第7話


 ペチャ…ペチャ……  んっ…何だろ…この音……  何か水のはぜるような音が聞こえてきて、それに刺激されてか、深い眠りに付いていた私の意識は少しだけ闇 の中から浮上し始める。  チュパ……ピチャ…ピチャ……  あうぅん……な…なに…これ……んっ……きもち…いい……  まだ完全に目を覚ましてはいないけれど、音のする場所−は私の下半身から聞こえてくるのが分かった。なぜ なら、その音は私の大事な部分に直接響いてきて、股間の下を通って背筋へとゾクゾクする快感を送りこんでき ているからだ。  んんっ……クリ○リス…じゃない……わかんない…わかんないよ、これぇ……  生暖かい感触が体に触れているのは分かっているんだけれど、どこに触れているのかが分からない。最初はそ の物体が根元から先端に向かって移動していたからクリ○リスかと思ったんだけど、女性器のすぐそばにある赤 珠はそんなに大きくないはず。まるで自分の体なのにそうじゃないような物にゆっくりと何かが這いまわるたび に下腹の奥に重たい疼きが流れ込んでくる。  変な感じ……どこを…舐められているの?…ふぁ!! やだ…身体が跳ねちゃう……!  いつの間にか、それが舌に舐められている感触だと気付いた私は、その直後にお尻の穴に触れ、そして明らか に体外と思われる場所をぺろぺろと舐められ、アソコをヒクつかせながら体を弓なりに反り返らせてしまう。 「明日香……感じてるのね。いいよ…だったらいっぱい感じさせてあげる……」  はぁぁ…こ、この声……どこかで聞いたような……思い出せない…んあぁ!! そ…そんなところを舐めるな んて……ヒィ!!  私の太股を抱え、固く尖らせた先端でアヌスの窄まりをほじっていた舌が平面をピタッと押しつけながら、女 性器とお尻の穴を繋ぐ敏感な部分をゆっくりと舐めあがってくる。少しずつ少しずつネットリと這いあがってく るたびに私の腰はガクガクと震えてしまい、一番敏感なアソコの穴からは熱い愛液が溢れ出て……いない!?  私…私……なんなのよ、一体……アソコが…全然違う!!  それは明らかにいつもの感じ方と異なるものだった。這いあがってきた舌は、愛液が滲み出す代わりにジンジ ンと疼いている柔らかくて大きな膨らみの上を通過すると、そのまま真っ直ぐ突き進んでくる。私は割れ目を舐 められるものと思って体を緊張させたけれど、下はまったく違うところへと移動していく。まるで股間に太いパ イプでも挿しこまれたような感じのするところを根元から上へ、時折指がさっきの柔らかい部分やお尻をくすぐ りながら、強く押しつけられた舌は、その温かさをその部分の伝えながら、棒ともパイプともつかない物を舐め 上げていく。  あううううううッ!! だ、ダメ、それ以上はダメッ! なにか…何か込み上げてくるぅ!!  それは愛液なのだろうか……まるで濃縮されたそれは私の体内にある性器とおぼしきモノの内部を出口を求め て駆け巡り、強烈な痺れと痙攣がお腹の中に突き込まれる。それは渦巻く快感をさらに掻き回して、ヒクンヒク ンと腰とお尻をわななかせてしまう。  イく…イっちゃうっ!! ああ、はぁ、ああーー!! スゴい、スゴくイい、出る、出ちゃうぅ!!  それが絶頂だと、なぜか私は知っていた。  手と舌が、優しく、それでいて私の感じるところを隅々まで責めたてる。もう何がなんだかわからないほど感 じてしまっていた私は唾液の絡みついているアナルをキュッとすぼめて、鈍い痛みやくすぐったい快感、そして 濃縮された愛液が込み上げてくる圧迫感が逃げてしまわないように我慢し続ける。  なっ…いっ…スゴッ……う…うう……んっ…ああっ! うっ、うっ…あはぁ! 出るぅ、イくぅ、私、私おか しくなるぅぅぅ!! あっ…ヒッ、イイッ!!  いつもなら流れ出ているはずのドロドロの愛液は血管が脈動するたびに舌と指とが絡み付いている物が大きく 膨らんでいるような気がした。今すぐ溜まった物を迸らせたいと言う気持ちがお尻を浮かせ、ガクガクと腰を振 りたくる動きを止める事ができない。  あれだけ暗かった視界も今では白くそまり、もはや何も考えられなくなった瞬間、 「えっ!?」  突然舌が離れていく。指も一緒に。  あと数秒で全てを解き放つ事ができたのに、こんなところでやめられたら……お願い…もっと、もっとぉ……  亀頭を丹念に舌で舐めしゃぶられ、肉茎を指で扱かれる刺激を求め、私は足を開いて腰を揺すりたてた。その 振動はペ○スに伝わりはするけれど、絶頂に達するには弱々しく、あれほど高まっていた興奮はゆっくりと下降 線を描き始めていた。 「やっ……やめ…ないで……もっと…もっとしてください……」  このままだと気が変になりそうだった……恥ずかしかったけれど、私は荒い息を吐きながら目を下半身に向け ……左右に開いた足の間にいた人物の顔を見てしまった瞬間、意識の何もかもが氷ついたように動かなくなって しまった。  そこには、私がいた。私の股間に顔を近づけるように四つん這いになり、腰にまで届く長い髪を肩から前にた らしながら私の方を見つめているのは、紛れもなく私だった。 「あ…明日香……その…これにはちょっとした訳が……」 「た、拓也……なの?」  声は違っても、その話し方と身に纏っている雰囲気から拓也だと気付いた私は、ようやく自分の体がどういう 状況だったのかを思い出した。  私は…拓也の姿をしているんだっけ……  自分の顔は鏡でもない限り見れないけれど、見下ろした視線の先には結構形には自身のある胸の膨らみはなく、 代わりに男子の制服を着ている体と、股間から元気よく立ちあがっている男性器の姿が見えた。そして、たっぷ りと粘液が絡みつき、淫靡に濡れ光っているそれを見て、何をされていたのか…ようやく悟る事ができた。 「拓也…もしかして……」 「そうですよぉ♪ みんなで舐め舐めしてたんですぅ♪」 「なっ!?」  その声は私のすぐ横から聞こえてきた。この場に拓也以外の人間がいるなんて思っていなかった私は驚きなが らもそちらに顔を向けると、私が横になっているベッドの向かいにあるもう一つのベッドにちゃんと服を身につ けている松永先生が、そして先生と私の視線の間を遮るように、確か永田さんとか言っていた女の子が立ってい た。  さらに驚くべきは、彼女は女子の制服の胸元を飾るリボンを解いて胸の左右にだらしなく垂らし、ブラウスの ボタンをほとんど外して、白い肌をさらけ出していた事だった。彼女もかなり恥ずかしいようで、赤く染まった 頬と同じように、Vの字に開いたブラウスの隙間からは汗がきらきらと輝き、ほんのりとピンク色に染まった肌 が見えていた。 「ふふふ…片桐先輩、あんまり見つめないで下さい…舞子、恥ずかしいですぅ……」  恥ずかしげにモジモジと体を揺すっていた彼女だけれど、私が見つめているのに気付くとさらに顔を赤らめな がら笑みを浮かべる。けれど、なぜかスカートのホックへと手を伸ばしていく。  その様子を一体何ごとかと見つめていた私の目の前で、腰への引っ掛かりをなくしたスカートは自然の摂理に したがって床へと舞い落ちる。そしてその下からは、可愛いリボン飾りのついたパンティが現れ、まだ成長しき っていない、少女の面影を残した下半身が私の目へと飛びこんできた。 「あ、あの、言っとくけど、私は同性愛の気は無いんだけど……」 「くすっ、何言ってるんですかぁ? 今の片桐先輩は男の子じゃないですかぁ♪ だから同性愛なんかにはなり ませんよぉ♪」  そう言う間にも、永田さんはシュルシュルと衣擦れの音をたてながらブラウスを脱ぎ捨てると下着姿になり、 事の次第を理解しようと懸命に頭を働かせている私の前で、それすらも脱ぎ去ろうとしている。 「舞子…男の人が怖いんです。でも先輩たちになら……舞子の気持ちをわかってもらえるおねーさまたちになら、 処女を貰ってもらってもいいんですぅ…ううん、貰ってほしいんですぅ♪」  処女!? そ、そんな、だって私は拓也じゃないんだから、この体はあたしのじゃないって言う事なんだけど、 やっぱり処女って言うのは好きな人に貰ってもらうのが一番なんだけど、そう言えば拓也は彼女とキスしてたわ ね…この浮気者ぉ!! 私は…私は拓也一筋、ずっと思いつづけてきたのにぃ!! いつの間にこんな可愛い子 に手を出してたのよぉ!!  処女なんだから手を出してないって事だろうと言うツッコミは置いておいて、拓也の体に迫ってくる彼女の事 で拓也に嫉妬の炎を燃やしてしまう……けれど、それはこの状況を打破する根本的な解決案などではなく、すっ かりその気になっている永田さんは押しとどまるはずもなく、ベッドに手をついて顔を寄せてくる……って、も しかしてキスぅ!? そ、それだけはやめて! エッチな事するのは全般的にやめて欲しいけど……とにかくや めてぇ〜〜〜!!  とっさに手を動かそうとするけれど、なぜか背中に回されていてそこから動こうとしない。そうしている間に も永田さんの顔は私の唇に吸い寄せられるように…… 「…待って、舞子ちゃん。約束が違うじゃない」  えっ……た、拓也……? もしかして助けてくれたの? 「明日香の初めてはあたしが奪うの……明日香が男の体になったんだから……初めては……」  な、なにしてるのよ、やめて、やめてってば、あっ…あああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!  舞子ちゃんを押し留める声を出した拓也。けれど、こっちもまるで私のことなんか考えてくれていない。  私の姿をした拓也は上半身をベッドの上に膝立ちになると、一度私の顔を見つめてから、胸元のリボンを解く……  そう、その行動は私の横にいる永田さんと同じ、さらに前の松永先生と同じだった。 「明日香……あたしが明日香に男の子の気持ちよさを教えてあげるから……」


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