第6話


「おねーさまぁ、片桐先輩気持ちよさそうに眠ってますよぉ。キスしても起きそうにないですぅ♪」 「あ…ありがと……でもキスはやめてね。意識は明日香なんだから……さてと。それじゃあ松永先生、話を聞か せてもらいましょうか?」  あたしが保健室に入るとすぐにショックで気を失った明日香。ズボンを脱いで(脱がされて)いて松永先生と一 緒にいれば何をしていたかは一目瞭然……  射精直後の自分の姿を見るのはあまりに忍びなく、いくら中身が明日香だからって思わず涙が出ちゃいそうな 情けなさに、男なのに意外と軽い体を舞子ちゃんと二人がかりでベッドに運んで毛布をかけてあげたのである。 マジマジとあたしの…今は明日香のおチ○チンを見つめる舞子ちゃんの姿に何か危ない予感を感じたものの、今 は松永先生から話を聞くのが先決だった。 「話? いいわよ、いくらでも聞かせてあげるわよ」 「い、意外に物分かりがいいですね……」  あたしとその直後にやってきた舞子ちゃんに、あたしの姿をした明日香とエッチしているところを見られて反 省しているかと思いきや、衣服を再び身に着けた松永先生に悪びれた様子はなく、いつものように余裕の笑みを 浮かべて椅子に座っている。組み合わせた足の隙間からパンティを履いていない股間が覗けそうになっているの に、気にしていない。  その態度から、てっきり開き直ってくるものと思っていたけれど、あっさりと喋り出した事にはかなり驚かさ れてしまう。 「片桐さん…物凄く気持ちよさそうだったわよ。出したのは二発。物凄く濃厚で…ふふふ…美味しかったわよ」 「………へっ? あの…あたしが聞きたいのはそう言う事じゃなくて……」 「最初は相原君だと思ってたの。でも話を聞いてみたら二人の意識が入れ代わっているって言うじゃない。私が 触ってあげたらあっという間におチ○チンを大きくしたの。その時思ったの。片桐さんも童貞になるのかなって ? ちょっと出来心で脱がしてみたら…あぁん、相原君ってば、言ってくれれば私がお相手してあげたのに……」 「ちょっとちょっとちょっとぉ!! あたしが聞きたいのはですね、どうして明日香を誘惑なんかしたかって言 う事で――」 「先生、そのお話もっと聞かせてください。舞子、あの、男の人にどうしてあげたら言いか、まだよく分からな くてぇ……」 「いいわよ。まずはチャックを下ろしてパンツの上から――」 「えっ!? そ、そんなところを触っちゃうんですかぁ!? 舞子、驚きですぅ……」  ああぁん、もう! なんだかイヤらしい手つきで松永先生のレクチャーが始まっちゃったじゃない!!  あたしを完全に無視する形で松永先生と舞子ちゃんはあれやこれやと男の子談義に花を咲かせ始めている。そ の内容が「どんな男の子がいいか?」ではなく「どうやって男の子をイかせるか?」というのが松永先生の指導 らしいけど……手首にスナップを効かせながら指で作った輪っかを上下させたり、その先にある架空のおチ○チ ンの先端をちろちろと舐める素振りをしているのを見ているだけでも、今朝までは股間にあったはずペ○スが、 今はそこにないのに、ビクッと跳ねあがるような感触を覚えてしまう。  ………しょうがないなぁ…松永先生のことだから、あたしが男に戻ったって聞いてちょっかいを出してきたん だろうけど……明日香はどうして……  こっそり耳を立てて聞いているだけでも股間が疼いてしまいそうなあたしは、走りまわって汗を掻いたのか、 少し湿った下着をスカートの上から押さえながら保健室の奥にある仕切りのカーテンをくぐり、明日香の眠って いるベッドの方へと近づいていく。  ……気持ちよさそうに眠ってるわね。これが明日香の顔だったら面白いんだけど……  明日香は明日香でも、あたしが見下ろしているのは自分の顔だ。これと言ってどうと言う感慨も沸かない。あ えていうなら、どうしてこんな事になっちゃったんだろうって言う、自分と明日香の身に起きた不幸な出来事を 嘆く気持ちだった。そして――  明日香……松永先生と……  目蓋を閉じれば、その裏側には全裸の松永先生と股間を大きくしたあたし――明日香の姿が浮かんでくる。  あれだけ走ったのにそれほど疲れていない事と言い、これも明日香の体だろうか、一目見ただけなのに細部ま でくっきりと覚えてしまっている。明日香が松永先生のおっぱいに顔をうずめていた事や、松永先生のあのイヤ らしい指に股間から勃起したペ○スを引きずり出されていて、そしてあんなにたくさん射精したところも……あ の明日香が精液を噴き出すたびに顔を歪め、まるで泣きそうな顔をしながらイき続けていた事も……  ………あたしが弘二にエッチな事をされているのを見られた時、明日香もこんな風に覚えてしまっていたんだ ろうか……  あの時と今回の状況は良く似ている。目の前で好きな人が他の人とSEXしているのを見せられるのは、理由 はよくわからないけど、イヤ。明日香が…明日香が他の人としているところなんて……  でも、あたしの胸の中にはまったく別の感情も混じっている。あたしが松永先生とエッチしていたのでは…そ う考えて興奮してしまっている……あそこであんな目にあっていたのは、あたしの方かもしれない……  明日香は……本当に興奮してたのかな? 触られて大きくなっちゃっただけじゃ……  松永先生のテクニックがスゴいのは一年前に身をもって味わったし、明日香は男の体になれてない…それこそ 初めてエッチをする男の子みたいに緊張して、興奮して…まるっきりそうって訳じゃないだろうけど、そんな感 じだったに違いない。 「そうよね…明日香が自分からあんな事………………あっ…!」 「うっ…ん……」  視線を動かしてすぐ、偶然目に飛び込んできた物の存在に驚いて声を上げてしまう。幸い、明日香は眠ったま まだけど、あたしの心臓は驚きのあまりドクンドクンと大きく脈打ち、これ以上声を出さないように両手で口を しっかりと押さえ込んでしまう。  それほどまでに驚いた物…それは明日香の下半身にかけられた布団のふくらみだった。  まさか…大きくなっちゃってるの? まさか…だって明日香なんだよ!?  一昨日まで女だったせいで、男の人の勃起にはずいぶんと敏感になってしまった…恥ずかしい事なんだけれど、 それが今はかなり悪い方へと転がり始めている。  明日香ってば、あたしの体で何を興奮してるのよ……もしかしてさっきの松永先生にされた事を思い出して… …でも気を失ってるんだから…夢に見ちゃうぐらいに気持ちよかったのかな?  頭の中でいろんな想像が湧きあがってくる。そのほとんどが明日香と松永先生とのSEX…手コキやフェラじ ゃなく、互いの性器同士で結合しているところだった。松永先生だったら明日香が拒んだって、してしまうかも しれない……そんな思いは、ありえない想像をますます過激なものへと変えていく……  何を考えてるのよ……中身は明日香なのよ? それに体はあたしのなんだから……でも、確かめないと……  口を押さえていた手を、そのまま毛布へと伸ばす。端を両手でしっかりと握ると、ゆっくりと手を明日香の足 元へと移動させていく……  あっ……本当に…大きくなってる……  毛布がベルトのラインを超えるとすぐに、あたしの方に先端を向けて勃起しているペ○スが露わになる。確か パンツまでは履かせていたような気がするけれど、なぜかパンツは陰嚢の下にまでずり下げられていて、眠って いる本人の意思とは無関係に、ひょっとしたら夢か何かで関係しているかもしれないけれど……とにかく、大き くなっちゃっている。  あ…あたしのってこんなに大きかったっけ……なんだかいつもより(設定より)大きいような気がするけど……  こうやって他人の目から自分のペ○スを見る機会なんてそうそうあるものじゃない。あたしはひざまずいて顔 を明日香の体と同じ高さにすると、目を上下に動かしてそそり立つ男根をじっくりと観察し始めた。  形は…それほどスゴくはないんだけど、結構いい形をしてるよね……十分引っかかりそうだし、これだけ大き かったら子宮にも……そっか、だから明日香はあんなに感じてたんだ。じゃあ、今のあたしも……  先日の明日香とのSEXでの明日香のよがり方を思い出し、自然とあたしの顔は真っ赤になる。もし今の状態 で抱かれたら……そんな感情が芽生えてしまったからだ。  ダメよ…いくらなんでも、それだけはダメ。明日香だってあたしと意識が入れ代わって戸惑ってるんだもん。 これ以上変な事をしたら、怒っちゃうわよね。ごめんね、明日香……  頭を振って頭の中に渦巻いていた妙に温かいピンク色の想像を振り払うと、あたしは大きく息を吸いこんでそ の場に立ちあがった。そして先生たちのほうへ戻ろうとした瞬間―― 「あ〜〜、おねーさま、ズルいですぅ〜〜! エッチな事をするんだったら舞子も混ぜてくださいぃ!!」 「ふふふ、抜け駆けしようとしてもダメよ。こう言う事はみんなで…ね♪」  勢いよく左右に開いたカーテンの向こうから、松永先生と舞子ちゃんが入ってきたのであった。


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