この頃、露出行為を自粛しようかなと考えてる沙智菜です。
何せ、最近いろいろと危ない目に遭ってるので大人しくしようかなぁと。
と思っていたのに...思っていたのにぃぃぃぃーーー
まさか、あんな事になるなんて..
その出来事が起こる日は朝からポカポカしていて、いい天気でした。
露出をする事よりも、どっかでお昼寝でもしたいなぁ〜という天気なの
である。
(ふぁぁぁ〜〜眠たい・・・Zz..)
はっ!いけない、いけない。うっかり寝るとこだったよ..
昨日、ちょっと遅くまで起きちゃったから眠くてたまらない。
何とか午前中の授業は乗り越えられそうだけど、昼休みはどこかでお休
みしないと持たない気もする。
(机で寝ちゃおうかなぁ..けど、うるさくてあまり眠れない気もするし..)
いろいろ考えてる間に時間が過ぎていく。
ふと、気づくと昼休みになっており、とりあえず早くお弁当を食べて心
地よく眠れる場所を探さなければ..
ぱくぱくぱく..うとっ..うとうとっ..
はっ!危ないあぶない、物食べながら眠るなんて相当あぶないかも..
(とりあえず、みんなが良く寝ているグランド近くの草むらに行かなくちゃ..)
何とか眠気をおさえながら昼食を終え、いざグランドへ行こうとした時、
私の名を呼ぶ声が聞こえる。
「沙智菜ちんーー♪」
「・・・・・・この甘ったるい声は..」
人が睡魔が戦ってる時に聞きたくない声が聞こえる...
(とりあえず、聞かなかったことに..)うんうん..
「沙智菜ちんーー♪沙智菜ちんーー♪沙智菜ちーんーー♪」
「・・・・・聞こえない..聞こえない..」
「無視はいけないんだよーーん♪」だきっ♪
いつの間にか私の後ろに回って抱き付いてくる。
相変わらず背中に感じる柔らかい2つの感触。
「こらぁぁーー暑いから抱きつかないで!礼璃ん。」
「いいじゃないの〜沙智菜ちんと礼たんの暑い仲なんだからぁぁー」
こんな眠たい時にどうして来るのかなぁぁぁーー私って不幸だよぉぉー
そう、例の危ない友達の姫條 礼璃(ひめじょう れいり)、通称、礼
璃ん(れいりん)がやってくるなんて...
「礼璃ん!もう離してよ。」
「どうして?礼たんを避けたのかなぁぁーー」
「・・・ね・眠いのよ..お願いだから昼休みは自由にさせてぇぇ」
「うーん、やっぱりね♪もしかして沙智菜ちんグランドに行こうとしたの?」
「そうよ。こんなポカポカな日はあそこで寝るのが最高なんだから」
「うんうん、わかるわかる♪でもね、それなら昼休みになった時に行かな
くちゃ手遅れだよ」
「えっ..」
「こういう日はみんな陣取っちゃって、いい場所無いわよん♪」
「本当?」
「嘘ついても仕方ないでしょ?そんなに礼たんを信じられないのぉぉ?」
「いや、確かめるつもりはないけど..それなら、どーしよー。やっぱ机
かな」
がっくりする私に抱きついてる礼璃んが耳元でこう囁いてくる。
<実はね..すやすやポイントがあるのよ♪サイコーのね>
「・・・・本当?」
<自慢じゃないけど、この礼たんはよく眠るのが好きなのよん♪>
「そういわれてみると..」
確かに、この礼璃んは自習になるといつの間にか消えて寝てるという噂
を聞いている。
ただ不思議なのは誰も礼璃んが寝てる場所を見つけられないという事だ
った。
<礼たんの秘密のすやすやポイントを大好きな沙智菜ちんに教えたげる♪>
「本当にすやすやポイントだよね?」
<もちろん、早く行かないと昼休みが終わっちゃうよ〜♪まあ、5時限は
自習みたいだから、そのまま寝てもOKだけどぉぉー>
「自習?いつもどこでそういう情報仕入れてくんのよ」
<ひ・み・つだよん♪見つからず5時限も寝れる場所、行きたいでしょぉぉ>
「ううっ..」
あまりにも美味しい話に引き寄せられる。確かに5時限の自習って殆ど
昼休みの延長になるので、そのまま教室に帰ってこない生徒が多い。
けど、さすがにグランドや外などは出歩くことが出来ないので普通だと、
どこかで寝たままなんて出来ない。
でも、礼璃んは実績がある..今の私にとっては、このすやすやポイン
トは魅力的だろう。
<どう?6時限はすっきりな頭でいられるのよ〜♪早くしないと行けないよ>
「行けない?一体どこに行くつもり」
<それは行ってのお楽しみ♪あそこは誰にも見つからない自信があるから>
礼璃んの強い自信に私はついに負けてしまう。
やはり睡魔を何とか出来るという欲求には勝てないからだ。
私は礼璃んに連れられて屋上まで行く。礼璃んのすやすやポイントって
屋上?
確かにポカポカして気持ちいいけど、ここじゃ人が来るし、もう何人か
は寝てるし、ポカポカポイントは全て取られてる気がする。(ううぅぅ..)
「礼璃ん..もう、いいとこ取られてるじゃない」
「そうだね。ここもグランド近くの草むらと同じで好ポイントだからね」
「どーするのよ。日陰で寝る?」
「まあまあ、まだここがポイントじゃないからついて来て♪」
「?」
屋上の日陰の方へ連れていかれる私。
丁度、屋上の出口の裏側であり、出口の高い壁が完全に日を遮っていて、
凄くジメジメするポイントである。
「ちょっと出口裏がすやすやポイントー?確かに人には見つからないけど
寝るスペースもないじゃない」
そう、屋上出口裏は人が通るスペースしかなくて寝るスペースなどない
のだ。
「ここじゃないわよ。上よ♪うえ〜」
「上って屋上出口の上?ここって出口の建物が高いのよ。落ちたら怪我し
ちゃうわよ」
そう、屋上に出るための出口だけの建物なのに、やけに高く、そこから
屋上に落ちただけで怪我をしてしまうぐらいだ。
「小さな柵があるから大丈夫だよ。一時期は第2屋上として開放してたそ
うだから安心だよ」
「第2屋上、そんなに広くは見えないけど..」
「結構、高さあるからわかんないのよ♪結構、屋上に落ちる生徒がいるか
ら梯子を取ったみたいなの。ほら、梯子跡があるでしょ?」
「本当だ...はっ!それじゃ、どーやっていくつもりよ」
「実は行くのはここからじゃないのよ。ただ梯子がついてないのを確認し
ただけよ」
そういうと礼璃んは再び校内に私を連れて行き、屋上出口内の近くにあ
る倉庫室のドアを開けてきた。
「ちょっと倉庫室開けてどーする気よ」
「まあまあ、早く入って♪気づかれない内に」
私を倉庫室に入れて内側から鍵をかける礼璃ん。少し危険な雰囲気を感
じてしまう..
「・・・・ふふっ、大丈夫よ。こんなホコリっぽいとこで変なことしない
わよん♪目の前を見て」「!あれっ..ドアがまたある?」
「これが第2屋上への正式な行き方よ。さっきの梯子は緊急用なのよん♪」
目の前のドアを開くと上に出る梯子が見える。何か気分は秘密基地に来
ている感じだ。
「さて、ここのドアもロックをして♪これで誰も来れないでしょ」
「・・・・そうね、どうりで誰も見つけられないわけだわ」
礼璃んに連れられて上に登ると意外に広々とした第2屋上が目の前に広
がる。
確かにこの広さなら2人で寝ても充分すぎるかもしれない。
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