第7話「奇跡の合体!イッターロボ」
「NO!こんなにたくさん居るとは聞いてなかったアルよ!」
十数体目のエロザウルスを何とか撃破したジェニーが叫ぶ。
マイアミジェニーと、ダンシングポールの周囲には、ドーナツ状にエロザウルスの残骸の山が出来ている。
それがマイアミジェニーの激闘を物語っていた。
基本的にマイアミジェニーの戦法は、敵を引き寄せて攻撃をかわしながらのカウンターである。大群を相手
にしての防御戦闘は決して得意ではない。
「姉さん!まだいっぱい来るよ!」
ポールが声を裏返らせる。
「SHIT!ダンシングミュージックスタート!」
「姉さん、後一回踊ったらエンプティだよ!」
「OH!ジーザス!!でも、ここで逃げる訳にはいかないあるよ!」
「ほお、思ったよりも骨があるようだが、これ以上の消耗は我々としても避けたいのでな。その勇戦に免じて、
私が相手をしてやろう」
上空で見物していたキャプテン・ナメラがマイアミジェニーの前に舞い降りてきていた。AI制御の量産型
エロザウルスとは桁違いの威圧感がある。
「ようやくボスの登場あるね。マイアミジェニーのバトルダンス、甘く見ると火傷するあるよ!」
音楽が始まった。
「ふむ、貴様の動きは既に見切っている。行くぞっ!」
「カモーン!」
戦いが始まっていた。
「飛行型エロザウルス、およそ三十機が接近中!マイアミジェニーは敵の指揮官機と戦闘中!」
「くっ、自衛隊は!?」
「航空戦力はほぼ壊滅、戦車隊は地上型エロザウルスとの戦闘で手一杯です!あっ!地上部隊突破されました。
地上型もこちらを包囲しつつあります!」
「・・・万事休すか・・・」
棹止はそう言って唇を噛み締める。
「まだ終わりじゃありませんっ!」
いきなり、茜の声が通信機のスピーカーから響く。
「茜君!まさか、イットマシンに乗ってるのか?」
「はい。イッターチームはこれより基地の防衛戦闘を行います。その後、マイアミジェニーの救援に向かいます!」
「・・・いいんだな?・・・よし、君達にこの命預けるっ!」
「利子は付かないよ」
緑の声。
「ふっ、別におっさんの命を救うために戦う訳じゃないけどね」
葵も便乗してきた。
「よしっ!出撃っ!」
茜の声とともに三機のイットマシンがそれぞれの出撃ゲートから飛び立っていた。
まず、棹止研究所脇の山の山頂から垂直に一号機が打ち上げられる。
次に長い地下トンネルを通って森の中から二号機が、滝の中から三号機が飛び出し、上昇してゆく一号機に合流する。
「合体して一気にかたをつけるっ!チェンジ、イッターワン!スイッチ、オン!」
三機のイットマシンが合体し、セーラー服をまとった少女型のイッター1がスカートとポニーテールを翻しながら
飛行型エロザウルスの大群に突撃する。
数十発のミサイルがイッター1めがけて発射されていた。
「イッターイエローカードッ!!」
イッターの放ったカード型カッターが迫り来るミサイルを切り払う。
空一面を覆うかと思われた爆煙が治まると、無傷なイッター1が姿を現していた。
「葵、緑、イッタービームを試すわ!」
「ふっ、こっちはいつでもOKだよ」
「行っちゃえ〜茜ちゃん!」
「行くよっ!イッター炉、フルドライブっ!!」
増幅されたイッター線で活発化した触手が羞恥力フィールドを貫いて茜に迫る。
それを軽々と捌き、蹴飛ばし、茜は。
「合体したイッターを甘く見ないで!・・・羞恥の!」
イッターワンがスカートをたくし上げ、その真ん中をはむっ、と咥えていた。
一昔前のブルセラ写真集に良くある構図である。
「羞恥の!」
収束されたイッター線が股間を淡いピンク色に光らせ始める。
「羞恥の心がこもってるんだからあぁぁぁぁっ!!」
そして迸るイッタービーム。
前方から迫っていた飛行型エロザウルスの大半が一瞬で消滅していた。
それでもまだ治まらぬピンク色の光線は空を切り裂き、大気圏を貫いて宇宙空間へ飛び抜けてゆく。凄まじい
ばかりのパワーだった。
「残りは任せろ!チェンジイッター2、スイッチオン!」
空中で体操服姿のイッター2に変形し、そのまま急降下。残り少ないエロザウルスがその後を追う。
「ふっ、馬鹿めっ!イッタービジョン!」
イッター2の姿が一瞬ぶれた途端、空中に十数体のイッター2の姿が出現する。
「うひぃ!葵ちゃん、これはかなり・・・効く・・・」
緑が頬を赤らめて言う。
機体を激しく振動させて分身するイッタービジョンの振動は、激しいバイブレーションとなって三人の少女を
責め立てていた。故意か偶然か、その振動は快楽神経の一つであるパッチーニ小体を激しく震わせ、少女達の
性感帯に堪らない疼きを与えていた。
「くぅっ!も、もう少し我慢しなっ!」
乳首が痛いほどしこって疼くのを感じながら葵は言う。
分身でエロザウルスを眩惑しながらイッター2はそのまま地面に突っ込み、ドリルのパワー全開で地中に潜っていた。
後を追ってきた飛行型エロザウルスは分身の相手に精一杯で切り返しが遅れていた。次々に地面に激突して
スクラップと化す。
三十機あまりの飛行型エロザウルス隊はあっという間に全滅していた。
「次は地上型が来るよ!このままイッター2で地中から奇襲をかけるっ!」
「地上に出たらイッター3に変形して!」
緑が叫ぶ。
「ふっ、わかったよ、何かやる気だね?」
「だって、あたしもカッコいいことしたいもん!」
いささか動機が不純だが、緑の戦闘センスには侮れないものがある。
棹止研究所を目指す量産型エロザウルスは七機、マイアミジェニーが海岸線で健闘したのでかなり数は減っていたが、
研究所を破壊するには十分な戦力だった。
その先頭を行く一機が真下からドリルの奇襲を受けて撃破される。勢いのままに空中に飛び上がったイッター2は
そのまま分離。
「チェンジ、イッター3!スイッチポチッとな!」
空中で合体、変形したイッター3はそのまま敵の真っ只中にダイビング。
「くらえっ!大開脚連続投げっ!」
むちむち、ぷりぷりの太股でエロザウルスの首を挟んで股間のイッター炉からのイッター線放射を直撃させ、
一瞬でAIを初期化するとすぐさま次の敵に飛びついて身体の捻りを使って振り回す。スクラップと化した
機体を敵の真っ只中に放り込んで連携を乱し、次の敵を撃破。
流れるような攻撃で八機のエロザウルスをただの巨大な恐竜人形に変えるのに一分足らずだった。
「勝ちいいいっ!」
無邪気にVサインなど出してジャンプする緑に、
「イッター1に変形してマイアミジェニーの援護に向かうよ!」
茜の声がかけられる。
「了解!」
イッター1は髪とスカートをなびかせながら海岸を目指す。
「ああっ!」
海岸上空で三人は同時に叫んでいた。
ダンシングポールが半ばからへし折られて倒れていた。
DJブースではポールと呼ばれていた少年が失神している。
そして、マイアミジェニーはコスチュームをぼろぼろにされ、エロザウルス・ベロによる陵辱を受けていた。
その肩の上には全く同じ姿でジェニーがキャプテン・ナメラに嬲られていた。
ジェニーは腕を頭上で縛られ、豊かな胸をナメラに揉みこねられ、長い舌で舐め回されている。舌はジェニー
のホットパンツの中にまで入り込み、微妙な部分を責め立てていた。
「NO!・・・あぁ・・・あぁぁぁ・・・」
ジェニーは弱々しく抵抗していたが、ナメラの絶妙の愛撫に陥落寸前だった。
「キャプテン・ナメラ!ジェニーを放しなさい!勝負よ!」
茜は外部スピーカーで叫ぶ。
「ふふっ、遅かったな、わが宿敵よ!よかろう、おまえを倒し、四人そろえて嬲ってくれよう!」
キャプテン・ナメラはぐったりしたジェニーを解放し、エロザウルスのコクピットに乗り込んでいた。
「小娘ども、容赦はしないぞ!!」
急上昇してきたエロザウルスの舌がイッターを襲う。
「それはこっちのセリフっ!」
鞭のようにくねって伸びてくる舌をイッター1は蹴り飛ばし、一気に間合いを詰める。「むっ!以前とは動きが
段違いだっ!面白いっ!」
キャプテン・ナメラも加速、空中で交錯する。
「イッターイエローカードッ!」
「なんのっ!」
飛んできたカードを弾き、舌を伸ばす。今度は避けなかった。左腕に舌を巻き付かせ、「イッターレッドカードッ!」
右手のカードで切断する。
「おっ、おのれぇぇっ!」
最大の武器である舌を失ったベロがぐらつくのを見逃さず、
「イッタータイガードライブハヤブサシュートッ!」
両手の間に収束したイッター線の塊を蹴り出していた。
「くううっ!当たるものかぁ!!」
叫んで急上昇するエロザウルスを追うようにイッターシュートが急カーブを描きながら上昇し、激突する。
「うおおおおおおおおっ!こっ、これがイッターの力かぁぁぁぁぁっ!・・・ふっ、おまえ達のような勇者と
戦えた事を誇りに思うぞっ!恥竜帝国に栄光あれぇぇぇぇっ!!」
空中に咲いた巨大な爆炎の花を、三人はじっと見詰めていた。
続く
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