「真夜中の図書室」作品

祭りの夜  第2回

(2)

コージこと、茶谷紘志は、輪島金属加工の工場長である。
小さな町工場だ。
社長の輪島修斗も、時間があれば現場の作業に加わる。
しかし、営業活動をひとりで背負っている社長にかわって、工場を仕切るのが紘志の役目である。
一日の段取りが終わった報告に、社長室に上がっていく。
工場の2階が、社長室と事務部門だ。
「段取り終わりました。欠勤は、ミチオとケンタ、久慈のおばちゃんと...」
「ごくろうさん」
今日も夏の青空が広がっている。
「おサネさまの、夏祭りの件だけどな、工場長」
そうか...もうすぐ実崎神社の夏祭りだ。そういえば、子供たちが神輿の稽古、やってたな。
夕方になると、神社の境内から、かねや太鼓や、にぎやかな音が聞こえてくる。
「寄付はいつものとおりにしておいた。あと、人手だが」
「みんな楽しみにしてますよ」
「そか」
「顔ぶれ、確かめときます」
「まかせる」
事務の赤座映美が入ってくる。
きわどい格好だ。
真っ赤なポリエステルのブラウスが、からだに張り付いている。
その下には、黒いブラジャー。
乳首のとんがりが、ブラウスのうえからはっきりわかる。
白のミニのタイトスカートは、腰にへばりついている。
黒パンティが透けてやがる...
スケベ社長が...

藤武信用金庫の営業、やっさんこと長岡安雄が輪島金属加工に立ち寄ったとき、社長は若手工員に技術
指導の最中だった。
商店街の組合長にさんざいやみを言われてクサっている。
「ちょっと、休ませてよ、映美ちゃん」
社長室のくたびれた黄色いソファに腰を下ろす。
テーブルの上には、ゴルフボールほどの金属球がのっている。
手にとって玩んでいるときに、映美が麦茶を持って入ってくる。
「すまんねえ、映美ちゃん」
映美が屈んでテーブルに麦茶を置くその足元の後ろをめがけて、長岡は球を転がした。
「ああ、すまん」
立ち上がろうともしない。
映美は、球を拾い上げようと、屈む。
拍子に、スカートの奥が、丸見えになる。
スケベ社長が...
映美は、クロッチレスのすけすけパンティをはいている。
陰毛も、割れ目も、丸見えだ。
「映美ちゃん...昨夜のこと、社長、何か言ってた?」
映美が、怪訝そうな顔をする。
「ほら、ホテル...」
緒実川沿いのホテル街で、女連れのところを鉢合わせしたのだった。
「まる花ストアのひと?」
「映美ちゃん、あいつのこと、知ってるの?」
「あそこ、買い物に行くから」
「社長、なんて?」
......この女、すけべな目、してるぜ
映美の潤んだような目をじっと見詰める。
「あのひと、結婚してるんでしょ?」
「あ、ああ...」
「ダブル不倫だな、って」
「ま、マイったなあ...」
「麦茶、おかわりしますか?」
「あ、ああ...いや、いいよ...また、来るよ」

あゆは、シンが出掛けにくれた金でポシェットを買ってしまった。
商店街の途中で、店先に吊るしてあった、特価品のポシェットが、どうしても欲しくなったのだ。
ゴムを買えって、さんざ言われていたのだが、我慢できなかった。
......ハマサキが持ってそうなんだもん
あゆは、ハマサキの大ファンだ。
化粧も、着るものも、髪形も、真似ている。
「今日こそ、ちゃんと買うんだぞ。買っとかなかったら、ぶん殴るからな!」
お金を使ってしまった後で、シンの声を思い出す。
まる花ストアに入る。
それは、生理用品のそばに積んである。
あゆは、左右を見回すと、コンドームを一箱、すばやくポシェットに押し込んだ。
店を出たところで、後ろから呼び止められる。
「お客さん...」
事務所の奥、ロッカーで仕切られた、窓もない、狭い場所。
警備係のおばさんのきつい声が、まるでどこか遠くで吼える犬の声みたいだ。
おばさんが、警察に電話するから、と受話器を取り上げたところに、男が入ってきた。
おばさんは、男を「主任さん」と呼んだ。
「オレがかわるよ」
おばさんは、いやらしい笑みを浮かべて、出て行った。
「警察に、連れて行くから。立ちな」
あゆは、じっと座っている。
「立てって言ってるんだよ! この野郎っ! ナメんじゃねえよっ!」
男が腕を振り上げたとき、殴られるのかと、あゆは震え上がる。
あゆを乗せた車は、実崎神社裏手の、小道に入り込んで、止まった。
「どうする?」
運転席の男は、前方を見たままたずねた。
どうって?
「警察に行くか、行かないか、おまえ、決めな」
「警察なんか、やだよぉ」
「だろうな」
「......」
「行かなくても、いい」
「どういうこと?」
「わかるだろ。ガキじゃあるまいし」
「......」
「どっちにする?」
「主任さん」は、助手席のリクライニングを倒す。
「脱ぎな」
Tシャツを脱ごうとするあゆ。
「パンティ脱ぐだけでいいんだよ」
男は、ズボンと下着をひざまで下げると、あゆに覆いかぶさる。
シートがきしみ、車が上下に揺れる。
.........
男は、あゆを車から追い出す。
「これ」
コンドームを差し出すあゆに、「やるよ」といって、走り去った。

日曜日、午後遅く。
コージは、パチンコ屋から出たところで、自転車に乗った女にぶつかりそうになる。
「あぶねえなあ」
怒鳴りつけた相手の顔は、知り合いだった。
「あんた、お隣の奥さん」
「あ、茶谷さん」
「仕事帰り?」
「はい」
「今夜、ダンナさん、帰ってくるの?」
「いえ」
「どっか、お茶でも飲まない?」

「奥さん、いいの?」
「ああ、遅くなるって電話したところだ」
緒実川沿いのラブホテル。
コージは、さをりを連れ込んだ。
パチンコで稼いで、懐具合はいい。
さをりがシャワーを浴びているあいだに、よしえに遅くなると電話して、パンツ一枚になって、ビール
の缶を開けたところだ。
バスタオルを巻いたさをりが浴室から出てくる。
「こっち、こいや」
抱き寄せるなり、バスタオルを剥ぎ取る。
押し倒し、乳房を揉みながら唇を吸う。
思ったとおり、敏感な女だ。
......ゆうべは、ダンナがいなくてさびしい思いをしただろうから
......気持ちよくしてやるよ
コージの指の動きに、さをりは敏感に反応する。
......いい顔、するじゃねえか
指先が乳房から腹へ、そして股のあいだに滑り込んだとき、そこはすでにたっぷり蜜があふれかえって
いた。
腕の中で、小動物のようにくんくん泣き声を出している。
包皮がめくれ上がってむき出しになったクリトリスに触れただけで、さをりは激しく痙攣した。
両足に割って入る。
「ゴム、つけて」
「出すときで、いいだろ?」
「うん...ゴメンね、いま、危ないから」

「もういっこ、して」
ゴムを始末したコージに、さをりは甘えた声で言う。
「ああ」
「うふ」
「ちんぽ、舐めてくれや」
「うん」
さをりは、からだを起こし、コージの股間に顔を近づける。
「あっ」
「いぼいぼちんぽさ」
「どうしたの?」
「気持ち、悪いか?」
「う...ううん」
「いぼじゃねえよ。心配するな。パール埋め込んでるんだ」
「パール?」
「真珠の珠をちんぽに埋め込んであるんだよ」
「なんか、ごつごつしたと思った」
「舐めな」
さをりは、ぐりぐりが5箇所あるいびつな肉棒をくわえ込んだ。
「うまいなあ」
黙って、しゃぶり続ける。
「フェラも、おマンコも」
チラッと、コージを見る。
コージは、回復している。
この女となら、もう2つ3つはやれそうだ。
「ねえ、上にのっていい?」
「ああ」
コージの腰の上で、さをりは淫らな大声を上げながらいきまくり
突っ伏してきたところを体位を入れ替え、
噴出す精液をさをりの腹から胸に浴びせかけた。
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