プログラム57「一時の安息」


 プログラム57 久しぶりの会話 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 「ふゅぅぅ・・・はぁぁぁ・・・」  二人とも荒くなった息を整えている。それもそのはずだ、何しろあれから10回以 上続けてイったんだ、無理もない。しかも、その殆どがさやかのリードによるものだ から、俺もさすがに驚いた。 「いやいや、思った以上に気に入って頂いたようですね? さやかお嬢様」 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」  さやかは視線を背けるように下を向いたままだ。 「かすみお嬢様、如何でしたか? さやかお嬢様の腰使いは?」 「えぅ・・・その、何ていうか、激しかったなり」  だろうな。見ている俺が呆れる位激しかったからな。 「しかし驚きましたねぇ。普段の調教でもあそこまで積極的にならないさやかお嬢様 が、まさかここまで乱れるとは・・・。ひょっとするとさやかお嬢様には元来、レズ の気があったのかもしれませんねぇ?」 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」  俺の言葉を聞いても、なおも俯くさやか。自分自身の行動に怯えているのだろう、 屈辱に身体を震わせてるのが一目で解る。 「くくく、しかしまだまだこれからですよ」 「え・・・?」 「ふぇぇ? ひょっとして全部するのぉ?」 「当然でしょう? ここまでくれば」 「うゆぅ・・・」  かすみの方はさすがに解っているようだ。ここまですれば後は何をするのかを。 「では、早速持ってきますので少々お待ちください」  そう言って俺は部屋を出て行く。 「さて、俺がいない間、どんな会話をしているか・・・まぁ、1週間ぶりの再会だか らな、楽しみだ」  そう言いながら、部屋の盗聴器の具合を確かめるように受信機を調整する。 「さて、例のものを取りに行くか」  受信機のイヤホンを耳に付け、調教器具の置いてある部屋へと歩を進めた。 「かすみ・・・ゴメンね。あんなに激しくして」 「うゆぅ? 別にいいよ、いつもされてるし」 「・・・・・」 「・・・・・」  二人の間に沈黙が走る。何を話していいのか解らないんだろう。 「ねぇ、お姉ちゃん」 「ん? なに?」  かすみが徐に話し掛ける。 「私たち、これからどうなっちゃうんだろ?」 「どう・・・なるのかしらね?」  力ない声で答えるさやか。まぁ、さやかの方は散々、俺が言ってきたから解ってい るんだろう。自分の末路が。 「ねぇ、お姉ちゃん。今なら逃げれるかな?」 「無駄よ・・・」 「ほえ?」 「扉・・・開けてみなさい」 「う・・・うん」  ガチャッ・・・ガチャガチャガチャ・・・ 「あ・・・り・・・?」 「解った?」 「う・・・うん」  そう、部屋には指紋及び隔膜認知式オートロックが施されている。つまり、この俺 といずみ、そして一部の人間しか出入りできない仕組みになっている。 「でも、何で知ってるの?」 「何度も・・・試したから・・・」  そう、さやかは隙あるごとに脱走を図った。無駄だと知りながら。 「そうなんだ」 「かすみは・・・逃げようとしなかったの?」 「え? 私? あははは・・・、何ていうか、そおん、お姉さまが優しかったから」 「そう・・・」  ・・・いずみよ、まさか甘やかし過ぎたんじゃないだろうな? 「一体・・・いつまでここにいればいいのかな?」 「下萄さんは・・・期限が短いからとか言ってたけど」 「うゆぅ、そろそろ外に出たいなり」  それっきり二人は黙り込んだ・・・ 「さて、そろそろ部屋に入りましょうかね」  二人の会話を、俺は扉の前でずっと聞いていた。もちろん、道具はちゃんと持って きてある。  ガチャッ・・・ギィィィィ・・・ 「二人とも、久しぶりの再会に談話は盛り上がりましたか?」 「・・・・・」 「むぅ・・・どうなんだろ?」 「おやおや、その様子ですと、久しぶりだから緊張したという所ですかね?」  まぁ、何を話していたか知っているがな。 「まぁ、それよりも、次に進みましょう」 「・・・はい」 「むぅ・・・」 「次はコレを使って楽しんで頂きます」  そう言って二人の目の前に取ってきたモノを出す。 「これって?」 「あぅぅ、やっぱし」  俺が二人の前に出したもの、それはレズ専用の双頭バイブだった・・・


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