第26話「日向ぼっこ」(挿絵:たーちんさん)


※時々CGと文字が重なる場合がありますので、その時は1回再読み込みしますと直ります。

 この頃、露出行為を自粛しようかなと考えてる沙智菜です。  何せ、最近いろいろと危ない目に遭ってるので大人しくしようかなぁと。  と思っていたのに...思っていたのにぃぃぃぃーーー  まさか、あんな事になるなんて..  その出来事が起こる日は朝からポカポカしていて、いい天気でした。  露出をする事よりも、どっかでお昼寝でもしたいなぁ〜という天気なの である。 (ふぁぁぁ〜〜眠たい・・・Zz..)  はっ!いけない、いけない。うっかり寝るとこだったよ..  昨日、ちょっと遅くまで起きちゃったから眠くてたまらない。  何とか午前中の授業は乗り越えられそうだけど、昼休みはどこかでお休 みしないと持たない気もする。 (机で寝ちゃおうかなぁ..けど、うるさくてあまり眠れない気もするし..)  いろいろ考えてる間に時間が過ぎていく。  ふと、気づくと昼休みになっており、とりあえず早くお弁当を食べて心 地よく眠れる場所を探さなければ..  ぱくぱくぱく..うとっ..うとうとっ..  はっ!危ないあぶない、物食べながら眠るなんて相当あぶないかも.. (とりあえず、みんなが良く寝ているグランド近くの草むらに行かなくちゃ..)  何とか眠気をおさえながら昼食を終え、いざグランドへ行こうとした時、 私の名を呼ぶ声が聞こえる。 「沙智菜ちんーー♪」 「・・・・・・この甘ったるい声は..」  人が睡魔が戦ってる時に聞きたくない声が聞こえる... (とりあえず、聞かなかったことに..)うんうん.. 「沙智菜ちんーー♪沙智菜ちんーー♪沙智菜ちーんーー♪」 「・・・・・聞こえない..聞こえない..」 「無視はいけないんだよーーん♪」だきっ♪  いつの間にか私の後ろに回って抱き付いてくる。  相変わらず背中に感じる柔らかい2つの感触。 「こらぁぁーー暑いから抱きつかないで!礼璃ん。」 「いいじゃないの〜沙智菜ちんと礼たんの暑い仲なんだからぁぁー」  こんな眠たい時にどうして来るのかなぁぁぁーー私って不幸だよぉぉー  そう、例の危ない友達の姫條 礼璃(ひめじょう れいり)、通称、礼 璃ん(れいりん)がやってくるなんて... 「礼璃ん!もう離してよ。」 「どうして?礼たんを避けたのかなぁぁーー」 「・・・ね・眠いのよ..お願いだから昼休みは自由にさせてぇぇ」 「うーん、やっぱりね♪もしかして沙智菜ちんグランドに行こうとしたの?」 「そうよ。こんなポカポカな日はあそこで寝るのが最高なんだから」 「うんうん、わかるわかる♪でもね、それなら昼休みになった時に行かな くちゃ手遅れだよ」 「えっ..」 「こういう日はみんな陣取っちゃって、いい場所無いわよん♪」 「本当?」 「嘘ついても仕方ないでしょ?そんなに礼たんを信じられないのぉぉ?」 「いや、確かめるつもりはないけど..それなら、どーしよー。やっぱ机 かな」  がっくりする私に抱きついてる礼璃んが耳元でこう囁いてくる。 <実はね..すやすやポイントがあるのよ♪サイコーのね> 「・・・・本当?」 <自慢じゃないけど、この礼たんはよく眠るのが好きなのよん♪> 「そういわれてみると..」  確かに、この礼璃んは自習になるといつの間にか消えて寝てるという噂 を聞いている。  ただ不思議なのは誰も礼璃んが寝てる場所を見つけられないという事だ った。 <礼たんの秘密のすやすやポイントを大好きな沙智菜ちんに教えたげる♪> 「本当にすやすやポイントだよね?」 <もちろん、早く行かないと昼休みが終わっちゃうよ〜♪まあ、5時限は 自習みたいだから、そのまま寝てもOKだけどぉぉー> 「自習?いつもどこでそういう情報仕入れてくんのよ」 <ひ・み・つだよん♪見つからず5時限も寝れる場所、行きたいでしょぉぉ> 「ううっ..」  あまりにも美味しい話に引き寄せられる。確かに5時限の自習って殆ど 昼休みの延長になるので、そのまま教室に帰ってこない生徒が多い。  けど、さすがにグランドや外などは出歩くことが出来ないので普通だと、 どこかで寝たままなんて出来ない。  でも、礼璃んは実績がある..今の私にとっては、このすやすやポイン トは魅力的だろう。 <どう?6時限はすっきりな頭でいられるのよ〜♪早くしないと行けないよ> 「行けない?一体どこに行くつもり」 <それは行ってのお楽しみ♪あそこは誰にも見つからない自信があるから>  礼璃んの強い自信に私はついに負けてしまう。  やはり睡魔を何とか出来るという欲求には勝てないからだ。  私は礼璃んに連れられて屋上まで行く。礼璃んのすやすやポイントって 屋上?  確かにポカポカして気持ちいいけど、ここじゃ人が来るし、もう何人か は寝てるし、ポカポカポイントは全て取られてる気がする。(ううぅぅ..) 「礼璃ん..もう、いいとこ取られてるじゃない」 「そうだね。ここもグランド近くの草むらと同じで好ポイントだからね」 「どーするのよ。日陰で寝る?」 「まあまあ、まだここがポイントじゃないからついて来て♪」 「?」  屋上の日陰の方へ連れていかれる私。  丁度、屋上の出口の裏側であり、出口の高い壁が完全に日を遮っていて、 凄くジメジメするポイントである。 「ちょっと出口裏がすやすやポイントー?確かに人には見つからないけど 寝るスペースもないじゃない」  そう、屋上出口裏は人が通るスペースしかなくて寝るスペースなどない のだ。 「ここじゃないわよ。上よ♪うえ〜」 「上って屋上出口の上?ここって出口の建物が高いのよ。落ちたら怪我し ちゃうわよ」  そう、屋上に出るための出口だけの建物なのに、やけに高く、そこから 屋上に落ちただけで怪我をしてしまうぐらいだ。 「小さな柵があるから大丈夫だよ。一時期は第2屋上として開放してたそ うだから安心だよ」 「第2屋上、そんなに広くは見えないけど..」 「結構、高さあるからわかんないのよ♪結構、屋上に落ちる生徒がいるか ら梯子を取ったみたいなの。ほら、梯子跡があるでしょ?」 「本当だ...はっ!それじゃ、どーやっていくつもりよ」 「実は行くのはここからじゃないのよ。ただ梯子がついてないのを確認し ただけよ」  そういうと礼璃んは再び校内に私を連れて行き、屋上出口内の近くにあ る倉庫室のドアを開けてきた。 「ちょっと倉庫室開けてどーする気よ」 「まあまあ、早く入って♪気づかれない内に」  私を倉庫室に入れて内側から鍵をかける礼璃ん。少し危険な雰囲気を感 じてしまう.. 「・・・・ふふっ、大丈夫よ。こんなホコリっぽいとこで変なことしない わよん♪目の前を見て」「!あれっ..ドアがまたある?」 「これが第2屋上への正式な行き方よ。さっきの梯子は緊急用なのよん♪」  目の前のドアを開くと上に出る梯子が見える。何か気分は秘密基地に来 ている感じだ。 「さて、ここのドアもロックをして♪これで誰も来れないでしょ」 「・・・・そうね、どうりで誰も見つけられないわけだわ」  礼璃んに連れられて上に登ると意外に広々とした第2屋上が目の前に広 がる。  確かにこの広さなら2人で寝ても充分すぎるかもしれない。

「すごぉい。学校中が見渡せる
んだぁ〜」
「眺め最高でしょぉ〜。まあ、
旧校舎の時計塔には負けるんだ
けどねぇ〜♪」
ちょっとの間だけ、第2屋上か
らの景色を楽しむ私たち。
寝るのがちょっともったいない
気がするほど、気持ちいい光景
だった。

「そういや..あの時計塔って
もしかして登れるの?」
「まあ、ここと同じ登る方法は
あるけど、7不思議の場所みた
いよぉ〜」
「ええぇぇ〜、それってよくあ
る時計塔定番の怪談ってやつ」
「う〜ん、どっちかというと猥
談ってとこかな..ここの7不
思議って、他の学校と違ってエ
ッチ要素があるみたいだから。
別名、7不恥戯だから♪」
  「7不恥戯って..いったい」
「ちなみに時計塔の7不思議は
あの時計盤が回転するんだって」

「・・・?それって、やっぱり怖い話じゃ..」 「まあ、普通はそうだけど、そこには何故か全裸で磔された女子生徒が現 れるみたいよ」 「・・・何よ、その中世の処罰みたいのは..」 「まあ、誰も見たことがないみたいけど、そんなのがあったら沙智菜ちん はどうする?やってみたい?」  どきっ!「な・な・何を言ってるのよっ!そんな恥ずかしい目を進んで やるわけないでしょ!」 「そーかな?礼たんはやってみたいかな。ジェットコースターより爽快じ ゃないかなぁ♪」「そ・そうかな..」 (って言うか、私の場合はお股が感じて大洪水しちゃうよぉぉぉー) 「さあ、いつまでもここに立ってると見つかるから寝よ、寝よ♪」 「そ・そうね」 (ううぅ..礼璃んが変なこと言うから、時計台が気になっちゃうじゃな いのよぉぉぉーー)  いつまでもきょろきょろしている私に礼璃んが、さらに注意してしてき た。 「んもう〜。沙智菜ちん、ずっと小さな柵に近づいたままじゃだめだよ。 本当にそこに居ると屋上から見えてばれちゃうから」 「うん、わかった。けど、ここって本当に屋上からは死角になっているん だね」 「だから、いいポイントなのよ。ここだと誰にも見つからないし、本当な ら誰にも教えたくないポイントなんだからね♪」 「ありがと、礼璃ん♪」 「さあ、寝ましょねましょ〜♪シーツはそこの箱に2つ入っているから1 つ敷いて使っていいよ」 (すごい..ここまで用意周到なのね...)  礼璃んのおかげでゆっくり気持ちよく寝れそうだ。  シーツを敷き、いざ寝ようと思った私だが、ふと礼璃んの方を見るとと んでもない行動を始めていたのだ。 「礼璃んっ!!何、服を脱ぎ始めてるのよっ!」 「ここって結構暑くなるのよ。脱いで寝た方が丁度いいんだから〜♪」  礼璃んはそう言うと次々と服を脱いでいく。 「こらこらぁぁーーどこまで脱ぐ気よぉぉー」 「いつもだとトップレスだけど..今日は暑いからボトムレスまでいくか なぁ♪」 「ボトムレスまでって..それって全て脱ぐ気なのっ!」  私の前で平然と下着を外して脱いでいく礼璃ん。こんなとこで全裸にな るなんて信じられない光景である。  さらに礼璃んは私の前で大胆なことをしてしたんです。  背に映る時計台の時計盤を重ねるように全裸の礼璃んが笑顔で両手を広 げて空を仰ぐ。 「えへへっ♪こんな感じだよぉ〜。沙智菜ちん」 「礼璃んったら..」  何かすごく全裸で両手を広げる礼璃んにドキっとしてしまいました。  今、迫ってきたら..許しちゃうかもぉぉぉぉぉ〜  もしかして、これって礼璃んの作戦ですかぁぁ〜。  だとしたら..私の負けかも知れません。好きにしていいかも..


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