ぶつぶつ「どうして..こういうことに..納得いかないわっ」
ブツブツ独り言を言いながら、風紀委員長の木曽谷 美依(きそたに
みい)が放課後に職員室へ向かってツカツカと歩いていた。
廊下の窓からはグラウンドで遊んでいる大勢の生徒の姿が見え、放課後
の割には男子の声が飛び交って騒がしがった。
朝から快晴で温かかったせいなのだろう。
グラウンドではサッカーやらバスケやらスポーツに夢中になっているよ
うだった。ただ、男子の数が多いのが気になるところだが..
そんなグラウンドの様子を一望できるところに、ベランダ付きの職員室
がある。
木曽谷 美依は、その職員室へ用事があって向かっていた。校内の風紀
の乱れを一通り取り締まってから来ていた。
いつも彼女は風紀委員長として、どんな相手でも強気な姿勢で取締りを
行っていた。
まだ1年生でありながら、生徒や教師からの人望が高いことから委員長に
抜擢された。そして荒れ果てた学校で生徒たちの風紀と秩序を取り戻し、
次は教師たちの改革を行おうとしていた。
ふと足を止めて、腕についてた腕章をぎゅっと握りながら目の前に見え
る職員室を見ながら、こう呟いた。
(負けてたまるものですか..これから、どんな目に遭っても負けないわ)
ガラッ「失礼します」「おおっ、木曽谷か。今度のことは不幸だったな」
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