僕の会社−ピンク社員を暴き出せ− 前編
悪友の周は、僕からのピンク社員の破廉恥写真を受け取ると心弾んだ。
まさか、本当にいの一番で貰えるとは思ってもいなかったらしい。
サービスエリアの駐車場でピンク社員が全裸ストリーキング中。
悪友はトイレに駆け込み、すぐさまチャックを下し勃起したチンポを擦
ったらしい。しかも悪友が露出命令していた女子が**女学院に居たこと
を僕が確かめてくれたことにも感謝していた。が、その際に悪友の頭の中
で「あれ?」と違和感を感じ、状況を次の様に整理したらしい。
つまり、平田(僕)の彼女(渡部)も**女学院。
俺の露出リクエストを受けた女子を知っている、もしくは有名だった。
この写真のピンク社員は現在、誰だが分からない。
俺にはこの走ってる写真が、校庭で走ってた女子と一致していると思う。
悪友は僕に「俺はお前の親友だ!親友の絆の方を守るつもりだ」と何だ
か分からない返信をしてきた。
後々に分かったことだが、これはピンク社員を暴くつもりは毛頭無いを
遠回しに、わざと分かり難く言ってきたようだ。
つまり、ピンク社員は私立の名門女子高**女学院から推薦で入った女
性である。これは間違いない事実だった。
しかも伊豆の旅館へ向かうバスの中で、ピンク社員を暴こうという流れ
が出来つつあった。
そりゃサービスエリアに着くたびに全裸で走っていれば、いい加減正体
を暴いてもいいんじゃないかという雰囲気が生まれるさ。
けれど、ピンク社員だって、露出癖があるのかもしれないが、淫乱って
わけじゃない。だから未だに同じバスに乗っている新入男子社員たちが、
ピンク社員を特定できないのだ。
そして今、3回目の度胸試しがサービスエリアの駐車場で始まった。
裸で逃げ回る彼女を多くの男たちがはやし立て、手にしたカメラで痴態
を撮っている。どいつもこいつも欲望丸出しの顔をして楽しんでいた。
股間を勃起している僕が言うのも何だが、ここまで弾けられない。真面
目ぶるつもりじゃないけど、この状況を面白がるのはどうかしている。
きっと彼らは、これをAVを見ているような感じで楽しんでいるのだろ
う。
でも、これはAV撮影じゃない。後で編集して売るものではない。いや、
仮にAVだとしても生で襲われたり、泣き叫んで辱められてるシーンを見
て、興奮できるのだろうか?
台本があって、良いところだけを編集しているのを知っているから、抜
けるんじゃないのか。もちろん、僕も普通の男だから、生のシーンには興
奮はするさ、勃起もするさ。でも抜いてすっきりしたいとは思わない。
この度胸試しでは正直、僕は楽しめない。だから、つまらない奴だと言
われるのかも知れない。
僕はどちらかというとむっつり助平だ。彼らがあまり関心を持たないこ
とにエロさを感じて興奮するのだろう。
渡部さんと一緒にプールに行ったときに、僕は素直にウォータースライ
ダーでポロリするのを期待してしまったのさ。
だってポロリを連想できる水着を着てきたし、スライダーでは無防備で
滑ってくるんだよ。むっつり助平だからポロリを期待してしまうよ。
ん?実際はどうだったって?コホン、まさかの見事なポロリだったよ。
「たっくん、見た?」「す、少しだけ」「んも〜、たっくんのスケベ!」
意外にも渡部さんは舌をべーと出すだけで、胸を見られたことに怒って
はなかった。それどころが、「今度は大丈夫っ!」とまたウォータースラ
イダーに向かっていくぐらいだ。
そう言いながら、頭から滑り落ちるのはどうかしてるよ、渡部さん。
今度は上下とも外れて脱げてしまったから、僕が慌てて取りに潜ったぐ
らいだ。すぐに渡したから大騒ぎにならなかったけど、ラッキースケベな
展開で見事なすっぽんぽんになるのは渡部さんぐらいだよ。
「あ、ありがと、たっくん。えへへっ」「渡部さん、みんな注目してるか
ら、ここから離れよう」「気のせいよ、それじゃ3回目に挑んでくるね」
ちょっと待て!とこの時はさすがに僕の方から渡部さんを止めたよ。
渡部さんは普段から肌の露出を控えた清楚な服ばかり着てるから、この
行動には少し驚いた。でも、だからって、それで僕のイメージが変わった
わけでもない。今でもそれは少しも変わらない。
何故だろう、この度胸試しを乱痴気騒ぎしている奴らは全員消えろと思
ってしまう。今の僕に人間消滅ボタンを渡したら、こいつらを真っ先に消
しているのだろう。
そんな不謹慎なことを思う僕の前に、一番最初に消したい楠木がやって
きた。
「おいおい、何おっかない顔してんだよ。そんなにあれはダメなのかよ?」
「いや、ダメとは言ってないよ。僕の趣向が合わないだけだよ」
「そっか、まあ股間を勃起してんなら、それは正常ということさ。俺の親
父なら血管ブチ切れる勢いで「けしからん」と怒り狂うからな」
「そりゃ大変だな」「ああ、露出行為を犯罪行為としてる堅物だからな」
「ところで楠木、お前のことだから、もう見当はついたんだろ?」
「ピンク社員の正体のことか?実はまだ分からないんだ」
「って最初の時に4人、いいや5人まで絞ったんだよな?」
僕は何故か渡部さんをカウントしてしまった。いや、逆にカウントしな
い方が不自然なはずだ。
「ああ、あくまで外見の判断で15人の女子社員から5人まで絞ったさ。で、
バスの出入り口で見張りしてる佐々木と園部は除外だから3人となるかな」
「で、お前が一番怪しいと思ってるのは誰だ?」ドキドキ
「他の奴らの意見も入れて、本命が吉永、対抗が太田、大穴が渡部ってと
こだ。左足の赤いあざが決め手となるんだけどな..」
「!!」ドキンッ!(えっ、みんなそこに気づいたんだ..やばい)
「残念ながら吉永が大き目の絆創膏を貼っていて、太田と渡部に赤いあざ
があるんだよ。あと、3人とも同じピンクのガラケーなのも厄介だ」
「太田さんも?」(やっぱ、渡部さんじゃないのかも..よかった)
けど、これって吉永さんの絆創膏が不自然すぎるんじゃないかな..ま
るでピンク社員を特定させないためにやっているような..それに太田さ
んとは前の顔合わせで僕と連絡先を交換した際に、スマホを使っていたは
ずだ..って僕は何を考えているんだ!これじゃまるで渡部さんをピンク
社員にしたいみたいじゃないか!
「どうした、平田?お前も何か思い当たる点があるのか?」
「…えっと、5人に絞ったのは外見だよな?それは確かなのか?」
「まいったな、鋭いとこ突いてきたか〜。残念ながら、確かじゃねーよ」
「えっ?」
「みんな、リクルートスーツでがっちり押さえてるからな。俺が出した5
人は胸のサイズを正直に表に見せてるだけで、隠れ巨乳は正直居ると思う
ぜ。田中なんて、きっと胸がでかそうだ。でもまた小さく見せるのに時間
がかかると思うから外したんだよ」「なるほど..」
もう時間的に度胸試しは今ので最後だろう。あとは目的の旅館に向かう
だけで、ピンク社員が誰なのかは分からずじまいとなりそうだ。
もう僕の頭の中はぐしゃぐしゃになりそうだよ。誰か分かりやすく説明
してくれよ!と思った時に、走り出したバスの中で佐々木さんと園部さん
が運転席の隣にやってきた。
「みんな〜、さっきから雰囲気おかしいよ。大体、ピンク社員が居るのは
入社前から分かっていたことでしょ?」
「そりゃそうだけど..俺たちはピンク社員が誰だが知らねーんだぜ。気
になって仕方ないんだよ。誰だが教えろよ、佐々木!園部!」
「それは駄目〜。私たち固く口止めされてるの〜。それを言ったらクビに
なっちゃうし〜」
「けどさ、近いうちに分かるんだろ?こっそり教えてくれてもいいだろ」
「君たち、正体言ったらエロいことするでしょ?まあ、この雰囲気が続く
のもツライから、こうして前に出てきたんだけどね」
「それって、どういうことだ」
「じゃじゃーん。これなーんだ」と園部が水色のブラとショーツを手に持
って見せてきた。
「えっ?その水色の下着がどうかしたのかよ」
「口には出せないけど、ヒントは出してあげるってことよ。つまり、これ
は例のピンク社員の下着よ〜」
「さっきバスに戻ったときは、下着はそのまま没収したんだよ〜。だから
今、ノーパンの女子社員がさっき素っ裸で走った奴なのよ」
「おおっ!佐々木、園部サンキューー!それだけ聞けば十分だぜ」
次の瞬間、男子社員たちの視線は自然と一番後ろの席に座っていた吉永
のスカートへ集中した。
Eカップのぶるんぶるんした胸を揺らす吉永は、楠木が予想したピンク
社員の本命予想に入っていたからだ。
「はあ?ちょ・ちょっと、マジ私のこと疑ってんの?信じられない」
「いや、そういうつもりじゃないんだが..ついな」
「・・・佐々木、園部っ!余計なこと言うから!わ・分かったよ。こうすり
ゃいいんだろ!」と何と吉永は自分からスカートを捲ってきた。
「うおっ。赤パンティ!」「って別にスカート捲らなくても」
「いつまでもジロジロ見られたくないんだよ。ブラだって見りゃ分かるだ
ろ?ここの会社指定の生地の薄いブラウス着てるからな。こうしてスーツ
を脱げば色が透けて見えるだろ」
「ああ、確かに..」「赤いブラが透けてるな..」
これで楠木が最初予想したピンク女子社員5人から1人減り、佐々木さん
と園部さんを除外したら、たったの2人しか残っていない。
1人が渡部さんで、もう1人はさっきから身体を小刻みに震わしながら、
丸くうずくまっている太田 きた乃であった。
「わ、私、ピンク社員なんて知らない!さっき知ったばかりなのに」
「またまた、太田さんカマトトぶっちゃって」「本当に知らないの!」
太田さんは男子社員たちの問いに「知らない」と一点張りで首をずっと
左右に振ってるだけだった。
(まさか、太田さんが園部が言ってた何も知らなかった女子ってことか..
いやいや、それだと渡部さんがますます怪しくなってきちゃうじゃないか)
僕が少し焦る中、男子社員たちは太田さんが怪しいと睨んでおり、渡部
さんとの選択肢を最初から捨てている様子だった。
(どうか、このまま太田さんが例のピンク社員であって欲しい..)
それは僕の切なる願い、悲痛な叫びからくるものだった。
何故なら、僕は渡部さんの上半身を見て、ある事に気づいてしまったの
だ。それは窓から差し込んだ逆光でスーツを着てない渡部さんの薄いブラ
ウスが透けて、ノーブラのおっぱいが見えたからだ。
(朝、バスに乗ってスーツを脱いだ際は、ブラのラインがあったはず..
確か..み・水色..!いや園部が手にしてるのも水色だけど、それはた
だの偶然で..)
僕が不安に駆られる中で、バスの揺れに反応して無防備な渡部さんのま
んまるなおっぱいがブルンブルンと上下に跳ねる。
皮肉なことに、その揺れ方は先ほどのストリーキングの女子社員と酷似
しており、ブラウス越しからでも分かるほどだった。
僕は渡部さんのノーブラ姿にどうしていいか分からなくなっていた。
そう、女子社員のブラウスだけは会社が至急したものを着用義務するこ
とになっており、ピンク会社らしく薄い生地なのだ。
もちろん、薄いからってスケスケと言う訳じゃなく、生地が薄いだけの
ナイロン製の白いブラウスである。
けれども、光の当たり具合次第で透けてしまうこともあり、ノーブラだ
と胸の先端のピンク色までも分かってしまうだろう。
それにノーブラだと生地の摩擦で乳首が刺激されるみたいで、渡部さん
のブラウスには恥ずかしい2つの突起が浮かんでいた。
このままじゃ渡部さんにもピンク社員の疑いが掛けられてしまう。もう
数人かの男子社員は渡部さんがノーブラであるのに気づいているし、ノー
パンであるかを確認しようとジロジロ見始めてきた。
僕は動揺しながらも渡部さんに何か羽織ってもらうように考えているん
だけど、渡部さんはのん気に映画の話を続けてるし、「暖房暑すぎるよね」
と言ってブラウスの第1ボタンと第2ボタンを外してきたのであった。
(ああっ!渡部さんっ、ノーブラなのにボタンまで外したら..暑いから
って、ボタンは外しちゃ駄目だぁぁぁ〜)
本当だったら、注意しなければいけないのに僕は声を出せなかった。
第2ボタンまで外した渡部さんがかがむと胸の谷間がはっきりと見え、
本能に負けた僕の股間は不謹慎なことに固く勃起した。
(勃起してる場合じゃないのに..ああっ、僕の馬鹿ぁぁ〜)
正直な話、ボタンを外したのが渡部さんで無かったら手ぶらで喜んでい
ただろう。
僕だって男だし、ノーブラの可愛い女性がボタンを外したら興奮するの
が普通の反応だだと思う。
ただ、今の状況でノーブラであることはピンク社員の証拠となってしま
うので非常に不味い。
すでに渡部さんのノーブラの事実はバス内に広まっており、みんながさ
りげなく確認しはじめてる。
(渡部さんがピンク社員であるわけない!あんな素っ裸で走れるわけない!
考えればすぐに分かるはずだっ)
僕は太田さんに悪いと思いつつ、視線を太田さんに合わせた。
太田さんは今も男子社員たちに囲まれながら、ピンク社員の容疑を掛け
られている。
身体を丸めて震えているのでノーブラであるかは分からないが。もしブ
ラをしていれば疑いが晴れるはずだ。
(まさか、太田さんまでもノーブラなのか?)
そう思う僕は楠木と目があうと、にやけた顔の楠木が僕に向かってジェ
スチャーを始めた。
それは太田さんもブラを着けてなくてブルンブルン揺らしているという
ことであった。
(と言うことは太田さんもピンク社員の可能性が高くなったんだ..)
僕は素直にホッとした。これで渡部さんがノーブラでもピンク社員であ
るかは分からないからだ。
だけど男子社員たちの太田さんへの責めは可哀想すぎて見てられなくな
る。何とかしたいけど、渡部さんに恥ずかしい目に遭わせたくもないし、
どうすればいいんだ。
そんな僕が悩んでる中で渡部さんが立ち上がって男子社員たちに怒り始
めたのだ。
「みんな!これ以上、太田さんを責めないで!胸が大きいだけでとか、ノ
ーブラだけでとかでピンク社員の疑いを掛けるなんて浅はかだと思わない
の?」
(ちょ・ちょっと渡部さん、突然何を..)
ピンク社員の候補に入っている渡部さんがノーブラでみんなに訴えるの
は実に不味い状況だ。
「渡部さん、皆に文句言いたいんなら、こっちへ来て言いなさいよ」
「わかったわ」と渡部さんは運転席近くまで誘導されることになった。
(渡部さん!そ、その位置はまずいって!これじゃまるで、渡部さんが..)
渡部さんの両脇には佐々木さんと園部さんが立っており、まるで渡部さ
ん自身がピンク社員として尋問されるような状況に見えていた。
しかも足元には脱衣かごが置かれており、そこにはネームプレートが付
いたスーツの上着と水色のブラとショーツが入ってた。
最悪のことにネームプレートには”渡部”と記載されていたのであった。
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