第40話「ピンク料理」


「女体盛り?もしかして女性の裸に乗せる料理か..」 「ぐっししし〜、単純に言えばその通りだが、これは実に奥が深いっ!! お前がやる気なら崎長食品会社が全面バックアップしてやる」 「・・・女体盛りか..わかった。俺も変な偏見を捨てて取り組んでやろ う!けど..正直な話、俺にはこの手の料理の知識はない」 「ぐっししし〜、それなら女体盛りに詳しい奴を紹介しよう。川阪、お前 がよく知ってる奴だ」 「俺が知ってる奴?誰のことだ」 「ぐっししし〜、お前の課長である陰健課長だ。女体盛りに関しては俺よ りも奴の方が良く知っている」 「わかった..じゃあ課長に聞けばいいんだな?」 「ああ、そうだ!お前1人だといろいろ大変だから、新人を1人サポートに つけてやろう。そうだな〜、お前と気心が知れた新人が適任だな」 「!ちょっと待て。まさか、結愛子のことを言ってるのか?女子社員をそ んな女体盛りのサポートなんかさせられるかっ!」 「ぐっししし〜、そんなことを言ってるから駄目なんだ。女性でなければ 分からない部分もあるんだよ。まあ、恋人を連れていきたくないお前の気 持ちも分かる。それなら鶴間はどうだ?」 「いや..俺はあんまり鶴間とは喋ったことがないんだ」 「それじゃ、やっぱり桜野くんが適任だな。どうしても嫌なら、お前が良 く知ってる馬鹿令嬢にでも、俺が話をつけておくか?」 「奈緒は尚更、駄目だ。…分かった。結愛子で構わないが、一応本人の承 諾を得てからでいいか?」 「ああ、構わんよ。何せ、女体盛りのサポートだ。桜野くんにもちゃんと 承諾をもらわんとな」  こうして、結愛子の知らない所で、とんでもない流れになってしまった。  もちろん、すぐに川阪は結愛子を呼んで事情を説明した。 「・・・ということなんだ。すまんが、俺の仕事にしばらく付き合ってくれな いか。頼む、結愛子!」 「!わ・私が女体盛りのサポートって?ほ・本気で言ってるの?」 「すまない、結愛子!けど、やましい気持ちで頼んでいるわけじゃないんだ」 「そりゃ..わかってるけど、あくまでもサポートだけよ!」 「ああ、それはもちろんだ!結愛子に女体盛りをやれとは言わないからっ! だから、この通り頼むっ」 「・・・わかったわ..隼人の仕事のサポートが出来るんですもの。多少 の変なことは我慢するわ」 「ありがとうっ!結愛子」 「・・・・・」(ぁぁっ、何かとんでもないことになってきたわ)  が、この承諾が今後の結愛子をより恥辱な目に追い込むことになってい くのであった。 「じゃあ、早速で悪いけど俺と一緒に課長のとこに行ってくれるか?」 「それは、構わないけど..」  結愛子の承諾をもらった川阪は、すぐに陰健課長のとこへ行き、今回の 仕事のことを伝えた。 「なるほど、そういうことなら僕も全面協力しようじゃないか〜」 「ありがとうございます。課長」 「しっかし、桜野くんはOKなのかい?女体盛りとなると、かなりいやら しいものを見ることになるよ〜」 「な・何とか我慢しますので、大丈夫です」 「そっか、そっかぁ〜。とりあえず、まだこの事は僕と君たち、部長しか 知らないことだから、具体的なものが見えるまで隠す方向でいいかね〜」 「それは課長にお任せします。結愛子もそれでいいよな」 「はい。私としては隠してもらった方がいいので、それでお願いします」 「よしっ、じゃあ早速、今日の仕事帰りに女体盛りかをどんなのかを実際 に見に行かんかい?明日からGWだし、連休前に少し知った方がいい」 「えっ?女体盛りをですか?」 「同じ女性の君にとっては恥ずかしいと思うが、実際のものを見ないと川 阪が上手く作れないんじゃないかね?」 「そ・そうですよね..わかりました。私もついていきます」 「川阪もそれで構わんよな?」「ああ、OKさ」  陰健課長が正論じみたことを言ったが、陰健課長本人は会社の金で女体 盛りを楽しむつもりだろう。  まあ、確かに陰健課長が言うことにも一理あるため、結愛子と川阪も陰 健課長の案を受け入れて、仕事帰りに女体盛りを出す料亭「千兆」に連れ て行ってもらうことにした。 (…ここって、味試しの会合を開いたところだわ)  料亭についた3人はすぐに座敷に通され、中に入るとすでに大きな船盛り が置いてあった。  そう、そこには裸の女性が乗せられており、身体の上には様々な刺身が 肌の上に直に盛られていたのだった。 「さあ、これが女体盛りだ。まずは川阪も桜野くんも僕と一緒に料理を食 べたまえ」と陰健課長はニタニタしながら箸を持って女体盛りの刺身を食 べ始める。  正直、この女体盛りを楽しんでいる陰健課長を見て結愛子は吐き気がし た。盛り付けてる女性の乳首や大事なとこをわざと箸で突付いて下品な笑 顔で食べる陰健課長が気持ち悪く見えたからだ。 (ぅぅ..女体盛りが、こんな卑猥な料理だったなんて..)  口を押さえて吐き気を我慢している結愛子を見て川阪が優しく声をかけ てきた。 「結愛子、気分が優れないなら少し外の空気を吸ってきた方がいいよ」 「ええ..お言葉に甘えて、ちょっとお化粧を直してくるわ」  そう言って席を離れ、急いでトイレに向かう結愛子。  トイレに入ると同時に結愛子は急いで洗面器に顔を近づけて苦痛の呻き 声を出した。 「うぇっ..ぅぅぇ..ぅぅっ」  しばらく嘔吐が続き、胃酸が絶えず逆流して喉を通り過ぎるのが分かる。  全身からは脂汗が流れており、このまま倒れそうな状況だ。  少し落ち着いた結愛子は自分の顔を鏡で確認すると、そこに映った自分 の顔が蒼白となっていた。 「やだ..顔が真っ青だわ..」  結愛子は気分を落ち着かせるため、顔を何度も洗う。冷たい水を浴びる と気持ちが落ち着いてきた。 「ふぅぅ..すぅぅーはぁぁー、すぅぅーはぁぁー」  深呼吸を何度か繰り返し、何とか落ち着いた結愛子がトイレから出て、 座敷に戻ると陰健課長が相変わらず女体に盛ってる料理を下品な顔をしな がら味わっている。  そんな陰健課長を見ると再び気持ち悪くなる結愛子だったが、さっきの ようなひどい吐き気は襲ってこなかった。 (少し慣れたせいかしら..吐き気はしなくなったわ..)   「結愛子、もう気分は大丈夫なのか?ずい分と顔が赤いが..」 「?…ええ、もう大丈夫よ」(あれっ、顔は真っ青のはずだけど..)  聞き違いと思って鏡で確認はしなかった結愛子。  が、実際に蒼白だった顔は赤くなっており、結愛子の視線は陰健課長と 女体盛りをいったりきたりしていた。 (…卑猥だわ..けど、何かさっきより気になってる..)  陰健課長のおぞましい行為がだんだんと慣れてきたせいか身体の緊張が 解れていく。しっかりと閉じてた股も少しずつ開いてきたようだ。 (…あっ、私ったら何で課長ばっかり見てるのよ!隼人の方を見ないと)  川阪が料理を食べてるかを確かめるために視線を変えると、川阪はまだ 料理に手を付けずに必死に料理全体を観察している。  本気で女体盛りを研究しており、目の前で女性のおっぱいやおま●こが 出ているのに関わらず真剣に料理のことだけを考えていた。 (はぁぁ・・料理のことになると他のことに気が回らないのね..)  きっと、このまま川阪も結愛子も料理に手を付けることはないだろう。  正直、よく見ると刺身自体は誰が見てもわかるほどの安物を使っており、 それを人肌の上に乗せていると思うと、いかにも不味そうで食べる気がお きなかった。 (こんなの料理じゃないわ..第一、こんな姿恥ずかしくないのかしら。 これじゃ、露出狂と変わらないわ)  同じ女性として、結愛子は女体盛りの女性を軽蔑していたのだが、途中 からこの恥ずかしい女性がすごく気になり、自然と料理よりも女体盛りの 女性の身体の隅々を観察し始めていた。 (この女の人、すごく興奮してる..あそこもすごく濡れてる..)  いやらしい事に女体盛りの女性の乳首が硬く勃っており、おま●この方 もかなり愛液が溢れている感じで、卑猥そのものの姿だった。  そんな彼女の表情を見ていた結愛子は思わずドキッとしてしまう。  恍惚な表情、まるでとろけるような夢心地を見ている感じの彼女に何か 魅かれるものを感じてしまった。 (・・・あんな事されて気持ちいいのかしら..女体盛りか..)  少しだけ、自分が女体盛りにされてる姿を想像してしまった結愛子。  けど、別に女体盛りをしたいわけではない。  実際にそういう機会になったとしても、やるつもりはないだろう。 「あっ、あつい..」ツツー  結愛子が甘い声で暑さで汗が垂れたことを漏らす。 「あ、あ、あつぃ..」結愛子の身体が急激に火照ってきた。  さっきまでの激しい吐き気が嘘のように消えたことに結愛子は驚いてい た。 (うそっ?吐き気が全くしないわ..今は吐き気というより暑いわ..) 「・・・・・・・・・ぁぁっ」  自分の身体がどんどん火照ってきているのがわかる。  まるで快感で熱くなる様な感触。ひょっとしたら感じているかも知れな い自分にびっくりした。 (か・感じるわけないわ..だって、さっきまで気持ち悪かったし)  そう、数十分前までは胃酸を出しまくったほどの嘔吐感に襲われたはず だ。  でも、嘔吐していた口元からは甘い吐息が出るばかりで、気持ち悪さな ど1つも沸いてこなかった。  そして、火照っていく身体に戸惑い始める結愛子。 (ただ暑いだけよ..吐き気までした私が火照るわけがないわ。そうよ!)  火照りはただの暑さだと結愛子は何度も自分に言い聞かせた。  けど、暑さを自覚させればさせるほど身体の疼きが増していることに気 づいてしまう。  それに、はじめは軽蔑のまなこで女体盛りの女性を見ていたはずなのに、 いつの間にか魅入っている自分がいる。それも、身体の芯が熱くなってく る。頭の中には再び、自分が裸にされて盛り付けられる妄想を思い返して しまう。 (何くだらないこと想ってるのよっ!女体盛りなんて冗談じゃないわっ)  もし数ヶ月前の結愛子だったら、こんな淫らな事を想うことはなかった だろう。   高校時代の結愛子は数か月、自慰行為などしなくても平気なほど、淫ら とは無縁の生活をしてたからだ。  が、このピンク会社に入ってからは結愛子の身体はどんどん変えられて おり、女体盛りを見て快感がくるとこまで目覚めていたのであった。 (か・感じてなんかいないっ..吐き気も暑さで一時的に出ないだけ.. そうよっ。よく考えたら今は課長を見てなかったから気持ち悪さが納まっ ただけなんだからぁぁ..!そうだわ..課長を見れば、また気持ち悪く なるはずよっ)  身体が変になるぐらいなら吐き気が戻った方がマシと思った結愛子は、 わざと陰健課長の方を見ることにした。  下品な顔丸出しで女体盛りを楽しんでいる姿は見ているだけで気持ちが 悪い。きっと陰健課長を見れば、さっきの自分に戻ると結愛子は信じた。 (課長を見続ければ..絶対に元の私に..) 「いひひっ〜。乳首がコリコリだぞぉぉ。ほれほれぇ〜」 「!!」ビクンッ。  女体盛りの女性の乳首を弄っている陰健課長の変態行為を見て、何故か 結愛子の身体がビクリと跳ねた。 (えっ..どうして?) 「いひひっ〜。おま●この方も汁がたっぷりだぞぉぉ〜。ほれ、刺身を挿 れちゃうぞぉ」 (うそぉ、お刺身をあそこにぃぃ..)  興奮で半開きのおま●こに陰健課長の箸が、箸で摘まんだ刺身が膣内に 入っていくが女体盛りの女性は喘いで悦んできた。 (お刺身って..気持ちいいの?)  そう、結愛子は社内いじめでおま●こに異物(ポッキー等)を挿れられ たことがあるが気持ちいいものじゃなかった。  だから生ものである刺身は、もっと気色悪いと思っていただけにそれを 挿入されて喘ぐ状況に驚いた。 (いや、これは演技じゃない?客商売だもの..嫌々ながら受け容れてる のよ..)  結愛子は女体盛りの女性のおま●こに顔を近づけて演技だということを 確かめようとしたが、粘々とした白っぽい愛液が溢れてることにショック を受けた。 (あぁっ..本気で感じてるわ..演技じゃ、こんな愛液出せない..)  結愛子の太ももが無意識に擦り合わせており、快感がますます強くなっ てきてくるようだ。 「この刺身、マン汁たっぷりだのぉ〜。これは誰のマン汁だぁぁ?」 「ぁっ、ぁっ..わ、わ、わた..」ビクッ、ビクンッ。 (思わず私のですって言っちゃうとこだったわ..私の汁じゃないのに)  いつの間にか、陰健課長の卑猥な行為に結愛子の身体が敏感に反応して いる。あれほど気持ち悪かった陰健課長の言動が今では気持ちよく感じて いた。 (ちがうっ..これは何かの間違いよ。私があんな課長の行為を見て、感 じるわけないわ..これはやっぱり暑さよ!暑さのせいよっ)  確かにさっきよりも部屋は暑くなっており、結愛子の言い分も間違いで はない。それに暑い中で結愛子はグレーのテーラードスーツ姿のままだっ たからだ。  そんな汗の量が多くなってる結愛子に陰健課長が声をかけた。 「桜野くん、上着ぐらいは脱ぎたまえ。ここは僕と川阪だけなんだから気 軽な恰好になりたまえ」 「そうだな。課長の言うとおりだよ。上着ぐらいは脱いだ方がいいな」 「そ・そうよね..じゃあ、お言葉に甘えて..」 「そうそう、別に全て脱いでも構わんぞ。僕も川阪も気にせんし、裸の方 が涼しいぞ〜。なあ、川阪〜?」 「おいっ、課長っ!何馬鹿なこと言ってるんだ!結愛子、今の本気にすん なよ」「ええ..ほ、ほ、本気に..す、するわけないでしょ!」  結愛子の声が裏返る。こんな冗談真に受けるわけないでしょ!とムッと した顔を川阪に見せながら、上着を脱いでいった。  が、心のどこかでは川阪に対して「余計なこと言わないで」と怒ってる 感じもした。  もしかすると、川阪が俺も気にしないと言ってきたら、結愛子は素直に 全部脱いで裸になっていたかも知れないのであった。


(最終更新:2011年7月1日)
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