かって清純トップアイドルと言われた衣愛代は今では3ヶ月に1本のマイ
ナー出演をするだけの日々を過ごしていた。
それと言うのも小5から芸能界に入った衣愛代の売りは、かわいい童顔
と美声であり、天使みたいな少女から「純真少女天使」とネーミングされ
るぐらい可愛い少女だった。
もちろん、今でも童顔と美声は変わらないのだが問題は身体の方なので
ある。
当初は天使と言われるぐらい背も小さく体型も少女そのものであったが
高1となった今では背も高くなりプロモーションも相当良くなってしまい、
特にCカップまで膨らんだ立派な胸は「純真少女天使」のイメージを崩す
大きな原因となってしまった。
当然、そのギャップに耐え切れないファンは次々と離れてしまい衣愛代
の人気は一気に落ちていき、出演番組も次々と降ろされてしまった。
一時は引退をも考えた衣愛代であったか偶然にも業界でやり手の敏腕マ
ネージャー作山がつく事になり衣愛代はもう1度再起をかけてやることを
決意した。
そしてその作山が衣愛代の復帰第1弾の仕事を取ってきたのである。
作山は早速取ってきた仕事の内容を衣愛代に話し始めてきた。
「衣愛代ちゃん。まずはPRが必要だと思うんだけど」
「PRですか..」
「そう、衣愛代ちゃんは歌もうまいし顔だって負けてはいないんだよ。だ
からPRをすればまた昔のように人気が出てくるよ」
「そうですか?でもファンの方々は...」
「それは子供の衣愛代ちゃんを強く思っているからだよ。例えば衣愛代ち
ゃんが好きだったドラマの主人公の青年がいつまでもそのイメージを保て
ないよね?」
「ええ..」
「例えば男優のAさんなんかかっては二枚目俳優だったけど、今ではトー
ク番組でとんちんかんな事を言って笑わすただの親父になっているよね」
「ええ、でもやっぱりAさんは素敵だと思うけど..」
「そう、それだよ。衣愛代ちゃんもファンにそう言われるアイドルにした
いんだよ」「わ・私をですか?」
「そう、今の新しい衣愛代ちゃんをPRしてかってのファンを取り戻すん
だよ」「でも、どうやってPRすれば..」
「そう思ってこの番組を持ってきたよ」
そう言うと、作山は衣愛代に番組の内容が書かれた台本を見せてきた。
だが、その内容を見た衣愛代の顔は少し引きつってしまう。
「・・・こ・これって最近、噂になってる着替えて熱湯のお風呂に入る番
組ですよね...」
「ああ、正確には熱湯風呂に入った時間PRできる番組だよ」
「・・・・・・(スタジオの中で服を..)」
「どうだい?考えてくれるかい、衣愛代ちゃん?」
コホン「・・・そんな番組で本当に大丈夫なんだろうな?」
「・・・社長も心配性ですね。僕を信じてくださいよ」
「それなら構わんがな..」
衣愛代を好き勝手に使われることに不満を感じていた芸能事務所の社長
が苦い表情を見せて、作山の方へキツイ視線を送りながら話してきた。
だが、少しだけ苦言を出しただけで、それ以上文句を言うことはなかった。
どうやら作山の手腕の凄さを思うとあまり逆らうことが出来ないようで
あった。
パラパラッ。衣愛代は台本を捲りながらまだ考えていたが、引きつった
顔はすでになく、少しずつ興味を持ち始めてる表情を見せていた。
作山は衣愛代が落ち着いたとこを見計らって、両手を組んで再び交渉を
してきた。
「これは衣愛代ちゃんのイメージを変えるいいチャンスなんだよっ」
「・・・でも..」
「でもって何か問題があるのかい?」
「だって..これってスタジオ内で服を着替えるってことですよね?」
衣愛代は公然の中で服を着替えることに動揺しており、やるかやらない
か、まだ心が大きく揺らいでいた。
たが、作山はそんな動揺をうまく和らげながら説明していった。
「衣愛代ちゃん。これ見てよ。過去これにゲストで出た子だよ」
そこには今ではビッグアイドルと呼ばれる女優たちの名が連ねてあり、
それを見た衣愛代は驚いた。
「!!えっ?あの人もこんな事を?」
「ほら、ここなんかあの人気女性ユニットだよ」
「・・・こ・こんなに有名な人が出てたなんて...」
衣愛代は低俗だと思っていたこの仕事に少し興味を持ち始めてくる。
そう今回の仕事を詳しくいうと、作山が持ってきた番組とは日曜の昼に
放映している”熱湯PR”への出演仕事だった。
よくアイドルの新人や新曲をPRしたい女の子が熱湯に入ってPR時間
を稼ぐ番組のコーナーである。
ただ、問題なのは熱湯に入る前に用意された着替えルームで水着に生着
替えをすると言う事だった。
それも時間制限がくると更衣室の幕はおり、着替え終わらなかった子は
タオルで隠してそのまま入ると言う恥ずかしいものである。
衣愛代はしばらく考え、結局その番組の出演をOKする事にした。
そう、今は寄り好みする立場でもなく、これが再起のきっかけになれば
いいと思うしかなかったのである。
しかし、内容が内容だけに衣愛代の方から1つだけ作山の方へ注文がき
た。それは1回でいいから着替えの練習をさせて欲しいというものだった。
その注文を快く承諾した作山が、番組の前日の土曜日に衣愛代をとある
スタジオに連れて来た。
「作山さん..このスタジオってまさか..」
「そうだよ。明日の番組で使うスタジオだよ。1時間だけ自由に使ってい
い許可を取ったから思い切り練習をしていいよ」
「あ・ありがとうございます」(まさか本物のスタジオ借りるなんて..)
作山の手腕のすごさに関心する衣愛代が少し顔を赤らめながら、ある事
を確認してきた。
「あ・あの..このスタジオ、私たちの他に誰もいませんよね?あとカメ
ラも回ってませんよね?」
「当たり前だよ。あと僕も男だから、この後すぐにスタジオから出るから
安心していいよ。操作方法はスタッフに頼んでこのリモコンで簡単に出来
るようにしたから。これなら衣愛代ちゃん1人でも出来るから何回か練習
出来るだろ?」
「ありがとうございますっ!ここまでしてもらえるなんて嬉しいです」
「マネージャなら当然さ。さあ、時間がもったいないから早く練習した方
がいいよ。僕はスタジオの外で他の人が入ってこないのを見張ってるから」
「はい。わかりました。じゃあ、さっそく練習してきます」
こうして、実際のセットを使って着替えの練習を始めることになり、操
作マニュアルを一読したあとで早速、セットを動かすことにした。
「本番の時はぎりぎりのとこでタオルを投げてもらえるけど..とりあえ
ず誰もいないからタオルを投げ込まれる前に着替え終わる目標でいかない
とね」
再度、辺りを確認してから生着替えのチャレンジを始めたが、自分が想
像していたよりも着替えに戸惑ってしまった。
ピッ・ピッ・ピィィッ♪ストンッ!
「うそっ!早いぃっ!」
最後のショーツを脱ぎ始めたところでカーテンの幕が落ちてしまい、あ
られもない姿を誰もいないスタジオで晒した衣愛代。
「やっぱり..下着は服を着けたままで脱いだ方がいいのかも..練習し
て良かったわ..裸を晒すわけにはいかないもの」
再び、服を着替えて着替えの練習を繰り返す中、スタジオの外にいる作
山は見張りをしながら、どこかへ電話をかけていた。
「もしもし、作山です。スタジオの件、無理言ってすいませんね〜。えっ、
どうせなら延長して3時間でも構わないって..駄目ですよ。1時間ぐらい
がちょうど勘ぐられなくて済む時間なんですから」
どうやら話の相手は番組を行う局のお偉いさんのようであり、鶴の一声
であっさりとスタジオを貸してくれたようだ。
「ところで..個人的に楽しむのは構いませんが、大事なアイドルですか
ら流出などは勘弁してくださいよ。えっ、僕もこっちに来て見てみろって?
それは丁重にお断りしますよ。これでも分を弁えたマネージャーですから。
それじゃ、今後もいろいろと宜しくお願いしますよ」
そう言って電話を切る作山がぼそりと呟いた。
「衣愛代ちゃん、別に僕は君を嵌めてるわけでもないし、陥れるつもりで
もないよ。この芸能界ってとこは綺麗ごとばっかじゃ済まなんだよ〜。ま
あ、衣愛代ちゃんを直接、悲しませることはしないから安心していいよ」
(さて..どーせ、奴のことだ。何人か招待して自分の権力を見せ付ける
ようなことをしてそうだが、招待した連中は把握済みなんだよ。あとで、
じっくりと手痛い観賞代を払ってもらうぜ)
何か作山がとんでもないことを裏でしているようだが、衣愛代をなるべ
く傷つけることをしないのは本音のようだろう。
衣愛代の方もそんな取引が行われることを全く知らずに最後まで練習を
繰り返してしまったのであった。
そして日曜日の昼、生放送の中”熱湯PR”のコーナーが始まり、司会
者とアシスタントの女性が明るくコーナー開始の声を出してきた。
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「さあ、今日も熱湯PRがやってきま
したー。TVの前のお兄さん、お父さ
ん、ビデオのセットは大丈夫かな?」
「では今日の挑戦者どうぞー!!」
司会者が呼ぶ中、衣愛代が現われ恒例
の簡単なトークが始まる。
「こんにちは。光野 衣愛代です」
「あれ?もしかして君ってあの衣愛代
ちゃん?あの天使の?」
「は・はい..そうですか...」
「いやあ、年月ってもんは少女を巨乳
にしちゃうんですね」
「・・・・・」
「衣愛代ちゃん。むっとしないでよ。
僕はこっちの方がいいな」
「そうですか?」
「そうだよ。今時ぺったんこアイドル
はなかなか売れないよ」
「そうそう、かえってそれぐらいあっ
た方がいいわよ〜」
「は・はぁ...」
「その胸だとCぐらいかな。へへっ」
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「私が確かめてあげるわぁ〜。わぁっ♪柔らかいぃぃ〜」むにゅむにゅ。
「えっ、ちょ・ちょっと何を..」
堂々とアシスタントの女性が衣愛代のおっぱいを揉んできてサイズを確
かめてきた。
コーナー初めからエッチなトークを連発する中、まずは熱湯PR恒例の
クエスチョンタイムが始まった。
このクエスチョンタイムは1〜9の隠されたボードを挑戦者が2つ選ん
でそこに書かれた質問にすぐに答えなければいけなく、答えられなと熱湯
に指し湯をされ、さらに熱いお湯にされてしまうのである。
「さあ、そろそろPRクエスチョンを開始しましょう。好きな番号を選ん
でよ。衣愛代ちゃん」
「えっと..それじゃ3番で..」
衣愛代の声と共に3番のボードが開くと天井の方から番組の進行をして
いる男性アナウンサーの声が聞こえてきた。
<クエスチョンターイム〜♪おっぱいを両手で軽く持ち上げてくださ〜い♪>
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「えっ?」(ちょっとぉ・・・これの
どこが質問なの・・・)
衣愛代は少し戸惑ったが、あきらめて
胸の下に手をやって服の上からすくう
ような感じで持ち上げたのであった。
ピンポン♪ピンポン♪ピンポン〜♪
会場には質問を無事クリアした音が鳴
り響く。
「さすがぁ〜、Cカップの衣愛代ちゃ
ん、見事な持ちっぷりでしたね」
「・・・ぅぅ..」
「さあ、次の質問にいってみましょ〜」
「・・・5番で..」
衣愛代は顔を真っ赤にして次の番号を
指定している中、裏手では作山が次の
ゲームの段取りをADと確認しており、
それは、衣愛代に渡された台本には無
い、特別なシナリオ部分についての確
認であった。
「作山さん〜、本当にあんな風に変え
ていいんですか?」
「ああ、問題ないさ。スポンサーの意
向でもあるから大丈夫だよ」
「そ・そうですか」
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また何やら怪しい画策をしている作山だが、衣愛代はそんな事に気づく
ことなく次の質問を素直に受けることになった。
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