格安の代償5


「いやーーーーっ!そんなとこ見ないでぇっ!やああぁっ!」
恭子はあらん限りの力で暴れまわった。しかし男達は顔をいっそうそこに寄せていく。
「…たまんねえ…バージンのアナルだ…」
「…ひくひくしてるぞ…すげえ…これが恭子の肛門か…」
男達が喋るたびに息がかかった。布で隠されてない”そこ”だけが空気の流れを感じてしまう。そのうち一人の男が鼻を鳴らした。つられてそこにいる全員が恭子の匂いを嗅ぎ始めた。
「やあっ!やあっ!やああっ!」
もがいても腰は肌を震わせることぐらいしかできない。膝から下だけが自由だが男の髪の毛をさするだけだった。もがきながら恭子は見る。布がぷくんと盛り上がりシミが次第に大きくなるのを。ぷくぷくと盛り上がって中の唇がどんどん透けて見えてくるのを。
「もうたまらん…早くしようぜ…」
「そうだな…おい、最初に触るの誰だ…」
「お、俺…」
指先がいきなりソコに触れた。他を刺激されてない分神経が一点に集中してしまっている。悪寒が一気に襲ってきた。
「あっ!やっやっ!やっ!」
穴を中心に指がくにくにと動く。自分でも素手で触ることなどなかった場所なのだ。嫌悪するべき器官を他人に、それもよりによって男に触れられる。
「やっ…い…やっ…」
男が指を離した。片手になにか容器を持っている。中から、見たところドロリとした液体が出てきた。
「…ひっ…」
冷たい温度をその部分に感じた。直接ボトルから垂らしている。そして指がまた触れてきた。ヌルヌルしている。指はその液をまぶすように動く。
「…やあ…いやあ…」
指は穴を探るようにくにゅくにゅと入り口をほぐす。寒気と熱気が同時に湧きあがってくるようだった。
「…さすがに固いな…怖がってきゅっきゅって締め付けてくるよ…」
「そこがいいんじゃないか…どれ、自分にもみせてやろうじゃないか。」
「…ぐっ…」
恭子の腰が数人の手で持ち上げられた。身体がさらに折れ曲がる。台がこちらへスライドしていっそう股間がこちらを向いた。
「いっ、いやっ…いやっ…」
恭子にも充分その部分が見えた。生まれて初めて目にする自分の肛門だった。思ってた以上にしわが多い。もちろんきれいなものとは言い難かった。生きている以上最後まで隠さなければならない箇所なのだ。自分にも、そして言うまでもなく他人にも。
「あっああっ…」
指先がめりこんで穴をくすぐっていた。そして手首が立ち上がって伸びた指が穴に垂直に立った。
「…さあよく見てろ恭子…」
「いっいやっ!やめてっ!やめっ…あっアッ…」
指先は動かなくなったがその代わり手全体がねじれた。穴を締めきることができない。手が徐々に下がっていった。
「やめっ!いっ…いたっ…」
「…すごい力だ…大丈夫かな…」
「なに、指一本ぐらいで切れはしないさ。でも気をつけろよ、初めてなんだからな…」
「…い、いや…抜いて…抜いて…」
「恭子。他人のものを初めて入れられた感想はどうだ?」
「…い…や…いた…」
「そうだよな…肌のどこでもなくいきなり粘膜、いま触れられてるのはここだけ…”ケツのアナ”なんだもんな…ゾクゾクするよ…」
「あっあっいやっ!」
「うわっきつっ」
その部分を卑語で呼ばれた途端、羞恥極まりない感覚が頭をよぎった。反射的に入ってくるものを強く締め付けた。しかしそれでもなお指は侵入してくる。抵抗が効かないという事実が被虐感となって羞恥と手をつないだ。
「いっいっ…」
「もう入らないか?」
「ああ、先っぽしか無理だ…だって中、いっぱいなんだもん…なあ、恭子…」
「…?…」
全部の動きが止まった。皆が恭子を凝視している。
なんで見るのだ。いまなんて言ったのだ。”いっぱい”ってどういう…
「!!!!…いっ!だっだめっ!そんなっ!」
「…恭子…いま俺…さわってるよ…」
いまさらながらに恭子は肛門の本来の役目を知った。人間として最も恥ずべきものがここにはあるのだ。そのときぐにゅっと中が動いた。指が動いたのだ。恭子は狂気に襲われた。男達は恭子の全身に鳥肌が立つのを見た。
「…ほらいっぱいだ…ここも…ここも…」
「…い…や…やめ…きたな…い…」
声が大きく出せない。肛門を初めて触られてるというのもあるが、その中で指がなにを探っているのか理解した状況が、恭子の理性をあやふやなものにしていた。
「ずいぶん溜め込んだもんだな、恭子…」
あきらめたようにゆっくりと指が引き抜かれた。
「…あ…あ…」
とりあえずこの気持ち悪い感触が去ってくれたことにほっとした。しかしそれもつかの間、恭子はとんでもないものを目にした。その指を男が口にくわえたのである。
「…ぁ…」
息が止まった。男は口を動かして指をしゃぶっていた。肉食獣に身体を屠られる感覚がした。叫び声さえ声にならない。目を見開いたまま首を振ることぐらいしかできなかった。
「…汚いか?恭子…」
しゃぶってる後ろから声がした。口に出さないではいられなかった。
「…き…きたな…い…」
「じゃあ、キレイにしなくちゃな…」
指をくわえながら男がどいてその声の主が後ろから現れた。手になにか持ってる。すぐにはなんなのか答えが出せなかった。なぜそれがここにあるのかわからなかったからだ。注射器だ。しかもかなり大きな。恭子は次第に理解した。見たことはある。
男が手にしているのは針のない注射器、すなわち浣腸器だった。

おそらく恭子はいままで生きてきた中で最も高い叫び声をあげた。
「いやああーーーーーっ!!!!」
あらん限りの力尽くして恭子はもがいた。大声を何度もあげながら縛られた身体で暴れ、特に腰を揺すった。
逆にびっくりしたのは男達のほうだった。見るに見かねて一人の男がもう一つの浣腸器を手にした。
「恭子恭子っ、ちょっとっ、そんなに暴れるな。ほらこれ見ろっ」
その男は器具の先をペキンと折った。
「な、これガラスだから。暴れると折れちゃうから。なっ危ないから。」
恭子は息を荒げてそのさまを見た。子供に言い聞かせる心配そうなその口調に暴れるのをやめた。
「なっ、俺達傷つけるつもりなんかないから。血だらけになんてなりたくないだろ。」
「あーあ。」
「あーあ、備品壊したあ。」
「弁償だあ。俺しーらないっ。」
「んー、わかってるよぉ。俺ってことでいいさ。」
「冗談だよぉ、ワリカンねぇ。」
一同が笑った。ここだけ見れば和気藹々とした愉快な仲間達という雰囲気だ。しかししようとしていることから考えるとあまりにギャップが激しい。それがかえって恭子には不気味だった。
男達が笑い終えながら、静かになった恭子を見つめた。状況はなにも変わっていないことを恭子は知る。そのガラス器具が股間の上にやってきた。
「…やめてぇ…」
叫び声は悲痛な、か細いものになっていた。なぜそんなことをされなければならないのか全くわからないし、いま行われようとしていることは絶対にされてはならないこととしか思えないからだ。
…つぷっ…
「…いやああ…おねがいぃ…」
冷たいものがもぐりこんでくるのがわかった。それはそうだ。入るところがはっきりと見えているのだから。
…ちゅっ…チュルル…
「あっ!ああっ!」
男がシリンダーを押す。中で冷たいものがはじけるのを感じた。
「やっ!やめっ!いやっ!やっやめっ!」
「戸惑って震えながら締めてくるよ…おい、準備しろ。」
掛け声で一斉が一度に動き出した。全員がシャツやズボンを脱いでいく。あっという間にそれぞれがパンツ一枚になった。
「…な…な…」
シリンダーの動きは止まっていた。しかしそれよりも目のやり場に困った。見ることのほとんどなかった、水着でない男性の半裸である。見まいと思ってもどうしても見てしまうのだ。恭子はたちまち顔を赤らめた。うろたえるばかりだった。全員のブリーフやトランクスの”その部分”が盛り上がっていたのである。
やり場に困って目を向けたその先に浣腸器を手にした男がいた。目が合ったと同時に男はまたもシリンダーに力を込めた。
「いやあぁぁ…」


「…よしと、終わった。おまけを付けてやろうな。」
ガラス管を抜くと男はそのままにシリンダーをまた途中まで抜いた。そしてまた嘴管を差すと手に力を込めた。
「…くぁ…や…」
…ごぽっ…ごぷっ…
空気が振動を持って否応なしに入ってくる。液体が奥底まで侵入してくるのを感じた。
「…これで…OK…」
にゅぷっとした感触と共に嘴管が引き抜かれた。ぶるっと身体が震えた直後、おなかが鈍い音を立てた。
…ゴッ…ゴロロ…
「…あ…く…」
必死で恭子は筋肉をこわばらせる。といってもまだその心配はなかった。
…かちゃ…かちゃかちゃ…
「…え?…えっ…ええっ!?…」
一斉に全員がパンツに手を掛けた。きっと男達は打ち合わせていた。最後の一枚は同時に下げられた。
「…いっ!いやっ!」
恭子は反射的に目をつぶった。そのときおなかがグゥと鳴って出口に圧迫感が襲ってきた。それをこらえるのに恭子はまたも反射的に目を開いてしまった。
「…いっ…いっいっいっ…い…やっ…あっ…」
全員が一糸まとわぬ生まれたままの姿になっていた。生まれて初めて見る成人男性の性器、幼少のころに風呂場で見た父親のものとは明らかに形が違っている。恭子は勃起したペニスを見るのは初めてだった。


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