第8話「バット将軍の挑戦!」
「いやぁ、助かったあるよ。サンキュー、ガールズ」
医務室のベッドでジェニーはあっけらかんと言って茜に握手を求めてきた。
茜の手を包み込んだ右手が上下するたびに、星条旗をプリントしたバスローブの下で、見事なバストが
ゆさゆさ揺れる。
「・・・ふん、わざと揺らしてるね」
葵が相変わらずのポーズで壁にもたれたまま言う。
ジェニーは幸いにも打撲と軽い擦り傷だけで済み、どうやら敗北と、その後に犯されそうになった事による
精神的ダメージも無いらしい。
「大丈夫なんですか?」
「ノープロブレムあるよ。ポールも脳震盪だけで済んだし、あのボスのリッキングもなかなか良かったある」
「リッキングって?」
きょとんとしている茜に。
「舐め舐めの事ね」
ジェニーはHなジェスチャーを交えながら説明する。
「きゃんっ!」
それを見た茜は耳まで真っ赤になってうずくまった。相変わらずその手の話には耐性が無いらしい。
「それよりもマイアミジェニーの方が重傷あるね。どんなに急いでも動けるようになるまでに一週間はかかる
あるよ。ダンシングポールはクラッシュしちゃったし・・・」
ちょっとだけブルーモードに入りかけたジェニーは、
「しかし、敵の総攻撃は見事撃退したから結果オーライね!HAHAHA!」
そう言って胸をぶるるん!と派手に揺らして笑ってみせる。
「わぁ、ジェニーさんって胸だけじゃなくって肝っ玉もでかいんですね」
緑が妙な関心の仕方をする。
「NO,ミーは女だからキ○タマは無いあるよ」
「違うよぉ、肝っ玉だよぉ!」
茜はもう聞いていられずに真っ赤になってうつむいている。
「ふっ、うちのリーダーは相変わらずシモネタが苦手だね・・・」
そういう葵の声も、笑いを含んでいる。
敵の総攻撃を撃退した事で、彼女達は久し振りに緊張から開放されていた。
その頃、地底深くにある恥竜帝国の移動要塞内では。
「何っ!キャプテン・ナメラがなす術も無く敗れただと!」
帝王ホールは股間から極太バイブが抜け落ちんばかりに驚愕して叫んでいた。
「はっ、一度は勝利したイッターロボとかいうメカ兵器に敗れました。また、わが帝国のエロザウルスの大半を
失っております。戦力の再編にはかなりの時間がかかるものと思われ・・・」
そう言う地上攻撃の総司令、バット将軍の顔に媚薬混じりの酒が入った酒盃が叩きつけられた。
避けようともせずに酒盃を受けたバット将軍は酒まみれになり、切れた額から一筋の血が流れる。
「えーい、使えぬ奴よ、キャプテン・ナメラ!!かくなる上はこの帝王ホール自ら出撃して奴らを生捕りにして
バイブ代わりに突っ込んで愛液で溺死させてくれるわっ!!」
物凄い事を言いながら、身長五メートルを超える巨体を玉座から起こす帝王ホールを制したバット将軍は、
「お待ち下さい!まだ、最強のエロザウルス、アクメロドンが残っております。このバットめが出撃して必ずや
奴らを血祭りに上げて見せましょう!」
股間の一物を強調するように振りながらバット将軍は言う。
帝王ホールの寵愛を得るために、彼女は両性具有化手術を受け、巨大なモノを植え付けていた。それを振りかざし、
バット将軍は叫ぶ。
「この巨根に誓って!!」
「イヤッホーウ!」
元気な掛け声と共に、緑は水しぶきを上げて、プールに飛び込む。
ここは棹止研究所の敷地内にある温水プール。
地熱を利用して温められた地下水を使った、豪華な造りのプールである。
普段は、水泳競技や、オリンピック選手の練習用にも使用されていたのだが、恥竜帝国との戦いが始まって以来、
殆ど開店休業状態だったのだ。
「うーん、フロリダの海岸を思い出すある・・・」
強烈にセクシーなビキニスタイルで、デッキチェアに寝そべったジェニーは、ガラス天井越しの日差しに目を
細めながら背伸びする。
水着の布で、かろうじて先端部を覆われただけの見事なバストが更に強調され、女性である茜でさえ、恥ずかしい
のも忘れて見とれてしまいそうになった。
その茜は、水着を着ていない。
薄いブルーのワンピース姿で、ジュースを飲みながら日向ぼっこしている。
みんなに見られるのが恥ずかしいのだ。
「茜も泳げばいいのに」
見事なプロポーションを、競泳用の水着に包んだ葵が横に来て座った。
ひと泳ぎしたらしく、長い髪が濡れている。
大人びたプロポーションが、競泳用水着に包まれて浮かびあがっていた
「・・・うん・・・でも、恥ずかしいから・・・」
茜はそう言ってうつむく。
無意識のうちに、葵の胸の辺りを見てしまう自分が、とてもいやらしい子であるように思えて、それが余計に
恥ずかしさを募らせているのだ。
「あんたって本当に恥ずかしがりだよねぇ・・・でも、そのおかげで勝てたようなもんだから、いいんだけどね・・・」
葵はそう言うと、再びプールに向かって歩き始めた。
濡れた競泳用水着に浮かび上がる、引き締まったお尻のラインが妙にセクシーだった。 その後姿から慌てて
視線を外し、茜は。
(何で女の子の身体を見てドキドキするんだろう)
とか思っている。
サッカーを始めたきっかけも、女子サッカー部に居た、カッコいい先輩に憧れたからだった。
彼女に誉めて欲しくて必死に練習した結果、茜も、日本有数の女子サッカー部員になっていた。
思い返せば、幼い頃から女の子が好きになる事の方が多かったような気がする。
オクテな茜は、そういう性癖が『レズ』と呼ばれている事を知らない。
ただ、何となく胸の中が切なくなる感情に、少し困惑していた。
「ほらー、みんな見て見て♪一人シンクロ♪」
緑はそういうと、水中に潜った。
次の瞬間、見事な脚線美を持った足が、ゆるゆると水中から現れる。
「OH、ビューティホーネ♪ワタシも得意のストリップショーやっちゃおうかナ♪」
ジェニーがそう言って立ち上がる。
大きくて真っ白なお尻の谷間に食い込んだ、殆どヒモだけみたいな赤いビキニのパンティがとてつもなくエッチ
だった。
「ちょっと!ジェニーさん!それはいくらなんでもヤバイよ!」
葵が、本気で脱ぎ始めようとしていたジェニーを制していた。
「ホワィ?」
「ふっ・・・このプールにも監視カメラがあるからね。きっと、棹止のおっさんが、カメラモニターにかぶりつきで
見てるはずだよ」
そう言った葵は、巧みに隠されていた監視カメラの方を向く。
「ワオ!ピーピングカムあるね♪・・・ちょっとだけサービス」
葵に示されたカメラに向かって歩いて行ったジェニーは、カメラのすぐ傍で、大きなバストをプルプルと揺すって
みせる。
丁度この瞬間、モニターにかじりついていた棹止博士が、鼻血を噴出していたのだが、それは彼女らには判らない。
「更にサービスある♪」
今度はお尻を振り振り。
恐らく棹止は、二度目の鼻血を出している事だろう。
「ふっ、よくやるねぇ・・・」
葵は、ジェニーの様子に苦笑している。
その時、警報が鳴った。
「えっ!警報!?」
茜は慌てて立ち上がり、壁に付けられている内線電話に走る。
「この警報は?まさか、また爬虫人類が!?」
司令室を呼び出し、棹止が出ると同時に叫ぶ。
「そうら・・・きょらいなエロザウルスが、東京湾に出現したのら・・・イッターチーム、出撃せにょ!」
妙にこもった声で、棹止は言う。
鼻血を止めるために、ティッシュを詰めているせいだというのは、茜には判らない。
「葵!緑!エロザウルスが出現したって!緊急発進!」
「ちっ!性懲りも無く出てきたね。いいだろう。止めを刺してやろうじゃないの!」
「よーし、いっくぞー♪」
「OH、ワタシも行きたかったある・・・」
思い思いの事を言いながら、彼女達はそれぞれの持ち場に向かう。
数分後、三機のイットマシンが出撃していった。
「目標を確認!うわ、大きい!」
茜は思わず叫んでいた。
とてつもなく巨大なエロザウルスだった。
首長竜と、戦艦が合体したような姿をしている。
全長は、二百メートル近いだろう。
「来たなっ!イッターロボ!我こそは、地上制圧作戦の総責任者、バット将軍である。最強のエロザウルス、
アクメロドンで、お前達を葬り去ってくれるわぁ!」
強烈にエコーを聞かせた、高飛車な女性の声が、エロザウルスに付けられたスピーカーから響き渡る。
「そうはさせないっ!チェンジ、イッター1スイッチオン!」
茜は叫ぶと、変形ボタンを押す。
「ポチッとな♪」
相変わらず、緊張感の無いスイッチ音がする。
「イッターはどんな敵にも負けはしない!」
空中でスカートを翻らせながら、セーラー服姿の少女ロボット・・・イッター1は叫ぶ。
「ふははははははは!これを見よっ!」
バット将軍の声と同時に、空中に映像が投影される。
「きゃあぁぁぁっ!何ぃ!あれはぁ!」
思わず顔を覆いながら、茜は叫ぶ。
「うわぁ・・・くすぐったそう・・・」
緑の声。
「何と、悪趣味な・・・」
葵が眉を寄せて言う。
そこに映し出されたのは、エッチな拷問を受けている少女達の姿だった。
その数、百人あまり。
大の字に拘束された少女たちの身体を、異様な機械が嬲っていた。
先端に筆状の物が付いたマニピュレーターが、脇の下や乳首、内腿やうなじをくすぐり、股間では、ローションで
濡れた刷毛がいくつも付いた、いわゆる『刷毛水車』が、容赦無く回転し続けている。
少女達は、機械によって延々続けられる、無慈悲な快楽責めに喘ぎ、泣いている。
「どうだ!これはアクメロドンの内部を映したものだ。少女達の羞恥が、絶頂の波動が、最強エロザウルスの
エネルギーとなるのだ!イッターなどに負けるものか!」
勝ち誇ったような、バット将軍の声が響く。
「くうっ!茜!イッターカードで装甲を切り開いて、あの子達を助けるんだよっ!」
葵の叫びに。
「やぁぁぁっ!恥ずかしくて見てられないよぉ!」
今にも泣きそうな茜の声が返される。
エッチな話だけでもダメな茜にとっては、あまりにも強烈過ぎる映像だった。
「今はそんな事言ってる場合じゃないよっ!早く!イッター2のドリルでは、勢い余って女の子達を傷つけてしまう
かもしれない!・・・茜っ!」
「そんな事言ったって、恥ずかしくて目が開けられないよぉ!」
「ふははははは!手も足も出ないか!ならば、こちらから行くぞっ!白いマグマを受けて見よっ!白熱マグマ砲、発射!」
アクメロドンの背中に装備された、ちょっといやらしい形の連装砲がイッターに向けられ、『ドピュルルルルルッ!』
と、これまたいやらしい発射音と共に、白い粘液状のものを発射していた。
それは、白熱状態まで過熱され、加圧された溶岩だった。
高比重の溶岩は、灼熱の槍となって触れるもの全てを貫き、焼き尽くす。
「くっ!オープン、イット!」
葵はとっさの判断で、イットマシンを分離させ、攻撃を回避していた。
「ほれほれ、下手に避けると、マグマ砲は背後の都市を破壊するぞ!」
「何っ!」
あざけるようなバット将軍の言葉に、背後を振り向いた葵は、湾岸の一角に、大きな火柱が吹き上がるのを見ていた。
長い距離を飛ぶうちに冷えて固まったマグマは、長大な槍と化して、湾岸地域にある、石油備蓄基地のタンクを
貫いたのだった。
次々に誘爆が起き、湾岸一帯が炎に包まれる。
湾岸地域の人々は、既に避難していたので、人的な被害は無かったが・・・。
「ほれほれ、どんどん行くぞぉ!避ければ町が火の海だ!ふははははははははっ!」
「くううっ!こうなったら!チェンジ!イッター2、スイッチオン!」
葵は空中でイッター2に変形し、同時にイッタービジョンを発動。
空中に、十数機のイッター2の姿が現れる。
「うひゅぅぅぅぅぅ!やっぱり効くぅぅぅぅ!」
モロに性感帯を震わせる、イッタービジョンの共振に、緑は眉を寄せて耐える。
「分身とはちょこざいな!」
恐竜だけあって、化石のような表現を口にしながら、バット将軍は狙いをつけようとする。
分身状態を保ったまま、イッター2は垂直落下。
海面寸前で分離する。
「むっ!」
とうとう狙いを付けきれなかったバット将軍が、一瞬うめくのと同時に、今度はイッター3に変形。
「水中から、イッターミサイルで推進部を狙うんだよっ!」
「りょ〜かいだ〜♪」
葵の指示に、緑が元気よく応える。
推進部以外の何処に少女達がいるかわからないので、迂闊に攻撃が出来ないのだ。
「行くよ〜!イッターミサイル!」
スクール水着姿のイッター3の胸元から、ポロッとこぼれるような感じで、ミサイルが発射される。
狙うのは推進部・・・。
水中爆発の衝撃波が、イッター3を震えさせる。
「やったぁ!・・・って、えええっ!」
「無傷だと!?こうなったら、イッター2のドリルで推進部を破壊する!」
再びイッター2に変形し、ドリルを最大パワーで回転させながら突入したイッター2に、エロザウルスの身体から
伸びた、数本の触手が絡みつく。
「何っ!これは、金属触手!?」
「ふはははははっ!その通り!アクメロドンは、イッターと同じ、イッター線で駆動されているのだ。それ故に、
触手に犯される快感にも失神しない勇者のみが操る事ができる!さあ、存分に嬲ってやろう!」
勝ち誇った声で宣言するバット将軍の全身には、コクピットが変形した触手が絡みつき、いやらしい動きで愛撫を
繰り返していた。
(この程度の快感!帝王ホールの愛撫に比べたら、何ほどの事も無い!)
バット将軍は、押し寄せる快感の波に耐えながら、勝利を確信していた。
続く
第9話へ続く