プロローグ
はじめまして、ボクの名前は鈴木 孝則。一応『芸能プロダクション アイカナズ』の社
長をやっている。うちには主にアイドル系の女の子が所属しているんだけど、まぁ業界内
では中堅どころといったところかな。もっとも、ボク自身としては会社の成長にはそれほ
ど興味は無い。そりゃあ必要最低限は稼ぐ必要もあるけど、ボクはお金にはそんなに執着
しない性質だからね。
で、今うちではちょうどオーディションをやっているんだけど、今日は特別な面接を予
定をしている。これは毎年やっているんだけど、普通の面接の合間に日程を組み、どうし
てもうちに入りたいという女の子にために行っているんだ。もちろん、受験者にはそんな
事は教えないけどね。
その内容と目的は、まぁ一言で言えばボクが楽しむため。これだけ言えば充分だろう?
ホント、こういう仕事をやっている醍醐味ともいえるね。とは言え、この試験を受ける女
の子のの合格率は今まで百パーセントだから、女の子にとっても悪い話じゃない……って
言うのは建前すぎるかな、本人にはその事伝えてないし。
ちなみに、別にこの面接を受ける女の子にだけ変わった事をさせる訳じゃあない。うち
の面接は、一人一人全く違う方法で試験するんだ。ある受験者には本当に質問だけで終わ
る事もあるし、またある受験者にはダンスや歌を披露してもらう事もある。また面接だけ
のときも、その質問内容は変えている。そしてその面接内容は、誰にも言わないように言
っている。
だからこういう面接を行っても、「他の人と違うんじゃないですか?」といった疑問は
出てこない。なんせ、他の女の子も似たような事をしているかもしれないんだからね。も
っとも、今回の面接ほど変わった事をしてもらう事は他の試験者にはないけどね。
で、今年このオーディションを受けるのは二人、共に女子高生だ。彼女達は、以前の審
査の結果やちょっと調べてみたところ、芸能人になりたいのではなく、どうしてもうちに
入りたいと思っているらしい。もちろん容姿も上々だ。そういう訳で、今年は彼女達にこ
のオーディションを受けてもらう事にしたんだ。もちろん本人の許可なしで。
さてさて。それじゃあ年に一回のお楽しみ、始めさせてもらいましょうか。
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