第十章「水賊」08


「生存者発見! だがモンスターに囚われている。至急、隊長と美里殿に報告を!」
 狭い室内を震わせる大きな声……それが気を失っていた綾乃を少しだけ目覚めさせる。
 ………ここは……私は…そう、先輩を…河の中に落ちた先輩を捜して………
 全身を侵す冷たさと疲労。鉛のように重い目蓋をわずかにだが開けると、暗闇にいくつかの明かりが見
える。それが誰かが手にしたカンテラの灯かりだと知ると助かった事への安堵感が込み上げる……同時に
たくやがこの場にいないことへの喪失感と焦燥感とが綾乃の胸を締め上げた。
 ………先輩が…見つからなくて……それで私、船の中へ………
 身じろぎして、自分の体がある事を、嵐の中でずっと頑張って泳ぎ続けてくれたプラズマタートルの背
中の槍のような錘状の突起の隙間に体を横たえている事を確認する。
 何か喋ろうと思っても、口から出るのは誰に聞こえるのかと疑問に思うほどの小さなうめき声だけ。そ
れでも、意識の底に沈んでいた記憶を思い出すほどに、こうしてここにいてはいけないと、たくやを助け
にいかなければと言う想いが、疲れ果てた綾乃を突き動かそうとする。
 ………あの人たちが逃げて…舞子さんも一緒に連れて行かれて……それを…先輩に伝えないと……
 綾乃が今いる船の中―――と言っても、浸水して腰の高さまで水が入り込んできてはいるが、船の最下
層には何もなかった。
 本来、船底には荷物やバラストと呼ばれる重り代わりの石や砂、砂利などを大量に積み込んで喫水線を
下げなければならない。木造船本来の重量だけでは水に浮きすぎてしまい操舵が困難になるため、船の安
定を保つ為にわざと重いものを積み込むのである。
 ところが、今の船底には何もない。錨泊していたものの、風にあおられて切り立った崖に船体はぶつか
り、船の底は大きな岩に乗り上げて座礁してしまっているが、だからと言って荷物やバラストが全て流さ
れてしまうはずがない。
 ………ここにあった船で……みんな逃げ出して……
 力を失い再びまぶたを閉じようとする瞳。綾乃は最後に目を凝らすと、水の流れ込んでくる壁の大穴へ
と目を向ける。
 岩に乗り上げた箇所から浸水しているのではない。船底に隠していた小船を出すため、魔法によって大
きく抉り取られた壁面。そこから出て行く水賊たちを綾乃は暗闇の中で遠目に目撃し、そして自分もまた
、その穴を利用して風と雨の吹き込まない船の中へと避難したのだ。
 ………だけど……先輩は……舞子さんは……
 星明りも頼りに出来ない真夜中の嵐の中で、水の中に落ちた人間を見つけ出すのは至難の業だ。見つけ
られなくても、それは綾乃の責任ではない。……それでも、
「先輩を……助けなくちゃ……」
 力を振り絞り、自分につぶやく。
 もう指一本動かす力も残っていないのに、仲間と……足手まといにしかならない自分を、そう呼んで連
れてくれているたくやを助ける事を、意識をなくしても忘れないように深く記憶に刻みつける。
 ―――と、
「構いませんわよ。あなたがそう望むのなら、私が力を貸して差し上げますわ」
 最後に、冷え切った手指を包み込む暖かい感触を握り返しながら、綾乃の意識はぷっつりと切れ落ちた
―――





 商船としても利用されていただけあって、船長室は通常の船室と比べてかなり広い。壁には棚が作りつ
けられており、床の大部分を占拠するように豪奢なつくりのダブルベッドが一つ鎮座している。……それ
がどのようなことに使われていたベッドなのかは、船が座礁した際の衝撃で床に散乱した物の中に転がっ
ているいくつかの淫具が物語っている。
「フンッ……少々男くさいですけれど、好都合ですわ」
 綾乃を見つけてすぐに、共に行動してきた男たち――王の命により派遣されてアマノの街に来ていた国
軍の騎士――に、使えそうな部屋を探させた美里は、皮肉混じりの言葉とは裏腹に顔には淫靡な笑みを浮
かべて船長室へ足を踏み入れた。
 その後ろにメガネをかけた女性魔道師が続く。美里のパートナーでもある恵子は仕方ないと言った様子
で部屋の扉を閉めると、ベッドへ横たえられた綾乃のかたわらに歩み寄り、懐から取り出した聖印の刻ま
れた首飾りを指に絡めて苦しそうに凍えている綾乃の眉間に寄せた。
「―――キープウォーマー」
 まずは保温の魔法をかけ、
「―――リカバー」
 続いて体力回復の魔法をかける。すると急に体が温まり始めたショックで小さく震えた直後から綾乃の
呼吸は次第に落ち着きを見せ始める。
「これでしばらくは持つと思いますけど、体が冷えすぎてます。やっぱり……しちゃうんですか?」
 長い時間を一緒に過ごすパートナーだからこそ、美里がこう言うときにどういう行動を取るかをよく知
っている。美里は決して常識を知らない人間ではないが、性格は自己中心的。自分が決めた事をそう簡単
に曲げるような人物ではない。
 それに今回は、綾乃が気を失っているというのも恵子をためらわせた。本人の同意が得られているのな
ら恵子とて納得するのだが、これではまるで夜這いかレイプか性犯罪だ。
「恵子、今すぐ室内に結界を張りなさい。外の男たちには誰一人として除かせたり踏み入れさせたりさせ
ないようにね」
 やっぱり予想通り……わかっていたこととは言え、凍えた体を震わせている綾乃へ罪悪感を感じて、思
わずため息を突いてしまう。
「まあ、お姉様が私に言われてやめる人じゃないって分かってましたから、それはいいんですけど……こ
の子はどうします?」
 室内のコートかけに嵐に晒されてずぶ濡れになった雨具を引っ掛け、ランプに火をつけた代わりにメイ
ジスタッフに灯していた光を消すと、恵子は年齢よりも少し幼く見える可愛らしい顔に少し困った笑みを
浮かべて自分の足元を指差した。
「………………」
 どこをどう付いて来たのか、そこにはたくやが綾乃の護衛につけたゴブアサシンが立っていた。綾乃を
抱えてこの部屋に着くまでにはどこにもいなかったのだが、音も立てずにいつの間にか室内に入り込んで
いて、今の今まで恵子も美里も、そこにゴブアサシンがいることに気付いていなかった。
 ゴブアサシンがモンスターである事には二人も気付いている。けれど気を失っている綾乃をかばってい
たり、綾乃を助ける事を説明すると抵抗をやめたりと、状況判断のできる知性と主人への忠誠を示してい
る事から、美里は特に敵視する事もなく気にかけていなかった。―――が、
「邪魔。部屋の外に出しなさい」
 それとこれとは話が別。レザーアーマーをはずした美里は体重などないに等しいゴブアサシンの首根っ
こを摘んで持ち上げると、ポイッと部屋の外に放り出して扉を閉めた。
「あ〜あ、かわいそ。ごめんね……すぐに終わらせるから、ちょっと待っててね」
「すぐには終わりませんわ。この船で一晩過ごして嵐がやんでから水賊追撃だから、ゆっくり楽しませて
もらうわよ」
 扉の外にいるゴブアサシンへ向けた恵子の気遣いを、美里がきっぱりと否定する。そして女三人だけと
なった室内で襟元に手を掛けると、ためらう事無くチャイナドレス風のワンピースを床に脱ぎ落とした。
「もう……お姉様、気が早すぎですよ。夕食も食べてないのに……」
 野営するのなら食事の用意もあるのだろうが……それでも恵子は、自分のパートナーである金髪の美女
の裸体を前にして、頬を赤く火照らせた。
 冒険者……特の戦士をしている女性と言うのは一般的にゴリラのようなイメージが付きまとう。しかし
美里の全裸の姿には、どこにもそんな印象は当てはまりはしない。
 剣を手に生きる家業でありながら、その白い肌には傷一つ見当たらず、すらりと引き締まったボディー
ラインは白磁のように滑らかで、魅惑的なまでに美しかった。スレンダーな体つきではあるものの、バス
トもヒップも決して貧弱ではなく、見事なまでに張り出している。完璧なまでに均整の取れた艶のある姿
を見て誰が冒険者などをしていると思うだろう。背中を覆う長い髪の毛を掻き揚げれば、金色の輝く髪が
蜂蜜のように零れ落ち、その姿は都の美姫にも貴族の姫にも決して引けをとりはしない気品を漂わせる。
「お姉様……きれい………」
 見るもの全てを魅了する美しさに、普段から目にする機会のある恵子ですら知らず知らずの内に感嘆の
吐息が零し、これからのことを想像しただけで太股をすり合わせてしまう。そんな自分の仕草に赤くなっ
た頬に片手を、もう片方の手をローブの上から股間にあてがうと、恵子もまた、“お姉様”と慕う美里の
目の前で服を脱いでいく。
 恵子の裸は何と言っても、その胸に目が行ってしまう。形も当然整っているのだが、美里よりも身長は
少し低いのに、豊満なバストは両手でも掴みきれないほどのボリュームがある。下着をはずせばムッチリ
とした膨らみがプルンと弾み、そんな自分の裸体に美里の視線を感じるや否や、火照った肌がパァ…と桜
のような色に染め上げられていく。
 触れれば吸い付くような肌触り。そして男なら誰しも顔をうずめたくなるような深い谷間。本人は大き
すぎると意識しているようだが、決して太っているわけではない。きちんと括れたウエストと肩の高さで
切りそろえられた髪の毛、そしてあどけなさと純情さを際立たせる大きな黒ぶちメガネとの全てが、恵子
の立派過ぎる乳房の魅力を引き出し過ぎており、美里を前にしても引けをとらない扇情的な魅力をかもし
出している。
「じゃあ……彼女の服も脱がせましょうね」
 ショーツまで脱ぎ去り、美里同様一糸まとわぬ姿となった恵子は、キラキラとランプの明かりを反射す
る股間を隠したくなるのを必死に我慢し、ベッドの上へ四つんばいになって上がると綾乃の衣服へ手を掛
ける。
「あら? 恵子、私の獲物を先に味見してしまうつもりなの?」
「いえいえそんな。お姉さまの為に温めておいて差し上げようと思ってるだけですよ♪」
 その言葉に楽しげな表情を浮かべると、美里は床に転がっていたディルドーを一つ拾い上げ、綾乃に覆
いかぶさっている恵子の背後へと回る。
「やん♪ 覗き込まないでくださいよぉ……」
 美里の視線が湿り気を帯びている自分の秘所に向いていることに築いた恵子は、胸に負けず劣らずボリ
ュームのあるヒップを右へ左へくねらせる。目の前でいやらしくくねる腰の動きを美里は目で追い、舌な
めずりしながら左手を伸ばす。
「んゥ………!」
「もうこんなに濡らして……恵子も期待しているじゃない」
 手の平いっぱいに恵子のヒップの感触を味わいながら、美里は手にしたディルドーを股間の縦筋に沿っ
て滑らせる。紙を幾重にも張り重ね、男性器の形を模した張り型は、男性のペ○スそっくりのカリ首と太
く逞しい肉茎部分とで恵子の割れ目をなぞり、ひねりを加えられれば割り、上へ力を加えられれば容赦な
く押し上げる。
 挿入するつもりはないものの、恵子が服を脱がせている間、美里の手にしたバイブは敏感な場所を的確
に擦り上げる。恵子はヘアバンドで上げている長い前髪を跳ね上げるように美里の動かすディルドーへ反
応しながら、気を失った綾乃の肌に熱を帯びた吐息を幾度となく吹きかけてしまう。
「お…お姉様の意地悪ぅ……もうちょっと待っててくださいよぉ……」
 すっかり蜜が糸を引き始めた秘所を揺すり、恵子が興奮と非難とが交じり合った声で美里に呼びかける
。けれど美里はそれには答えず、口元に笑みをたたえたままディルドーを恵子の膣口へ垂直にあてがうと
、ヒクヒク蠢くヴァギナの入り口へズブッと先端だけを埋没させた。
「くぁあんッ!!!」
 大きく膨れ上がった先端が恵子の柔らかい膣粘膜へ押し込むと、円を描くようにディルドーの柄尻を回
し、卑猥な音を広い船室の隅々にまで響かせる。腕に力の入らなくなった恵子が下着姿にされた綾乃の上
に覆いかぶさり、その豊満な乳房を擦り付けると、思いもよらない冷たさが敏感な乳首から全身に行き渡
っている神経を駆け巡ってしまう。
「ふゥん……ッ!!!」
 全身から汗と共にムワッとメスの香りを漂わせる恵子の姿に、次第に美里の仲の陵辱したいという欲求
が昂ぶっていく。閉じ合わせた太股に伝う自身の愛液を指ですくい、唇へ運んでコクッと飲み下すと、そ
の指で下腹部をなで上げながら恵子の背中に圧し掛かる。
「そろそろ欲しくなってきたのではなくて?」
「は…はうゥ……今は…この子の方を……はぁあああぁぁぁ……!」
 美里がディルドーから手を離すと、ギュッと収縮した恵子の膣口が重力に従って抜け落ちようとする張
り型のカリ首を締め上げる。
「や……もっと…もっと奥まで入れて…お姉様ぁ………!」
 中途半端に挿入されたままの異物は力を込められた恵子の股間にぶら下がり、体を揺らすたびに一瞬た
りとも締め付けを緩められないヴァギナの入り口を刺激する。次第に体の震えを大きくしていく恵子の手
は綾乃の服を脱がせられなくなり、年下の少女の上へ崩れ落ちると、意識のない唇に自分の唇を絡めあわ
せ、汗のにじんだ豊乳をギュッギュッと押し付ける。
「恵子、ダメじゃない。私より先に味見はしないと誓ったのではなくて?」
「だって、お姉様が意地悪するから! 入れるなら…ちゃんと入れてェ………!」
 手入れの行き届いた艶のある前髪を揺らしながらねだる恵子の様子に満足のいった美里は、ぶら下がっ
たままのディルドーへ指を絡みつかせると……そのままズボッと引き抜き、床へ投げ捨ててしまう。
「ひ…ひどい……せっかく盛り上がってきてたのにぃ……」
「当たり前でしょう。今日は私たちだけではないのだから」
「ぷうぅ。お姉様の意地悪」
 少しむくれた顔で美里を非難すると、恵子は再び手を動かして手際よく綾乃の濡れた服を脱がせていく
。そして下着の一枚に至るまで脱がし終え、細身ながらきめの細かい肌をした美しい裸身を露わにすると
、自分は体の向きを入れ替えて顔を綾乃の股間へ寄せ、美里は綾乃の冷え切っている体を背中から抱きか
かえ、手の平に収まってしまう小ぶりな乳房を両手で揉み上げる。
「んッ………」
「この子、かわいらしい顔をして意外に敏感ね。意識がないのに、こんなにかわいらしい声を上げて……

「ハッ……あ…は………」
 恵子に比べれば無いに等しい膨らみを包む込むように揉みしだきながら、美里のしたが綾乃のうなじを
這い回る。経験が少ないとは言え、たくややギルドマスターに性感帯を開発されてしまっている綾乃は、
寒さからくるものではない震えに身をよじらせると、鼻にかかる甘い声を漏らし始める。
 ―――だが、
「ダ…メ……せん…ぱい……わ、わたし……ん…ぁぁぁ………」
 ここにはいないたくやを呼んだ事が、綾乃を腕の中に収めている美里の神経を少しだけ逆なでした。
「この子、好きな人がいるのかしら……でもまあいいわ。すぐに私のことしか考えられなくしてあげるか
ら……」
「んっ…ふぅ………!」
 暖かくて柔らかく、いい匂いのする美里の腕の中……次第に乳房への愛撫は激しくなり、小さな乳首を
ひねり上げられ、ビクッと小柄な体を震わせる。
 その様子を肌越しに感じた恵子は、慕う美里を援護するとばかりに、豊満な乳房の谷間に綾乃のほっそ
りとした脚を挟みこんで体を滑らせる。体全体で冷たくなっている綾乃の体を温めているはずなのだが、
体をすら度させるのにあわせて膝からふくらはぎへ舌と唇を滑らせ、指の一本一本に至るまで口に含んで
舐めしゃぶる。
「んっ…はぁ……あむッ……」
 艶かましい吐息をこぼしながら綾乃の足の隅々にまで刺激を与えると、恵子は体をずらしてもう片方の
足へと乗り換える。今度は体を起こし、自分の太股の間へ綾乃の足を挟み込むと、既に蕩けるほど濡れそ
ぼっていた自分に恥丘をこすり付け、白く透き通るような肌の上にネットリとした愛液を塗り広げていく

「はぁん…♪ ちょっと冷たいのが…気持ちいい…かも……♪」
 割れ目が押し開かれるほど自分の股間を押し付け、滑らせた恵子は、自分の胸の谷間へたっぷりと唾液
を滴らせてから体を前へ倒す。女性なら誰しも感じてしまうクリトリスを淫らな腰の動きで綾乃の太股に
すり付けながら、よだれまみれになっている乳房の間へ綾乃の爪先を挟み込むと、グチュグチュと卑猥な
音を響かせて扱き上げる。クリトリスがよじれるたびに膣から甘い蜜が溢れ、まるで匂い付けをするみた
いにたっぷりと綾乃の太股へ蜜を塗り広げる。
「ぁん、あんゥ、お姉様、まだ、ダメですか? 一回ぐらいイかせて欲しいですよォ……」
「もう……しょうがない娘ね」
 悩ましい喘ぎを漏らしながら綾乃の脚へこすり付けていた腰を浮かせた恵子は、美里の許しの言葉を得
るとあどけない顔に満面の笑みを浮かべ、濡れそぼった自分の秘所を見せ付けるように大きく足を上げて
身体を仰向けに反転させる。そして今まで絡みついていた綾乃の脚を少し持ち上げ、膝の下へ自分の片脚
をもぐりこませると、綾乃と自分の秘所が向かい合う位置に腰を落ち着ける。
「じゃあこの娘は、私が先に味見しちゃいますね…♪」
 そう言うと、恵子の笑みが喜びのものから獲物に狙いを定めた淫蕩なものへと変化する。
 ―――濡れてますね。
 ランプの灯かりに照らされた股間には肌とは異なる愛液の輝きがある。意識を失っていても感じている
ことに満足そうに唇を歪ませた恵子は、自分の恥丘を前へと突き出し、綾乃の足を取りながらお互いの秘
所を触れ合わせる。
「はぁ…あぁぁぁ……♪」
「んぁ………!」
 恵子と綾乃とでは濡れ具合は異なるものの、粘膜が絡み合ってしまえばそんな事は関係ない。下の割れ
目でディープな口付けを交わした恵子は首をのけぞらせて90センチを肥える丸々とした乳房を震わせる
と、腰を蠢かせてバネのように股間を突き出し続ける。
「はぁ…んぁ……あ……あぁ………」
 恵子の腰の動きが加速度的に激しくなっていくと、意識を失っている綾乃の唇からもれる喘ぎ声も次第
に熱を帯びていく。加えて二人が秘所を擦り合わせ始めたのにあわせ、美里も金色の髪を揺らして綾乃の
首筋にキスの雨を降らせ、小ぶりな膨らみを同性だからこそ知っている手わざで執拗に揉みしだく。赤く
膨れ上がり鋭敏になった肌に指先が食い込むたびに綾乃の眉根にシワがより、そのたびに恵子へ伝わるほ
どの大きな震えが綾乃の体を駆け巡り、密着している場所に愛液を弾けさせる。
「ダメ……せんぱ…あっ…あァ、だめ、そんな、んぁあぁ………!」
 生暖かい粘液に包まれたクリトリス同士が擦れ合えば、黙って眠っていられるはずもない。うっすらと
目蓋を開くものの、回復しきれない疲労で意識が朦朧としたまま、蜜にまみれた秘所を擦り付けるように
腰をくねらせ、湿った呼吸を徐々に乱れさせていく。
「せ…セン…パイ……やァ……わからなく…なっちゃう……ダメです…わたし……くぁあぁぁぁ……!」
 よじれあう陰唇の間で卑猥な音を響かせている淫汁が綾乃と恵子のアナルへと伝い落ちていく。次第に
高ぶりが増してきた恵子は綾乃の足を掴む手に力を込め、より強く恥丘を突き出し、片手を後ろについて
硬く張り詰めた乳房を天井へ向けてブルンと震わせる。
「ああぁ…あ、あフゥ……! この娘……自分から動いて……んふァ!」
 と、不意に恵子がノドを震わせ、甲高い声で鳴き始める。綾乃の乳房を存分に揉みしだき、先端の突起
を親指でグリグリとひねっていた美里もそれには一瞬あっけに取られるが、ベッドの上でもパートナーの
恵子がガクガク体を震わせながら股間から飛沫を上げ始めたのを知ると、
「おもしろそうね……」
 そう言い、粘着質な音を休む事無く響かせる秘所の擦れあう場所へ手を差し入れ、硬く膨れ上がった恵
子のクリトリスを強くつまみあげた。
「あッ、そん、な、あ、あああああッ!」
 あわせ貝でアクメを迎える直前だった恵子は突然のクリ責めに耐え切れず、汗にまみれた裸体をベッド
へ仰向けに倒れこませると、股をXの字に開き、つま先をビィンと伸ばして股間から白い液体を勢いよく
噴き上げた。シーツを掻き毟り、生汗の浮いた裸身をくねらせながら綾乃の体へ向けてプクッと膨れ上が
った出口から放物線を描くように白く濁った体液を噴出してしまう。
「そんなに気持ちよかったの? こんな娘の腰使いが」
 軽くとは言えアクメを迎えた恵子は、ベッドに横たわったままなかなか起き上がってこようとしない。
それを別に咎めるでもなく、綾乃の細みの身体を抱きしめた美里はそのままベッドに倒れ込み、自分のク
リトリスの周辺を撫で上げる。
「だったら恵子を満足させたご褒美を上げなくちゃね」
 そして口の中で呪文を唱える。
「……メイク・ディルドー」
 魔法が完成した途端、美里の下腹部から透明な突起が伸び上がり、撫でていた手の平を押し返す。
 男性器を模した魔力の塊はカリ首も袋も熱も、さらには目に滅入る輪郭も無く色さえない。ただ魔法障
壁のように形が存在しているだけであるが、その大きさと硬さは十二分に立派で、女性の秘所を貫くこと
も可能だ。
 見えない分、美里の外見を娘縄ない魔法で生み出したディルドーを愛おしく手の中で撫で回す。今まで
これで泣かせてきた女性も数多く、恵子も元はその中の一人だった。そして今、美里は目蓋をうっすらと
開いたまま完全には目覚めない綾乃の脚を広げさせ、赤く腫れ上がった乳首を口に含みながら側位で挿入
しようと試みる。
「今から……たっぷりと犯してあげる。あなたの先輩なんて目に入らなくなるぐらいに……」
 そして濡れそぼった秘所をまさぐりヒクつく膣口へ先端をあてがうと、グチャリと音を響かせ、綾乃の
秘所を透明な魔力の塊で押し広げた。


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