「香澄と優香」入試前日-3


「んアああああああァ! イく、こ、コピー機で、イっちゃ、イっちゃう、あふぁ、んァ、アッ、ア―――――――――ッッッ!!!」
 コピー機の中で発光が起こると、香澄は白い喉元を反り返らせながらせっぱ詰まった声をほとばしらせる。
 まるでRPGに登場するスライムのように、コピー機のガラス面の上のくぼみに満たされていた粘液が一斉に振動し始めていた。機械が動作する事で生じる振動によって波打っているのではなく、粘液それ自体が発光とともに振動しているのだ。
「くくく…ずいぶんとお気に召したようですね。いかがですか、粘液ローターの感触は?」
 葉塚市が開発した一定以上の光が内部を通過すると運動エネルギーが生じて振動し始める特殊粘液。正式名称は別に存在するのだが、市役所内では粘液ローターの名前で呼ばれている。
 今、コピー機のガラス面に密着させられた香澄の乳房は三分の二が特殊粘液の中に浸かっている。しかもたった一滴で処女の乙女が悶絶して泣き悶えるほど発情する強力媚薬混合のものだ。
 長時間の指導による興奮の火照りで汗をにじませ、大量の水分を失っていた香澄の乳房に、このスペシャルブランドの粘液は瞬く間に吸収されていた。その結果、粘液に包み込まれた膨らみの外側からだけではなく、内側からもこみ上げる振動によって、過敏になり過ぎていた膨らみが破裂しそうなほどの強烈なオルガズムを迎えることになったのである。
 ―――い…イっちゃった……コピー機にしがみついて……こ、コピー機…なんかで……!
 コピー機が発行する時間は、長めに調整してあるとはいえ三秒ほど。その短時間にまるで神経に直接電流をぶち込まれたような快感を強制的に味合わされた香澄は、プルプルと全身を小刻みに震わせると、崩れ落ちるようにガックリとうなだれてしまう。
「あっ……ふ…う…ァ……あ、ふ…ゥ……」
 顔を上げられない……それは涙が潤んでしまうほどの、そして貞操感も何もかも吹き飛ぶほどの乳房アクメい酔いしれて全身が脱力しきっているからではない。ドロドロの愛液と垂れ流す陰唇とビクビクとせわしなく痙攣を繰り返す太股とで長く太い凶悪な形状の男根を締め上げながらも、周囲にいる大勢の男たちの視線にイく瞬間を見られた恥ずかしさが、火照りを帯びた顔を上げさせないように押さえ込んでいるからだ。
 荒い呼吸を繰り返す香澄の耳には、事務所のそこかしこから感嘆の吐息とツバを飲む音とがしきりに聞こえてくる。それらの音に混じり、何かを擦る音……昨日までとは違い、それが男性器を擦る音だと気付けてしまう自分にさらに羞恥心を募らせていると、学生とは思えない艶かましい曲線を誇るヒップにバシンッと背後の男が腰を叩き付けた。
「ヒゥあああああッ! ダメ、ダメぇ〜〜〜〜〜〜!!!」
 香澄を淫戯で何度となく昇りつめさせた手と指とに腰をつかまれ、大きなストロークで足の付け根の隙間を“犯され”る。陰唇から噴出した愛液でイヤらしく濡れ輝く剛直が香澄の秘所を擦り上げ、淫裂を割り開くと、おぞましささえ覚える男性器に責められながらも香澄はまつげを震わせながら鼻を鳴らし、甘く悶え泣いてしまう。
「いかがでしたか? ずいぶんとこの”作業”がお気に召されたようですけれど」
「そんな…こ…とォオオオオオオオッ!!!」
「こんなにスケベ汁を溢れさせているのに、気持ちよくないなんてことないでしょう? ああ残念です、あなたの処女を引き裂いて種付けして上げられないのが残念で仕方ありませんよ」
 男はそういって狩り首でクリトリスをはじくかのように小刻みに抜き差しを繰り返しながら、おもむろにコピー機のスイッチに手を伸ばす。
「んはァ――――――――――――――――――――――――――――ッッッ!!!」
 再び訪れた乳房全体がシェイクされるような悶絶振動に、香澄はメガネを跳ね飛ばしてしまうほどの勢いで頭を振り上げた。ぐっちゅぐっちゅと股間から卑猥な蜜音を鳴り響かせながら、生徒会長を勤めたほどの才女は大きく開いた唇から舌を突き出し、恍惚の表情を浮かべて何度も息を詰まらせ悶絶する。
 粘液の中に沈んだ若くて健康的な張り艶をしたGカップがさらに強くガラス面に押し付けられ、ロケットのように突き出した形が鏡餅のように押しつぶされた姿を写真差ながらの高画質でカラーコピーされていく。しかも一枚だけでなく、二枚三枚と連続してコピーは行われ、そのたびに胸の下で発光が起こり、乳肉の中へと押し込まれた突端にむずがゆさやくすぐったさなどはるかに超越した疼きが突き抜けていく。
「んはッ、んはァ! おっぱ、い、ヒ持ち、よ…良すぎてェェェ!!!」
「おやおや、はしたないですねェ。そんなにオッパイが気持ちいいんですか?」
「ッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 脇から男の指が乳房へと伸びる。粘液で内と外から同時に電撃にも似た振動を受け、限界にまで膨張しきってしまった乳房に触れられたただそれだけで、香澄は目を見開いて絶頂を極め、カリ首に食い込んでしまうほどにクリトリスを突き上げてしまう。
「やッ、まって、さわんな…ああッ、んァあああァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「おお〜、イってるイってる。外から来た子でこれほど敏感なのも珍しい。さぞや市民の皆さんと仲良くしていただけることでしょうね」
「わた、し、なんで、こんな、め…目にィィィ!!!」
 思えば、香澄は大学入試の面接を受けに来たはずだった。
 堅物の父親や自分の胸しかみないふしだらな同級生たちの目から逃れ、解放的な一人暮らしを満喫したい……そんな誰もが願うささやかな生活に憧れて葉塚市を訪れたはずなのに、どうしてこのような目に遭うのだろうか。
 ―――でも……好きな人と付き合ったら……街の中で…誰かと仲良くなろうと思ったら…せ、SEX…しなきゃいけないなんてェ………!
 羞恥と恥辱と初めての男女の交わりで疲弊しきった香澄の意識では、自分が浅ましくイき続けていると言う事実しか認識できない。乳房と股間、乳首とクリトリスと言う女の泣き所に、これまでの人生観を崩壊させるほどの快感を叩き込まれながら、うら若き乙女は端正な美貌を歪ませてAV女優顔負けの男好きする身体を一斉に打ち震わせる。
「イぐ、イぐの、わたしイっぢゃうのォ……おチ○ポで、男の人のおチ○ポでイかされちゃう、そ…そんなのってェえええ!!!」
 湯解脱ほどに暑いと域を吐き出しながら、コピー機を抱きしめる腕に力がこもる。そんな全裸の美少女が昇りつめた瞬間、男は足の付け根からズルリと肉棒を引き抜くと、尻の谷間に剛直を滑らせ、香澄の背中に白濁液をぶちまける。
 ―――や…ぁあぁぁ……あついのが…また…わたしの……か…からだ…にィィィ………!
 背中のくぼみを伝い、火傷しそうなほどに熱い精液が流れ落ちてくるのを感じながら、香澄はコピー機にすがりつきながらもその場にズルズルと崩れ落ちる。その表紙に、コピー機の株に吐き出されていた自分の胸のカラーコピーと、ガラス面の上に湛えられていた粘液とをひっくり返してしまった。
「は…あ……ぁぁ………」
 頭からとろっとろの媚薬混じりの粘液を浴び、周囲にはイヤらしくひしゃげた自分のオッパイのコピーが無数に散乱している。
 誰かが何かを言っている様な気がするけれど、もう何も聞こえない。
 誰かが自分を床に組み伏せている気がするけれど、もう何も考えられない。
 ―――これが……私の新しい生活なの………?
 推薦入試を受ければ、窮屈だった今までの生活から抜け出せる……そう思っていた香澄を待っているのがあまりに開放的過ぎる“性活”であることを垣間見た時には、また別の誰かが自分の胸に汚らわしい男性器を押し付けてきていた。
 ―――男……なんて………!
 見知らぬ男のペ○スを乳房に押し付けられる感触のなんと甘美なことか……けれど、声も言葉も失うほどの快感に身も心も飲み込まれていながら、香澄はどうしても心の奥底からおぞましい気持ちを湧き起こらせずにはいられなかった……





『次は葉塚旅館前〜、葉塚旅館前〜』
 バスの車内に設置されたスピーカーから運転手のアナウンスの声が聞こえてくると、胸元やスカートの中に入り込んでいた手を強引に振り払い、他にも大勢いる痴漢真っ最中の乗客を掻き分けて外へと飛び出した。
 ―――痴漢なんてサイテー……!
 市役所での長い手続きをようやく終えたというのに、香澄を待っていたのは乗り込んだバスの中での長時間の痴漢。市に指定された宿泊先が街外れの旅館であったために、二時間近くも前後左右から瑞々しくも豊満な肉体を弄ばれてしまった。
 ―――明日に備えてゆっくり休みたいって言う時に、こんな目に遭うなんて付いてない……
 先ほど乗り込んだバスで何人もの女性が集団痴漢を受けていたことを不思議には思いはしないが、街の外から来た香澄にとっては痴漢は犯罪であり、非日常的なものであると言う認識が強い。痴漢にあったことがないわけではないが、車内で失禁したかのように愛液を噴き出させられた経験はさすがに初めてであり、もう勃っているのがやっとと言うぐらいに腰からは力が抜け落ちていた。
 ―――ホテルじゃなくて旅館って聞いてたからお風呂とか楽しみだったけど……早く寝たい。
 面接だけとは言え、受験を前にして市内観光をする余裕はどこにもない。事前に準備してきた面接での対応の復習もしたいところだったけれど、数え切れないほどの絶頂を極めた香澄には理性を保ち続けていることだけでも精一杯だった。
 今はもうただただ休みたい……あと三十分もしないうちに夜の闇が訪れれば起きていられる自信もない。やはり少しは楽しみにしていた小旅行が痴漢によって台無しにされた香澄は大きくため息をつくと、旅館の玄関に足を踏み入れた。
「出来れば部屋を変えて欲しいんです。あんなに広い部屋だと落ち着かなくって……」
「お客様、受験生の方には最高のおもてなしでお迎えするよう我々はおおせつかっておりまして。勝手に部屋を代えたとなれば我々の方がキツいお叱りを受けてしまいます。それに本日は他の部屋も満室でして」
「で、でも……あんなに広い部屋だと落ち着けなくて」
 入り口で旅館の従業員に頭を下げられながら迎えられても、香澄の目はそちらではなくフロントに何かを訴えている女性客へと向いてしまう。
 会話の中に受験生と言う言葉が含まれていたのだから同い年なのは間違いない。体がフロントのほうを向いているので、旅館の入り口にいる香澄からはほとんど後姿からしか見えないのだけれど、
 ―――うわ……スゴい胸。
 それを目にした瞬間、香澄の全身を包み込んでいた疲れが一気に吹き飛んだ。
 香澄自身がGカップと言う学生離れした巨乳であるため、その自分と同じぐらいの胸をした同級生なんてこれまで一人もいなかった。けれどフロントで話をしている彼女は、斜めうしろから見ても存在を確認できるほどに見事な膨らみをその胸に持っていた。
 ―――あれだけ大きいと、私みたいに色々と大変なんだろうな……
 肩こりは酷いし、走ると揺れて邪魔。男子からは興味の眼差しを向けられ、女子からは嫉妬の目を向けられる。先ほどバスの中で遭遇した痴漢のように、ただ大きいと言うだけで弄ばれるし、巨乳と言うのは他人が思うほどいいものではない。
 それを実体験している香澄だけれど、同年代に目も覚めるような巨乳の子がいれば、ついつい見てしまうから不思議なものだ。そんなのはいけないことだと頭を振って反省しながら、ぬめる内股を気にしながら自分もフロントに歩み寄ると、勤めて隣の彼女に目を向けないようにしながら並び立つ。
「すみません、チェックインをしたいんですけど……」
「安藤香澄様ですね。ようこそ葉塚旅館へ。うちに一泊すればどんな受験も合格間違いなしって評判なんですよ」
「はあ……」
 いきなりフロントで世間話をされるのも従業員の対応としてどうかと思いながら、気のない返事を返す香澄。
 しかしながら、あの市役所が受験生にとってはありがたいジンクスのある旅館を用意してくれたことに軽い驚きとわずかな感謝の気持ちを抱いていると、突然、
「すみません、お願いがあるんです!」
 と言って、隣にいた彼女が香澄の手を両手で握りしめてきた。
「あの、初めて会う人にこんなことを頼むのは失礼だって言うのはわかってるんですけど……わ、私と同じ部屋に泊まってもらえませんか!?」
「え……」
「私も明日が受験なんですけど、部屋が広すぎて全然落ち着けなくて、そしたら心細いし泣きたくなっちゃうし、どうして言いか分からなくなっちゃって……」
 受験前の不安でよほど心細かったのだろう。最初は勢いよく香澄に喋りかけていた彼女の言葉は次第に尻すぼみになり、最後には今にも涙が零れ落ちそうなまでに瞳を潤ませてしまう。
 けれど受験の直前は不安を覚えるのは誰だって変わりはしない。試験中に解らないからと言って誰かを頼ったりは出来ないし、だからこそ不安を感じないためにも勉強を積み重ねて試験本番に挑むのだ。入試前日にここまで不安に駆られて取り乱すような相手は、香澄にとっては努力を怠った侮蔑の対象であり、同室になるどころか助けの手を差し伸べたりするはずもない。
「私なら……構わない…けど……」
 けれど、香澄の唇を突いて出たのは、頭の中で導き出した結論とは真逆の言葉だった。
「本当ですか!? あ…ありがとうございます♪」
「―――――――――ッ!?」
 よほど香澄の言葉が嬉しかったのだろう。今にも消えてなくなりそうなほどに肩を竦めて俯いていた彼女は、顔を跳ね上げて満面の笑みを浮かべると、香澄の首に腕を回して抱きついてきた。
「あ、ご、ごめんなさい! 私、嬉しくってつい……」
「そんなこと……ないよ……全然……むしろ…もっと………」
 そこまで言いかけてはっと我に返った香澄は、ブルブルと頭を振ると、お互いの胸の先端が触れ合う距離から半歩だけうしろに下がる。
 ―――どうしよう、わたし……胸が…ドキドキして止まらなくなってる………
 初めて彼女と顔を合わせた瞬間から、香澄の全身には電撃にも似た衝撃が駆け巡っていた。
 幼さの残る顔立ち。つぶらな瞳、柔らかそうな唇、それら全てが香澄の保護欲を狂おしいほどに掻き立てる一方で、体つきに至っては霞むに負けないボリュームを誇る乳房にいつまでも抱きしめていて欲しいとさえ思ってしまう柔らかい抱かれ心地に、眠気なんて欠片も残さず吹き飛んだはずなのに、まるで夢の中にいるような気持ちにさえなってしまう。
「わ…わたしは……安藤香澄。あ、あなたの…名前は………」
 何百人と言う全校生徒の前で演説する時でさえ、こんなに緊張したことはない。ノドがカラカラに乾いていくのを感じながら、それでも必死に子音場を搾り出すと、涙をぬぐっていた彼女は嬉しそうに笑いながら自分がまだ名乗っていないことに気付き、
「優香って言います。滝川優香(たきがわ・ゆうか)。あの……一晩だけですけど、よろしくおねがいしますね」
「う…うん……」
 求められる握手に素直に応じた香澄は、女同士でも一目ぼれが起こることを未だ信じられないまま、ずっとずっと優香の顔を見つめ続けていた……


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