60 - 「こんなだから恋人ができないんですよ」


 ―――あ〜、やっと終わった。疲れたぁ……

 もうすぐ提出しなければならないレポートがやっと仕上がり、キーボードを叩いていた両手を頭上へ掲げ、椅子に座ったまま上半身を伸びあがらせる。
 静かだ……両親は二人揃ってどこかの忘年会に参加しており、「今日は帰らないから♪」とか言って出かけていった。堂々と朝帰り予告付きで。義姉の夏美も結婚して家を出て行ったので、現在は家の中にあたし一人。この静かさがなければ長時間集中してレポートなんて書いていられなかっただろう。
 とはいえ、集中が切れると途端に疲れや空腹が押し寄せてくる。なにしろ時間は既に深夜の十二時過ぎ。夕食を食べてもいないし、用意すらされてない。

 ―――おいおい、うちの両親は女になったばかりの可愛らしい息子(?)を放ったらかしにして、どこほっつき歩いてんのよ……夏美みたいに男を引っ張りあげちゃうよ!? しないけど!?

 女になったからって男とエッチがしたいわけじゃないし。むしろ嫌だし。なにを好きこのんで自分から抱かれなきゃいかんのですか。まあ、気持ちいいのは否定しないけど、男に戻った時の黒歴史はこれ以上ノーサンキューです!
 ………脱線した。話を戻そう。
 とにもかくにも夕食だ。このまま寝ようかと思いもするけど、疲れた身体は最低限の栄養を欲してお腹をグ〜グ〜鳴らしている。

 ―――健康的な現代っ子がこんな状態で寝れるだろうか!? いや、ムリ! レッツ夜食だーッ!

 手っ取り早くお茶漬けでもしようとして炊飯ジャーを開けて……空っぽ。そういえば昼にチャーハン作ったっけ。
 仕方なくカップ麺を作って啜ろうと思ったら一個もない上にお湯もない。そういえばチャーハンと一緒に食べたカップめんが最後の一個だった。ポットのお湯もレポートの合間にコーヒー入れて使って補充もしてない。
 食パンもない。マーガリンならある。舐める? わびしすぎるので却下だ。
 お弁当用の冷凍食品のおかずを発見する。けれどホカホカのご飯が恋しくなるので、これも駄目だ。
 台所で冷蔵庫を開け、戸棚を開け、押入れを開け、なにか簡単に作れるものを探すけれど、これといったものが出てこない。

 ―――なんでうちの台所にはこんなにも食べ物がないの!?

 空腹のあまり叫びそうになるものの、よくよく考えてみると最近の自分の食事情のせいであることに思い至る。
 レポートに追われていつも簡単なものばかりで済ませていたし、よく“運動”するせいか、女になってから食べる量も増えてしまっていて……つまり自業自得です、はい。

「仕方ない。コンビニにでも行きますか」

 相原家から歩いていける距離にあるお店で一番近いのはコンビニだ。というかコンビニしかない。
 街まで出れば食事のできるお店も開いてるだろうけど、この時間はバスが動いていないし、この真冬で深夜の寒い中をそこまで行くのが面倒くさい。
 お金があれば車か原付バイクでも買うのにな〜……移動手段の確保は男に戻ってからの懸念事項にしておくとして、とりあえず自分の飢えを満たすために出かける準備をする。
 ズボンとセーターという格好の上からダウンのジャケットを羽織り、財布と携帯電話をポケットに。ついでにマフラーもクビに巻いて準備オッケー。

「ハァ……こういう時、独り身の寂しさを実感するなぁ……」

 外に出て玄関の鍵を掛けつつ、横目に隣の家を見ながら白いため息をつく。
 一年前なら恋人の明日香を頼って隣の家にお邪魔したりする手もあった。……あったんだけど、明日香は現在、獣医の勉強をするために海外留学中で、イケメンの外人彼氏と絶賛ラブラブ中だ。あたしとの恋人関係? とっくに解消されてますが何か?

 ―――くそう、泣いてない、あたしが嫌われて別れたんじゃないんだからぁ!

 あたしの身体は一年経っても女のまま。
 依然として最悪なままの男運のせいで、あっちこっちでエッチな目に遭っている。

 ―――明日香とのそっちの関係は……しかたないのです。だって明日香ってば「女同士だとなんか違う!」とか言うんだもん……

 そんなこんながあって、恋人関係は留学前に解消され、今は向こうで新しい恋人と楽しんでいるらしい。最近のメールではラブラブっぷりの報告が半端ない。

 ―――前に電話したとき、絶対エッチの真っ最中だったしね……

 会話のところどころで「ダメ…」とか「ノー、アッ、んんゥ…!」とか小声で喘ぎ声を漏らしておいて、気づかれてないと思ってるんだろうか。
 ちくしょう、これがNTRか! あたしだってソッチの気はないのに! べ、別に明日香の声聞いて興奮してないし! ホントだし!

 ―――ハァ……悲しいよぉ……ひとり寝が寂しいよぉ……心の中を吹き抜ける風が今日はやけに冷たいよォ……グスッ……

 女になってから精神的にも懐的にも侘し過ぎるため、自分でも最近情緒不安定なんじゃないかと思わないでもなかったり。
 男に戻る望みは捨てていないものの、現状はほぼ絶望的。
 麻美先輩や千里と性転換薬の実用化に向けて共同研究しているけれど、なんども性転換したことによって体内に抗体が生まれたあたしは他の人とは事情が違う。この問題をクリアしない限り、あたしが男に戻ることはないだろう。

 ―――そんな現状を知らないくせに、なんで周囲は「早く恋人でも作ったら?」とかいうんだろうね。こないだなんか麻美先輩まで!

 もはや、だれもあたしを男として見てくれないんだろうか……
 「男に戻れないんだから、ちゃんと割り切って新しい人生を歩んで欲しい」という意図があるのも、心配してくれての言葉だということも解っている。だけど、完全に潰えたわけではない望みと、自分で選んだ女体化ではないということが、どうしてもそれを拒ませるのだ。

 ―――でもまあ、恋人なんて、作ろうと思えば明日にでも作れるし?

 これでもあたし、かなりモテモテです。学園でもバイト先でも声を掛けられない日がないぐらいだし、積極的なアプローチに抗いきれずに関係を持った相手も一人や二人どころじゃない。
 一部には誰にでも股を開くビッチやヤリマンとか思われてるようなのが頭にくるけれど。

 ―――弘二? 今は女の子にしてますけど何か?

 あたしが女になった原因を作ったあいつには、お仕置きの意を込めて同じ苦しみを味わってもらっています。結構楽しんでるようだけど……
 ただ、元々男だったあたしが結婚を視野に入れてお付き合いしようと思うと考えちゃうんですよね、これが。付き合うことになる相手にかなり重いものを背負わせることになるし。
 まだ学生なんだし、もっと気軽にお付き合いして、人生楽しんでもいいと思うんだけど……

 ―――いっそ誰かナンパしてくれないかな。そしたら食事奢ってもらって逃走するのに。

 我ながらすっかり外道である。女であることを武器にしてます。たくや、なんて恐ろしい子!
 でも、食事中に良い雰囲気になったら罪悪感を感じて逃げられなくなるのがいつものパターン。元々が男だからって、決して男あしらいが上手いわけではないのだ。
 一度やろうとして失敗して、ラブホに連れ込まれて弄ばれて、仲間を呼ばれてヤリ部屋で数日輪姦されて過ごしたなんて失敗談もあるし……いかんいかん、思い出したら股間の奥が疼いてきちゃう。
 ただまあ、時間も時間だし、住宅街の寒空の下で、そうそうタイミングよくナンパさんがいるわけでもないだろう。
 でも、もしも、コンビニの前にちょっと悪い感じの人たちが集まってたらどうしよう……とか考えているうちに無事コンビニにたどり着いてしまう。
 当然のことながら、お店の前に怖そうな人がたむろもしていないし、ホッとしたような、少し残念なような……ともあれ、中に入ろう。けっこう身体が冷えてきた。

「いらっしゃいませ〜」

 店内に入ると、若い男性の店員があたしを見た途端に急にシャキッとして、真夜中とは思えない元気さで挨拶してくる。ここ、従業員教育がしっかりしてるようだ。

 ―――いや、元気になった理由にはちゃんと気づいてますよ? 笑顔がスゴくだらしないし、鼻の下がスゴく伸びてるし、とっさに後ろへ隠したのエッチな本だし……教育しっかりしようよ、このお店! でもここで嫌悪感を露わにしてお店を出たら、夜食にありつく時間がさらに遅くなる。我慢、我慢だよたくや!

 愛想笑いを浮かべて小さく手を振って返すと、手人さんの笑顔は200%増しになった。その視線は早速あたしの胸や腰つきに注がれ、顔つきがニヤついているのが堪えきれないでいる。

 ―――お金貰って仕事してるのに、いったい頭の中は何を考えてるのやら。……って、こら、前かがみになるんじゃない! それはあまりにも露骨過ぎない!?

 まるで服を透視されて全裸を嘗め回すかのようなイヤラシい視線にゾワッと鳥肌が立つ。―――もういい、さっさとご飯を買って外に出よう。
 しかし時間も時間だ。お弁当が見事なまでに一つも残ってない。サンドイッチは売り切れ。だとすると残された選択肢はカップラーメン……菓子パン……唐揚げ……おでん……さて、なににありつこうか……
 その前に、ざっと週刊誌でも眺めますかと本のコーナーへ足を向ける。昨日はゲーム雑誌の発売日だ。一緒に買って帰ろうか……と思っていたら、

「…………………」

 塾帰りだろうか。見るからにあたしより年下の少年に目がとまる。
 ややこちらに背を向けているので顔はよく見えないんだけれど、妙に雰囲気が硬いというか、身体を小さくして身を隠しているようでもあり、気になってしまったのだ。

 そして、男の子が手にしていた本をスルリと自分の鞄の中へと滑り込ませた瞬間を目撃してしまった。

 ―――ふむ……

 万引きだろう。万引きだよね。万引きに違いない。
 まったく、遊び感覚でお店のものを盗むなんて、この悪党め……と思わないでもないけれど、少し近づいて観察してみれば、覗ける顔は真っ青で、全身をガタガタ震わせて不信感満点だ。この様子だと、お店を出るまでに店員さんも気づくだろう。

 ―――じゃあ返させる?

 今なら、あたしがいけない事だからと諭せば、この子も罪悪感を感じて万引きをやめるかもしれない。……けど逆上して何されるかも分からない。せっかくレポートを終わらせたのに、隠していたナイフを振り回されて怪我して入院して提出期限を過ぎるのもイヤだ。
 だったら見て見ぬ振りをするべきなのだろうが……この子を万引き犯として捕まえさせるのは、ちょっと可哀想な気がした。
 だから、

「ねえ、キミって今ヒマ? よかったらあたしとちょっと遊ばない?」

 ―――逆ナンしちゃえ♪

 だって、明日香のこと思い出して今ごろ彼氏とヤッてるんだろうなー妄想しちゃったし!
 レポートばっか書いてたからオナニーしてなくて欲求不満だし!
 家にこもってたからエッチな目にも合ってないし!
 今ものすごくハイだからちょっとぐらいエッチしたいんだもん!
 家に帰ってオナニーだけして寝るより、人肌であったまりたいんだもん!
 そーゆーわけで自分に納得させると、あたしは男の子の背中に90センチオーバーのGカップのオッパイをムギュッと押し付け、その身体に腕を巻きつけた。

「えっ!?」
「ふふふ、驚いた顔かーわいっ♪ あたしね、ちょっと時間と身体をもてあましてるんだ〜。キミもこんな時間に“いけないこと”してるんだから悪い子なんでしょ? だったらあたしにちょっと付き合わない?」
「あっ………あ、あっ………」

 あたしが耳元で囁きながら、鞄を握り締める手を撫でたことで事態を察したのだろう。声も出せず、ただ身体を硬くして小さく呻いていた。後ろの方で店員さんが「何事!?」という感じで見てるだろけれど、うん、気にしないし。

「ダメだよ。こういう本はもっと大人になってから……でも、そんなに読みたいの?」

 少し膝をかがめて、口を開いたままの鞄から本を取り出すと、胸をあらわにした女性が表紙のエッチな本。
 その表紙では巨乳のAV女優がババーンと立派なものを曝け出している。あたしが男だったら思わず目を奪われるんだろうけれど、

「う〜ん……結構大きいけど、あたしのほうがおっきいよ?」

 鏡越しにもっと立派な美巨乳を毎日目にしているだけに、今の感想はこんな感じです。

「ッ………!」
「ふ〜ん……ちょっと興奮した? 大きいおっぱい、好きなの?」

 あたしが耳元で問いかけると、何秒か逡巡した後に、男の子は小さく顔をうなずかせた。

「じゃあ、あたしに“ついて”きてくれる?」

 背中越しに押し付けている膨らみの感触を、堪能する余裕もないだろう。今にも泣き出しそうな顔でもう一度うなづくと、あたしに手を引かれるまま、怪しげな……というか羨ましげな目でこちらを見ている店員のいるレジへ向けて歩き出す。
 そして、

「すみませ〜ん、肉饅三つとホットのミルクティーを二本、あとこの本をいただけますか?」

 ちょっと恥ずかしいけれど、あたしは笑顔を浮かべて胸をさらけ出した女性が表紙の成年誌をレジに置いた。
 店員さんの注意を男の子に向けさせないために、本の表紙よりもたわわな膨らみを突き出すようにして―――


 −*−


「ふ〜ん、最近成績が良くないんだ」
「お母さんもずっと不機嫌で……お父さんは努力が足りないって言って……だけど、もうどうしたらいいか解らなくて………」
「だから出来心で万引きか……そうやってご両親に何かを訴えたかったと」
「お店の迷惑になるのは分かってるのに、そうしなきゃいけないように思えて、それで……」
「ふむ……」

 コンビニからあたしの家とは逆向きに数分歩くと、小さいけれど公園がある。
 遊具は滑り台にブランコに土管、それに薄汚れた公衆トイレにベンチ。野球とかができるほどではないものの、住宅地の一区画を丸々使用している公園は走り回れるだけの広さがある。
 そこの照明の下にあるベンチへ男の子と並んで腰掛けたあたしは、肉饅に酢醤油と芥子を付けパクパク食べながら、温かいミルクティーをすすっているうちにポツポツと話し出した男の子の言葉に相槌を打つ。

 ―――いわゆるストレス発散のための万引きってのかな。

 万引きをする人は動機によって幾つかに分類される。この子の場合、買うお金があるのに物を盗むことでストレスを解消させようとしたわけだ。スリルや緊張感のあることをやり遂げることで達成感やら安堵感がえられて、それでストレスが発散されるんだろうか? 心理学は専行していないので詳しいことは良く分からない。
 けれど話を聞くに、寝る時間を削って勉強、遊ぶ時間があったら塾に行き、ストレスや疲労で勉強に身が入らず、成績が落ちるからもっと勉強しなければならないという悪循環にあるように思える。
 あたしも家庭教師をしていたから、勉強法には向き不向きがあるのは知っている。彼に今の無茶苦茶な詰め込み式の学習は間違いなく適していないのだろう。

「ま、盗もうとしたものもお金払って買ってきたんだし、今回は未遂よね。ま、もしもあのお店で店員さんに問いただされたら、素直に謝っておきなさい。わかった?」
「はい……すみませんでした……」
「それにしても―――」

 肉饅とミルクティーの缶は一個ずつ男の子にあげた。あたしは自分の分をペロッと平らげると――さすがにこちらもあたしの胸ほど“たわわ”ではなかったけれど――一緒に買ってきた成年誌を吟味するように1ページずつゆっくりとめくっていく。

「むう、こんな過激な本、コンビニに置いててもいいんだろうか……うわぁ、こんなあられもない格好。おマ○コにこんなに太いの入れられたら、どんな感じなんだろ……んっ、これはすご……」
「あの……あの……あうう………」

 この本、ぶっちゃけ家に持ち帰ってオナニーに耽りたい。DVDも付いてるからそっちもじっくり……だけど、今はそうも言っていられない。本を閉じてコンビニの袋へ戻すとベンチの足元に置く。後でじっくり読むためにも。

「あ、ほっぺたに芥子が付いてるよ」
「え……?」

 はい、ウソです。この子、まだ肉饅食べてません。
 でもそれを口実にして、あたしは左隣に据わる男の子の太股へ左手を乗せ、腰を浮かせると彼のすべすべの頬に右手の指を滑らせた。

「ッ……!」

 いきなり触れられたことへの驚きと、目の前に寄せられることになったあたしの胸のふくらみへの驚きとで、ごくりと喉を鳴らす。
 そして気づいただろうか……それを確かめたくて、あたしは男の子の耳元へ唇を寄せ、蕩けるような声で囁いた。

「あたしね……ノーブラなんだぁ……」
「……………」

 やっぱり気づいてる……あたしの胸元へチラチラ向けられる視線の意味に気づかないほどウブじゃないし、実はあたし、これからこの子とエッチするんだとか考えてるうちに少し興奮して、勃起した乳首が少しセーターから浮き上がって見えてるし……

「ねえ……もし怖かったら逃げてもいいんだよ? 逃げないとエッチなお姉さんに、キミの童貞を食べられちゃうよ……♪」

 こんなこと言ってるけど、逃がす気はない。
 年下と言ってもあたしとそれほど体格の変わらない彼の脚をまたいで座ると、ジャケットの前を開いてセーターをギュッと下へ引っ張っり、尖った突端をくっきり浮かび上がらせる。そして彼の目が釘付けになっていることに気をよくしながら、小刻みに左右に振り、たわわな膨らみを小さく揺らしてみせる。

「す、ごっ………」
「ふふっ……いいんだよ、触っても。そうされたくって、キミのことナンパしたんだから♪」
「あれ、ボクを助けるために……」
「エッチしたかったのも本当なんだよ?」

 ―――どうしよう。自分からエッチな言葉を口にするたびに、身体が火照ってく……おマ○コも、ジワッて湿ってきちゃってるしぃ……♪

 まだ戸惑っている男の子に微笑むと、胸を揺らしながら腰をグラインドさせると、ズボン越しに硬くなったものがあたしの股間へ押し付けられる。
 男の子のおチ○チンが今にも射精しそうなぐらいにスゴくビクビク震えているのを感じながら、あたしは腰をくねらせながら寒いのを我慢してゆっくりとセーターをたくし上げていく。―――気分はさながら、海外のAV女優のようだ。

「ふふふ……ッ♪」

 年下の子のおチ○チンをズボン越しに味わいながら、セーターの裾を肌に滑らせるように、そしてまだまだ未成熟な興奮を焦らして煽るかのように、少しずつ少しずつたくし上げていく。
 自然と、男の子の冷たい手の平が露わになった腰に添えられて小さく身震いしたけれど、それ以上に自分の身体を火照らせ、滾らせ、丸みを帯びた下乳を露わにし、

「んっ………♪」

 わざと乳首を裾に引っ掛けて弾いて、膨らみをぷるんと大きく弾ませてみせてから、クビに巻いたマフラーにまでセーターをたくし上げた。

「………………」

 男の子の目の前には張り詰めて丸々とした二つの膨らみが突き出されている。
 生で見たのは初めてなのかな? 腰の動くリズムに合わせて小刻みに揺れる双乳を前にして目を大きく見開き、言葉を失っている。

「ちょっと、大きすぎて恥ずかしいんだけど、あの本に写ってる人よりおっきいよ?」
「………………ッ!!!」
「ふあァん……!」

 目を見開いて食い入るようにあたしのオッパイを見ていた男の子は、あたしの胸に触ろうかどうか何度も逡巡していた。でも、ついに我慢しきれなくなった途端に、あたしの乳房を荒々しく鷲掴みにし、硬く尖った乳首へ勢いよく吸い付いてきた。

「あん、あはぁ、は、激しすぎるよ……ああァ……噛んじゃダメ……はあァん……♪」

 男の子の柔らかい黒髪の頭を抱きしめながら、あたしはピクピクと身体を震わせる。
 小さな手の平に収まりきらない膨らみに指先が深々と食い込み、左右の乳首が交互に、丹念に、音を立てて、荒々しく、溜め込んでいた鬱憤を全部ぶつけてくるかのように、歯を立てんばかりの勢いで激しく舐めしゃぶられてしまう。

「おっぱい、おっぱいだ、んんっ! ひゅごい、ハァ、ハァ、こんなにおっきいオッパイを、ボク、んむぅんんんんっ!」
「ふぁあああああん! そんなに強く、噛んじゃ、だめぇ……!」
「スゴい、こんなにおっきいオッパイを、吸ってるんだ、夢じゃないんだ、ああァ……!!!」
「ダメ、噛まれるの、弱いの、んっ! あうっ、やうっ、もっと、やさしく…ああっ、はうゥ……!」

 男の子に触られ、しゃぶりたてられるだけでこんなに気持ちいいなんて……女になったばかりの頃は違和感を感じることの多かった女としての快感を素直に受け入れられるようになってから、一段と感度が良くなったせい……だよね……
 あたしが他の人の何倍も感じやすいのを気づけるはずもない男の子は、鼻を乳肉へうずめるほど強くしゃぶりつき、生まれて初めて触れる女性の乳房を……しかも形も大きさも弾力も極上と自慢できるあたしのGカップを思う存分揉みしだいた。

「んっ、ああ、うっ、んううっ! あっ、んうゥ、あくっ、ふんんっ、んんっ、ふあァ、アアアァ……!」

 深夜の公園で、あたしは反り返らせた喉を震わせ、押し殺しきれなかった喘ぎ声を溢れさせてしまう。
 周囲の家々の窓に明かりは灯っていない。あたしのくぐもった喘ぎに誰も気づきはしない……と思うけれど、屋外で肌をあらわにして声を漏らし、歳の離れた少年と絡み合うように腰を揺すっているのだ。見咎められれば言い訳出来ない。

 ―――それなのに、とめられないぃ……!

 痛いぐらいに勃起乳房をこねくり回されるたびに、あたしの身体の芯はビクンッ…と大きく震える。
 誰かに見られたら言い逃れできない状況なのに興奮が昂ぶりすぎて息が乱れ、おマ○コが熱く痺れていく。グリグリと恥丘を男の子のモッコリに擦りつけ、敏感な部分へグリッと押し付けられると、この冬空の下でも汗ばむほどに火照った肌に強烈な震えが走り抜け、ショーツの中に熱く滾った愛液をぶちまけてしまう。

「あぁぁぁぁぁぁん……あァ、ハァ……んんぁ……♪」

 男の子の耳元へ甘い喘ぎ声を吐きかけると、男の子は喜ぶように頭を振り、あたしのオッパイを吸いたて、乳輪ごと少しきつめに噛み締めてくる。

 ―――んイィ! 乳首、敏感なのに、そんなに噛んだら、グリッて押し込まれたら、らめェ!!! か、噛んだとこ舐められると、ゾクッてするのォ! おっぱいで、トんじゃう、あたし、んあぁぁぁアアアアアアアアアッ!!!

 男の子の頭を抱きしめる腕に力がこもり、そのせいで男の子の歯や舌が乳首により強く押し付けられ、乳房の頂上で弾ける快感に息が何度も詰まってしまう。

 ―――んあぁぁぁ! おっぱい、おっぱいきもちいいぃぃぃ♪ 年下の子に弄ばれて、あたし、こんな、エッチな気分にィィィ……!!!

 唾液にまみれた充血乳首を、摘まれ、潰され、舐め転がされ、甘噛みされ、あたしのたわわな乳房が幾度となく鋭い快感に跳ね震える。
 男の子の無我夢中の、初めて味わうオッパイの感触に完全に酔いしれた乳愛撫になす術もなくヒップを絞り上げ、今にもイきそう……なのに、こんなんじゃ満たされない。もっと、もっと気持ちよくなりたいのォ!

「ねえ、おっぱいだけで、終わっちゃっていいの……?」

 おっぱいしか見えていなかった男の子のうなじを指先でくすぐるように撫でると、小さく身体を震わせ、乳首から口を離して顔を上げた。

「え……え………?」

 照明の下、どこか瞳の焦点が合ってないのはオッパイを吸いすぎて酸欠になったんだろうか……そんな男の子の頬に両手を添えると、よだれにまみれた唇へあたしは自分の唇を重ね合わせた。

「んむゥ……!」

 あたしの舌が男の子の唇を割り開いてニュルッと口内に滑り込む。
 こんなキス、当然初体験なんだろう……そんな相手の口の中を、蹂躙するかのように舌を這い回らせる。怯えてすくんだ舌先を絡め取って唾液を啜り、歯茎を丹念になぞり上げて今度はこちらから唾液を流しいれる。
 あたしが腰にまたがっているから、自然と男の子の顔は上を向いて唇をむさぼられる。そんな彼の口から溢れるほどに唾液を注ぎ込むと、あたしはいったん口を離し、イタズラっぽい笑みを浮かべて唇に人差し指を押し当てた。

「ふふ……っ♪」

 あたしの唇から、彼の唇へ……さっき、あんなに激しく貪りあうキスをしたのに、小さく音を鳴らして間接キスをすると、甘酸っぱい恥ずかしさが込みあがってきちゃうのは……あたしも“女の子”だからなんだろうか。
 そして、男の子が喉を鳴らして、あたしの唾を噛み締めるように飲み下すのを間近に見て……言いようのない震えがゾクリと背筋を這い登ってきた。

「もう……我慢できないよね……」
「うん………」
「もっといいこと……してあげるね……♪」
「んあっ………!」

 そんなに可愛い声で鳴かれてしまうと、本当にあたしも抑えが効かなくなりそう……男の子の首筋からクビ元へと唇を滑らせながら、あたしは少し腰を浮かせてはちきれんばかりに盛り上がったズボンの股間へ指先を滑らせる。

 ―――うわぁ……結構立派……♪

 そうして今にも暴発してしまいそうなおチ○チンの硬さや大きさを確かめると、頬が緩んじゃう……思わずベルトをハズし、チャックを下ろしてあげたのだけれど、飛び出してきたものを目にして、ノドを震わせるようにして感嘆のため息を漏らしてしまっていた。

「皮かむってる……ふふ、こういうところは子供なんだ……」
「っ………!」
「あら、傷ついちゃった? ごめんね……でも、あたしね、こんなおチ○チンが大好きなんだァ……♪」

 どこか愛らしさを感じさせる仮性包茎の立派なおチ○チン。それを手の中でやさしくしごいてあげながら先っぽのヌルヌルを手の平にまぶしたあたしは、男の子の膝の上から地面へと降り、開かせた膝の間へ顔をうずめていく。

「うわ、うわあぁ! ちょ、ちょっと、待って、まさか、口で……!?」
「騒がないで……誰かに気づかれちゃうよ?」

 あたしの注意を聞いて慌てて口を手で塞いだ男の子を上目遣いで見つめながら、あたしは唾液を口内にタップリと溜めて唇を開き、寒そうに震えている包茎ペ○スをゆっくりと頬張った。

「んゥ――――――――――――――!!!」
「んふっ……すごくおっきい……んむうぅ………」

 完全に勃起しているペ○スを口の中に含み、なるべく刺激を与えないように舌を動かし、唾液をまぶしていく。先っちょから溢れる我慢汁の苦味にさえ興奮を高ぶらせながら、カリ首を覆う包皮と亀頭との間へ舌先を滑り込ませるように何度も円を描いて嘗め回す。

「んんんゥ……! 出ちゃう、ダメ、出る、お、お姉さ…うあッ、あっ、イくゥ……!」
「んもう、早すぎるってば。まだダ〜メ♪」
「ィ――――――――――――――――――――――――――――ッッッ!!!」

 射精しそうだなって感じた瞬間、あたしは顔を上げ、男の子のペ○スの根元を右手で締め付けていた。

「イアッ……手、離して、お願い、イかせて、アアッ、アアッ、アアアアアアアアアアッ!!!」

 唾液にまみれたおチ○チンが、あたしの目の前で射精できずに暴れ狂う。
 可哀相だとは思うけど、まだイかせてあげられない。このまま顔いっぱいに彼のザーメンを浴びてあげたいという、自分が男だった頃には思いもしなかった欲求に突き動かされそうになるけれど、それよりも……

「ここで出したらもったいないでしょ? お楽しみは……これからなんだから……♪」
「んあああっ!」

 射精したいと暴れまわるペ○スの射精を無理やり封じつつ、唾液をまぶした包皮をズリュッとカリ首から剥き下ろした。

「はぁ………♪」

 包皮から露わになった亀頭は締め付けから解き放たれたかのように大きく膨らみ、ビクンビクンと痙攣を繰り返していた。
 本当なら他人のペ○スに触れるのなんて、ホントはしたくもない行為なのに……ガチガチに勃起した童貞ペ○スの熱さと硬さ、そしてあたしのおマ○コを蹂躙できる大きさと張り出したカリ首を手の平に感じていると、期待と興奮で胸が高鳴り、おマ○コから愛液が溢れ出してくる。白い吐息が唇から押し出されるほどに情熱的なフェラチオに、唇の端から唾液がこぼれ落ちる。あたしがおチ○チンをすする音と男の子のくぐもった呻き声が公園に小さく響くのを感じながら、あたしは自分のズボンのチャックを下ろし、パンツの中に手を入れてクチュクチュおマ○コをいじりはじめる。もう、そうしていないと気が狂いそうになるほど、今のあたしはイヤらしい“オンナ”になってしまっていた。

 ―――はあぁぁぁ……今からこのおチ○チンで、おマ○コを掻き回してもらうんだぁ……♪

 ぬちゅぐちゅと下半身から響く音が火照った身体の内側に響き渡り、照明の明かりの下で跳ね上がる肉棒を見つめていると瞳が潤んで息が荒くなっていく。あまりに興奮しすぎて頭の芯がジィンと痺れ、やっと無射精の絶頂が治まってきた男の子の半泣きの顔を見上げると……もうダメ、おマ○コがキュンキュンして我慢できない、もうハメることしか考えられない。
 だから、

「ふふ、よ〜く我慢できました。ごめんね、いっぱい射精したかったでしょ?」
「う、うん……」

 あたしが問いかけても、瞳の焦点がぼやけていて、返事もどこか棒読みだ。
 心ここにあらずの男の子に少し罪悪感を覚えながら立ち上がる。そして

 ―――おいで。悪いお姉さんがきみをオトナにしてあげる。

 耳元でそう囁くと、男の子は顔を跳ね上げる。そんな彼をベンチから立ち上がらせると、あたしはベンチの横の照明ポールに歩み寄り、背中を見せたままズボンとパンツを脱ぎ捨てる。

「………きて♪」

 そしてジャケットを腰の上までたくし上げ、愛液をタップリ染み込ませている股間を後ろへと突き出した。

「………………」

 ゴクリと、唾を飲む音が聞こえてくる。男の子と、あたしの……
 ベンチから立ち上がった男の子は、照明に照らされたヒップラインに誘われるようにフラフラと近づいてくる。そして、唾液にまみれた肉棒がぴとっとお尻に触れた途端、あたしの身体へしがみついてきた。

「ああぁん♪ 馬鹿、い、入れる場所はそこじゃ………んむぅ♪」

 肩越しに振り向いたあたしの唇を、さっきのお返しとばかりに男の子の唇が塞ぐ。舌と舌が絡まり、くちゅくちゅと卑猥な音を響かせながら、彼の両手があたしのたわわな乳房を乱暴な手つきでこね回してくる。

 ―――あんうぅ〜! こんなキスされたら、頭がくらくらしちゃって、ああ、だめ、ごめん、あたしが悪かったから、だから、意地悪しないで早くゥぅぅぅ!!!

 さっきまであたしが主導権握ってたのに……攻守が入れ替わった途端にあたしの中のマゾヒズムが呼び起こされ、冬の夜空の下で幾度も甘くて熱い吐息を溢れさせる。
 そして、チュポンと舌が引き抜かれると、男の子は息を荒げながらあたしのおマ○コへおチ○チンのツルッとした先っぽを執拗に擦り付けてくる。
 やっと、やっと挿れてもらえるんだ……冷たい夜気がねっちょり糸を引くほど愛液にまみれたおマ○コに触れる感触に腰を震わせると、あたしは股間の間から後ろへ手を伸ばし、ぐちょ…と音を響かせて自分のおマ○コを割り開いた。
 そこに、待ち望んでいた硬くて熱いモノが捻じ込まれてきた。

「んあっ、あ、ああああああァ………!」

 まるでスタンガンを子宮へ叩き込まれたかのような衝撃に、あたしはただの一突きで、あっけなさすぎるほどにアクメを迎えてしまっていた。
 さっきフェラしていた時より一回りも二回りも膨らんだのではないかと思うほどの挿入の圧迫感と衝撃に、あたしのおマ○コから愛液が迸る。伸びあがらせて会館に打ち震えるあたしの目の前に火花が飛び散り、胸の谷間へ抱え込むようにして照明ポールに縋り付いて崩れ落ちようとする身体を懸命に支えなければならなかった。

「は…入った……お、お姉さん……んうゥ……!」
「ふふっ……ドーテー卒業おめでと〜……あ、あたし、一発でイかされちゃった……ねえ、早く動いて、ねえってばぁ……♪」
「は、はい! 動くよ、お姉さんのおマ○コに、ん、んんんゥ……!」
「は、んはぁぁぁぁぁぁぁ、んアァアアあああああァ………!」

 もはや巨根としか思えないような男の子のおチ○チンが引き抜かれると、まるでおマ○コごと持っていかれそうな錯覚に陥り、ポールを抱く手に力を籠める。そこから……男の子の熱のこもった“蹂躙”が始まった。

「はひィん! くうぅぅぅぅっ! んあァあぁぁぁぁぁ! ス、スゴいィ……あたしのおマ○コ、えぐられてるゥ! もう、おかしく、おかしくなっちゃうぅぅぅ!!!」

 童貞の男の子の挿入は、もう滅茶苦茶だった。
 あたしの腰を掴んで力任せに童貞ペ○スを突き入れ、腰を叩きつけてくる。
 濡れた膣肉が強引に押し開かれ、ガクガクと震える膝の間へ抽送のたびに愛液が滴り落ち、子宮を突き上げるほどの巨根が根元までずっぽり押し込まれる。
 そんなにも乱暴に犯されているのに、子宮を突き上げられているのに、あたしのおマ○コは怖がって強張るどころか、おマ○コをキュッキュッと収縮させて愛液まみれの肉ヒダをペ○スに絡みつかせて絞り上げる。

「んぁあぁぁぁぁぁ………♪」

 街中の静かな夜の公園に、あたしの声が押し殺そうとしてもどこまでも響き渡る。
 寝静まった住宅街のど真ん中で年下の少年にグチュグチュと音を鳴らしておマ○コを掻き回され、その快感と羞恥心とで意識がほとんど飛びかけていた。
 異常なほどに溢れ出た愛液は未成熟な肉棒を捻じ込まれるたびに蜜壷から押し出され、内股はビショビショに濡れてしまっている。そして背後から伸びてきた手に乳房を乱暴にこね回されながら、猛烈な勢いで抽送を繰り返す亀頭に子宮を突き上げられ、息を詰まらせるように喘ぎ声を漏らしてしまっていた。

「あうぅうぅぅぅ! は、げしぃ、んんゥ、すごい…こ、こんなぁ……!」

 初めて味わう女体の快感が気持ちよすぎるのか、男の子はあたしの様子を気遣う様子も見せず、ハァハァと荒げた息を吐き出しながらケダモノのように腰を振りたくる。

「年下の、子に、いいように、あたし、んあァ……ダメ、もう、我慢が……んあぁァぁ!!!」
「お、お姉さん、気持ちいい、おマ○コ、スゴくいい…ッ!!! 出す、出すよ、とまんない、お姉…さ、んぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「ひぁうぅぅぅっ! キて、あたしの、一番、奥に、挿れて、ダしてぇえぇぇぇぇぇ……!!!」

 勉強のストレスが一気に爆発したかのように、あたしの奥の奥にまでペ○スが突き入れられる。
 お互いの興奮の昂ぶりが相手の興奮を燃え上がらせ、まるで膣肉を抉るかのような一際強い突きこみが子宮の入り口に叩き付けられ……大きな脈動と共に大量の精液があたしの胎内へと一気に吐き出された。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」

 懸命に手で唇を押さえながらも、精液が子宮の内側へビシャッと打ち付けられるたびに、あたしの腰には大きな震えが駆け巡った。
 おマ○コも頭の中もグチャグチャに掻き回されて真っ白になり、意識が飛ぶたびに子宮の奥へと叩きつけられる射精の衝撃で悲鳴を上げるようにしてイき戻ってしまう。

「ん……はぁ………ふふっ、とっても…すてきだった…よ………♪」

 さすがにあたしとのエッチが激し過ぎたせいか、射精の脈動が収まってザーメンをすべて吐き出し終えると、男の子のおチ○チンはみるみる萎えてしぼんでいき、奥深くまで犯し抜かれたあたしのおマ○コから抜け落ちてしまう。そしてあたしの身体へゆっくりともたれかかってくる男の子を身体の向きを変えて抱きしめてあげると、蕩け切った瞳であたしを見上げるその表情に我慢が出来ず……ねっとりと情熱的な口づけを交わしてしまう。

「これで君も、立派な男の子だね……ふふふっ♪」
「ぼく……おねぇさん………しゅき……おねぇさ…ん……」

 ―――あ〜! も〜! かわいい! このままお持ち帰りしちゃおっかな!? けど、さすがにこの年の子と一晩中ゴニョゴニョしちゃうのは……うぬぬぬぬ……

 ま、すごく気持ちよかったので、今日はこのぐらいで我慢しておこう。正直、こんなにイかされて脚ガクガクで歩いて帰るのは結構キツいし。……それに、会おうと思えば、これからいつでも会えるんだし。

「ねえ、よかったらさ―――」

 電話の番号かメアド、交換しない?……順番を間違えたけれど、まるであたしがナンパされるときによく聞かされる台詞を言おうとしたその時、



 ―――おまわりさん、こっちこっち! はやくきて、あいつらよぉ!!!

 住宅街に、どこかのおばさんの声が響き渡った。



「「―――――――――――――――――――!!?!?」」

 しまったぁぁぁ! さすがに住宅街で声を出し過ぎた。まさか警察呼ばれるとか……ヤバい、捕まったら人生の終わりだァ!
 エッチの余韻でどれくらいうっとりしてたんだろう。五分? 十分? くしゅん、胸も脚もおマ○コも丸出しなので寒いです。そんなに身体が冷えるくらいのんびりしてたら、お巡りさんも余裕で到着するというものだ。
 ともあれ、おとなしく捕まったりしたら、野外のエッチと年下の子に手を出したのとでダブル役満で一気に人生ハコテンだ。麻雀のルール知らないから点数が何点かは知らないけれど、一巻の終わりであることは確定だろう。
 だから逃げる!………でもどこへ?

『さっさと来なさいよ! あんたら税金貰ってるんでしょ、あいつら逃げたらどーすんのよ!』

 ―――迷ってる暇なんてない。と、とりあえずあのトイレへ……あ、ズボンとパンツ!

 おマ○コ丸出しで警察のお世話になんてなりたくない。地面を見まわして脱ぎ捨てたズボンとパンツを見つけたあたしはそれを拾いあげようと手を伸ばして―――


 その手を横から掴み取られてしまった。


 −*−


『いやー、トイレの中にもいませんね。本当にいたんですか? 猫か犬かが盛ってただけじゃないんですか?』
『絶対そんなことないわよ! いたのよ、さっきも私、この目で見たんだから! あんたが全然急がなかったのが悪いんじゃない!」
『まあまあ落ち着いて。声を抑えて。ご近所迷惑ですよ』
『だったらさっさと見つけなさいよォ! 私の町内で、あんな変態がいるだなんて虫唾が走るのよォ!!!』
『でもですねぇ、逃げて入り込んだっていうトイレにもいませんでしたし、さしずめ公園のフェンスを乗り越えて逃げたんじゃありませんかね?』
『うるさいわね! 私は見たのよ! あいつらがトイレに入ってくところを! あんたの探し方が悪いのよ! 早く探しなさいよォ!!!』
『………………』

あたしと男の子の野外エッチの声を聞きつけたであろうおばさんと、夜遅くに駆けつけた挙句に喚かれ、罵られているお巡りさんの様子を、あたしは土管の中から聞き耳を立てて伺っていた。

 ―――危なかった……まさに間一髪。この子に感謝しなくちゃ。

 あの時、動揺しているあたしを尻目にすぐさま荷物を走り集めた男の子に手を引かれ、あたしたちはトイレへと駆け込んだ。
 おそらくその時に姿を見られたのだろう、お巡りさんもすぐにトイレの方へやってきて……
 ただ、照明のある場所に比べてトイレの周囲の物陰は少し暗い。それを利用してトイレに入ると見せかけ、横から後ろへ回っていったん身を隠し、お巡りさんが離れた隙に木や茂みの影を伝って土管にまで辿り着いて身を隠したのである。
 とはいえ子供の用の遊具として使われているので土管は大き目なものの、あたしが座ったらギリギリ頭が当たらないぐらいの直径しかない。そんなところへ身をかがめて入り、後から入ってきた男の子を受け止めたので、仰向けになって腕と、そしてむき出しのままの両足とで抱きしめる格好になってしまったのは……なんともはや。
 幸い、土管の地面には子供たちが持ち込んだのであろうダンボールが敷き詰めてあり、風もそれほど吹き込まないので寒さも少しはマシだ。下半身丸出しでフェンスを乗り越えてお巡りさんに追いかけられながらストリーキングするするところだったものの、とりあえずのピンチを脱して一息ついたあたしは、あたしの胸へ顔を埋めて震えている男の子へ小さく囁き掛けた。

(もう少しの辛抱だからね)
(………)

 あたしが調子に乗ってエッチしたばっかりに……あまりのスリルに緊張が収まらないのだろう、こちらの問いかけにも答えずに、ただゆっくりと顔を上げ―――

(お姉さん……すごくいい匂いがする……ボク、おチ○チンが痛い、お姉さんとSEXしたい、ダメ? もう一回、ダメ?)

 ―――ダメに決まってるじゃないのよ、この状況でぇぇぇ!!!

 土管の中に静かに木霊する荒い吐息が、寄せられてきた唇からあたしの首筋へ吐きかけられる。

(んぅ………)

 そして男の子があたしに顔を近づけた分だけ身体もずり上がり、見つかれば人生一巻の終わりというこの状況でも雄々しくそそり立った肉棒の先端が先ほどの行為の余韻が溢れ出してきている股間へと押し当てられてくる。

(ふあァ………!)

 大きく膨らんだ亀頭が淫唇を押し開き、膣口へ押し入ろうとすると、背筋にゾクッと甘い震えが駆け上り、ホントは男だなんて思えないほど甘い吐息がこぼれ出る。

(入れて、いいよね? ばれないようにするから、お…お姉さん……!)
(しょ―――)

 しょうがないんだから……そう言ってから受け入れようとしたあたしだったけれど、それよりも早く、男の子のペ○スに潤滑液まみれの膣口を押し開らかれ、膣内に潜り込まれてきた。

(くうっ……〜〜〜〜〜〜!)

 あたしの膣内へ入るのが二度目のおチ○チンなのに、先ほどとは比べ物にならないほど大きくなったように感じてしまう。そんなの気のせいの筈なのに……グチュグチュと結合部から卑猥な音を響かせるように肉棒を押し込まれるたびに先端はあたしの子宮を力強く突き上げ、その一突きごとに頭の中が会館で真っ赤に焼き焦がされていく。

(ま、待って、おねがい……そんなに激しくされたら、気づかれちゃう、聞かれちゃう、ショタっこエッチしてて、ちっさな子にイかされてるのぉ! ダメ、ひぃいいいん! あ、あたしの中で、大きくなって、どくどく脈打ってるゥ! な、なにこれ、奥で、あたし、んぁあああぁぁぁぁ!!!)

 喘ぎそうになる唇を腕で塞イデ声を上げることだけは何とか堪えるけれど、おチ○チンを引きずり出され、圧迫感と共に再度ねじ込まれるたびに頭の中は真っ白になリ、意識もどこかへ飛んでしまいそうだ。
 それなのに男の子は容赦がない。暗闇に包まれた土管の中で弾みそうになる乳房をこね回しながら、乳首を乳輪ごと頬張って激しく吸い立ててくる。肉棒は興奮に比例して凶悪さを増し、イきっぱなしのおマ○コへ一心不乱にねじ込んでくる。
 激しい抽送に意識が揺さぶられ、狭くキツく窄まる蜜壷を力ずくで押し広げられて貫かれるたびに、あたしの腰はダンボールの上で何度も跳ねる。ついには自分から男の子の腰へ脚を絡みつかせ、土管内での異質で窮屈なSEXに夢中で酔いしれていってしまっていた。

『聞こえる、聞こえるわ! まだこの公園にどこかにいるはずよ! ほら、さっさと探しなさいよ、税金ドロボー!』

 土管越しに、おばさんの大声が狭い筒の中に響き渡る。でも、そんなものはもうどうでもいい。
 あたしのおマ○コからは卑猥な蜜音を響かせて滾った煮汁が迸り、発情しきった身体が音を立ててぶつかり合う。
 容赦なくおチ○チンを突き込まれ、狭い子宮の奥にズンズンと亀頭を叩き付けられると、泣き出してしまいそうな顔を淫らに歪め、自分が男であることも忘れて悶え狂ってしまう。

『ん? こっちの方から何か聞こえるような……』

 お巡りさんが近づいてくるけれど、しったことか。キュンキュンと収縮するおマ○コを突き出すように腰を振って、一番深い場所におチ○チンが直撃するたびに絶頂が何度も押し寄せてくる。
 もこれ以上堪え切れない。あたしは律動を限界まで加速させた男の子を引き寄せてその唇を貪ると、彼の腰に回した脚に力を籠め、根元まで咥えこんだおチ○チンが抜け出れないほど強烈にヴァギナを激しく収縮させる。

((―――――――――――――――――――ッッッ!!!))

 子宮口に密着した肉棒から怒涛の勢いで白濁液がぶちまけられる。
 胎内を直撃され、息することすら忘れて全身を硬直させたあたしの意識は真っ白に染まり、ただただザーメンを絞り上げることしか考えられなくなってしまう。
 そして、

『もしかして、この土管の中か?』

 互いに強く抱きしめ合うあたしたちの姿を、おまわりさんの持つ懐中電灯の光が照らしだした―――





 −*−

「すみません、これをもらえますか?」

 帰る途中で男の子と出会ったコンビニに立ち寄ったあたしは、あのスケベな店員の待つレジカウンターにウェットティッシュとエッチな本、それに女性用ショーツを置く。
 二度目の来店で下着を購入し、しかも顔が紅潮するほど身体を火照らせて言うあたしを見つつレジを打つ店員さんだが、ゴクリと大きく喉を鳴らすのを見逃しはしなかった。たぶんイヤラシいことを考えてるんだろうけど……その想像通り、あたしは今ノーブラな上にノーパンだったりする。


 絶頂の最中、おまわりさんの懐中電灯に照らされて見つかったかと思ったけど、

『なにしてんのよォ! あんたがぐずぐずしてるから、あいつらどっか逃げてったわよォ! 早く追いかけなさいよォ!!!』

 と煩いおばさんが喚きたてたので、土管の中を確認せずに離れていったのだ。
 それからオルガズムの余韻に酔いしれながら抱き合っていたあたしと男の子は、公園に誰もいないことを確かめると外に出て、それぞれの帰路に就いたのだった。

 ―――ふふふ♪ すごく気持ちよかったなぁ……ちょっとスリルが満点過ぎたけど、可愛かったしおチ○チンおっきかったし、あんな子になら滅茶苦茶にされちゃうのもいいかな〜♪

 思い返しただけでアソコが疼いてしまう。久しぶりのエッチだったのであたしもかなり感じてしまい、今でも身体の中で快感がくすぶっているほどだ。
 別れ際にエッチな本と一緒にあたしの履いていたパンツを渡し、「我慢できなくなったら…」と携帯電話の番号も教えてあげたんだけど、電話くるだろうか? あたしの下着でオナニーするだろうか? でもオナニーするぐらいなら、今度はベッドの上でじっくりみっちり女の子のことを教えてあげたいな〜などと妄想を膨らませていると、

「お客様……あの、お会計を……」
「あ、すみません。すぐ払います」

 コンビニ店員さんの声に慌てて我に返り、お金を支払う。
 とりあえず妄想するのも興奮するのも家に帰ってからだ。さっきのエッチが呼び水になったのか、肉欲の昂ぶりが収まらなくなってしまい、頭の中は結局イヤラシい事ばかり考えてしまっている。それでも家に帰るまでは我慢しようと雑念を払い、商品を入れられたコンビニ袋へ手を伸ばす。
 すると、コンビニ店員があたしの手をいきなり握りしめてきた。

「お客様、ちょっとバックヤードまで来ていただけませんか?」
「………言っときますけど、万引きなんてしてませんよ?」

 店員の目はあたしを性欲の対象として見ている。もしもお店の裏に連れ込まれれば、店内であることなんてお構いなしに襲われてしまうだろう。
 でも、

「何処であのガキとハメてきたんです? ダメだよぉ、あーゆーガキが手ェ出されたら、おまわりさん呼ばなきゃいけないんでねぇ……股間、シミが出来てますよ? ククク……!」
「………!」

 さっきのSEXを思い出していたせいか、あたしの履いているズボンの股間部は確かに愛液を吸って大きなシミが出来てしまっていた。
 それを慌てて手で隠すけど、既に手遅れだった。

「心配しなくていいですよぉ。ちょっと話を聞かせてもらうだけだから。キミの名前とか電話番号とか、いまパンツ履いてんの……とかさ」
「………わかったわよ。その代わりあの子には」
「わかってるって。それに俺、もうすぐバイト時間終わるから、そしたらさ……うへへ……♪」

 あたしがレジの裏へ回ると、店員は品定めするような視線であたしの身体を嘗め回すように見つめると、こちらの肩を抱いてバックヤードへ入っていく。これからこんなイヤラシそうなやつに、どんな風に身体を弄ばれるのかを考えただけで震えが込みあがってきてしまう。
 それなのに……あたしのアソコはぐちゅりと粘つく音を響かせ、股間のシミがさらに大きくなってしまう。そんな自分の節操のなさに、店員に気づかれないように溜息を洩らしながら、あたしは言われるがままに服を脱いでいく………



 結局、おまわりさんのご厄介にこそならなかったものの、男の部屋にまで連れ込まれて徹夜SEXまでさせられた。
 そして目を覚ましたのはレポート提出期限ギリギリ。慌てたあたしは引き止める男を蹴り飛ばし、慌てて家と学園へ走る羽目になってしまった。

 ―――やっぱり恋人作ろうかな……

 不特定の相手と関係を持つと問題が起きやすいと身に染みた。
 でも結局トラブルに巻き込まれて不特定多数とエッチしてしまうあたしに、特定の彼氏を作るのは難しいだろうと諦めたのだった……


61 - XCミニ小説「三十路たくや「秋の小旅行・(1)紅葉狩り篇」」へ