「羞恥の街の記憶探し」第三話:警察署にて・前編


「まず・・・どこに行きましょうかね?」 貴代さんは少し悩んだような感じで私に聞いてきました。 「私は・・・わからないし・・・・」 困った感じで私は答えました。 「あぁ、ごめんなさい、直代さん。そうよねぇ。」 貴代さんは慌てて謝ってくださいました。 「いえ、そんな気にしないでください。記憶がないのは・・・  私のせいかもしれないですし・・・・」 「気にしちゃ駄目よ、直代さん。そうだ、警察署に行ってみま  しょうか。行方不明者で、届けが出てるかもしれしね。」 「そう、ですね。」 私も貴代さんの意見は正しいと思った。 「それじゃあ、警察署に行きましょうか。」 「はい!!」 私は貴代さんに連れられて警察署に向かった。 「さぁ、ここが警察署よ。ここも綺麗でしょ。」 「ええ、・・・そうですね。」 私は言葉に詰まりながら答えた。なぜなら・・・・ 「どうしたの直代さん?」 貴代さんが聞いてくる。でも私は上の空で・・・警察署の入り口 を見つめていた。 「ああ、入る人の格好が気になってるのね。」 「ええ・・・・。」 私は貴代さんの言葉に素直に頷いた。そこには、裸になって警察 署に入っていく人たちが見えたのである。 「あれは、犯罪防止の為なのよ。裸でさらにお○んこの中やお尻 の穴の中まで点検すれば犯罪は未然に防げるでしょ。」 「それは・・・そうですけど・・・。でも公然猥褻罪になるん  じゃないんですか?」 「ああ、ここの街では公然猥褻をしないと罪になるのよ。」 「ええっ!!」 そんな街があるのでしょうか!!公然猥褻をしないと罪になる なんて!! 「それから、痴漢行為は推奨されていることだし、強姦されなきゃ  いけない日もあるのよ。」 「そっ、そんなぁ〜〜〜。」 私は情けない声を出していました。 「それじゃあ警察にはいるわよ。」 「それって、服・・・脱がなきゃいけないんですよね。」 おそるおそる貴代さんに聞きました。 「あら、当然じゃない。服を着たまま入ったら国家転覆罪に問われ  ても文句いえないのよ。」 国家転覆罪!!そんな恐ろしい罪に問われるなんて、私は震えてき てしまいました。 「あら、貴代さん、そんなに震えなくてもいいのよ。きちんと決ま  りさえ守っていればここはいい街よ。」 「は・・・い。」 「それじゃあ、行くわよ。」 私は正直入りたくないと思ってました。でも貴代さんが私の手を引 いて警察署の入り口連れて行ったんです・・・・。


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