第2話その4


「はい……もしもし…?」  体の震えが声に出そうになるのを何とか押さえこみ、恐る恐る受話器の向こうに呼び掛ける。  一体誰が……一日中やましい事をしていた後ろめたさもあり、あれこれと悲惨と言うか淫らと言うか最悪の状 況の想像をしながら返事が返ってくるのを息を呑んで待つ。  が、要らない心配を吹き飛ばすかのように、あたしの耳を貫いたのは少し怒気のこもっている聞きなれた声だ った。 『あ、やっと出た。いるんだったらさっさと出なさいよね、何分待たせるつもりよ』 「あ…明日香かぁ……はぁぁ……」  人を…人をこれだけ不安にさせといて……なんだか一気に疲れが出ちゃった……  元々、オナニーのし過ぎで足元がおぼつかなかったあたしは、気が緩むと立ってさえいられなくなる。ガクッ と膝が折れると廊下の上にヘナヘナと力無く座り込んでしまった。 「「かぁ」ってなによ、「かぁ」って! オジさんたちが旅行に行ってるから心配して電話をかけてあげたって言う のに」 「あ…ごめんごめん。ちょっと一人でいると心細くって、こんな時間に掛けてくるから誰だろうって思って。あ は、あはははは…♪」 『……どうせ、誰もいないからご飯も食べずにぐーすか寝てたんでしょ。まったく…すぐにそうやって怠けるん だから』  おしい。ご飯を食べてないって言うところは当たってる。そう言えばお腹空いたけど……ご飯作る気力も無い なぁ…… 「あ、あのさ…よかったら後で――一時間ぐらいしたら、ご飯を……」 「あ、それがダメなの。私もそうしようと思ってたんだけど、急に親戚のオバさんたちがきて……うちの家系っ て女が強くて、そっちに行けそうも無いのよ」 「そうなんだ……」  ちょっと残念だなぁ……まぁ、急いで掃除しなくてもいいから……  出きればこのまま眠っても良いかなと思ってしまったあたしは、明日香が来れないというのを聞いて寂しい反 面少し安心してしまい、握り締めた手をそのまま胸に押し当てる。と――  ピチャ…… 「うっ……」  ……やっちゃった……手に…タオルを持ったままだった……  あたしの意識は明日香の声が聞こえる受話器に集中していた。おかげで、さっき床を吹いて、そのまま持って いたタオル――しかも、吸いこんでいるのはあたしのいやらしい液体――が湿った音をたてて汗がネットリとま とわりつく肌に吸いついてくる。  視線を下に下げ、長方形のタオルが押さえた胸元から乳房の丸い膨らみ、そして下チチにまでぴったり張りつ いているのを確認すると、恐る恐る引き剥がしてみる。  すると当然の事ながら、絞るまでもなく滴らしてしまうほどタオルに吸いこまれていた淫液の一部がベットリ と胸の谷間を中心にあたしの肌を濡らしていた。  あうっ…こんなのって…なんだか気持ち悪い……  空気に触れていたせいか、少し濃密な女の匂いを放ち始めた愛液……他人に舐められて嗅がれた事は今までに もあったけれど、自分で嗅ぐとあまりにも汚らしく、同時に……ものすごいいやらしさを感じさせてくれる……  あたし、一体どうしちゃったんだろ……オナニーのし過ぎで頭が変になっちゃったのかな……こんな…匂いで 感じちゃうなんて、変態じみたこと……  どんなに否定しても、人肌にぬくもった湿り気がは何漂うたびにおマ○コがジンジンと疼いてしまう。足首を 外に向け、床にグチャグチャに塗れているおマ○コを押し付けるように座った、その下半身から、さっきの様に 指を入れて掻き回して…早くそうしてって言うような感覚が湧き上がってしまう。 「う…うう……」  視界の大半を占める張り詰めた乳房…重力に導かれて汁が垂れ落ちる一方で、その多くがまだまだあたしの白 い肌にまとわりついている……  こんなに…濡れてる……  握っていたタオルがストンと落ち、太股に張りつく。それをぼんやり見つめながら、あたしの指は大量の湿り 気を帯びた乳房の谷間を上からそっと撫で下ろしていく。 「あっ…はあぁぁぁ……」  やぁ…撫でただけなのに…ものすごく感じる……  内側からの弾力で指で軽く押してもすぐに震えながら元に戻る乳房の表面を、まるで愛液を掻き分ける様に指 を這い下ろす。  汗とはまた違った指触りに、指先の感触に、勃起しきった乳首がビクンッと震えてしまう。  こころもち喉が反りかえり、唾液で汚れた唇からは熱い吐息が吐き出される。まるで愛液の香りを舐めとる様 に時折舌先を蠢かせ、まぁるい入部を小刻みに震わせる。が―― 『――くや、たくや、ちょっと聞いてるの、たくや!!』 「えっ!?」  耳に飛び込んでくる明日香の声に、あたしの全身がギョッと硬直する。  あ、あたし…もしかして明日香に…その……声を聞かれてた?  受話器はあたしが乳房を撫でる前と同じく、耳に押し当てられたまま……これはもう最悪の展開かも…… 『さっきから変な声を出してるけど、もしかしてどこか体調が悪いの? お腹出して寝て、風邪でも引いたの?』 「へ? は? え? あ…違う違う。そう言うのじゃなくて…その…そう、お風呂。お風呂に入ってたもんだか ら。今はその…体にタオルを巻いただけで少し寒くって。くしゅんくしゅん」  最後の咳は少しわざとらしかった。自分でも絶対に嘘だと確信してしまうほどに……  けれど、明日香もまさかあたしがフェチっぽく自分のお汁の匂いを嗅いでいたとは思いも寄らなかったのだろ う、あんなのでダマされるとは…… 『あぁ、それで。どうせ体を拭いてないから寒くなってきたんでしょ』 「ま、まぁ、そんなところ」 『一応、今はあんたも女なんだから窓を空けっぱなしで部屋をうろうろしないでよ』 「うん……明日香、心配してくれてありがと」 『な、何を言ってるのよ! あたしはただ…たくやの体を心配して…それで…』 「わかってる。ちゃんと、分かってる…から……」  いや…全然分かってない。あたしは全然分かってない……明日香が心配してくれているのに…指が…止まらな くて……はぁん…♪  止まった指が動いている。明日香と受話器越しに話しながら、段々と荒く、熱く乱れていく声を聞かれても、 あたしの左手はしっかりと乳房を鷲掴みにしてホールドし、呼吸のリズムに合わせて揉み込みながらビリビリと 痺れている乳首に指先で丹念に愛液を塗りつける。  ああ…声が出そう……乳首がこんなに硬くて…触れただけでイっちゃいそう………じゃあ…下なんか触ったら ……明日香に聞かれたまま……  左も右も、手を開いてもとても掴みきれない乳房は先端の乳首から根元や胸の下側まですっかり愛液で塗れ光 っていた。丸みに沿って五本の指に愛液を塗り広げられ、ピンク色に染まった肌をツツッとなぞる爪先の向かう 場所は…お腹の上に幾筋もの跡を残して垂れ落ちていった愛液の向かった場所。  そこでは、左右の乳首を弄られて次は自分もと震えながら指先を待ち望んでいるクリ○リスがピンっと小さい ながらも自己主張して真っ赤に腫れあがっていた。  あたしは背中を廊下の壁に押し当て、膝をたてて太股をM字に開く。さっきまで座っていた場所がおマ○コか ら溢れた愛液で塗れているのを見つけ、恥ずかしさを感じながらおマ○コをグチャグチャとうごめかせてしまう。  今…ここに指を入れたら絶対に叫んじゃう……そしたら…そしたら明日香は、どう思うだろ……  聞いて欲しくない……でも、明日香の声を聞きながら自慰をする恥ずかしさによって高まってしまう昂奮に取 り付かれてしまったあたしは、息を吐くのに合わせて蠢く赤い秘肉に指を這わせてしまう。ただそれだけで、背 筋を這い登る甘い快感に柔らかい乳房を振るわせてしまう。 「あ…明日香ぁ……くぅ…んっ!」  指先に膣内の痙攣が伝わってくる。絶頂になれてしまっているせいで、これだけの刺激でも満足せず、それで も敏感に反応する女性器に指が埋め込まれ、余った指先で包皮から弾け出てヒクヒクと震えている肉豆を撫で上 げる。  んんっ! や…声…抑えられない! 明日香…明日香に聞かれちゃう……あたしの…あたしのいやらしい声を 聞かれちゃう!! これじゃ変態よ! とめなきゃ……でも、おマ○コが指を締め付けて、離してくれない。そ うよ、イきたいの、明日香に聞かれて…声を聞かれながらイきたいのぉぉぉ!!  ジュブジュブと音を立てながらあっという間に根元まで埋没した中指と人差し指をいれたまま左右に振り、何 度も自分で掻き回してドロドロになっている肉ヒダを圧迫し、指に腹で撫で上げる。それを逆に食いつく様に受 けとめる熱く火照る粘膜の締め付けに自分のいやらしさを痛感しながら、手の平が膨らみきった大陰唇に当たる ぐらいの勢いで指を奥に捻じ込んでいく。 「……本当に体調が悪いみたいね」 「あっ……んくぅ……えっ…た、体調?」  目に涙が浮かび、上気した顔で天井を見つめながらヴァギナを弄り出したあたしの耳に、侮蔑の言葉とは程遠 い、明日香の心配する声が届く。 「そうじゃなくて…あたしは…あたしは……」  もっと明日香と話していたい……けど「オナニーしてるからそこで聞いていて!」なんて言えるはずも無い…… 「ちゃんともう一回シャワーを浴びなおして、暖かくしてから寝るのよ。向こうでおばさんが呼んでるからもう 切るけど、明日の朝には様子を見に行くから」 「ち、違う…そ…んな……こんなのって……」  自分で何を言おうとしているのか分からないうちに、電話は切られ、虚しい音だけをつむぐようになってしま った。  いやぁ……こ、こんな状態で放っていかないで……もっと…もっとあたしを感じさせてぇぇぇ!!  明日香の声が途切れた途端、あたしの股間は二本の指を食いちぎりそうな強さで締め上げた。指と粘膜の密着 が増し、突然の快感に腰が跳ねあがり、あたしの体はそのままフローリングの床に横倒しになる。 「明日香の馬鹿ぁ! あたしのおマ○コ、こんなに疼いてるのにぃ!! ああぁん、おっぱいも、おっぱいも疼 くの! ああ、ああ、ああぁぁ!!」  体を横向きのままでおマ○コを指でグリグリ掻き回すと、電話中に溜めこまれた愛液がドロドロと掻き出され る。太股に熱い粘液が流れ落ちていくのを感じながら乳房を受話器を放り出した手で握り締め、それこそ牛の乳 のように親指と人差し指とで作った輪で中身がたっぷりと詰まった乳房を根元から先端に向けて絞り上げる。 「乳首、乳首が疼くのぉ! 吸って、お願いだからあたしの乳首を吸ってぇぇぇ〜〜〜!!」  先に愛液を塗りこめていた乳房は手の平の中で面白いように形を変えていく。淫らな言葉を自分から発して高 まっていく羞恥がそこから噴き出そうなほどにジンジンと痒い先端を誰かに向ける様に差しだし、潤滑液にまみ れた乳房を五指の間から滑らせて弄ぶ。  結構強く、まるで男があたしの体に襲いかかってきている様に荒々しく自分の大きな胸を揉むたびに弾けるよ うな気持ちよさが脳天に駆け抜けていく。 「手が…すべすべで気持ちいいのぉ……あ…ああっ……明日香…たたし…こんなにエッチな事をしてるの……ア ッ!」  わざと口から漏らしている淫らな言葉が誰もいなくて静かな廊下に木霊する。思うだけじゃなく、自分の声で 快感を再確認する事で淫らな雰囲気が充満した空間の中であたしは羞恥心を高め、激しく割れ目を掻き回しなが らも誰かに見られる事をはずかしがるかの様に太股を閉じ合わせる。  ――見て…あたしのこんなにエッチなオナニー…明日香に見て欲しいの……声だけじゃなくて……物足りない …もっと激しく…うん、そう…あっ! そ…そこ…いいっ! あっ…あはぁ!!  あたしの脳裏から明日香の笑顔が消えてくれない。さっきの電話の様に、オナニーしている事がばれるかどう かの緊張感じゃなく、それよりも激しく、明日香に抱かれ、貫かれる事を想像しながらキツキツのおマ○コに指 を突き立てる。  明日香は女だ。  だけどあたしの体は犯される事を望んでいる。  明日香に抱かれながらペ○スで奥まで塗れきったヴァギナを掻き回される…想像の中でしか味わえない背徳の 快感に、一日従いろんな男性に犯される事を想像していたあたしの体は今まで以上に激しく燃え上がる。 「ああ、ああ、明日香ぁぁぁ!!」  幼なじみの名前を叫びながら、あたしは廊下にうつ伏せになってお尻を高く突き上げる。量感のある乳房をあ たしの温もりと香りが移ったフローリングに密着させ、荒く鼻息を吹くたびに体をいやらしく揺すると乳首が硬 い床に擦れ、後ろからだったら無く丸見えの二穴を右手と左手の指を食いこませる。 「あはぁ、あはぁ♪ 後ろも前も、スゴいの明日香ぁ♪ ああっ…んん…ひぎぃ!!」アナルに差し入れた指を 腸内で曲げ、ヴァギナでGスポットを圧迫しながら引きぬくと、掻き出された愛液が肉感のある太股をダラダラ と流れ落ちる。それがまるで溢れ出た精液かと錯覚しながら、熟れたヒップの膨らみに指を立てた手の平を叩き つける。  体が反るたびに乳房への圧力がさらに増していく。けれどそれ以上におマ○コの柔らかい肉ヒダの指の締め付 けが限界以上にキツくなり、まるで精液を絞るような脈動が指先の神経を伝って全身へと広がっていく。 「ああっ…♪」  く、くる…これ…スゴいのが来る…! 明日香…きて…一番激しくあたしを犯してぇ♪ 「あ、あはぁ! あっ、あ、はぁ、んっ、スゴォ…あ、あす…明日香…あっ、かはぁ、ひっ、かはぁ!!」  舌を突き出し、床に触れる顎へと涎を滴らせながら、あたしの体に震えが走る。開いた瞳でリビングに続く廊 下の先を見つめていても、あたしの意識を占めるのはあたしを見つめる明日香の顔と指に抉られる秘肉と菊座の 感覚だけだった。 「あっ…あ…いっ……!」  オナニーと言うよりも、もはやマ○コとお尻の穴を掻き毟っているみたいだった。手首まで愛液でドロドロに 汚し、けれどそれが全然不快に思わない…そう思う余地も無いほどあたしの体は以上に興奮し、跳ね上がる下半 身の奥から、今日で一番ものすごい甘美な快感が脈動と共に込み上げてくる。 「あふぅ……ひ…あぁ…♪」  汗と愛液に塗れ、なめかましく輝くヒップに痙攣が走り、太股がガクガクと揺れる。感極まったあたしは自分 から涎に水溜りに顔をつけ、床に舌が触れるのも気にせずに何度も何度も悲鳴を迸らせる。 「ああ、ああっ、明日香、奥に、きて、きてぇぇぇ〜〜〜〜〜!!」  指でヴァギナの快感を貪欲に弾けさせ、あちらこちらに愛液のしずくが飛び散った床の上で身をくねらせ、あ たしの意識は一瞬で真っ白い世界へと突入していく。 「イく、イくぅ! イくの、あたしイくのぉ!! 明日香、明日香、イっちゃうの、イっちゃうのぉぉぉ〜〜〜 〜〜!!!」  絶頂に跳ねまわる腰が指を咥えこんだまま左右に捻られ、入り口から子宮にまで痙攣が達している肉ヒダにつ めが指先が引っかかる。刺激に汗で湿った髪の毛を振り乱してヨガり狂う。  体が床へと崩れ落ちる。横向きに、仰向けに、うつ伏せにと廊下で転げまわり、あたしは一気にオルガズムを 噴出させ、ギュウウゥゥゥ…と収縮する膣穴から灼熱のオシッコと潮を噴出させ、あたししかいない廊下を濡ら し続けていた……… 「………ほえ」  あたしが失神から目を覚ましたのはすっかり日が落ちて廊下が真っ暗になってからだった。  多分それほど時間はたってないと思う。長かったのはオナニーしていた時間のほうで……塗れた廊下に座った あたしの股間にはまだ絶頂の余韻がわずかに残っていて、だらしなく緩んだ穴からは愛液がダラダラと流れ出て いる。  ………トイレに行って…ふかないと……  霞がかかったようにぼんやりした頭でオナニーの後始末する事を考えたあたしは、異常に充血したクリ○リス が体を動かすだけでも痺れる事に眉をしかめながら壁に手をつき、たわわな胸を揺らしながら立ち上がる。  ――うわぁ…床もビチャビチャのスゴい事に……  つま先にピチャっと生暖かい液体が触れ、すぐにそれの正体に察しがついたあたしは渋面を作る。  鼻を鳴らせば狭い廊下にはあたしの汗とオシッコ、そしてかいでいるだけで思わず身が震えてしまいそうなほ ど濃厚な愛液の匂いが充満していた。 「んっ…まだ…溢れてる……」  匂いを嗅いで自分のあまりのエッチぶりに興奮したせいか呆れた…のはちょっと理由とは違うかもしれないけ ど、閉じ合わせる力も残っていない太股を伝い落ちた愛液が脹脛を舐めるように這い降りていく。まだ下腹の奥 にほんの少し火照りが残っていたあたしにはそれだけでも十分過ぎるほどの快感で、一筋…二筋…と粘りのほと んどない愛液が伝い落ちるたびにアナルがキュッと窄まり、背筋にぞぞぞっと甘い震えが走るほどに快感を感じ てしまう。  ――だめ、今はダメよ……さすがにここまでしたんだから、後始末をしないと……  壁から手を離すと、あたしは左肘に触れるように右腕を自分の体に巻きつかせる。  筋肉があんまりついてなく、心地よい弾力を持つ腕にぬめるお腹の肌が触れる。その感触に、またいやな顔を ……いや、なぜかなんでか自分でも分からないんだけど、うっとりと蕩けそうな笑みを浮かべると、右手を自分 の口元に持ってくる。 「まずは…部屋を綺麗にしたらお風呂にはいろっかな……」  焦る事は無い。気持ちよくなりたいんだったら時間はある。  舌を突き出して人差し指を舐め上げる。途端に濃密なあたしの味が口一杯に広がっていく。  それを喉へと流しこむと、あたしは足の裏がぬれるのも構わずにお風呂場へ向かって歩き出した……


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