Racing With The Moon/10


   



 『全部あげちゃう』
「いいよ。全部、周兄さんの好きにして……」
 周兄さんの「もっと恥ずかしい目に遭わせるかもしれない」との言葉に対し、そう返すと同時に身体の奥がきゅうぅんと切ない音を立てました。私にしか聞こえない、周兄さんを欲する音。
「いい子だね。じゃあ、その場に跪いて僕のを舐めてごらん」
 言って周兄さんはスラックスのファスナーを引き下ろし、黒光りする一物を取り出しました。生まれて初めて目にするお父さん以外のソレは、想像していたよりも太くて長くて、コレが本当に私の中に入るのかなと不安になりましたが、周兄さんが望む事なら何でもしたいと思う私は地面に膝を付き、トクトクと脈打っている大きな肉の塊へと唇を寄せていきます。
 ヒクッと揺れ動く一物に軽くキスをすると、
「根元をちゃんと、手で押さえて」
 上から私を見下ろす周兄さんがそんな指示を向けてきました。……確かに、根元を押さえていないと揺れて舐め辛そうです。
「じゃ……じゃあ、触るね……」
 そう答えて怖々と手を伸ばすと、周兄さんのソレは私の指の温度よりも熱く、周兄さんに触れているんだという実感が湧いてきました。こんな急な事態に、正直さっきまでは現実感が伴わなかったのです。
―あぁ……熱い。コレってクリ○リスに似てる気がするけど……私のも、人が触ると凄く熱く感じるモノなのかな―
 思いながらクリ○リスとは違う部分で在る先端の切れ目にチロリと舌を這わせると、手の中でビクリと一物が跳ねました。
「ひゃんっ! び……びっくりした。男の人のって、こんなに動くモノなの……?」
「そうだね。でも、沙智菜のクリ○リスも負けず劣らず派手な動きを見せていたよ」
 言われた瞬間、私の意識はクリ○リスへと向いてしまい、ズキズキと疼き始めます。
―ま、まだ駄目。気持ち良くなりたいだなんて思うのは……まだ早いよ。ちゃんと周兄さんのを舐めた後じゃないと―
 そう自分に言い聞かせ、私は唇を開いてテラテラと濡れ光る周兄さんのソレを口内に含みました。先端の切れ目から滲み出ていた透明の液体は塩気が在り、予想外に反してとても美味しく感じられます。そうして夢中になってチュウチュウと透明の蜜を吸い上げていると、
「其処だけで無く、もっと全体的に舌を這わせてごらん」
 そんな新たな指示を与えられました。
―こう……かな? こうしたら周兄さん、気持ち良くなってくれる……?―
 前に読んだティーンズ誌の内容を思い出し、野太くて大きなソレを唇で加えつつ凹凸の部分に舌を這わせ、根元に添えていた指を上下に動かすと、周兄さんのソレは今以上に膨らみを見せて、それ自体が意思を持つかのように激しく口内で暴れ回ります。
「ふぁんッ! んぅ……んっ」
 周兄さんのソレが唇から踊り出てしまったので、慌てて追い縋り、咥え込んでいくと、
「沙智菜がフェラチオ好きだなんて意外だな」
 そんなからかう言葉が頭上から降ってきました。「違う」そう否定出来ないのが悔しい。周兄さんが言うように、私の身体は周兄さんに奉仕する悦びに打ち震えています。
「はぁ……うぅん。……んっ。ん……む」
 顔を上下させて周兄さんの硬くて大きなソレを吸い上げていると、僅かに開いた唇の隙間からポタポタと唾液が零れ落ち、私の首筋を伝って胸の上に垂れました。……ジュポジュポッって厭らしい音が、静かな夜の公園に響き渡ります。
「沙智菜も気持ち良くなりたい? 気持ち良くなりたいなら、ちゃんとお願いしてごらん」
 不意にそう尋ねられ、私は膝立ちの状態で周兄さんの足に縋り付き、
「御主人様……どうか、厭らしい沙智菜をお仕置きして下さい。お願いします……」
 いつか観た、SM系のアダルトヴィデオに出てきたM女さんの口調を真似てみました。どうしてだか解らないけど、そうするのが一番しっくりくる気がしたんです。
「へぇ? 可愛い事言ってくれるね。……いいよ。じゃあ、僕の膝の間においで」
 言って周兄さんはベンチに腰掛け、手招きしました。
 余りに現実から懸け離れた出来事の連続に酔ってしまったみたいで、私はフラフラと覚束無い足取りで周兄さんの股の間に腰を下ろします。……背中に周兄さんの熱いアレがコツンと当たり、唇で奉仕していた時とはまた違う緊張が全身を貫きました。
「そんな、股を閉じていちゃあ駄目だよ。僕の太腿の上に脚を乗せてごらん」
 背後から私の耳朶に唇を寄せ、甘く囁く周兄さんは促すように軽く内腿を叩いてきます。
「あぁ……。これで、いいですか……?」
 もう我慢が限界に来たした私はここが近所の公園で在る事も忘れて、大きく股を開いていきました。
「うん。いいね。これで覗いている人達もよく見える筈だよ」
 そう周兄さんは私の羞恥心を煽り、胸をわしわしと揉み込んで割れ目をV字に押し広げます。その瞬間、ドロリと濃い愛液がベンチの上に滴り落ちました。
「は……恥ずかしい、です。余り広げないで下さい……」
 恥ずかしいとは思うけど、もう見られたっていいと開き直れる程アソコがズキズキと疼いて堪らない私は拒否する言葉を吐きながらも周兄さんの指を退けたりはしません。
「どうして? もっと広げて、沙智菜の厭らしい所をいっぱい写して貰って、多くの人に見て貰えばいいじゃないか」
「う……写すって、え?」
 覗かれる事に対しては覚悟が決まったものの、フィルムに収められる可能性を仄めかされてはさすがに動揺してしまい、思わず身を硬く強張らせていると、
「解らない? 今こうしている所を写真に撮られてるかもしれないし……もし誰もいなくても、此処は覗きスポットだから自動でカメラが回るよう、設置されているかもしれないって事だよ。そうなると、あらゆる雑誌に沙智菜の写真や映像が投稿されて、ネット上でも出回るようになるだろうね。……街を歩いていて擦れ違う人達にも、クラスメート達にも、沙智菜の全裸が見られる事になるんだ。嬉しいだろう?」
 言って周兄さんはくくくっと低い笑い声を上げました。そんな笑い声と共にフィルムに収められる可能性が現実味を帯びて来、
「い、いやっ! そんなのヤだ!! か……帰ろう? 怖いよ……そんなの」
 股を閉じて胸を覆い隠しながら、そう切に訴え掛けます。
「今更何言ってるの? さっき言ってくれたよね? 僕の好きにして構わないって」
「言ったけど……でも、大勢の人に見られるなんて考えてなかっ……きゃあっ!?」
 声の途中で周兄さんは閉じた股を無理矢理割り広げ、割れ目の内部へと指を這わしてきました。
「もう何を言っても無駄だよ。僕は此処でするって決めたんだ。……ほら、沙智菜も我慢出来ないだろう?此処だってほら……凄いグチョグチョじゃないか」
 言って周兄さんは女の子の一番弱い部分で在るクリ○リスを指の腹でゴリゴリと磨り潰すようにキツく撫で上げてきます。
「きゃう! い、いやぁっ! ここじゃヤなの……ひぁあぁぁああぁぁぁっ!!」
 溢れ出した愛液がアソコ全体にヌルヌルと塗(まみ)れていて、周兄さんの指先がツルツルと速い速度で私のクリ○リスを虐めてきました。
「やんっ! あぁんっ! そ……そんなにされたら、もうイっちゃう! イくとこ見られちゃうよぉ!」
「沙智菜のイヤは口だけだね。もう此処、弾けそうなぐらいパンパンに腫れてるよ。……ずっとこうされたかったんだろう? いいよ。イきなさい。イく所を大勢の人に見て貰うといい」
 そう囁く熱い吐息と共に周兄さんは私の乳首をギュッと摘まみ、クリ○リスをリズミカルに擦り上げてきます。……イく所をフィルムになんて収められたくない。そんな映像を身近な人に見られるのは怖い。そう思うのに、それでも大好きな周兄さんに求められているという悦びの方が勝ってしまうんです。
「あぁっ! もうホントにイっちゃう! 周兄さん! 私、もう駄目! イくぅうぅぅうぅぅっ!!」
 叫ぶと同時に私の背はピンと大きく反り返り、壊れたブリキの玩具みたいにガクガクと全身が痙攣しました。
「派出にイってしまったようだね。……そろそろ僕も気持ち良くさせて貰おうかな」
 言って周兄さんは絶頂を迎えたばかりでグッタリしている私の身体を軽々と持ち上げ、直立してヒク付くアレをビクビクと開閉するアソコへと宛がってきます。
「い……いや。ホントにここでするの……?」
 初体験を映像に残されるかもしれない恐怖と、予想以上に大きな周兄さんのモノをこんな角度で受け入れられるのかと不安に陥り、震える声で問い掛けるのですが、
「僕だって男だから、沙智菜の厭らしい姿を目の当たりにして……もう我慢出来ないよ」
 言うなりグイグイとソレをアソコに押し挿れてきました。
「あぁっ!? 入っちゃう! ホントに入っちゃうよぉ!! あぁあぁあぁぁああぁっ!!」
 緊張で強張るアソコを周兄さんは指で割り開き、ズチュッっとアレの先端を突き挿れてきます。そうして、一番野太いアレの先を飲み込んだ私のアソコは物欲しそうにパックリと開いてしまい、残る根っ子の部分をズルズルと吸い込んでいきました。
「ひぁぁぁああぁぁぁぁぁぁっ! 嘘ぉぉぉぉぉぉっ!!」
 周兄さんのソレが処女膜の取っ掛かりを無視して身体の奥まで侵入して来、恐怖の余り私は絶叫を上げるのですが……予想に反して痛みはさほど感じません。感じるのは、おしっこが漏れ出しそうなぐらい気持ちイイ、痺れそうな快楽ばかりです。
「う……嘘っ! 痛くないの……どうしてっ!?」
「それはきっと、沙智菜が厭らしいからだよ。快楽に貪欲なんだ」
 言って周兄さんは私の腰を掴んで僅かな動きさえも制止させ、まるで叱り付けるかのように激しくガンガンと身体の奥にアレを突き立てました。
 周兄さんのソレを根元までズッポリと埋められた私のアソコは皮膚がギチギチに伸びているのに、ぐちょぐちょに濡れている所為で楽々と出入りしています。
「あんっ! は、初めてなのに……気持ちイイなんて……嘘ぉぉぉっ!」
「沙智菜の中、ヒクヒクと息するみたいに蠢(うごめ)いてるよ。もうイきそうなんだね」
 お腹の中がジクジクと甘く痺れてぞわぞわと肌が毛羽立ち、クリ○リスでイくのと同じような感覚が身体の奥から込み上げて来、ズンッ……と一際強く腰を突き挿れられた瞬間―――――――



   


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