んだその言葉を聞き、彼は愉快そうな声で笑いました。そし てそのまま何の予告も無しに、両手の指で私の乳首を摘み上げたのです。 「あぁぁあああ! イ、イくぅううぅううう!!」 「くぅっ!」  その瞬間、私の全身を電流が走り、そのまま絶頂を迎えてしまいました。その直後彼も 身体を引きつらせ、私の中に精を放ちました。 「あ、んぅ……」 「ハァ、ハァ、ハァ……」  熱病にかかったような熱さと気だるさ、そして膣内に感じる彼の精液の温かさ。  これ以上ないというほどの絶頂を味わい、全身の力が抜け切った私は、彼との行為の余 韻にひたるように目をつむり、静かに身体を休めました。


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