前編「羞恥衛星Hiko星。」
22世紀、21**年7月7日、宇宙。
ドカァァァァーーンンン!!
「艦長!!右舷に着弾です。ダメージ率は20%」
「・・・ちっ。今年もHiko星のやつ、パワーアップしてきたって事ね。」
「艦長!!攻撃波きます。」
「弾幕を張って対処して!!」
「はい。弾幕発射します。」
「レア!!敵の様子はどう?」
「・・・・・次の攻撃までは少し間が見えます..」
「そう...じゃあこの攻撃がしばらく艦の修復をお願いね。」
「はい・・・修復プログラムセットします...」
今、世界は謎の羞恥衛星H−iko衛星(エッチアイケーオー)、通称hiko
星に狙われているのであった。
羞恥衛星Hiko星は必ず7/7になると地球に現れ宇宙から数々の羞恥
を降らしてくるというとんでもない衛星であった。
そこで、このHiko星撃墜に毎年、各国の戦艦が名乗りをあげ宇宙へ
飛び立つのだが意外に強いHiko星に敗退する一方であった。
そんな中、日本の鯉町財閥の直下にある鯉町重工が最新鋭の技術で作った
機動船艦ORIHIMEだけは毎年何とかHiko星を撤退させていた
のであった。
鯉町財閥。世界で初の宇宙戦艦を作った所であり、それがきっかけで
今では財閥と呼ばれるまで成長したあの一族であった。
今、この鯉町財閥を仕切っているのは財閥長の鯉町 緒璃香(18歳)であり
機動戦艦ORIHIMEの艦長でもあった。
そう緒璃香は羞恥衛星の魔の手から全世界の女性を守るために立上がった
女性達の希望の星でもあった。
一時は国連や大国のエゴにより発進を止められた年もあった。
だが、その時はHiko星が去らず1週間近くも羞恥の行いを全世界にばら撒かれて
しまった。
結局、ORIHIMEの緊急要請により何とか難を逃れたのだが、これに懲りて
この年以降はORIHIMEを止めるものはいなかったのであった。
その時、わかった事はHiko星の最終目的は地球の周回軌道に乗る事であり
1度、その軌道にのったら最後ありとあやゆる羞恥の攻撃をしてくるのは
間違いなかったのであった。
そして、Hiko星はある程度のダメージを受けるとすぐに退散するずるい所が
ありORIHIMEは残念ながらこれで毎年Hiko星を破壊できず逃げられて
しまうのであった。
そして1度逃げると次にくるのは必ず7/7であり毎年パワーアップして
帰ってくるのであった。
当然、帰って来る日がわかっているので、この日だけは全世界の女性には
外出禁止令が発動するのであった。
そして、今年の7/7の今日もまた宇宙でHiko星との闘いが繰り広げられ
ていた。
「艦長、お茶です。」
「ありがと。照美ちゃん。」
「そう言えば、今年もやっぱりパワーアップしてましたね。Hiko星..」
「ええ、こっちのORIHIMEもかなりチューンアップしたんだけどまだまだ
だった様ね。」
「でも、あのHiko星の技術力ってどこのものなんでしょうね?」
ごほっ。緒璃香は何かを思い咳き込んでしまった。
「大丈夫ですか?艦長?」
「ええ、大丈夫よ。」
緒璃香はある嫌な記憶を思い出した。
そう、それはあのHiko星についての事だった。
緒璃香がまだ若きエンジニアであった頃、ある1人の不思議な女性と会った。
その女性は何と緒璃香の遠い子孫だと言ってきたのであった。
そう、その女性はあのプロフェッサー美瀬未であり、遠い未来から逃げている
祖父を捕まえに時空を旅しているとの事であった。
そして、このHiko星こそDr.鯉町が作成した最大級の星型ロボットである
事を伝えたのだ。
だが、この時はHiko星は現れておらず、緒璃香も半信半疑で美瀬未の話しを
ただ聞いていた。
「・・・という事よ。近いうちにこの時代にやつのロボットが来るはずなの。」
「・・・星型ね...随分、楽しい星がくるみたいね。結構はめを外すのに
いいんじゃない?」
「・・・冗談を言えるのは今のうちかもね。」
「そんなにとんでもないものなの?」
「ええ、だからやつが来る数年前にやってきたのよ。」
「で?私に何をしろって言うの?」
「そのロボを破壊して欲しいの。もちろん私の技術をあなたに教えてあげるわ。」
「・・・23世紀のテクノロジーを...」
こうして私は美瀬未さんより23世紀のテクノロジーを教わる事になった。
始めは正直、嘘っぽい気もしたが実際にその技術を見せ付けられると、とても
22世紀の技術で実現できないものばかりであった。
そしてこの技術を私は機動戦艦ORIHIMEに取り組み、数年後Hiko星と
闘うことになったのであった。
だが、まさか毎年この闘いが続くとは思わなかったが...
「艦長!!艦長―!!艦長――!!」
はっ「あっ、ごめん。なんかしら?」
「どうしたんです?ぼーとしてましたが。」
「ごめんなさい。ちょっと考え事をしてたの。」
「そうですか。ところでHiko星からの次攻撃きませんね。」
「ええ、レア!!敵の状態とこの艦の修復どうなってる?」
「・・・敵の方はそろそろ攻撃がきそうです。修復の方は75%まで終わっています。」
「そう、これだけ間があったという事は次の攻撃は...」
「おそらく羞恥攻撃です...すでに艦には羞恥防御バリアを張りました...」
「じゃあ、後は地上への攻撃を防ぐだけね。」
「!!艦長・・・来ます!!敵の羞恥攻撃来ます!!」
「!!各員!戦闘態勢に配置、菊子。地上の女性はどうなってる?」
「今、確認中です。ほとんどが外出禁止の為、外には出てないはずです。」
「!!艦長!!大変です!敵の攻撃範囲大きすぎます」
「な・なんですって!!」
「レア!!攻撃範囲の計算を」
「・・・はい。「アマノカワ」と直結し範囲計算を開始します。」
レアはORIHIMEのメインコンピュータ「アマノカワ」に直結し計算を行なった。
そう、若干10歳の少女であるレアだがその知能知数は高くこのORIHIMEの
メインコンピュータをコントロールしている要としての存在でもあった。
「計算終了しました。残念ながら一部の羞恥攻撃は地上に直撃します。」
「場所はどこ?」
「・・・拡散しますので数箇所あります。まず日本の渋*・原*です。」
「大変です!艦長!そこの地域に多くの女性反応があります。」
「なんですって?菊子。詳細は!!」
「どうやら、外出禁止令を無視したコギャルや女子高生がかなりいますね。」
「・・・まったく最近の子たちは...」
「どうします。何とかしますか?」
「・・・・・無視しましょう。」あっさり。
チュドォォォーーーンン!!渋*・原*に羞恥攻撃が落ちてしまった。
「照美・・とりあえず渋*・原*の羞恥状況説明して...」
「・・・はい。」照美はマイクを持ち左右それぞれの被害モニタに向かって説明
し始めたのであった。
「みなさま。右手をご覧下さい。牝犬光線によってすっぽんぽんで徘徊している
コギャルの集団がご覧になれます。」
「また放尿無限光線によってそのうち、大量の水浸し・・もとい尿浸しとなるでしょう。
みなさん。お出かけの際には長靴を持参して出かけてください。」
「左手をご覧下さい。こちらは自慰光線によって素っ裸オナニーをしている女子高生
の集団がご覧になれます。」
「こちらも愛液無限光線によって、辺りいっぱいは愛液だらけとなるでしょう。」
「以上です。艦長。」
「ありがとう。照美...」少し頭を抱えている緒璃香であった。
「!!艦長、大変です。どうやら羞恥光線がフランスのルーブル美術館に落ちて
しまいました!!」
「ルーブルに!?まさか中の作品が・・・」
「はい...どうやら数多くの作品が羞恥作品にされたそうです...」
顔を青ざめた緒璃香が引きつった顔で被害状況を聞いてきた。
「あまり、聞きたくないけど中はどうなったの?」
「まずミロのビーナスが・・・もろのビーナスになって恥部をもろ出しに...」
「・・・・何てとんでもない事を...」
「次にラファエロ作の「美しき女庭師」が「妖しき女庭師」になって子供たちに
いろいろ手ほどきしている絵に...」
「あと「トルコの浴場」や「いかさま師」の作品が「トルコのソープ」や「調教師」に..」
「ねえ、まさか「モナリザの微笑み」や「若きプリンスの肖像」までも?」
「はい。それぞれ「モナ*ザのXXX」や「若きプリンセスのXXX像」になっています。」
「あと、「民衆を導く自由の女神」は「民衆を導かせた自由な露出娘」になってます..」
「その他にもえっと...」
「もういいわ。頭いたくなりそ...で?これはもうそのままなの?」
「私にはわかりません。レアちゃんならわかるかも...」
「・・・おそらく一時的な変化です。やつが撤退すれば全て元に戻るはずです...」
「ほっ、よかったーー。」
「・・・でも、やつが撤退しなければずっとこのままですね。」
「わかってるわ。今年は何としてもやつを倒さなければ!!」
「大変です!!艦長!!」
「今度は何よ。また羞恥報告?」
「はい。どうやらホワ*トハウスにも落ちて建物いっぱいに卑猥な絵が描かれて
しまったそうです。」
「・・・・・・・」
「艦長、今仕入れた情報だけど、どうやらアメ*カが腹を立てて大艦隊をこっちに
送ったそうよ。」
「・・・・また懲りずに来るつもりなの?んもう・・・相手はあのHiko星なのに...」
「・・・とりあえずキカーナにミィセエムスを出動出来る準備をしてと伝えて。」
その頃、Hiko星に向かっている大艦隊では...
「マグダニラヌ総艦長!もうすぐでHiko星まで接近します。」
「うむ。あれの準備は各艦終わっているか?」
「はい。ミィセエムス200機、全ていつでも発進できます。」
「去年は苦湯を飲まされたが今年は鯉町重工から買ったミィセエムスがある!!」
「はい。いつまでもORIHIMEの独壇場にはしたくないですからね。」
「このミィセエムスの戦闘機能は素晴らしい!さすがあのキカーナが作ったものだ。」
そう、これから羞恥衛星Hiko星とミィセエムス(量産型美瀬乃M)との争いが始まる
のであった。
もちろんミィセエムスは仕様上、女性しか搭乗出来ないメカであるから、これから
とんでもない羞恥が始まるのは間違いなかったのであった。
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