stage1「フジエーダ攻防戦」16


「もう…ダメ………いや…中は……んぅ…いやぁ……」
 もう何度目かも思い出せない……地面を這いつくばるあたしのヒップが赤くなるほど指を食い込ませ、執拗に腰を振っていた老人が、不意に動きを止める。
 白濁液で満たされた肉壷の中で、ペ○スが大きく痙攣する。あたしの感じる部分を何度もなぞり、擦りたてた固い性器は達する事を拒むように馴染んでしまったあたしの膣内で亀頭を震わせるけれど、根元から込み上げるモノを耐え切れなくなり、あたしの子宮に熱い精液の本流を浴びせかけた。
「クッ……これで…ワシは四発じゃ。年老いたワシらのうち、誰がおぬしを孕ませておるかの……」
「あぁ……あぁ……もう…やぁ……あたしは……あたしは……ううぅ……」
 事あるごとに、あたしが子供を身ごもると耳元で囁かれる。―――冗談じゃない。あたしは…そこまで女になりきれていないのに……
 でも、あたしの体はそれでも老人たちを受け入れ、今も今もほんのり桜色に染まった裸体を小刻みに震わせている。膣壁で射精の脈動を繰り返している肉棒を締め付け、一滴でも多くの精を搾ろうと胎内を蠢かせてしまう。
「ヒヒヒヒヒ……どうやらワシの子らしいのう。ワシの精子をマ○コが欲しがっておるわ」
 老人がグイッと腰を突き出し、男根の先端で子宮の入り口を押し上げると、そのまま残りの精液を流し込んでくる。
「あ……ひあ………!」
 そうして最後の一滴があたしの膣内へとそそがれると、老人はようやく満足のため息を漏らし、急速にしぼんで行くペ○スをあたしの中から引き抜いた。
「長生きはするもんじゃのう。まさかこれだけ若い娘に自分の子を孕ませるとは……しかも王女様ともなれば、ワシの子が王子か。―――最高じゃのう。富も権力も思いのままじゃ」
「ん…ぁ………あくっ……」
 体の中に突き刺さっていたものがなくなった途端、あたしは疲れきった体を石畳の上へ倒させる。そして精液で汚れた顔を地面に押し付けたまま、魚が陸で喘ぐような荒い呼吸を繰り返した。
「これほど若くて、美しく、最高の肉付きをした娘が……クックック、これからが楽しみじゃわい。これからもワシらの精液を注ぎ込んでやるからの」
「お前を抱くのは一人だけじゃないぞ。お前の腹の子は、ワシら全員の子供じゃ。大切に産み育てるんじゃ。もっとも、妊娠していようがいまいが、毎日のように犯してくれるわ」
「………………………」
 口々に勝手な事を言う老人たちの言葉を耳にしながらも、酸素が行き渡っていない頭では意味を理解できない。うつ伏せに倒れ、股間から胎内にそそがれたばかりの薄い精液をこぼしながらボンヤリしていると、あたしは何も考えずにのろのろと身を起こした。
 ………終わりだ。その確信が、犯され、疲れきった体にほんの少しだけの気力を呼び戻してくれる。
 老人たちのペ○スがいかに大きくても、体力は若い人と比べようも無い。一人は腰痛で、一人は体力不足で、そうして最後の一人も今しがた最後の精をあたしの中へと注ぎこんだ。もう……これ以上犯されないはず……だった。
「―――――あ」
 ふと、あたしの視界に人の姿が映る。一人ではなく大勢……それは佐野が率いるモンスターたちに囚われたままの兵士姿の男たちだった。
「………………………」
 ずっと犯されてるところを見られ続けてたって言うのに……いまさらハズかしいだなんて……は…ははは………
 全員があたしを見ているわけじゃない。四・五十人はいる男たちの大部分は、あたしが犯されているところを見たくないと、こちらに背を向けている。
 それでも一部の人たちは、遠くからでも食い入るようにあたしの事を見つめていた。離れているのに、その人たちの荒い鼻息を吹きかけられていると錯覚するほど視線には力のこもっていて、その視線から身を隠すようにあたしも背を向け、汗と精液の混ざり合った粘液でヌルヌルに汚れている乳房を両腕で隠し、顔を俯かせる。
「ほほう、これはこれは。ずいぶんと楽しまれたようですね、お三方も、王女様も」
 不意に、あたしの頭上から男の声が聞こえてくる。
 とっさに…とは言え、あたしの身体はいつもどおりの動きが出来るほど回復していない。何度もおちそうになる頭に力を込めて上を見上げると、黒衣を身にまとい顔を隠した佐野が、豪勢な椅子に腰をかけたまま宙に浮いた。―――フロート(浮遊)の魔法だ。
「こ…こいつ………!」
 身体を支える手を思わず握り締める。何度も肉棒を握らされた手指で拳を作るけれど、相手がいるのは頭上。―――ちょっと届きそうに無い。
 そんなあたしの様子を知ってか知らずか、佐野は肘掛の両手を置いて悠然とあたしたちを見下ろしている。
「ふむ……クラウド王国の王女に一切遠慮せずに………クックック、十分です。十二分です。まさかここまで汚していただけるとは、お三方は私の意思をよく理解していらっしゃる」
「それはもう。これから粉骨砕身でお仕えさせていただく方のご命令でしたので」
「我らが新しい主のためならば、老骨に鞭打ってでも、クックック……」
 佐野が現れた途端、慌てて着衣の乱れを整えた三老人は、もみ手すり手で佐野に媚びへつらっている。
 ―――けど、これであの三人の命が奪われる事は無いはずだ。あたしのせいで人が死ぬなんて……冗談にも程がある。大丈夫、あたしならエッチな事をされるのにも慣れてるんだし……
「では三人の財産は全て私が使わせてもらう。そして私が訊ねた時にだけ意見を述べ、私が望む時に死ね。それができないようなら、今死んでくれても構わないよ。私への忠節の証としてね」
「………え? な、なんで……」
 あたしへ向けられた言葉では無いけれど、あまりに話が違う佐野のいいように思わず疑念の声を上げてしまう。たしか、あたしを犯せば恭順の意思を認めるとかどうとか――
「そうか、言いなりになるかどうかって言う事だったんだ……」
 思考がそこで、ようやくその意味を理解する。―――要は恭順、佐野のどんな理不尽な命令にも従うかどうかの意思表示をしたのだ。
 だから、佐野がどんな命令を下してもそれに逆らう事は出来ない。
 おそらく、佐野の言葉にショックを受けてその場に崩れ落ちていく老人たちは、佐野にとってどうでもいい存在なのだろう。彼らの命なんて、佐野の手の平で踊る人形と大差が無いに違いない。
 ただ、所有する財産を自分のものとするために部下にしただけで、もし断ったりしていれば殺されて財産を奪われる。―――どの道、街の名士らしいこの老人たちの財産は奪われてしまい、ほんの少しだけ終わりが伸びた命だけが、恭順の意思の対価として佐野から与えられた物と言うわけだ。
「そ、そんな…あんまりじゃ。ワシらは…ワシらは……」
「もちろん、その王女も返してもらう。なかなか面白かったよ。歳の割には頑張ってるってね」
 名声を捨ててまで守ろうとした物を全部失った老人たちが広場の地面にうずくまってむせび泣く。―――さっきまでは身体を蹂躙された事への怒りもあったけれど、急速に老いさらばえて行く老人たちを見ていると、むしろ同情の念の方が強くなってしまう。
「さあ、そろそろどいてくれないかな。君たちはもう用済み。僕のステージに似つかわしくないんだよ。どこへなりとも消えてくれ」
「そんな! さ、佐野様、どうかお慈悲を、お慈悲を!」
「家財一式を奪われてしまっては、わしらは明日にでも死んでしまいます。犯せと言うなら、いくらでも王女を汚しましょう。ですから!」
「……私は命じたはずだよ。「消えろ」って」
 マントの下で、佐野の口元が歪む。宙に浮かぶ椅子の下で、神に救いを求めるように泣きすがる老人たちの姿がよほど気に食わないらしい。豪勢な肘掛から右手を持ち上げると、小声で二・三の言葉を紡ぎ、赤い魔力の固まりを生み出す。
「――――待って!」
 佐野は本気だ。――炎の魔法を老人たちへ放つその前に、あたしは叫び、まだ横たわっていたいと懇願する身体を震えて力の入らない脚で無理やり立ち上がらせた。
「約束…したんでしょ。あたしを犯せば命は助けるって。それなのになによ……約束…一つ…守れないなんて…えっらそうに……」
 佐野を睨みつけるけど、視線にさえ力が篭らない。けれど佐野は手の平に赤い光球を浮かべたままだけれど、老人たちからあたしへと視線を向けなおす。
「なぜ庇うのですか? もはや価値のなくなったものを処分しようとしているだけなのに。――よもや、抱かれている内に情でも移りましたか?」
「そんなわけ…ないでしょうが!」
 ここまで身体を一方的に陵辱されて、好きになれるはずが無い。あたしが視線を向ければ、あれだけ高圧的だった老人たちはあたしへ助けを請うようにすがり、けれど怯えた表情を見せている。
「けどね……だからって人が殺されようとしてるのを黙って見過ごす事なんか、そっちの方が出来るわけ無いじゃない……」
「そのためにあなたが死ぬ事になっても?」
「やれるもんならやってみなさいよ。伊達に子供の頃からファイヤーボールで追い掛け回されて無いって言うのを見せてあげるから」
 ―――慣れてはいても、喰らったらタダじゃすまない。その事を十分承知しながらも言わずには折れなかっら字分を恨めしく思いながら、胸と股間を小さな手で必死に隠して佐野を睨みつける。
「―――クッ」
 あ……やっぱり起こってる……かな?
 こうなれば最後の手段。あたしの色仕掛けでどこまで許してくれるかな…と、冷や汗をたらして考える。―――結果はあまり想像したくない。
「クッ…クク………」
 噛み殺しているのは怒りだろうか、魔法をキャンセルしたその手でローブに隠れた顔を押さえた佐野が身を丸くする。そして――
「クククッ、クハッハ〜〜ハッハッハ! やっぱりだ。いや、面白いよ。この街には僕を楽しませる女性がなんと多いことか、アハハハハハハッ!」
「えっと……」
 助かったと考えていいの………かな?
「やっぱり僕の女性を見る目は確かだったと言う事か。王女の偽者と知ってがっかりしたけれど、その事を別にすれば、君はなんとも素晴らしい女性だよ。奴隷にして汚さなければならないのが、非常に残念だ。残念すぎる」
「別にしてくれって頼んだわけじゃないんだし、やめてくれてもいいんだけど……それより、このおじいさんたちは助けてくれるんでしょうね?」
「構わないとも。君の機嫌を損ねる事に比べれば取るに足らない。どこへ成りとも消えるがいいさ。家財もすぐに奪わなくてもいいしね」
 だまし討ちってわけでもないみたいね。そもそもそうする理由も必要もないし………
「今の内にここから―――って、もういなくなってる……」
 見ると、三人の老人は佐野から許しが出た途端、自分たちの服を抱えて一目散に広場から走り去っていた。その背中を見て、
「やっぱり……助けるんじゃなかったかも……」
 後悔の言葉を口にしてしまう。
「さて……これでここには君と私、再度二人きりになってしまったわけだ。なにか運命的なものを感じてしまうね」
「残念でした。あっちの方に大勢いるじゃない。こんなんで二人っきりとは言わないわよ」
 広場のはずれでオークに取り囲まれている兵隊さんたちは、あたしと佐野の話し声が聞こえるほど近いわけではないけれど、何をしているのかは十分すぎるほど伺えるはずだ。さっきまで、あたしと老人たちのしているところも全て見られて……うっ…どうやってあの人たちと顔を合わそう……
「それにしても……もう絞りかすしか残っていなさそうな老人たちから、ずいぶんと搾り取ったものだね。多少の足しになるかと思ったら…ククク、礼を言わなければならないようだね」
「あんたなんかに礼を言われたって嬉しくないわよ。―――それよりも「足し」って何よ。何をたくらんで……」
 ―――いや、考えればおぼろげながら目的が見えてくる。
 老人たちが絞り出したと言えば、もちろん精液だ。あたしの身体や膣内にはまだ乾ききっていない白濁液が纏わりついているけれど、放出される男性の精には魔力が多く含まれている。
 実際にはあまり用いられる手法じゃない。問題は山ほどあるが、そんな魔力を使って魔法を使う気が起きないと言うのが一番の理由だと思う。でも、この方法なら魔法を使えない人でも魔力を放出する事が可能なのだ。
 じゃあ老人たちから搾り取られた魔力はどうなるのか?
「―――魔方陣。ここで紋章魔術を使って魔王を呼び出すつもりなんだ……」
 魔法陣の上で精を出せば、精に含まれる魔力は地面へ染込んで行く。それを利用して、本来なら鳥の魔力だけでは時間の掛かる魔方陣への魔力供給時間を短縮しようとしているのだ。
「ほう……なかなか博識だね。では、この意味が分かるかな?」
 あたしの答えに満足したかのように大きくうなずいた佐野は、赤ではなく青の、一般に知性の色とされる魔力球を空中から自分の足元へと向ける。すると―――
「なっ……地面が光って……!?」
 佐野の足元を中心にして、広場の石畳の上に青白く輝く魔力の帯が駆け巡っていく。それは人の目の高さからだと分かりにくいけど、線の一本一本が内側に複雑な魔法文字を内包していて、それらが繋がりあい、絡み合って意味のある文字を描く事で新たな力を生み出す紋章となる。
 これが佐野のやろうとしている事だ。「清めの泉」と言う魔力の源泉を持つフジエーダを占拠し、得た膨大な魔力を魔方陣に蓄積して大魔法を行使する。―――その最終的な結論が「魔王の召喚」と言うわけだ。
 ………でも、認めたわけではないんだけど、魔王と言えば不幸な事に今現在はあたしなわけでして……………召喚されちゃうのかな、あたし………
「さて……私が―――僕が君にこれを見せた理由は分かるかな?」
 魔法陣が大きすぎるせいだろう。光の線は広場の端にまで到達する事無く途中で終わる。
 それを見せた理由……今のあたしが無力と言っても、わざわざ見せる必要はこれっぽっちもないし……
「わかった。単なる自慢!―――と言うジョークは置いておいて、あたしにも選べって言うんでしょ。あんたの言いなりになるか、それとも死ぬかを……」
「残念ながら、選んではもらうけれど君を殺すことは絶対にしない。君が選ぶのは―――」
 スッ…と、佐野が囚われの兵士たちを指差す。
「彼らの命を持ってこの魔方陣を満たすか、それとも彼らを救う為に先ほど同様君が身を差し出し魔力を集めるか……どうだい、簡単な選択だろう?」


stage1「フジエーダ攻防戦」17