次なる露出ー伊吹頼子ー そのいち


 伊吹頼子は進級して、『二年』になっていた。

 目指すは生徒会長――どうせやるならトップだ。と、さっそく生徒会長に立候補、圧倒的大差での就任となった。
 学校内の生徒の中で、最高の権力を持つモノ――うふふ、人がまるでゴミのよう。

 ――って、そこまでの権力はない。それどころか……

 ふぅ……と、ため息をこぼし、こりこりと鳴る肩をとまわす。

 ――なんだかんだと……ストレスたまるのよねぇ?

 毎日毎日エネルギーをもてあました学生達を相手に奮闘する日々。
 真面目すぎて融通の効かない風紀員と一般の学生の間にたっての意見の調整。
 教師達から都合のいいように扱われて、生徒代表として日々の雑務をこなす――言葉は悪いが体のイイ便利屋さんだ。

 出来て当然――誰も褒めてくれない。失敗したら攻められる。

(まぁ、いいけどさ……)
 自分で臨んだ道だ。あらかじめ予想もしていた。
 ただ日々蓄積されていく精神的ストレスはどうしようもない。人間として抑圧されれば精神に過度の不満が蓄積されるのは当然のコトだ。

 どっぷりと日の暮れた帰り道。疲れていながらも――そんな素振りは見せずに――颯爽と歩く頼子は――キングオブ優等生は――どこからどう見ても頼もしい
 成長し、磨きのかかった――かけた――外見は、どんどんオンナを感じさせる貌となり、子供っぽさはほどんど抜け、更に女らしく艶を増すコトが容易に想像できる。
 非公式の学校美少女ランキングでは――当然、女を馬鹿にしている! と厳しく糾弾したが――ついにベスト3入りをはたしていたので実は悪い気はしていない。
(どきどき……する)
 その美貌をわずかに朱に染まる様は、普段の頼子を知る人間には信じられないだろう。

 ――下着を穿いていない。

 学校帰りの――あらかじめ穿いていたショーツは脱ぎ、くるくると丸めてカバンの中へ――プチ露出。下半身は短いひらひらのスカートと、その下に薄手の黒のパンストだけ。
 サイアク、何かの拍子でスカートの中を見られても簡単にはノーパンと気付かれないようにして、頼子はあの時以来――公園での『はじめての露出』――こうしてちょこちょことプチ露出を楽しんでいた。
 趣味をもたない――勉強も、スポーツも、おしゃれや遊びも『やるべきコト』であり趣味にはならない――頼子にとっての唯一のストレス発散。
 まだまだうす寒い4月の夕暮れの中で、服の下の肢体に汗を浮かせるホドに火照らせ、頼子はそのドキドキを楽しんでいた。
 一年の時はお饅頭サイズだったのに、今はご飯茶わんくらいのボリュームに育ち、つんと膨らみ形だって格好いい――頼子同様、日々たくましく成長する――胸の膨らみの奥で早鳴る鼓動。さすがにブラはしているが、すでにつん、と屹立した乳首がムズムズと擦れて心地よい。
 わざと胸を張って目立つように膨らみを強調し、まっすぐ前を見て歩く。こつこつと自分の足音が響く家路は――残念ながら――頼子以外の人影はほどんど目にできない。

 そう、ほとんど――

 先を歩く――そんなに距離は離れていない――サラリーマンの後ろ姿を見詰める。
 サラリーマンはまるで追い立てられるように――振向きはしないが、あきらかに後ろを意識している様子で――早足になるが、頼子にとっては苦もなく合わせられる歩調だ。近付き過ぎず、遠すぎない距離を保ちながらぴったりと追従する。

 ――経験はないだろうか? 夜道で自分の足音に同調するもう一つの足音が、どんなに落ち着かないか?

(焦ってる……焦ってる♪)
 さきほど一回だけ振向いたオトコの――視線は気付かぬフリをした――背中は、平静を保ちつつも焦りを滲ませている。

 ――ごくり。

 周囲を再度確認し、頼子とサラリーマンだけなのを確認して、歩きながらスカートの前を持ち上げた。
(……うはぁ……)
 視線はまっすぐ。男の背を見詰めて、頼子は今の自分の姿を想像する。
 
 歩きながら、まるで見せつけるようスカートを持ち上げるオンナ。

 (ヘンタイ……だぁ……)
 現実ではパンストで隠されているが、妄想の中の頼子は『穿いていない』。
 しなやかな下半身に身につけているのは靴下と靴だけ。肉付きのいい太ももは、そのなめらかな肌を――しかも太ももに垂れるくらいぐっしょりと濡らす様まで――晒していた。
 足を前後に動かすたびに、くちゅりと濡れた音をたてて形を歪ませる秘唇。その振動がわずかにながら快感をもたらし、頼子の息使いを荒いモノへとしていく。

「なにをやってるんだい? おじょうちゃん」

 突然、前のオトコが振向きその痴態を見咎められる。
「えっ……あの……その……ちょっと熱くて……」
 頭がいいと自負する頼子にしては間の抜けたいいワケ。
 夜道で秘部を晒しながら『熱い』はないだろう。
「なるほど、確かにこんなにぐっしょり汗をかいてるねぇ?」
 とろとろと滴る愛液。オトコの指に張りのある内ももを撫でられて身体が震える。
「んくぅう!! はっ……はい。あつ……いんです」
 抗わず男の為すがまま頼子は――ぐいっ! と腰を突き出し――スカートを胸元で押さえたまま隠そうともしない。
「すごい汗だよ? 拭いてあげよう」
 『拭く』と言いながらも、ハンカチなどは使用せずに直接、男の人の太い指を秘唇に差し込まれた。

 ぐちゅう……と、重い音。

「あふぅう!? はっ……はいぃいい!!」
 人差し指と薬指が、ぷっくりとした大陰唇を割り開き、差し込まれたのは中指。
 少しずつ、ぞりぞりと肉のヒダを擦り上げながら奥を目指す侵入者。
 自分の指とは違うその――熱くて頼もしい――感触に、頼子の身体がどんどんと火照っていく。頼子では届かない場所まで侵入されて、まるでその感触を楽しむようにナカで蠢く指の感触に、ただじっと――小刻みに身体を揺らし――耐える。
「くふぅう! ふっ!! はぁあぅ!! いぃいい!!!」
 抵抗しない頼子に気をよくしたのか、オトコは更に大胆にぬるぬると愛泉のぬかるみに指を遊ばせてきた。身体の奥からじんわりと広がって来る快楽の波に、閉じた唇から吐息も漏らして頼子はその快楽を享受していく。
「はぐぅう……んぅう!! ふぅうう…」
 まあるい乳房に荒々しく食い込む指先は、頼子を気遣うことなくその感触を楽しみ痛いくらいに揉みしだく。
 ブラウス越しとはいえ、敏感で意識が集中してしまう乳房が男の手よってに、ぶるんっ! と重量感たっぷりに弾む。圧迫感と共に感じる胸の痺れが秘所からの甘い波と混じり合い、ますます頼子の首筋に汗を浮かび上がらせた。
「くふぅうんんぅ!」
 つーっと、白いうなじを滑り落ちる汗の玉に、くすぐられて漏らす吐息。
「おや? どんどん『汗』をかいてくるねぇ?」
 眼の前に見知らぬオトコの顔。赤く染まる頼子の表情を確認するよう覗きこまれる。
(いやぁ……見ない……でぇええ……)
 肌に突き刺さる視線に、どうしようもない羞恥が湧き上がり頼子はただをこねる幼子のようにブンブンと首を振るが、口から出るのは否定の声ではなく濡れた甘い音と、オトコになすがまま――しっかりとスカートを捲くり上げて――身体を弄ばれてもじっと動かない。
「ふぐぅううう……っはぁあ!?」
 分厚い感触――おそらく男の親指――に、硬く尖ったクリトリスが鞘の上からぐりぐりと潰され、同時に膣内に差し込まれた中指が内側から圧迫してくる。
 びぃんっ! と伸びる背筋と、ぱくぱくと開閉する唇。
 脳髄を掻き回すような圧倒的な快楽が全身を駆け巡り、頼子は敏感なクリを暴力的に愛撫されてもただ、快楽の声をあげ続けた。
(だっめぇええ!! もうぅう!! がっはぁああ!! はぅ! はぐぅう!!)
 がくがくと震える膝。自分の身体を支えているのもつらい。絶頂にそなえて強張る両手は、きつくスカートを握りしめたままオトコが触りやすいよう動かない。

 ――はぅうう……はぁ……はっ……

 ぶるるっ! と身体を揺らし、軽めの絶頂に堪えていた熱い息を吐き出す。
(イっちゃったぁあああ……)
 ホントに軽くではあるが、頼子は絶頂をむかえた。
 眼の前には――先ほどと変らぬ距離で――男の顔ではなく、決して振向くコトの無かった背中。
 自分の頭の中で繰り広げた妄想だけで、頼子はイってしまった。もちろん男の手は指一本頼子の身体には触れておらず、話しかけられてもいない。全ては頼子の頭の中での出来事――ただ、

 ――スカート……降ろさなきゃ……

 きつく握りしめたままのスカートを胸元までめくり上げて、薄いパンストに隠されているとはいえ秘部を晒しているのだ。しかも――

 ――くちゅり。

 動くたびに身体の中で鳴る水音。股間の一部分だけがじっとりと水を吸って変色してしまってる。
(やばっ!?)
 頼子の荒い息づかいと視線に気付いたのか、ゆっくりと――いぶかしげに――振り返る男。何とかスカートは降ろせたが、ばたばたとかなり怪しかっただろう。
(はふぅうう……)
 ぽよんっ♪ と弾む胸を撫で下ろして、火照りを残す身体を落ち着かせようと頼子はもう一度ゆっくりと大きく息を吐いた――


そのにへ