第36話「理科室の掃除」


 今回もまた男子たちに見つかってしまう危機に陥ってる沙智菜です。  礼璃んの話だと、第2理科室の掃除のサボリ率は9割以上って言ってた のにぃぃ〜。私の時だけ何で掃除する生徒がきちゃうのよぉぉ〜。  絶対私って羞恥な目に遭うように仕組まれてるよぉぉぉぉーーー。  周兄さん、どうして私だけこんな目に遭うか教えてくださいぃぃーー *****沙智菜の勝手なイメージ*****************   「それは沙智菜の裸を早くみんなに晒したいからだよ」   「まあ、礼璃んの場合は掃除がこない時間を計算をしてると思うぞ」   「掃除をさぼらない真面目な男子だから話せば分かるよ」 ********************************  いやいや、話せば分かるわけなんてないよぉぉ〜。  相手が真面目なら、こんな破廉恥な行為認めてくれるわけないし、先生 に連絡がいっちゃうかもぉぉ〜。  校内で露出行為をして謹慎なんて受けたくないよぉぉ〜。  しかし、器材収納棚に飾ってあるガイコツの標本が当然、生身の女性の 裸に代わっていたのを見たら、どう反応するのだろう?  一瞬、驚くけど、すぐに女子生徒が裸で立ってることは分かるはずだ。  標本の代わりに裸で立ってましたぁ〜。なんていうシチュはすっごく! 恥ずかしいよぉぉ〜。 (ああぁーーん、このままじゃ100%見つかっちゃうぅぅーー)  何せ掃除道具入れは器材収納棚を横切らないといけないから、確実に私 の目の前を男子たち3人が通るのだ。  もう男子たちはこっちに向かって歩いてきており、横切る際に棚の方を 視線がいくのは間違いないから、もう一巻の終わりかもぉぉ〜。  私があと出来ることって物音を立てないでバレないようにするしかない んだけど、音なんか関係ない状態よね.. (あぁぁーん、奇跡が起こってぇぇ〜。こっちを見ないで横切ってぇぇ〜)  男子たちが横切るまで2m..1m..50cm..ゼロォォーー!? (いやぁぁぁぁぁ〜。男子たちが目の前に見えたぁぁぁ)  ぴたりっ..(えっ?何で私の目の前で立ち止まるの?)  もしかして..一発でバレたの?いや、でもぉ〜..何故かこっちを見 てないんだけど? 「うおおお!ビックリした!ガイコツがエロくなってるぞ!」 「って本物っぽいな」「ああっ」  うそぉぉぉ!一発アウトだよぉぉ〜。もうガイコツが被り物であるのも バレちゃうよぉぉ〜! 「これ女子の仕業だろ!俺たちの楽しみを悪戯に使うなよ!」 「ああ、頭部だけガイコツにするのはセンスねーな」 「ん?意外と男子じゃね?生徒手帳が貼ってあるし」  えっ?えっ?何か色々見つかってるけど、何か会話が変だけど..どう いうこと? 「しかし、これじゃデッサン人形としてもリアルすぎてヤバいよな〜」 「頭部があったら、完全にエロ人形っていう噂はマジだったか」 「どっかの男子が首なしが怖いからガイコツつけたんじゃね?」 (あっ..これって箱の中のデッサン人形を知ってるってこと?そういえ ば、あの人形も女性型だったし、何故かピンクの乳首ついてたよね) 「って言うか、このデッサン人形が無いと、やっぱこの部屋怖いよな」 「ああ、俺もデッサン人形目当てだし、無ければ掃除サボってたし」 「大体、ガイコツをこんな風に扱うなんて、勇気あるよな」ブルブル  ん?これって、怪談の方も伝わっている感じ?発注間違いのモノを隠す のも丁度いい部屋だし、蛍光灯もカバーが汚いせいで薄暗いし.. 「やっぱ俺、近づくの無理っ!このガイコツ、やけに表情あるし!」 (まあ、誰かが加工してるし、元々マスクで被れるし) 「って言うかデッサン人形もリアルすぎだろ!聞いたのと違うぞ!」 (いや、そもそもガイコツマスク被ってる裸の女性だし) 「この生徒手帳も作ったニセモンだろ!しかも俺と同じ新宮ファンかよ!」 (はい?今、新宮って言ってなかった?ど、ど、ど、どういうことぉぉ)  もう、このガイコツ裸女が新宮沙智菜ってバレてるの?いや、生徒手帳 が私のだから身バレは当然なんだけど..何か反応がチガウ..違うよね。  そういえば、礼璃んが私のファンクラブがあるっていってたけど、冗談 じゃなかったってこと?それなら、尚更バレたらヤバくない? 「なあ、これ悪戯だよな?ま、まさか本当は7不思議..」 「ばっ!バカッ!それは口に出すなよ。俺は何も聞こえないぞ..」 「そ、そ、そうだよ。こ、こ、これは悪戯だ!悪戯なんだぁぁ」 (男子って基本、怖がりよね。よく見れば生身の女性がガイコツマスクを 被ってるのが分かると思うんだけど..まあ私にとっては都合いいけど)  どうやら、7不思議を信じ込んでいる男子たちにとっては、迂闊に近づ くことも出来ないみたいでした。 「なあ?だ、誰かのイタズラだよな?なあ?」ガクガク.. 「それなら棚の方をじっくり確かめればいいんじゃ」ブルブル.. 「いや..それが罠じゃないのか?」ゾクゾク.. (あ〜ん、だめだめぇ〜!確認なんてしなくていいよぉぉぉ〜)  それにしても、いつまで私の裸を見てるのよぉぉ〜。ちょっとでも動い たら生身の人間ってことに気づいちゃうよぉぉ〜。 (けど..何かすっごくドキドキして興奮しちゃうよぉぉ〜)  こんな近距離で裸を晒してると思うと、つい乳首がピクピクと上下に動 いちゃう。まあ、すでに固く勃っていたのが幸いであり、こんな状況で乳 首が激しく変化したら絶対に「あんっ」って声を漏らしちゃう。  とりあえず、7不思議効果のせいで、このままじっくり棚を見ないで、 掃除をさっさと終わらして帰って欲しいと願うだけだ。 (って言うかぁぁ〜。目の前で立ってると、どんどんこっちが興奮しちゃ うよぉぉ〜。早く掃除して、してほしいよぉぉぉーーー)  私の願いが通じたのが、青ざめていた男子たちがようやく掃除道具を取 り出して黙々と掃除をし始めた。  しかし、いつまでも棚の中に居るのも絶対に危険なことであり、ここは 男子たちが震えてる間に逃げ出した方がいいのかも知れない。  やっと支柱から離れる方法も分ったし..と言うのか、この支柱って樹 脂で出来てるから力を加えればぐにゃっと曲がるんだよね。  あと、そろそろガイコツマスクに気づきそうだし、男子たちが落ち着き を取り戻す前に何とかしなくちゃ! (これがイタズラと判断されたら、絶対に棚を確認しちゃう!でも、どう やって逃げたらいいの?)  ここで逃げる妄想をしてみた。私は男子たちの一瞬の隙を狙って棚から 飛び出して、部屋も抜けだして廊下を走っていく。  私が走ってる姿は、すぐに他の生徒に見つかり、大騒ぎとなった。 (いや、大騒ぎになるでしょ!そもそも、外に出たら、ただの変なマスク を被った裸の女だし..)  ここはやっぱ、ガイコツのフリを続けるしかないか..  でも、何か気のせいか辺りを清掃し終わった男子たちが棚の周りを掃除 しにやってきた。  何か、新宮ファンと言った男子は自分の鞄をゴソゴソ何かを探してるし.. (みんな、棚の近くにいるってどういうこと?まさか、もうバレてるとか?)  どうやら、すでに頭だけガイコツがイタズラであるってことは分ったら しく、私の身体をじっくり見ている感じだ。特におっぱいはかなり観察さ れてるよぉぉ〜。 (ああぁ〜、男子たちが棚に近づいてくる〜〜〜やっぱり、これが生身っ て分かったってことぉぉーー)  鞄から何かを取り出した男子が、2人の男子と顔をあわせながら何かを 言おうとしている。  これは、やはり中に入ってるのが私とわかっての行動なのだろうか..  ドキドキする私に、ついに男子の1人が、ため息をはきながら話し始めた のだ。 「はぁぁ〜、誰か喋れよ。余計、怖くなるだろう」 「すまね〜、マジ怖えんだから仕方ねーだろ。アレがイタズラってことは 分るけど..ガイコツの頭がすげー気になるんだよ!」 「新しい人体模型の発注が間違ってエロいのになったって話はマジたけど.. 噂だと先生がワザと間違えたって話だぜ」 「それって、前の人体模型が女子生徒を殺したって噂があったから、怖く て発注したくないってことだよな」 (うわぁ〜、すごい尾びれ付きで話が怖くなってるぅ〜。って、悪戯した お母さんは生きてんですが..) 「おい、俺もそれ聞いたことあるぜ。ガイコツが冷気を出して凍らせたっ て噂もあるぜ。現にいつもヒンヤリしてるしな」 (あう..それは常温用の冷却シートのせいかも..) 「俺もそれ聞いたぜ。ガイコツが女子生徒の服を奪って、自分の隣に置く っていうから、背筋が凍ってしまうよな〜」 (おーい、礼璃ん。あんたの抱きつき姿、見られてるよぉぉ) 「って、お前ら、いい加減にしろよ!ここは、俺に任せろっ!」 (ん?何かポスターみたいのを手にしてるけど..)  どうやら、新宮ファンの男子が取り出したのは手作りポスターらしく、 いやいやいや!それっ、私の顔じゃん!勝手に変なの作らないでぇぇぇ〜。 「お前、それどうするんだ?」「ま、まさかっ!」 「そう、そのまさかだよ!怖いガイコツ頭を棚の上から、このポスターを 貼れば一気にエロくなるって寸法さ!」  何と、私のガイコツマスクを隠すように私の顔写真のポスターを貼って きた。何ていうか..普通なら笑える立体コラってとこだけど..身体の 方は本物の新宮沙智菜なんだよね.. 「何か、すごくエロくね?」「ああっ!エロすぎるっ!」 「マジの新宮が脱いで立ってるみたいだ!!」  ついに恐れていた言葉を男子たちがし始めた。そう、私の顔写真を貼っ たら、言葉通りに私が全裸で立ってるだけなのだ。しかも学生証付き。 「ごくりっ、何かおっぱいが新宮っぽく見えてきたっ!」 (いや、本物だから..) 「ああっ、おま●こもヒクヒクしてる感じが見えてくるぞ」 (ぁぁっ、本当にヒクヒクしてます〜) 「ポスターを張るだけで、どんどん生身に見えてくるぞぉぉ〜」 (元々、生身だから当然です..)  唯一の救いは、まだ接近して見てこないぐらい。だから、男子たちの視 界には私の足元を見ていない。大体、足の指や爪まで再現するデッサン人 形なんてないし..  今はお腹に貼ってる学生証を見てるけど、だ、大丈夫かな.. 「この学生証..ニセモンの割にリアルじゃね?」 「イタズラレベルじゃねーよな。新宮のをこっそり盗ってきたのか?」 「なあ、何か俺、これ本当の女子の裸に見えてきたんだけど..」  男子たちの姿は見えないけど、相当震えているのはすごく分った。  どうしてもおっぱいがプルプルと震えてしまい、男子たちの視線を注目 させている様な気がする。 (ああぁぁーー、どうしても、おっぱいが動いちゃう..これってまずい よぉぉぉーー)  やはり、おっぱいの揺れを止めることが出来ない私。  まるで自分から「怖くないよ」って誘っているようで、この揺れを見て いる男子たちはどう思うのだろうか。  そう思う私の前で、揺れを見ていた男子たちの口から、その答えが出て きた。 「ごくりっ、ひょっとして本当の女子じゃね?」 「しかしよぉ、それだと誰が脱がされているんだよ?」 「噂で聞いたが、新宮って正義感が強いから、よくイジメで辱めをされて たよな..」 「いやいや、それって、新宮が実際に裸で俺たちの目の前にいるってこと だぜ!」 (ぅぅ..その通りです..) 「女子と分れば..何かこ、こ、怖くはないよな?」ガクガク 「そうだな。乳首もどう見ても生身のもんだし..固く勃ってピクピクし てるのはデッサン人形じゃ無理だし..」ブルブル.. 「ああ、これは絶対に新宮だ!新宮沙智菜が裸で立っているんだ!」 (そんなにハッキリ言うなぁぁぁ〜。でも、何か様子が変かも..)  男子たちが、怖さを紛らわそうとして、おっぱいだけを必死に観察して いる。  後で聞いた話だと、7不思議でもどんどん生身に見えてきて、近づいた ら首元を噛んでくるとか..って、それゾンビだよ。  けれども、このままじゃ興奮が高まって、おっぱいの揺れが激しくなっ ちゃうよぉぉーーー  が、この後の言葉で興奮していたのは私だけでないことに気づいてしま った。 「やべーな、このおっぱい見てたら、俺マジで勃ってきてしまった..」 「おいおい、この状況で勃つなんて危ないな..と言いたいとこだが、俺 もちょっと勃ってきてるんだが..」 「このおっぱい、見ればみるほど興奮して、たまらなくなる気がしねーか」 (うそぉぉ〜。興奮なんかしないでぇぇー) 「何か触ってみたくないか?」「お・お前もか?」 「怖いけど..思い切り揉んでみたくなるよな?」 (ちょっとぉぉぉーー、男子たちの様子がおかしくなってるよぉぉぉーー 揉まれたりしたら絶対にばれちゃうよぉぉぉーーー)  私のおっぱいを見て、すっかり興奮してしまった男子たち。  このままだと、本当に揉まれてしまって生のおっぱいだとばれてしまう だろう。 「揉んでみるとするかぁ〜」 (ええっ〜ちょっとぉぉーーそれだけはやめてぇぇーー)  1人の男子の言葉で、ついに皆の手が私のおっぱいへ近づいていく。  これはもうかなりの危機的な状態に陥ってしまった気がする。  いくら何でも揉まれたりしたら絶対に分るってぇぇ〜!  ついつい男子たちの迫る手に焦る私は、不覚にも中で身体を動かしてし まったのであった。  ガタガタッ..パカンッ!(うきゃぁぁぁ〜しまったぁぁぁぁーーー)  あろうことかガイコツマスクが外れて床に落ちてしまい、明らかに私が 人形ってないって自分から宣言してしまった様だ。  だが、これが思わず好機に繋がってしまうとは考えもしなかった。 「うわぁぁっ..ポスターの端から髪の毛が出てきたぞぉぉ!」 「う・嘘だろ..ガイコツに髪まで生えてきたのかぁぁ〜」 「やっぱり噂どおりじゃねーのか..もうガイコツの頭部にも肉付きはじ め、俺たちを始末する気じゃないか!」 (はい?何よ、それ?ホラー映画の見すぎじゃないの?) 「こ、こ、こ、これは生身の女子なんだから..お・お前、おっぱいを揉 んでみろよ..なぁ..」 「冗談じゃねーよ。俺を犠牲にして、てめーらだけ逃げる気だろ!」 「そんなことより!さっさと..に・逃げようぜ!」  すっかり顔が青ざめてしまった男子たちに、もう私のおっぱいを揉もう とはしない感じに見える。  それにしても、この男子たちって相当びびりなのかも知れないけど、エ ッチであるのも確かかも知れない。  何せ、こんだけ怖い怖いって言ったあとに下の方もしっかり見ていこう と提案してきたのだ。 「ど、どーせなら..おま●こもじっくり見ないか?」「・・・そ、そー だな」「せっかくだし..」 (こらぁぁ〜、あんたらどうかしてるでしょぉぉ!)  こうして、今度は下の方だけを注目し、私のおま●こまでジロジロ見ら れることに。  おま●こが見えたことで興奮した3人だけど、部屋が暗いのとポスター でガイコツの頭部がどうなってるか分からないことから、もっと色々見よ うと気は起きなかったようだ。  そして、ここで少しハプニングが起きた。私がガイコツを箱に入れた際 にヒンヤリ冷却材が剥がれて床に落ちたみたいで、それを男子の1人がし ゃがんだときに手に触れてしまったのだ。 「ひょおおおおっ!手が凍るっ!」「うわあああ〜、それヤバいぞ」 「やっぱゾンビだ!ゾンビだあああ」 (いやほんと、映画の見過ぎだよ..)  この後は悲鳴をあげるわ、互いの頭をぶつけて転倒するわ、更に別の冷 却材に触れたりして完全なパニック状態になった。  そして、ポスターを回収しようとして剥がした男子が、「やっぱ、顔に なってるぞ」と訳の分からないことを叫んで慌てて逃げ出していった。 (よかったぁぁ〜。助かったよぉぉ〜。これで服が着れるわ)  今回こそは大変な目に遭うと思ったけど、何とか無事に難を逃れること が出来ました。  周兄さん。今回は本当に危機一髪がいっぱいだったよぉぉ〜。 *****沙智菜の勝手なイメージ*****************   「沙智菜、今回の裸の標本露出は素晴らしかったぞ」   「しかし、気になるのは礼璃んが寝てるというけどどうやって?」   「抱きついて寝るっていってもキツイと思うが..」 ********************************  えっと、それは私も気になって、後日礼璃んに実践してもらったら、支 柱が曲がるのを利用して思い切りガイコツを斜め倒して寝るようでした。 (50度ぐらい曲がるみたいです)  けど、傍目から見るとガイコツに熱い抱擁してる風なので私には真似で きないかも..(ガイコツの代わりに立つのはいいんだけど..)


第37話へ