第10話「奈緒、敗北のストリップ」


 自分の手でおま●こを開いた結愛子が振り向いた瞬間、男子社員たちの 理性は一気に吹き飛んだ。  これでようやく結愛子の全てを見られる嬉しさと、今まで期待させるだ けさせておいて結局見れない悔しさを味わったこと。結愛子の裸をハプニ ングで見れた連中を羨む気持ち。いろんな想いが交差し、ようやく念願が 叶ったと思うと頭の中がパラダイスな気分になっていた。  この場にいた男子社員たちは、ほとんどそんな感じであり、まずは何は ともあれ感動ありき。この嬉しさをあらわすために近くにいる同志たちと 肩と肩を抱き合って「俺たち、ついにやったよぉ〜」と実感しあった。  が、彼らは感動のあまり、まだ肝心の結愛子の裸を確認していなかった。  いや、くるりと振り向いたのなら、すぐに結愛子の裸は見れたはずだ。  今頃になって、結愛子の裸が思い出せないことに男子社員たちは気づき、 慌てて確認しはじめた。 「「「ふっすまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー」」」  座敷内に意味不明な「ふすま」の大声が響き渡った。  それもそのはず、結愛子が立っていた場所には1枚のふすまだけが横た わっていたのだ。  これはどういうことなのだろうか?男子社員たちがよく観察してみると、 横たわったふすまの下に裸の結愛子が倒れていた。  おそらく、振り向こうとした結愛子目掛けてふすまを投げた馬鹿者がい たらしい。どこの誰の仕業だが知らないが、結愛子の危機を寸前で救った ようであった。  またしても、ぬか喜びとなった男子社員たちが一斉に怒り始めた。 「ふざけんなぁぁっ!誰だ、こんなことした奴はぁぁー」 「出て来いぃぃ〜、俺たちが袋叩きにしてやるぅ〜!」 「いや、まだ間に合うんじゃねーか。あのふすまをどかせば、桜野さんの 裸が見えるんじゃねーか」 「そっか!まだ俺たちに勝機ありっ!」  諦めが悪い男子社員たちが動こうとした瞬間、今度は薬局店頭に置いて ある巨大な宣伝人形が座敷内に飛んできた。  どんっ!ごろごろごろっ.. 「!!だ・誰だぁぁ〜。こんなの投げた奴〜」 「けど..いったい誰がこんなのを..」 「おい、誰か立ってるぞ。あ・あいつはぁぁ〜」  そう、この楽しいムードを一瞬にして壊した者が座敷内に入り、大声で 叫んできた。 「ひっくっ!おーい、馬鹿社長っ!来てやったぜぇー!そこドケェェー! ばかしゃちょぉぉぉ〜」ドカァァッ!  男は平然と座敷の奥へ進んでいくと、今度は何と社長の頭に思い切り蹴 りを入れてきたのであった。  そして、ふすまの下で倒れてる結愛子を見て、こう言ってきた。 「ひっくぅ〜、なんだぁ〜?桜野さん、何ふすまの下で素っ裸になってん だ?ここは特別夕食会じゃなかったのかぁ〜?いつからストリップ劇場に なったんだぁぁ〜」 「か・か・川阪さん..」「ひっく。これって、このエロ社長の仕業かぁ ぁ〜〜?それじゃ、もう2・3発蹴り入れとくかぁぁ〜」  そう、座敷に入ってきたのはグータラ社員の川阪であり、飲んだ帰りに 近くの薬局の宣伝人形をお土産に、この料亭にきたらしい。それもかなり 泥酔しており、転がった社長に対して再び蹴りを入れてきた。  ドカドカッ「か・川阪君、暴力はやめたまえ〜」 「ははっ、暴力って言える立場かぁ?社内のOL使ってストリップ劇場な んてやってんじゃねーよ。おらおらおらぁぁっ」 「!は・隼人っ!お父様に暴力はやめなさいっ!」  泥酔している川阪の行為を奈緒がすごい形相で止めてきた。  ただ、何故か奈緒は川阪のことを下の名前を呼び捨てで言っていた。  いや、呼び捨ては奈緒だけではなかった。 「・・・ひっく、奈緒か..お前がいながら、この乱キチ騒ぎは何だ」  川阪も奈緒のことを平然と下の名前で呼び捨てにしてきた。  どうやら、この2人の間には友人以上の関係があるのかも知れない。 「う・うるさいわよっ、私の勝手でしょ!隼人」 「・・・ひっく、奈緒、お前もいい加減、新人イビリなんか止めな.. 桜野さんをいじめるために、わざわざ大そうな夕食会を開いたのかぁ〜」 「ち・違うわよっ。これは、ちゃんとした夕食会よっ!遅れてきた上に、 お父様に暴力を振るうなんて、最低よ。隼人っ!」 「ひっくぅ〜。何が最低だぁ?座敷の外からも聞こえてたぜ。おっぱいや ら、おま●こやら、料亭に相応しくない馬鹿連中の声がなっ!おやおやぁ、 みんな立派なテントを張ってますなぁ〜。おい、奈緒っ。あの中でどれが 一番デカイと思う?」「は・は・隼人っ!ふ・ふ・ふざけないでっ!」 「ひっく、いいじゃねーか。どーせ、ここはストリップ劇場なんだろぉ? おい奈緒っ、どーせなら桜野さんよりでけぇ〜お前のロケットデカパイも 見せたらどーだ?」  ボンッ(顔が真っ赤になる音)「は・隼人っ、馬鹿言わないでっ!」 「ひっく、冗談だよ。ところで腹減ってんだ。そこの料理くわせてもらう ぞ〜」と川阪は千鳥足で近くの社員たちの食事を強引に奪って食べ出した。 「ん?ひっく、何だぁ〜、この@ABって奴はぁ〜。まさか、ここで何か くだらねー余興でもしてたのかぁ〜?まあ、いいや。3つともケーキ頂く ぜ〜」と川阪は酔っ払いながら、自分の周りにあるケーキを次から次に口 の中へ放り込んだ。 「隼人..よく、酔っ払った状態でケーキなんて食べれるわね..」 「美味しければいいんだよ。しかしよ〜、AとBのケーキは何だよ。わざ と味を崩すなよ。せっかくの同じ甘さが台無しだな」 「!えっ?は・隼人っ..同じ甘さって..どういうこと?」 「ひっく〜、何驚いているんだよ。このケーキ、全部同じ糖度だな。一般 的には@が甘く感じるが、鋭い舌を持ってる奴はBが甘いと感じるな。だ が舌先と舌の両サイド、舌の奥で丁寧に転がしてみな〜。変な細工をして るのが丸分かりだ。それさえ分かれば美味さの概念を捨てて糖度だけを計 れるんだよ。奈緒、お前まさかBが甘いと思ってんのかぁ〜、甘い女だ」 「ち・ち・違うわよっ!そ・それじゃ、そこのワインはどうなのよっ!」 「ひっく〜、おおっ♪さすが特別夕食会だな。ワイン付きってことかぁ〜。 じゃあ、遠慮なく頂くぜぇ〜」と今度は次々とC、D、Eのワインを飲ん でいったが、しばらく飲んだ後に突然吐き出してしまった。 「おえぇぇぇぇっ!お・おえぇぇっっ!」「ちょっと、隼人っ!何、堂々 と吐いてるのよっ!」 「ひっく〜、うるせぇぇー!てめぇぇー、食品会社のくせに偽のワインを 夕食会なんかに出すのかよっ!くだらねー、古さなんか出しやがって化学 調味料の固まりなんか飲ますんじゃねーよ」 「か・化学調味料?そ・それって、どういう意味よ..」 「ひっく、ワイン好きのお前が知らなかったのよ?どれも、限りなく年代 モノのワインに似せているが、こりゃ全部人工的に作られたものだな」 「・・・ろ・ろ・Eも人工ワインってわけ?」 「ひっく、Eも人工ワインだ。それも、こいつが一番たちが悪い。ワイン 愛好家が騙されて買いそうな1番古く見せてる年代モノだな。まあ、ワイ ンのうんちくを語る奴はCが1番古いと感じるんだろーな」 「う・うそっ..それじゃ@、A、Bは同じ甘さ..C、D、Eは全部、 偽者ってこと?」 「ひっく、何の確認だが知らねーが、それで間違いないな。まあ、お前は 自分の舌に過信する悪い癖があるから、BとEなんて言うだろうな、奈緒」 「・・・・お・お父様?こ・このテストの正解..あの酔っ払いの言う通 りかしら?」ぷるぷる..ぷるぷる..  奈緒が身体全身を震わしながら、今まで見せたことないような怒りの視 線を社長に向けてきた。 「す・す・すまないっ、奈緒っ!全ては川阪の言うとおりだ。お前があま りにも自信たっぷりに言うから、正解を言えなかったんだ..許してくれ」 「ふ・ふざけないでっ!!この私を..この私をお父様が愚弄するなんて」 「そういうつもりじゃない..あんな状況で娘を陥れる正解など言えるわ けがないじゃないかっ」 「うるさいっ!うるさい、うるさいっっ!!お父様が一番、私を陥れたの よっ!こんな酔っ払いに言われるまで気づかないなんて、馬鹿みたいよ」 「奈緒..す・すまん」 「お父様..謝る相手が違うわよ。桜野さん、この愚かな父に代わって、 私が責任を取らせてもらうわ」 「えっ?せ・責任って..」 「隼人っ、それに場を弁えない馬鹿男子社員たちっ、私が代わりに見せて あげるわよ。そう、この私、崎長 奈緒の不様な裸をねっ!」  と言った奈緒が、堂々とその場で服を脱ぎ始めた。  何と、結愛子のストリップの次は奈緒が全員の前でストリップを始めて きたのであった。 「な・奈緒様、ストリップなんて止めてくださいっ」 「奈緒っ、社長の私が悪いんだっ。服を脱がないでくれっ」  奈緒の取り巻きや社長が必死に止めようとしたが、奈緒の脱ぐ行為は止 まらなかった。  男子社員たちが見てる前で次々と高級ブランド品の服を脱ぎ捨てる。  あっという間に下着姿になった奈緒だが、脱ぎ続ける手は止まることは なかった。あっさりとブラのホックを外して、結愛子より大きいEカップ のおっぱいを出してきた。  結愛子とは全くタイプが異なる美乳の登場に男子社員たちの歓喜の声が あがる。 「うおぉぉっ!何だよっ、あのロケットオッパイはぁぁ〜」 「うぅ..何か、すげー威圧感を感じるよ..」 「オレはこっちの方がいいかも〜。やべぇ〜、あの姿で踏まれてぇ気分だ」  Eカップの大きさの割には見事なまでに真っ直に向いている奈緒のロケ ットおっぱい。  重力に逆らい続けるこのロケットおっぱいは、わがままな社長令嬢であ る奈緒に相応しい美乳かも知れない。  正直な話、結愛子の美乳と比べても、まったく引けをとらない美しさが ある。いや、人によっては奈緒のおっぱいの方がやみつきとなるだろう。  結愛子のおっぱいはほとんど見れなかったが、その代わりにこれだけの ロケットおっぱいが見れれば何も言うことは無い気持ちになる男子社員た ちだった。    少しずつ満足し始めた男子社員たちであったが、まだ嬉しい出来事が続 く。奈緒が彼らの目の前で堂々とショーツを下ろしてきた。  そして、いっさい恥部を隠すことなくショーツを足元から抜き取って、 ポイと投げ捨てた。 「おおぉぉぉっ!全部、脱いじゃったぞぉ〜。こ・これが、我がままお嬢 の裸かぁ〜」 「な・何だよぉ〜、こっちのレベルも半端じゃねー。完璧ボディだぜ..」 「桜野さんのことがぼやけるぐらいいいんじゃねーか?オレも尻を叩かれ てーよ」  男子社員たちが「はぁはぁ」と激しい呼吸をしながら、奈緒の裸に魅了 されていく。  結愛子とは違い、裸を見られることに恥ずかしさを見せない奈緒が大胆 な言葉を出した。 「・・・ふんっ、これぐらいで満足するなんてここの男たちも大したことな いわね。勿体無いけど、ここも見せてあげるから、しっかりと目に焼き付 けなさいっ!」  そう言うと、奈緒は男子社員たちが見ているまで指を恥丘に伸ばして、 自分のおま●こを思い切り開いてしまった。それも中のピンク色の膣肉が はっきりと見えるほどまで。 「ふんっ、しばらく開いたままにしてあげるから、好きなだけ私のあそこ を見るがいいわっ」 「な・奈緒様、そこまですることありません。こんな恥ずかしいこと、お やめくださいっ」 「その通りだ、奈緒っ。悪いのは違う答えを言った私だ。お前が恥ずかし い目にあう必要はないぞ」 「・・・お父様、私にとってはこんなのは大した恥ずかしさではありません わ。私の舌を馬鹿にされた恥ずかしさは、こんなのと比較できないのよっ!」  そう、奈緒にとっての最大の屈辱は自分の舌が間違っていたことであり、 その屈辱に勝るものは無かった。裸を晒す恥ずかしさなど、舌を馬鹿にさ れた恥ずかしさと比べたら天地の差ほどあったのだ。  今の奈緒には男子社員たちの言葉も視線も突き刺さることがなく、料理 だけをじっと見て、もう少し味を確かめるべきだったと悔やむ気持ちだけ でいっぱいだった。 (これは私なりの勝負のケジメよ!桜野さん、貴女が裸を晒してまで自分 の舌を信じたように、この私も自分の舌のケジメをつけなくちゃ気が済ま ないのよっ)  2分ほど、おま●こを晒した奈緒はそのまま、男子社員たちの前で土下 座をして社長に代わって謝ってきた。 「・・・この度は父の失言、失礼いたしました。父に代わって娘の私が謝罪 いたします。及び、桜野さんへ対しての暴言・暴挙も心より反省していま す。先ほどの桜野さんの宣言は一切聞かなかったことにしてください」  普段、人を見下していた奈緒が裸で土下座する姿は強烈なものだった。  奈緒の土下座で一気に我を取り戻した男子社員たちが今度は逆に土下座 しかえしてきた。  それは結愛子への無礼を働いた男子社員たちの心からの謝罪であろう。  この土下座を見た奈緒が今度は結愛子の近くで土下座をして謝ってき た。 「桜野さん、御免なさい。どうか、この奈緒にどんな罰でも与えてくだ さい。尻叩きでも全裸勤務でも貴女の気が済むなら何でも言って頂戴」 「・・・奈緒さん。それにみんな、頭をあげてください。今回は私の方にも 悪いとこがあったと思います。もうちょっと、誤解を受けないような上手 い説明しなくちゃいけないと反省してるんです」 「・・・桜野さん、貴女は怒ってないの?公衆の面前で土下座してお尻まで 叩かれたのよ..それに今までだっていろいろと..」 「怒ってないと言ったら嘘になりますが、だからって奈緒さんの尻を叩い ていいことにはなりません。私の誤解も解けたし、奈緒さんもあんな恥ず かしい謝罪をしたんです。それだけで十分です」 「あ・ありがとう..桜野さん。もう私、貴女にイジワルなことしないか ら..これからも、お父様の会社で頑張ってくれないかしら」 「もちろんです。そのために、この会社に入ったんですから。さあ、奈緒 さん。いつまでも裸でなんかいないで服を着てください」 「・・・ごめんなさい..桜野さん。私、今日のことずっと忘れないから」 「奈緒さん..」と結愛子が無意識に手を差し出すと、奈緒が快く応じて 結愛子の手を握った。  こうして、和解の握手をすると座敷内は拍手の嵐となり、男子社員たち が感動に涙しながら、柏手をし続けていた。  まあ、結愛子も奈緒も裸のままだったなので、実に絵になる光景になっ ていたのだろう。


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