第42話「絶え間なき裸への渇望」


(ふふ、早く自分の本能を晒しだして、こっちの世界へいらっしゃい♪)  美夏が冷ややかな視線で苦悩する結愛子を失笑する。  部屋を出てから、多くの客に裸を覗き見された結愛子だが、一言も文句 を言わずに美夏の後についていく。  恥ずかしいことに障子の隙間から視姦されるたび、結愛子のクリトリス は充血を増し肥大する。誰にも見せたくないコンプレックスである大きめ のピンクのクリトリスは今や、自分から包皮を捲って淫らな姿を晒したの だ。しかも、ピンクのクリトリスはひくひくと痙攣しており、その淫らな 姿が結愛子の理性を狂わしていく。  そう、もう自分がずっとここで女体盛りの女性をしてるような感覚に陥 っていた。  が、結愛子は半年前まではオナニーすること自体、嫌悪感を抱く馬鹿真 面目な女子高生であったのを忘れてはいけない。  同級生から見た結愛子のイメージは「清廉潔白」「純真無垢」やら、穢 れなきキーワードしか出てこない。  さらに彼氏なしのバージンとくれば、結愛子に告る男子は後を絶たなか ったが、全て玉砕してしまったらしい。  いつも、結愛子にフラれた男子たちが捨て台詞で「あんな堅物じゃ一生 男と付き合えねーよな」「水着も恥ずかしいなんて、どんだけウブなんだ よ」とか言ってくるが、でもやっぱ結愛子以上の女性は居ないんじゃない かと心の中で思っていた。  性格良し、頭もいい、運動神経もいい、歌もうまい、料理も美味しい、 掃除大好き、顔も体も言うことない、どうにもこうにも欠点が浮かばない のが結愛子の特徴だからだ。  強いて男視線からの勝手な欠点をあげると、肌の露出を嫌うこと、エッ チなことを嫌うことだろう。  だからプールなどで結愛子が水着になると大騒ぎになる。密かに結愛子 の水着写真が多くの男子たちに夜のおかずとして出回った。  今でもその写真を大切にしている男子が多く、飲み会で集まった際は俺 の青春のお宝として見せ合っているぐらいだ。  そんな男子たちが今日、千兆に食事にきており、新人お披露目会でどん な女性が見れるかを楽しみにしていた。 「しっかし〜、今思っても桜野ちゃん以上の子っていねーよな」 「まーな。けどよ、聞いた話だと意外とエッチなとこもあったそーだぜ」 「馬鹿言うな。下ネタ言っただけで顔を真っ青にする堅物女だったぞ」 「俺の女から聞いた話だと、桜野ちゃんって混浴などは平気でタオルなし で入るそーだぜ。あと浴衣の時は下に何も着けないらしいぞ」 「そーいや、競泳の時は良く白の競泳水着着てたな..意外とあーいう女 って何かのタカが外れれば、一気にエロいことやりそーじゃねーか」 「そーか?でも俺たちが見れる機会はないし、俺たちが同窓会企画しても 敬遠されそーだし」 「そりゃ当然だ。俺たちが集まるのはいつもここの”千兆”だし、女体盛 りが出る料亭に来るわけねーな」「ははは..」 「ともかく、結愛子ちゃんの話はこれぐらいにして、もうすぐ来るお披露 目を楽しもーぜ」 「って言うか、美夏ちゃんしか見ねーな。どーせ、大した女が来るわけな いからな」「まーな」  まさか、その数分後に結愛子が裸で通り過ぎることになるとは何たる皮 肉だろう。  ただ彼らも、結愛子と認識することは出来なかったが、興奮は凄まじく 全員が勃起した股間をおさえて、必死に障子の隙間から覗き込んできた。  ぼそぼそ「おいおい、あの新人すげー、すげーよ!次は絶対指定しよー ぜ!俺、初めて見たぜ。あんなエロい身体っ!」  ぼそぼそ「あの結愛子ちゃんも霞むぐらいに可愛くねーか?あんな子が 女体盛りをするなんて、いい時代が訪れたな!」  ぼそぼそ「こりゃ、今すぐ予約しねーと1年先になるレベルだよ。俺、 後で予約入れてくるっ」  ぼそぼそ「お・俺なんて..もう我慢できねー!トイレいってくる」  結愛子の裸に悩殺された彼らが次々とトイレに抜きに行った。  これは全くの偶然の出来事であろう。  けれど、仮にトイレから戻ってきた彼らと結愛子が廊下で出くわしても 結愛子は美夏と一緒に挨拶をしてしまうかも知れない。  それほど今の結愛子は女体盛りの女性としての意識が強くなっていたの だ。だから、こんな辱めを受けてるのに全然、気持ち悪くならない。  これには結愛子が一番、驚いていた。 (何で吐き気が起こらないの?こんないやらしいこと嫌なのに!…もしか したら美夏さんのついでに私が見られてると思うから?た・確かに、私だ けが見られてるわけじゃないんだから..)  まだ辛うじて快感に堕ちずに頑張る結愛子。が、濡れていた恥部を隠す ことは出来ない。  結局、30分かけて料亭内を歩かされた後で料亭の離れにある休憩室に到 着した。  ちなみに例の元・同級生たちは早速、結愛子の女体盛りを予約しており、 何故か予約が出来るようになっていた。(しかも半年先まで予約が埋まる)  休憩室内には女体盛りの女性が10数人ほど裸で休んでいて、結愛子のイ ンタビューを嫌がりもせず、満面の笑顔で受けてくれた。  いや、日常を忘れるぐらい心地良い雰囲気が広がっており、ついつい会 社の愚痴までも話し始めて彼女らに聞いてもらっていた。 (…私ったら何で社内いじめのことまで話しているんだろ?こんなこと社 外の人に話したら不味いはずなのに..)  結愛子はまだある重大なことに気付いてなかった。何でこんなに彼女ら に並々ならない親近感を抱くのだろうか?  それは、ここにいる彼女たちが全員、崎長食品会社の元OLであり、奈 緒や伊持たちによって辱められて退職した同胞だからだ。  けど、彼女たちは同胞であることを決して口にはしない。  いずれ結愛子が自分たちのようになるまで黙っており、その日は差ほど 遠くないと思っていたからであった。 「―――それじゃ、また分からないことがあったら聞きに来て頂戴♪」 「あ、はいっ。助かります」  女体盛りの女性たちと、楽しいひと時を過ごした結愛子は部屋に戻って 自宅へ帰ることにした。  身体にたまっていたストレスを思い切り発散出来たのが、恍惚な表情を 浮かべながら帰路についたのだ。 「何か相当、時間をつぶしちゃったみたい..明日は休日出勤だから、す ぐに寝なくちゃ」  結愛子は汗で?濡れていた下着をすぐに脱いで、そのまま洗濯機へ放り 込む。もちろん、わざわざ汗であるかを確認する必要はない。  そもそも、仮に感じて濡れていたとしても、それは初めて女体盛りを見 た動揺からきたものであり自分が女体盛りをするなど絶対にあり得ない。  そう結愛子は心に強く思っていたが、まさかそんな結愛子の身に近々、 女体盛りの機会がくるとは、思いもしなかったであろう。  翌日になると昨日の疲れはすっかり消えており、女体盛りの内容を早く まとめて、午後には帰ろうと思った結愛子。  女体盛りのサポートは仕事と割り切って、偏見を捨ててネットで女体盛 りの事を調べていた。  が、普通の料理を調べるような方法ではなかなか上手くいかず、どう調 べていいか分からない。  ネットでいろいろ検索してみても、引っかかってくるのはエッチなもの ばかりだった。 (ダメだわ..エッチなのばっかりしか集まらないわ。やっぱり女体盛り なんて料理じゃないわよぉぉ〜)  どうしていいか分からず、悩む結愛子。すると悩む結愛子を見越したよ うに、陰健課長から1通のメールが飛んできた。  それは結愛子が求めていた女体盛りに関しての詳細な情報だった。 (陰健課長ったら、本当にこんなに女体盛りに詳しかったんだ..おかげ で助かったけど..どうせなら写真が無いほうが..)  そう、情報を得られたのは嬉しいことだが、ほとんどの説明に写真が含 まれていたので女性にとっては見るのが恥ずかしいものになっていた。 (ちょっとぉ..何でこんなに無修正が多いのよ。これじゃそのまま資料 として隼人に渡せられないじゃない..)  これを資料とするには写真に恥部隠しの加工を入れなければならず、仕 方なく結愛子は写真加工のソフトを立ち上げて1つ1つ加工処理を始めた。  もしかすると陰健課長は結愛子に無修正な写真を見せて興奮させようと した意図があったかも知れないが、別に無修正の写真を見たからって変な 気分にならない結愛子だった。  ただ、ある写真のとこで平静を保っていた結愛子がドキッとした。  何と自分の体型にそっくりな女体盛りの写真があったらしく、身体が急 に疼いてきた。もちろん、体型が似てるだけで顔や細かいところは結愛子 とは全く違う。 (やだぁ..この子のおっぱいやあそこの形が..すごく似てる..)  結愛子が急に辺りをきょろきょろ視線を動かした。明からに挙動不審と わかる態度を取ってきた。  それは女体盛りとは関係ないある写真のファイルを呼び出したからだ。 (あったわ..このサイズならぴったしかも..)  その写真は自分の姿が映ったものだった。何と結愛子は写っていた自分 の顔を切り抜いて、女体盛りの女性の顔の上に貼り付けようとしていたの であった。 (ぁぁっ..私ったら何をしようとしてるの..何で自分の顔をこんな変 な写真に..やめるのよっ!やめてぇ)  画面に映った写真に向かって、マウスを持つ右手が勝手に動いていく。  気がつくと女体盛りの写真には綺麗に結愛子の笑顔の写真が貼り付けら れてしまった。 (なんて馬鹿なことを..何やってるのよ!早く破棄しないと!でも.. 何でこんなに綺麗に合ってしまったのよ..)  ぱっと見では、まるで結愛子本人が女体盛りしてるように見えてしまう。 (やだぁ..心臓がバクバクしてる..)  手を当てるまでもなく、すごい鼓動が響いてくる。恥ずかしい女体盛り をしてるのに明るく微笑んでいる自分の写真。  こんないやらしいこと、早く止めなければいけないのに、画面のマウス は首の部分の色合わせをしていた。 (私ったら何で修正しているのよ〜。どんどん、精巧になっていくじゃな いのぉ〜)  より自然に見えるようにイケナイ修正を繰り返す結愛子。 「あぁっ、あ、あ..」びくん、びくっ。  結愛子の身体が小刻みに跳ねる。真面目な自分がこんなイケナイ事をし ている背徳感がゾクゾクとしてたまらない。 (早く消さないと..いつまでもこんなことしちゃ不味いわ)  そろそろ破棄しないとっ!結愛子の右手があわてて加工したファイルを そのまま閉じようとしたが、間違えて保存ボタンを押してしまった。 「ああっ!」(しまった..声出しちゃった)  結愛子の慌てた声に課内の社員が結愛子の方へ視線を向けた。 「す・すいません。何でもないの..えっと保存、保存と」  まだ加工したファイルが保存要求で閉じれなかったため、近づかれて見 つかることを恐れた結愛子は急いで保存を始めた。 (すぐに削除すればいいだけだし..分からない名前で保存すれば)  けれど、保存したファイルを結愛子がすぐに削除することはなかった。  別に誰かに見つけて欲しいというわけじゃなく、急いで削除しなくても 大丈夫と思ったらしい。  結愛子としてはずさんな考えだが、ファイルを消せなかった行為がこれ からの恥辱を暗示させる虫の知らせだったのかも知れない。  とりあえず、資料をある程度まとめた結愛子はGW中に自宅からのPC でも遠隔編集出来るようにリモートツールの申請を終えてから、帰ること にした。 「少し長引いちゃったわ..午後4時か..どうしようかな..」  結愛子の足は自然に料亭「千兆」へ向かっていた。  実は昨日、インタビューした際にまた気軽に聞きにしていいと言ってい たからだ。 (でも2日連続でインタビューは不味いよね..)  今日資料まとめた時に、まだ聞き足りないことがあったのに気付いて、 早めに聞いちゃった方がいいかなと、インタビューの正当性を強引に作っ ていく。 (だけど..休憩室でインタビューするには..また裸に..)  昨日と違って、どこで裸になればいいのだろうか?  すでに料亭は目の前に見えている。GW初日のせいだろうか、あまり人 の姿が見えない。まだ夕方ということもあって、女体盛りを出す時間でも ないのだろう。  客がいっぱい来てるのなら、すぐに引き返すつもりだった。いや1人で も客の姿があったならインタビューは止めるつもりだ。 「あぁっ、そんな..」(誰も居ない..客が1人も居ないわ)  やはり日が暮れない限り、客はこないようで、店員の姿も見えない。  予め、インタビューの時は裏口から来てと言われたので、結愛子は裏口 へ向かった。  裏口のインターホンを1回だけ押して誰も出なかったら帰ればいいと思 い、軽く押してみることにした。 (事情を知らない人が出たら、また来ますと伝えてそのまま帰ればいいん だから..それにすぐに出なかったら帰ろう。そうよ!考えてみたらこん な時間に彼女たちが居るわけないし..)  が、インターホンに出たのは美夏であり、「今なら丁度、準備前で休ん でいるから来ていいわよ」と即答してきた。 (そんな..美夏さんが出るなんて..)  まるで結愛子がここに来るのを待ち構えたかのようにインターホンに出 た感じであり、裏口から入ると1分も立たない内に全裸の美夏がやってき た。 「結愛子ちゃんったら本当、仕事熱心ね〜。今日はここで脱いで頂戴。誰 も来ないから大丈夫から〜」「は・はい..」  そんなはずはないと言いたい所だったが、結愛子は美夏が持ってきた脱 衣かごに脱いだ服を入れていく。 「あっ、今日は別にパンイチでもいいわ〜。結愛子ちゃんにお任せするわ」 「!た・助かります..」  丁度、下着姿になったところで言われた救いの言葉..  結愛子は美夏の気が変わらない内にブラを外して、案内してもらおうと 思った。  脱衣かごには結愛子の脱いだ服やブラが入っており、後は休憩室に向か うだけである。 (全部脱がなくて助かったわ..で・でも..釈然としないの..どうい うことなの?) 「それじゃ、案内するわね」「…お願いします」  美夏が脱衣かごを持って近くの棚に持っていく際、何か布みたいなもの が追加でかごの中に落ちてきた。 「ん?いいの、これ..」「…はい」  美夏は、わざと指でつまんでヒラヒラと風になびかせて聞いてくる。  それは結愛子のショーツだった。  ―――結局、結愛子は自分の意志で素っ裸になったのだ。


(最終更新:2011年7月29日)
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