「さきみぃぃーーー、本当にパパがいなくても大丈夫なのかぁぁー」
「んもう、大丈夫よ。パパは心配性なんだから」
「もし何かあったら空を見上げるんだぞ。パパたちが空から見守ってやる
からっ」
「パパ・・・その言い方、なんか危ない言い方よ..」
そう、私のパパは宇宙パイロットであり、これから宇宙(そら)へ飛び
立つのであった。
「さきみ、ちゃんと向こうのお世話になるお家のお手伝いを忘れないでね」
「わかってるよ。ママ。いつも家事は私がやってたでしょ」
「ママもお星様として、さきみをずっと守ってあげるからね」
「・・・だ・か・ら!そういう言い方はやめてよ。ママ!」
実はママも宇宙パイロット。
そう、両親とも宇宙パイロットである主人公の春宮 咲美(はるみや
さきみ)16歳。
ようやく夫婦で宇宙(そら)に行く事が叶った2人を咲美は元気に見送
ったのであった。
「じゃあ、元気でな。さきみぃぃぃーー」
「さきみ、悲しくなったらお空を見るのよ」
「はいはい。ほら、早く行った行った」
2人を元気で見送った咲美だが実は1人になった事に不安でたまらなかった..
「・・・こらっ..何悲しんでんのよ。ふぁいとよ。ファイトォォォー!」
こんなことで負けないとガッツポーズをとった咲美。
「さて..新しい家に行くとするか..」
両親と別れ、咲美はこれからお世話になる崎魅家へ向かった。
崎魅家がある崎見市へついた咲美はとりあえず崎魅家の場所を聞くこと
にした。
「あっ、ちょうどいい所にお姉さんたちが」
前から女子大生らしきお姉さんたちがやってきたので咲美は場所を尋ねた。
「あ・あのーすいません。ちょっと道を聞きたいのですが」
「いいわよ。場所はどこ?」
「えっと、今度お世話になるとこなんですが..」
「へえ〜、下宿みたいなもん?」
「はい。えっと確か崎魅家だったかな」
咲美が崎魅家の名を出した途端、女子大生たちは真っ赤になった。
「さ・さ・さきぃみひぇけぇぇぇーー!?」
「いやぁぁぁーーーえっちぃぃぃーー!!」
女子大生たちは一斉に逃げて行ってしまった。
「へっ?ちょ・ちょっとぉぉーー場所を・・・・」
(どういう事?何か危ないとこなの?う・うそぉぉーーー)
「・・・・やめやめ!ここまで来て引き返せないわよ!!なるようになる
わよ!」
咲美は何とか自力で崎魅家を探す事にしてようやくたどり着く事が出来た。
だが、その崎魅家を見て少し咲美は顔を真っ赤にした。
「・・・・な・なんなのこのピンクのお城は..これってまるで●●ホテ
ルじゃないの..」
辺り一面がピンクで囲まれた何ともエロチックなお城、木や庭もピンク
系で統一している..
先ほどの女子大生が逃げたのが何となくわかった咲美であった。
「はぁぁ・・・ここにお世話になるの...ううぅぅ..」
一瞬入るのを躊躇った咲美だが、今さら戻る事も出来ずピンクの庭に入
る事にした。
「それにしても広い庭ね..悪趣味な感じを抜けば大豪邸って感じね」
ピンクの庭を歩く咲美。そんな時、木の根元に光るものを見つけた。
「ん?これ鍵じゃない?でもどうしてこんなとこに..家の人が落とした
のかしら?」
鍵を拾いポケットに入れる咲美。
鍵の事を考えてるとふと木の上から何かが自分の身に降ってきた。
ドスン!!
「いたぁぁぁーーーいぃぃ!!な・何が落ちてきたの?」
「お前、誰だ!!」背中の方から声が聞こえる。
「こ・子供!?今のはこの子が上から?」
「お前、侵入者か?」
「はぁ?私はここでお世話になる咲美だけどあんたは誰?」
「羞ちゃんはここに住んでいるんだ。そうかサキミンもここに住むのか!」
「サキミン?あのね..私の名は”さきみ”なんだけど」
「サキミン、後で羞ちゃんと遊ぶんだぞ!」
「あのね!だから私は咲美なのよ!」
「まあまあ、小さい子なので許してあげてね..」
「ん?だ・誰?」
いつの間に咲美の目の前におっとりとした40〜50の女の人が現れた
のたであった。
「この子はうちの預かっている子で、つい甘やかしてしまったの..」
「は・はぁ..」
「あなた、サキミンさんね。聞いていたとおりの良いお嬢さんですね」
「あ・あの..崎魅家の方ですか..」
「ええ、桃芽です。主人共々来るのを楽しみに待っていましたの」
「よ・よろしく・・お願いします。私、春宮 咲美です」
「いいのよ、そんなに固くならなくて。さあサキミンさん案内しますわ」
「あ・あの..私、咲美なんですが..」
「ええ、サキミンさん。どうぞ、こちらへ」
(うう..いつの間にサキミンになってるぅぅーー)
羞ちゃん..いいや羞之介と共に咲美は崎魅家へ案内された。
(うわぁ..中もピンクだらけ..変な気分になりそうな家ね..)
崎魅家の中を進む咲美。ふと横に目をやると何やら三角形の木造品が通
りすぎる。
「・・・!?あ・あの今、何かどっかで見たような危ないものが..」
「あら、木馬を見ました?最近駈けずりまわってなかなか見れないのですよ」
「羞ちゃん、鉄ロバを見たよ」
「鉄ロバ?木馬?この家大丈夫なのかしら..でも慣れると変な感じ..」
ピンクの配色を上手く使っているせいか、慣れてくるとそれほど悪趣味
に見えなくなりかえってウットリする変な感じになってきたのであった。
そんな咲美の前に何か変なものが一斉に次々とあらわれたのであった。
「!?へっ?何これ?」
「ポーズをとるでありまするよ。はいチーズ!」
「は・はい」パシャ。
「いいでありまするよ。はい。今度は股を開いて」
「は・はい」パシャパシャ。
(何これ?カメ?カメラが付いたカメ?)
頭がカメラになっているカメが咲美の姿を写していく。
よく見ると何か変なフィルターがついている様な..
ちょっと疑問に思う咲美の足元を何かがやってきた。
パタパタパタ..咲美の前をパッケージソフトの箱が通り過ぎていく。
(あれ?あれは高価な画像加工ソフトの●●ショップ?)
ニョロニョロ..
「なっ!?何なのこの縄?」
「あたし、濡れこぶ縄ですから・・・」
「・・・縄が..喋っている?いったいこれはどういう事なの?それにさ
っきのフィルター付きのカメラも喋ってた気が..」
困惑する咲美を置いてすぐにどっかいってしまった変なものたち..頭
がカメラのカメにミミズの様に動く縄..ぱたぱたと歩いていった●●シ
ョップ..
「疲れてるのかしら...疲れてると思う..疲れる気がする..疲れて
いるんだわ..」
ちょっと混乱してきた咲美の前に1人の老人が現れた。
「お主がサキミか?」
「?あ・あなたは?」
「わしはこの家の主、羞左右衛門じゃ!」
「あ・・よ・よろしくお願いします..私、今日からお世話になる..」
「挨拶はいい!お前の技を見せてみろ!!」
「へっ?技を?」
「そうだ!技だ!」
「はぁ..えっと、ちょっと待ってくださいね」
咲美は鞄から竹刀を取り出し、それで剣技を見せたのであった。
「こう見えても剣にはうるさいんです」
「技とはそれの事か?」
「えっ?だって技って..」
「技とはこういうもんだ。むんっ!」
羞左右衛門が口では表現しずらい卑猥なポーズを取った。
その途端に羞左右衛門の姿が服を残して消えたのであった。
「ええっ?」
「これが、わしの能力、透明の術じゃ!!」
「と・とうめい?ちょっとどういう事なの?これって?」
咲美は奇想天外な技を出してきた羞左右衛門に困惑した。
そんな咲美に羞左右衛門がある事を聞いてきた。
「何も技が出来んとは?お前は本当にエロモンか?」
「え・えろもん!?何なのよ。その危ない言葉は!!エロなもん?」
「違う!!エロモンとは古くなった大人の道具や、この世界に存在するも
のが変化したものじゃ!」
「・・・・そ・それって、あの・・みなさんがエロモンってこと?」
「ん?まさかお主、エロモンじゃないのか!?」
「そんな危ないもんじゃないわよ。私は人間よ!!」
「なっ!?人間だと!!」
「そうよ。人間に決まってるじゃない!」
「桃芽!お前は気付かなかったのか!」
「あらあら、まあ過ぎたことは仕方ありませんわ」
「何という事だ!!この由緒ある崎魅家に人間が入るとは!」
「ちょっと!!何よ!その目。わ・私はエロモンなんて知らなかったのよ
!そ・そっちが勝手にここまでつれてきたんじゃない!!」
「人間がこの家にくるとは..何たる事だぁぁ」
「ど・怒鳴らないでよ。私だってこんな家にいたくないわよ。今すぐ出て
行くわよ!」
「お前を出すわけにはいかん!!むん!!」
ぼんっ!一瞬のうちに咲美の服が透明になってしまった。
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「きゃあぁぁぁぁーー何するのよ!このエロじ
じいぃぃーー!!」
「人間にエロモンの存在を知られてはならぬ!
悪いがお主を外には出さぬ!」
「誰がこんなエロ話するもんですかっ!ともか
く早く元に戻してよっ」
「戻すわけにはいかぬ。最近の人間は裸で外を
歩くことは禁じられてるはず。こうすれば、外
に出られないじゃろう」
「ちょっとぉぉーー!それって、拉致監禁って
ことぉぉーー。この人さらいぃぃーー!」
「お前なんかさらっても何の特にもならぬ。こ
んなのさらう奴の顔を見てみたいものだ」
「鏡持ってきてあげようか..」
カチン「わしを愚弄する気か!」
「愚弄してるのはどっちよっ!んもう、いいわ
よ!裸のままでも出て行ってやるわ!!」
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咲美はすっぽんぽんの状態で崎魅家から出ていこうと玄関に向かった。
「ま・まて!!ここからは出さぬぞーー!!」
追っかけてくる羞左右衛門。
「しつこいわね!!ついてこないでよ!!」
「サキミン!!ここを出ちゃうの?」いつのまに羞之介が咲美の足元にいた。
「・・・羞ちゃん..ごめんね」
「・・・・い・行っちゃだめだもん!!むん!!」
羞之介が卑猥なポーズを取ると大量の水がどこからともなくあらわれた。
そう、羞之介の能力で大量の水、いいや媚薬が咲美と羞左右衛門を襲っ
たのであった。
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「どっしぇぇぇーー!な・何なのよぉぉー!
この変な水はぁぁぁーー!」
「むむっ!羞之介!術を解くのじゃ!これは
さすがのわしでも耐え切れん..」
「やだよぉ〜、やだよぉ〜。サキミンが出て
行くの止めないまで続けるもん!」
「羞ちゃん!たんまぁぁーー!わかったよっ、
出て行かないから、出て行かないから、これ
止めてぇぇー」
「本当?サキミン」
「ほんと、ほんとぉぉーー!だから早くぅ」
「うん..わかった..ところで、これどう
やって止めるの?」
「って!羞ちゃん!止め方知らないでやった
のぉぉぉーー!」
「・・・まったく、羞之介。困った奴だ」
「ともかく、もう誰でもいいから何とかして
ぇぇーー!う・うわぁぁぁぁぁーーーー!!」
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「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・」
咲美は大量の媚薬に飲まれて気を失ってしまった。
果たして咲美はこれからどうなってしまうのであるか。
次回「サキミ、南極さんと会う」をお楽しみ。
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