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12月。
大学を卒業して働き始めた明は、もうひ弱な少年ではなかった。会社では一年目ながら優秀な結果を出し、エリート候補と言われている。そして私生活はと言うと、明け方までベッドの上で恋人と何度も愛し合った後だ。その彼女は明が先にシャワーを浴びて着替えてもまだ目を覚まさない。完全に腰が抜けていて、何度もアクメを迎えたせいで体力も残っていない。恋人がそばを離れても立ち上がれないSEXを何度も夢の中で反芻し、そのたびにぴくりと体を震わせる。
――人生、うまく行ってると思うんだけどな……
ベッドの上の恋人はショートカットが良く似合う、どことなく男の子っぽい雰囲気の漂う巨乳の女性だった。ベランダに出て手すりにもたれかかり、時折震える恋人の様子を見つめていると、未だに自分の胸から離れない未練にため息を吐いてしまう。
明が本当に愛している女性はただ一人、今も昔も彼に女性と言うものを教えてくれたタクヤだけだった。付き合っている恋人はあくまで代理……タクヤのいない寂しさを少しでも埋めるために付き合っている。その事を話した時には思いっきりビンタされた。それでも明から離れられなくなっていた彼女は、肉体だけの関係と割り切って付き合ってくれている。……その事も、明にとっては幸運なのだろう。
――先生、今はどこにいるのかな……
タクヤは結婚し、生まれ育った街を離れていた。
相手は一つ年下の後輩だったはずだ。女になったタクヤの一番傍で支え、一番愛した男性だ。だからタクヤも彼と結ばれることを望み、明との関係を断ち切るように姿を消したのだ。
――僕が先生の体のことを知ったのは、その時だったんだよね……
謝られた。
世間の目から見れば“非道い”と言われるような事を何度もタクヤにされた。
今も友人として付き合いのある翔と共に何人もの女性を肉体的に満足させるためだけの哀願動物のような扱いを受けた。
胸を嬲られ、アナルを穿られ、思い返すだけでも背筋が震えるような責め苦を何度も味合わされた。
けれど、明はそのどれもが本当にイヤだと思ったことは一度もない。恥ずかしくて「イヤ」と口走ったことはあっても、タクヤにされるのならたとえ殺される事だって受け入れていた……
それほどにタクヤと言う“女性”を愛していると気付いたのは、体の秘密を告げられ、別れの言葉が紡がれた後だった。
子供心の「好き」ではなく、一人の男として「好き」だったのだ。初めての恋は他の誰が経験するものよりも激しく燃え上がり、それが愛に変わったと気づいた途端にあっけなく消えてしまったのだ。
――……どうしよう、勃ってきた。あれから何年経ったと思ってるんだよ〜!
タクヤが忘れられない……忘れようとも思わない。タクヤとの事を思い出しながら手でしごけば、ベッドの上の恋人とするよりも何倍もの快感が押し寄せてくるだろうが……それはできない。ズボンの下で節操をどこかに忘れてきた息子が激しく脈打つけれど、タクヤを思い出すのなら、その気持ちを恋人にぶつけてあげなければ、事情を知っても付き合ってくれている彼女に悪い気がするからだ。
――はぁ…やっぱり先生にフェミニストになるように仕込まれてるのかな、僕……
頭からタクヤの影が消えないから、股間は猛る一方だ。けれどベッドの上の恋人が目を覚ましてくれないと、どうすることも出来ない。出来るのはただ、すっかり冷え込んできた朝の空気に向かって、情けなく黄昏れるだけだった。
そんな明の目が向かいのマンションの前に停まっているトラックへ吸い寄せられる。新しい入居者が来たらしい。
――いっそ手伝いで体を動かして、性欲を発散させようかな……
そんなことを考えていたせいか、明の目は引越し業者とは違う服装をした、長い三つ編みを背中で揺らしてトラックとマンションを往復している女性を自然と見つめていた。
セーターにジーンズ、体にぴったりフィットした服装のおかげで上層階の明の部屋から見ても彼女のスタイルのよさは簡単に見て取れた。
けれど明の好みはタクヤと同じショートカットだ。本人にそのつもりはないけれど、つい短い髪の毛にタクヤの面影を求めてしまう。
――ううっ……なんだろう。今日に限って反応してしまう……ああもう、限界だよこれ!
引越しの荷物は少ないようだし、少し手伝わせてもらおう。目を覚まさない恋人を起こさないように外へ出ると、エレベーターで一階へ。降りる間に深呼吸して興奮の火照りを吐き出して平静を取り戻すと、明は引越し会社のロゴの入ったトラックへ近づいていく。
「よかったら手伝いましょうか? 今日は休日だし、少し体を動かしたい気分なんですよ」
「え?……ああ、それはありがたいんですけど……荷物はあたし一人分でそんなに多くないし、その……色々と見られたくないものもありますし」
明よりも年齢は少し上だろうか。そんな女性がメガネをかけた顔に困った笑みを浮かべて頬をかく仕草はかわいらしい。
――見られたくないもの……はは、確かに男の僕じゃマズいよね。
見れば、三つ編みの女性の代わりに荷物を運んでいる業者の人間も全員女性だ。それが依頼主の女性への配慮……服や下着など男性に見られるのも触られるのもちょっと困るものを扱わなければならないからだと、明はようやく合点がいった。
「す、すみません。気が回らなくて」
「ふふ、別にいいわよ。明君ってばそういう所は昔とちっとも変わってないんだから」
「そうなのかな。自分じゃ解らなくて」
「……む、あたしは一目で気付いたのに明君はわかってくれないの? う〜ん…髪型とメガネがいけないのかな? 顔は昔と変わってないと思うんだけどな〜」
「え……………えええええっ!?」
「おひさしっ♪ こんなところ出会うのも偶然……と言うより運命かしらね?」
女性がメガネをはずすと、そこには明が何年も想い続けた憧れの人が立っていた。
「せ、先生!?」
間違いなくタクヤだった。髪が伸び、メガネを掛けているせいで印象が変わってしまっているけれど、明が見間違えるはずもない。
「いや〜、離婚してこっちに戻ってきちゃった。解消なしの旦那といろいろ会ってね〜♪」
「く、暗い話題を平気な顔して話すんですね……」
「だからこそ気分が暗くならないように明るく行かなきゃ♪ それに、明君と再会できたのは喜ばしいことだもんね♪」
「先生……」
「けど、ごめんね。いくら明君でも散らかってる部屋には上げたくないって言うか……明日も日曜だからお休みでしょ? 今日の夜にでも連絡するから」
「あ…わかりました。じゃあ僕の携帯と部屋の番号を――」
お互いの連絡先を教えあうと、タクヤは方目を瞑って謝りながらに運び作業に戻って行く。三つ編みの揺れるその後姿を見つめていると、明の心に二つの感情がこみ上げてくる。
一つは、昔、タクヤと分かれた時にはっきりと自覚した彼女への愛だ。メガネを取れば記憶の中の笑顔と変わらない顔……それだけで明の胸は張り裂けんほど高鳴ってしまう。
そしてもう一つは、いぜにょりもよりいっそう乳房やヒップのボリュームを増していやらしくなった体を思う存分蹂躙したいと思う劣情だ。年齢は三十前後だと思うけれど、重力に逆らうように前へと突き出された胸のふくらみには垂れている様子などまったくない。その体を後ろから抱きしめ、セーターの上から胸をこね回したいと思うのは、何も明だけではあるまい。
タクヤの姿がマンションに入って消えると、明も引越しの邪魔にならないように自分の部屋へ戻る。
落ち着いている。平静でいる。焦ることなんて何もない。むしろ普段よりもゆっくりとした足取りでタクヤとの再会を反芻しながら自室に戻ると、明は服を全て脱ぎ捨て、未だまどろみの中にいる恋人の上へ覆いかぶさり、もう限界を迎えそうなペ○スを乾ききっていないヴァギナへと強引にねじ込んだ。
これが最後だ……夜、タクヤから電話がかかってくるまで待ちきれない。だから彼女との関係をこれで最後にする代わりに、タクヤに全てぶつけたい性欲を全部叩きつけるつもりで犯すと決めた。
絶頂は早い……半分眠っていた彼女の膣が痙攣し、新たな愛液があふれ出してくる。その中心めがけて肉棒を打ち込んだ明は、心の中で恋人にタクヤの姿を重ね合わせて信じられないほどの量を射精した――
別れ話は、意外なほどあっさり終わってしまった。
彼女のほうも明とのSEXについていけず、分かれることを考えていたらしい。
そうして元・恋人が腰を抑えながら出て行くと、部屋が急に広くなる。もともと彼女の私物なんてほとんどなかったのに、人が一人いなくなっただけで、明の部屋にはがらんどうのような空白感が広がっていた。
――でも先生が来てくれれば……
そう考えただけなのに、立たなくなるほど射精した肉棒は元気に立ち上がってくる。
――先生……我慢できないよ!
今まで禁じていたオナニーを始めてしまうと、手の動きはどんどん速くなる。鮮明に覚えているタクヤの膣内を突き上げた感触に今朝見た現在のタクヤのイメージを重ね合わせると、ペ○スは元気になっただけではなく、今にもフローリングに精液を撒き散らしてしまいそうなほどビクビクと脈打ってしまう。
けれど出してしまうのはもったいない……何年も待ち続けたのに、明日、タクヤに想いをぶつけるつもりの明は、服を着込むとすっかり夜も深けたベランダから外に出る。
タクヤの部屋は眼下だ。広場をはさんでいるけれど、お互いの部屋のベランダが向かい合わせになっていて、きっと表情も読み取れるに違いない。朝、このベランダからタクヤと挨拶を交わすことにでもなったらどうしようか……そんな甘い妄想を思い浮かべていると、ベッドの上に投げ出していた携帯が鳴り始める。
相手はもちろんタクヤだ。慌てて電話に出ながら再びベランダに出ると、タクヤの顔見たさに視線を想い人の部屋へと向ける。
だが……先ほどまで閉まっていたカーテンが開いている。そしてガラス戸の前には全裸のタクヤが立っているではないか。
慌てて頭を引っ込める明……だが電話口ではタクヤは普通に、けれど少し疲れた様子で話している。
明の股間は痛いほどに張り詰め、ズボンを突っ張らせる。
だが、まだこれからだった。
離婚して性欲をもてあましているタクヤは……まだ明と肌を重ねていないのだから……
なんか色々書き足してみたいので鶴用掲示板から移設。
クリスマスから始まるネタなので、今年のクリスマスネタはこれじゃダメかなー(汗
> こんばんは。
> このサイトは前から見させて貰っています。
> たくやが気にいちゃってXC全部中古で買っちゃいました。
> 不満は明日香でしょうか?
> 明日香の花嫁衣裳でたくやとがないのがちょっと残念でした。
>
> 普通、たくや【巨乳】だと、男バージョンは巨根になるのではと
> 思っていたのですが、あんまりふれていません。
>
> 頑張って続けて下さい。
ういッス、kuroさん応援ありがとうございます!
このサイトからXCファンの方が増えるとは……魂けずって小説書いてる甲斐があったというものです(T▽T)
> 不満は明日香でしょうか?
> 明日香の花嫁衣裳でたくやとがないのがちょっと残念でした。
鶴がウェディングドレスでのシチュを考えると、どうしてもたくやの方に着せてしまう(汗
結婚式ではなくても衣装屋さんで…とか考えてみると、二人の絆を描けて面白いかもしれませんね。
> 普通、たくや【巨乳】だと、男バージョンは巨根になるのではと
> 思っていたのですが、あんまりふれていません。
巨乳だから巨根になっちゃうと言うのは拙作のXC紅一点で……て、あれはたくやの男verは出ないんでした。
てか、元々男なのにバージョン扱いされるたくやちゃんが可哀相だけど美味しい所を持ってってますね〜(笑
さ〜て、久しぶりに応援もらえて元気百倍!
バリバリ書きますよ〜!
こんばんは。
このサイトは前から見させて貰っています。
たくやが気にいちゃってXC全部中古で買っちゃいました。
不満は明日香でしょうか?
明日香の花嫁衣裳でたくやとがないのがちょっと残念でした。
普通、たくや【巨乳】だと、男バージョンは巨根になるのではと
思っていたのですが、あんまりふれていません。
頑張って続けて下さい。
> おもしろそう
そう言われれば書く気力がわいてくるのが鶴の佐賀!
短編用にリメイクしてチャレンジしてみようかな?
おもしろそう
> 短編の方は早くても今月後半になります、試験が今月の真ん中にあるんで。
> 資格試験が終わったら断片をまとめて文章化する予定です。
六月から待ち続けて既に八月……もしかしてダメになったのかな(涙
それとも鶴のアドレス、最近は山のように迷惑メールが送られてくるから、その中にまぎれたか……あ、ありえる。けど五千件以上の迷惑メール全部に目を通すのは実質不可能だし……
うああああ、鶴は一体どうしたら(TT
「今日は、新しくクラスメートを紹介します」
若い男性教諭が朝のHRでそう言うと、教室内の19人の生徒たちから歓声が沸き起こった。
夏休みを目前にしたこの時期には珍しい転校生……その話題は既に教室中に広まっていた。職員室で教師の会話を盗み聞きした生徒がもたらした情報なのだが、それが男か女か、どんな子なのかと言うところまでは伝わっていない。それだけに期待と不安が入り混じった想像の生み出すワクワクが抑えられず、教師が呼びかけた扉の向こうから転校生が入ってくるのにクラス全員が注目した。
「あの……し、失礼します……」
引き戸を恐る恐る開けて入ってきたのは女の子だった……が、転校生が教室に足を踏み入れると、クラスの床や壁が震えるほどの歓声が上がる一方で、その転校生の不自然な姿にどよめき戸惑う生徒の姿もあった。
転校生はかなりの長身だった。クラスで最も背の高い男子よりもさらに大きい。「大女」と言う言葉を誰かが発するが、床が一段高くなった教壇の上から教師と並んで見下ろす姿は言葉どおりの違和感があった。
けれど、それ以外のところは飛びっきりの美少女だった。髪は短めだけれど、ボーイッシュと言うには顔つきがあまりに童顔なためにむしろ優しい印象を受ける。
服装はノースリーブのシャツに短パン、ニーソックスと言う組み合わせで、むき出しの肩の艶かましさや、短パンの裾とニーソックスの間から覗く絶対領域の眩しさが男子の視線を否応無しに集めている。その手にはシャツの上に着るジャケットが抱えられていて、転校生の服装が決して露出を意図していないことは見て取れたけれど、女性慣れしていない男子たちにとっては目のやり場に困るか視線が釘付けになってしまうほど過激な格好に見えて仕方がなかった。
そもそも、服装の下の体つきからして、彼らの知る女性とは全然異なっている。シャツを大きく押し上げる豊かで張りのある乳房や、キュッと細く括れたウエストは、身近な女性である母親と比べてみても……そもそも比べてはいけないものだと思うほどに美しいラインを描き出している。とても同じ女性だと認識できないほど魅力的な輝きを内面から放っているのだ。……だがその輝きは同時に、男子たちに劣情を催させる。クーラーなど元からついていない暑い教室、うっすらと汗を吸ったシャツは転校生の起伏ある艶かましいボディーラインに張り付いており、教室内にいる誰もが……そう、転校生の横に立つ教師ですら、股間に血が流れ込んでいくのを抑えられないでいた。
「では自己紹介して」
「は、はい……」
教室に充満していく異様な気配を察したのか、転校生の表情はどこかぎこちない。それでも大きく深呼吸を繰り返してグッと拳を握り締めると、“ランドセル”を背負った背中をまっすぐに伸ばす。
「はじめまして、あたし、相原たくやって言います」
男のような名前だと、誰かが思う。けれどそんな事はすぐにどうでもよくなった。
全校生徒19人。―――男子19人、女子0人で教師も全員男性と言う山奥のS学校に突然やってきた美少女の存在に、今は誰もが喜びの声を上げることしか出来なかった。
「………今回はやりすぎたわね」
「ええ……色々とやりすぎちゃいましたね」
エアコンの効いた五条ゼミのゼミ室で顔を突き合せていた佐藤麻美と河原千里は、コーヒーのそそがれた紙コップを手にしたまま、ため息交じりにそうつぶやいた。
「結局、相原くんの記憶障害の原因、分からなかったもんね……あ〜あ、今頃は遠くのS学校に転入か。いくらなんでも話が無茶すぎないかなァ……」
本来なら、明日香が海外に留学しているこの機会に研究を手伝ったりしてあげて親密な関係を気付こうと思っていた麻美の落胆は大きい。
同様に、女になったたくやをモルモットにして、爆発など起こさなくても安全かつ確実に性転換できるマシーンを夏季休校中の自由課題にしようと思っていた千里もまた、突然決められたたくやの転校に戸惑いを隠せないでいた。
そもそも何でたくやが転校……しかもS学校へ転入する事になったかと言うと、その元々の原因はこの二人の対立にあった。
一ヶ月前、北ノ都学園名物のM・S・B(マッドサイエンティストバトル)でのこと。
こんな馬鹿げた争いを主戦場とする二人のマッドサイエンティスト、麻美と千里は、例によって拓也を男にしたり女にしたり、さらには爆発に発光に溶解に凝結にと様々な付加効果をつけて性転換を続けざまに繰り返させた。
試合は結局、今回もドロー(引き分け)。また一つ好敵手の実力を確かめる事となったわけなのだが、目を回して地面に横たわったたくや(♀)の異変には、この時、誰も気付いてはいなかった。
様子がおかしいことに気付いたのは翌日になってのことだった。丸一日気を失って保健室で眠りっぱなしだったたくやが、目を覚ますなり放った言葉が、その場にいた全員の思考を氷付けにしたのだ。
『お姉ちゃんたち、一体だ〜れ?』
記憶喪失……麻美と千里、どちらの発明品の効果でこうなってしまったのかは定かではないが、たくやは男だとは思えない魅力的な女性体のまま、記憶だけすっぽりと無くしてしまっていたのだ。
思考力は十歳前後。文字の読み書きなどは大丈夫のようなのだけれど、考え方はどうにも子供っぽい。しかも男だという記憶まで全部なくしているものだから、自分をすっかり女の子だと認識しきってしまっている事も問題だった。
このままではいけないとこの一ヶ月、麻美たちは徹夜漬けでたくやの記憶を取り戻す方法を模索し続けた。せめて体を男に戻せばと思ったものの、M・S・Bの時にはコロコロと変わっていた性別がどんな薬や機械を用いても変わらなくなってしまっており、記憶と性別と言う二重の問題に試行錯誤し続けた結果、二人はたくやを元に戻すことが出来なかったのだった。
落胆を隠せない麻美と千里……不倶戴天の敵同士だった二人が、こうして顔を突き合せて視認も目を見開くほど苦みばしった濃厚コーヒーを飲んでいても喧嘩せずにため息ばかり突いている事からも見て取れるだろう。マッドサイエンティストとしての自負の喪失と、たくやと離れ離れになった事が、それほどまでに二人の心に重く圧し掛かっていた。―――本来なら落ち込んでいたはずのたくやの代わりに。
「………そもそも、どうして相原先輩を越県までさせてS学校に転入させる必要があったのです? 病院に入院させるのならともかく、私たちの手の届くところから相原先輩を引き離すような処置には未だに納得できません」
「まあ、しょうがないところもあるわよね。相原くんが普通のS学校になんて入ったら、どれだけ奇異な目で見られるかわからないもの。学校で一から学び直すのなら、あまり人目につかない山奥の方がいいって言う判断だったんでしょ」
「しかし、その判断を下したのは松永先生なのですよ?」
「そこが問題なのよねぇ……」
本来なら男であるはずのたくやを普通に病院に見せるわけにもいかず、事情を知っている母校である宮野森学園の保健医である松永先生が検査や治療に当たってくれた。それでも記憶の戻る兆しが一ヶ月経っても全然見られなかった以上、焦って直そうとするよりも自然と触れ合える場所で学校生活をのんびり送らせた方が良いと判断したのも松永先生であった。
だが……宮野森学園の卒業生であるだけに、松永先生がこういう事を言い出した時には何かがある事を二人は知っていた。それでも転校するたくやを引き止められなかったのは、M・S・Bでたくやの記憶を吹っ飛ばしてしまったと言う罪悪感と、記憶を取り戻せなかった敗北感があったから。あの時は専門家による判断を覆すだけの気力もなかったためだ。
「転校先も教えてもらえなかったし、最低でも夏休み中は戻ってこない……どうしてよ、学校がお休みの間に帰省するのが普通なのに……」
「そうですよ。今の先輩からは貴重なデータが得られるのに。もし他の研究者に先輩のデータが奪われたら……」
「ああぁ……せっかくの夏休みなのに。片桐さんのいない夏休みなのにぃ〜……」
「先輩、早く帰ってきてください……無事に、誰にも身体を触らせずに……あああ……」
二人の会話、噛み合ってるようで噛み合っていないな……そんな事を考えながら、やっぱりたくやがいなくなって寂しく思う綾乃は、目の下にクマを作って可愛い顔を台無しにしている二人のカップへ墨汁のように真っ黒い濃厚コーヒーを注ぎいれた―――
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てーのを昨晩寝ぼけて書いた(笑)わけですが、書こうと思ったらどう見ても複数話必要なわけで。
ですんで、どんなキャラを出そうかな〜と言うのをちょい考えてみようかと。
・下宿させてもらってるところのおじさん
本来は一人身のヒゲ生やしたおじさんなのだが、S学生の女の子を預かればお金もらえるという事でたくやの身柄を引き受けてしまった人。
基本ぐうたらスケベ親父。ロリコンではないのだが、S学生と言う名目で連れてこられたたくやとの同居生活で性欲が抑えられません。
家事全般はたくやが担当し、夜のお布団の中では……
・担任の先生
メガネをかけたそれなりに整った顔立ちの男性教諭。
書類上の事を信じてたくやの事を1○歳だと思い込んでいるけれど、着替え中のたくやをうっかり目撃してしまって……
・校長先生
初老で髪の毛真っ白いおじいさん。温厚で人当たりもよく、村のまとめ役。
ただ、昔はかなりのやり手だったらしく、手を出した女性は数え知れない。そんな校長の目から見たたくやは…
・保健医
現在の保健医は男性だが、九十歳とかなり高齢でボケが始まっているため、近々新しい保健医が来る予定……もうお分かりですね?
・男子1
ガキ大将。年齢もバラバラなクラスのまとめ役でもある。
転校生であるたくやにも強気で出るけれど、かなりウブで顔を覗きこまれただけで真っ赤になってしまう。
結局、人見知りをしないたくやの笑顔に負けて仲良くなってしまい、テレテレさせられることに……
あっちの方は仮性だけど結構な大きさ。
・男子2
デブっちょ。教室の男子の中で一番重い。
「う〜」とか「あ〜」とか間延びした言葉をよく口にし、動きもやっぱりのろい。でも力自慢で優しい心根の持ち主でもある。
たくやに一目ぼれ。
あっちの方はかなり太い。
・男子3
ヒョロ長。教室の男子の中で一番背が高く、たくやと同じぐらい。
大将の威を借りて威張り散らしているけれど、実は教室内にもう一つ派閥を作ろうとしている野心家。自分が一番じゃないと気分が悪くて、背の高さでも彼以上のたくやを敵視し、卑猥な思惑を込めた視線で見つめている。
あっちの方はかなり長い。
・男子4
瓶底メガネ。背もそんなに高くなくて運動も苦手。
生まれつき病弱なため、数年前に療養のため父親と共に引っ越してきた。人付き合いが苦手で、学校の図書館で本を読んでいることが多い。ただ大将だけは彼を何かと気遣って遊びに誘おうとしている。
メガネの下はかなりの美少年。そして服を脱いだら……?
・男子5
サル。ヒョロ長の手下一号。
悪戯好きで、転校生にして美少女のたくやは速攻で彼の標的にされてしまう。
ふ〜…あと14人も少年キャラを考えなくちゃいけないのか(汗
> > そもそも鶴も初めて書いたのが結局五十万字越える長編になっちゃった人なので、とても止めれません。あの時はもう笑うしか(笑
> 応援とは感謝。もっとも、ドコまで書けるか自分でも不透明ですが…。
> しかし鶴さんの長編ですか、それは読んでみたいものですな。もうHPに掲載されているやつですか?
ええ。「山野旅館にようこそ」がまさにそれ。
「もう二度とこんな長編を書くまい」と山野旅館を書き終えた時に誓ったはずなのに、XC-Fは倍の百万字以上書いてもまだ終わらんの…(汗
> > 執筆の上での質問も、鶴でよろしければ精一杯お答えさせていただきますので(^^)……ただ、鶴の指導はスパルタンだと言う噂も(汗
> スパルタンだと挫けそうで怖いですが(苦笑) 詰まった質問させてもらいます。
ではその時には、相棒のスケットさんも久しぶりにお呼びしましょう(笑
> > > 短編の方は実はまだ書きあがってないので少々お待ちを。
> あと。
> 短編の方は早くても今月後半になります、試験が今月の真ん中にあるんで。
> 資格試験が終わったら断片をまとめて文章化する予定です。
鶴みたいに小説書きすぎて試験失敗しちゃダメですよ。人生終わりますから(T▽T)
> ちなみに、ショートパンツは子供の履く短パンのスソを長くしたもの、ホットパンツはぴったり張り付いてラインがもろに出ちゃってる短パンです。
ほほう。若干あやふやだったイメージが明確になりましたな。
では、この二つはシーンの用途によって使い分けるようにしましょ。
> XC-Fで誤解してホットパンツと書いてるシーンがあったり……それは笑って見逃す別のお話(笑
見逃すて。言われなければ気付かなかったのに(苦笑)
気にしてみてなかったので、今度探してみます。
> > う〜む、やはりいきなりの長編は無謀ですかね。色々と長年の妄想が備蓄してあるのでこれを機に、と思ったんですが…。
> > まあ、分岐形についてはちょっとした野望があるので、プロットから考えていくつもりです。
> ならば止めずに応援するのみ♪
> そもそも鶴も初めて書いたのが結局五十万字越える長編になっちゃった人なので、とても止めれません。あの時はもう笑うしか(笑
応援とは感謝。もっとも、ドコまで書けるか自分でも不透明ですが…。
しかし鶴さんの長編ですか、それは読んでみたいものですな。もうHPに掲載されているやつですか?
> 執筆の上での質問も、鶴でよろしければ精一杯お答えさせていただきますので(^^)……ただ、鶴の指導はスパルタンだと言う噂も(汗
スパルタンだと挫けそうで怖いですが(苦笑) 詰まった質問させてもらいます。
> > 短編の方は実はまだ書きあがってないので少々お待ちを。
あと。
短編の方は早くても今月後半になります、試験が今月の真ん中にあるんで。
資格試験が終わったら断片をまとめて文章化する予定です。
> 失態ですな。上はTシャツで、下はショートパンツと書くか短パンと描写するか…、考えていたら混乱したようです。
ちなみに、ショートパンツは子供の履く短パンのスソを長くしたもの、ホットパンツはぴったり張り付いてラインがもろに出ちゃってる短パンです。
XC-Fで誤解してホットパンツと書いてるシーンがあったり……それは笑って見逃す別のお話(笑
> う〜む、やはりいきなりの長編は無謀ですかね。色々と長年の妄想が備蓄してあるのでこれを機に、と思ったんですが…。
> 慣れてきたら、ちびりちびりと書いていく方向で。矛盾が出たらその都度改訂しようかと。
> まあ、分岐形についてはちょっとした野望があるので、プロットから考えていくつもりです。
ならば止めずに応援するのみ♪
そもそも鶴も初めて書いたのが結局五十万字越える長編になっちゃった人なので、とても止めれません。あの時はもう笑うしか(笑
> 短編の方は実はまだ書きあがってないので少々お待ちを。
> 独自設定のシリーズものを時間軸不順で書いていく方向です。
独自設定なら、鶴のようにこの掲示板に設定を書き込んでみるのも?
執筆の上での質問も、鶴でよろしければ精一杯お答えさせていただきますので(^^)……ただ、鶴の指導はスパルタンだと言う噂も(汗
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