第5話「『栄光のキャプテン=ナメラ』後編」


 「またまた唐突だが、イッターチーム出撃せよ!」 「わああっ!おっちゃん、唐突過ぎるよぉ!まだトイレ行ってないのにぃ!」  緑は叫びながらもロッカールームに飛び込み、さっさと服を脱いで、備え付けのバスローブに着替える。 「ううう、戦闘中にしたくなったらどうしよう・・・茜ちゃん、秒殺星人しようね」  緑は同じバスローブ姿でイットマシンに向かって走る茜に呼びかけた。 「・・・うん・・・」  何だか複雑な表情で茜は頷く。 「茜ちゃん元気ないな・・・」  緑はイットマシンのコクピットに滑り込みながらつぶやく。 「うひゃ、シートの冷たさがちょっとヤバイ星人だよ・・・」  かすかな尿意が次第に強まってきて、緑は心配な表情を浮かべた。 「敵は昨日撃退したキャプテン=ナメラの様だ!気を抜かずに戦うんだぞ!」  棹止からの通信が各マシンに入ってきた。 「ふっ、やはり相互理解は無理だったか。茜、今度は容赦したらだめだよ」 「・・・うん。葵、もしかしたら、途中で代わって貰うかも知れないけど、いいよね?」 茜の声は妙に沈んでいた。 「それは構わないけど、いつもの強気なあんたらしくないね」 「ちょっと疲れただけだから」  茜その声を聞いた葵は棹止に連絡をとっていた。 「博士、今回は地上で迎撃したいんだけど、よろしいか?」 「イッター2を使うというのだね?」 「ええ」 「よろしい、許可しよう。敵は最初からイッターとの対決を望んでいるらしいからな」  発進したイットマシンは即座に合体、高機動地上戦仕様のイッター2の形態でエロザウルスの到着を待っていた。 「・・・しかし、この触手、どんどんいやらしい動きをするようになって来たね」  葵の豊かな胸を狙ってのた打ち回るような動きを見せる無数の触手を羞恥力フィールドで弾きながら彼女は  つぶやいていた。  合体後のイットマシン内では、メインパイロットのコクピットにイッター線が集中する為、ほとんどの触手が  そこに発生する。  その数も、動きのいやらしさもイットマシン単独の時の比ではない。  さらに、時間経過によって知恵が付いて来るのか、妙に淫靡な動きをするようになってきていた。 「ふっ、来たね!」  空のかなたにぽつんと現れた黒点が見る見るうちに接近してくる。 「この前と形が違うようだが、容赦はしないぞ!」 「ふっ、こっちもそのつもりだよ。くらえっ!ドリルシュート!」  いきなり必殺の攻撃を放つイッター2。  左手のドリルがぎゅいんぎゅいん回転しながら発射された。 「見切ったりぃ!」  さすがに『勇者』を名乗るだけあって、キャプテン=ナメラはあっさりとかわす。 「ふっ、かかったね!イッターアーム!」  ドリル発射と同時に間合いを詰めたイッター2の右腕がイッター線の収束によっていやらしいピンク色の光を帯びる。  手の触れた場所から高濃度のイッター線を注ぎ込んでバイオコンピューターを昇天させる『黄金の指』だった。  基本的にバイオコンピューターがあるのは、エロザウルスの股間なのだが、葵はコクピットのある胸を狙っていた。  しかし。 「まだまだ甘いわぁ!」  コクピットに届く寸前で、エロザウルス・ベロの長い舌がイッターの腕に巻き付いて引き倒した。 「くうっ!やる!」  一瞬で腕を決められ、うつぶせの形で地面に捻り倒されたイッター2の股間に、長い舌が潜り込んだ。  イッター線によってブルマー状に変質した装甲の上からレロレロと股間を舐め回し始めた。 「なっ!何を!?うひゃぁぁ!」  いきなり活性化した触手が、羞恥フィールドを突き破って葵の胸を責め始めた。  見事なロケット型のおっぱいにぎりぎりと巻き付いて更に突出させ、その乳首を二本の触手が挟んですりすり、  くりくりと揉み擦り始めた。  明らかな『愛撫』に反応した乳首がたちまちぷくっ、と勃起し、硬く尖っていく。  その先端を更に別の触手がつんつん突付いて刺激していた。  予想以上の触手のテクニックに強制的に感じさせられた葵の身体がぶるぶると震える。「うはぁ!や、やめ!  はひいいいっ!」  必死に閉じた太腿の隙間をこじ開けるように触手が潜り込んできた。  柔らかな腿肉の隙間を這い進んだ触手はその奥の『穴』めがけて突進していく。 「葵!緊急分離!!」  茜の好判断で、葵は間一髪、触手の責めを逃れて三機のイットマシンに分離していた。「はあ、はあ、い、  一体何なんだ!?あの触手のパワーは?」  いまだにピンと尖った乳首を恥ずかしげに見ながら、葵は言う。 「大丈夫か?葵君!」  棹止からの通信が入った。 「は、はい、一応・・・」 「イッターロボはイッター線によって擬似生物化している。だから、性的刺激を受けるとイッター炉が活性化し、  触手のパワーが大幅にアップするのだ!奴の舌のテクニックは半端ではない!あっという間にイッター炉が  暴走してしまうぞ!」 「くっ、接近戦は無理か。茜!あんたの出番だよ」 「う、うん。チェンジ!イッター1!スイッチオン!」  空中で合体したイッター1に、ベロが突っ込んできた。 「隙有りいいいいっ!」 「し、しまったぁ!」  イッターは空中で両腕をつかまれていた。 「どうした!?気迫が足りないぞ!それでもおまえは一度はこの私を追い詰めた勇者か!」  キャプテン=ナメラの声がコクピット内に響く。 「その程度の奴だったとは、見損なったぞ!さあ、引導を渡してやる!」  分離できないように首から胸、股間へと巻きついた舌がうねうねと動き始めた。 「きゃああああっ!」  再び活性化した触手がなだれを打って茜に襲い掛かっていた。 「うひぃ!」 「ひゃわぁ!」  葵と緑も触手の攻撃を受けていた。 「やぁ、フィールドがもたないっ!」  茜はじりじりとフィールドを押し返してくる触手の圧力に恐怖していた。  (あんなに一杯の触手、押さえ切れないよぉ!)  茜は必死に羞恥心を振り絞っていたが、その時一瞬、昨日の夜、初めてしてしまった『一人エッチ』の記憶が  よみがえった。  触手に身体をまさぐられる淫夢を見ているうちに、無意識にいじってしまっていたらしい。途中で目覚めて  慌てて止めたが、甘く痺れるような余韻は今も覚えていた。 「やぁ、恥ずかしいよぉ!」  一瞬強まった羞恥力フィールドが触手の群れを押し返したが、次の瞬間、均衡が破れていた。  フィールドを貫いて無数の触手が茜を押し包んでいた。 「茜!!」 「茜ちゃん!!ひゃうううううっ!」  緑は股間に走った電気ショックのような刺激に声を上げていた。  活性化した触手が緑の股間をねちねちと嬲っていた。 「やぁ、いやぁ、あっ、あっ、あっ、ああっ、そこはダメぇ!」  勢い余った触手が、ツン!と、股間の一点を突いていた。 「ひゃあああんっ!も、漏れ・・・漏れちゃうううううっ!」  股間を押さえてぶるぶる震える緑の指の間から、ちょろちょろと透明な液体が滴り始めた。 「嫌、嫌、嫌あああああっ!」  緑の絶叫とともに羞恥力フィールドが爆発的に増大していた。  全ての触手が一瞬のうちに弾き飛ばされ、さらに、エロザウルスさえも引き剥がす。 「な、何だと!?」  空中で体勢を立て直しながら、キャプテン=ナメラは叫ぶ。  メインパイロットである茜が失神しているらしく、イッター1はゆっくりと地面に向けて落下し始めた。 「むう!」  キャプテン=ナメラはエロザウルスの舌でその機体を捕らえ、ゆっくりと着地していた。 「何故?何ぜ助けた?」  三人の中で唯一無事だった葵が訊ねる。 「・・・借りが有ったな。これで返した。四十八時間以内に降伏しろ!さもなくば、総攻撃を開始する!伝えたぞ」  そう言うと、エロザウルス・ベロは飛び去っていった。 「見逃して、くれたのか?・・・畜生・・・畜生!ちくしょおおおおおおっ!」  葵の叫びだけがコクピット内に空しく響いていた。  続く  次回予告:触手に犯されそうになったショックでイットマシンへの搭乗を拒む茜。  そんな時、敵の総攻撃に対抗する為、アメリカがスーパーロボットを援軍に送ってきた。次回、『フロリダから  来た凄い奴!』ご期待下さい!


第6話へ