今日から教育実習生になった涼野 鈴佳です。
まだ短大生ですが、今日から2ヵ月間は私立の小学校に通うことになり
ます。
私が受け持つクラスは3年2組。ちょうと高学年にあがる手前の子たち
を教える事になりました。
普通、教育実習と言うと2〜3週間が普通なのだが、ここは私立という
事もあって教育実習期間が長くて有名なとこなんです。
けど、私の大学以外の人がここの教員になるには、公立学校を何年か勤
務しないと行けないほどの名門私立小学校みたいなので、しっかりとした
学校よね。
まさか、私なんかの書類審査が通って教育実習が出来るなんて夢みたい
かもぉぉ。
とりあえず、2ヶ月という長期の実習だったので私は急遽、教育実習期
間に行っても問題ない単位を取る事に必死で勉強に専念した。
その甲斐があって、こうして教育実習できるとこまで持っていくことが
出来た。
ただ、1つ気になったのは過去、私の在学の先輩たちも、ここの教育実
習に行って、みんな途中で断念しているようなので少し不安な気持ちがあ
った。
だけど、せっかくのチャンスを逃がすわけにもいかず、教育実習申請書
に署名、捺印し大学に提出した。
これで私はもう後には引けない身となったのだ。
でも..この教育実習は始めから運が悪かった。
「今度、教育実習に来た涼野 鈴佳です。どうか宜しくお願い致します」
「よろしく、私が2ヶ月程、あなたを担当する阿嶋です」
「よろしくお願いします。至らない点がありましたらどんどん注意して下
さい」「ええ、そのつもりよ」
私は教育担当の阿嶋に紹介され、阿嶋にいろいろと学校の説明を受けて
いた。
そんな私たちを奧の方から男性教師たちが見てて何かを話している。
聞こえはしないが何か影話をしている感じでもあった。
*****奥の方の男性教師たち*****************
(あーあー、今年もまたあのお局が担当か...)
(あの子はどれぐらい持つんだろーな?)
(けど、あんな可愛いのに残念だよなー)
(でも、俺たちは嬉しいものがまた見れるからいいけどな..)
(ばか。そんな目先の事だけ期待してたらいつまでたっても若い子がこね
えぞぉ)
(そうだよな。でも、あんだけ可愛いとちょっと邪まにならねえか?)
(まあ、そうだけど。あういう子がうちに来るといいんだけどな。)
*********************************
男性教師たちは何かを諦めた様な感覚で阿嶋たちを見ていた。
そう、男性教師たちの視線はこれから私の身に起こる羞恥な実習を物語
っている感じだった。
そうなんです。この阿嶋って女教師は、この学校のお局で相当うるさい
人だったんです。
今年で30歳になるんですが、ここではお局と言われてる程、力が強いみ
たいで、さらには若い女教師をいびるのが好きな先生だった。
そんな阿嶋と朝と帰りのホームルーム、朝礼・終礼と、体育の授業だけ
は常にともにしなければならなかったので、かなりキツイ。
体育の授業が一緒なのは生徒に怪我をさせない配慮から来ていた。
でも、口うるさいだけの人なので別に断念するほどきついものではない。
今まで、先輩たちが実習を断念した理由が正直わからない。
いや、もしかしたら辞めた原因は阿嶋じゃなく、生徒たちの方にあるの
かも知れない。
実は私が受け持つ3年2組の男の子たちってエッチなイタズラが好きな
んです。
大人がやったら、絶対に犯罪となるぐらいのことをしてくるんですっ。
この前だって..人前であんなことしてくるなんて..
あれは私がクラスのみんなと社会実習で近くの商店街に行ったときの事
でした。
人ごみで迷子にならないようにみんなと手を繋いでた時に、男の子たち
がとんでもないイタズラをしてきたのだ。
「おい今だ!やっちゃうぜ」「よし」
後ろから誰かが忍び寄ってくることに気づかなった私。
どうやらエッチなイタズラをするつもりであり、私がこの事に気づいた
のは悪戯された後のことだった。
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