第35話「全身エステ」


(学生の料理コンクールが出会ったきっかけなんて..それじゃ私の時と 同じじゃないのっ!まさか..その後の行動も..) 「ねえ、隼人。もしかして奈緒さんも私と同じように..隼人のことが気 になって、付きまとうようになったってこと?」 「ああ、考えてみたら奈緒も結愛子と同じようなきっかけだったな..た だ結愛子の時は俺が大学生で結愛子も高校生だから..その辺は奈緒とは 違うな..」 「違うって..どの辺が?」  コホン「・・・そりゃ、奈緒の時はあいつが中学生だったから..ただの うるさい女しか見えなくてな..恋人というよりは仲のいい兄妹って感じ で付き合ってたんだ」 「そうなんだ..じゃあ私の時は?」 「・・・い・言えるわけないだろっ」「!何よ、それっ」  まあ、結愛子本人を前にして口にするわけにいかない理由があった。  どうやら川阪も男であり、容姿端麗・スタイル抜群の結愛子を目にした 途端、あまりの素晴らしさから一発で一目惚れしたからだ。 「ともかく奈緒とは付き合ったが、恋人らしいことを一切してないっ!そ れだけは、はっきり断言してもいい」 「・・・まあ、それは信じるわ。隼人って、そういうとこ鈍感だし..」 (まだ私とだって..裸でちょっと抱き合ったぐらいまでだし..) 「何だよ、鈍感って!俺はそんなに女と付き合うのが下手っていうのか」 「・・・そうよ。大体、今の話からすると、私と付き合ってる時も奈緒さん と別れてないじゃないっ」 「あっ!いや..だ・だから、奈緒とは兄と妹のような関係で..」 「別に疑ってないから大丈夫よ。けど、奈緒さんは私のことを気づいてな かったの?」 「ああ、あいつは高校在中に父親の会社の手伝いをし始めて、お前と付き 合うようになってからは、あいつの方から忙しくて会わなくなったんだ。 あと料理のことしか頭にない俺に呆れてきた時だったしな」 「そうなんだ..」(まあ、デートを放って魚買いにいくぐらいだし..)  そう、奈緒とは学生の頃に出会った関係で、2人の関係はほとんど進展 しなかったのだ。  結愛子と同じに、隼人のことが気になって付きまとうことになった奈緒 だが、それは一方的なアプローチで川阪の行動を勝手に調べて行く先々に 押しかけてきたらしい。  その頃の川阪は高校生であり、高校にはほとんど行かず全国の料理を求 めて、あちこち回っていた最中だった。  先回りしてくる奈緒の方も中学生だったせいか、追い返すことも出来ず やかましい妹のような感じで付き合っていた。  もちろん奈緒の方は恋人して川阪のことを想っており、川阪の料理知識 が半端ないほどすごいのを思い知らさせてますます惹かれてしまった。  結局、2人の関係はピュアのままで数年つづいたのであった。  そして大学を何とか無事に卒業できた川阪を奈緒が強引に自分の父親の 会社へ誘ってきたらしい。  奈緒としては、川阪とそろそろ深い関係になりたかったらしく、高校を 卒業してからは何回か自分から過激なアプローチを仕掛けてきた。  が、川阪の方は全然応える様子はなく、すでに結愛子と付き合ってたこ とを知らされて、奈緒は女性のプライドを深く傷つけられた。  こうして奈緒は好きだった川阪を自分から振ってきた。  ただ自分に女性の魅力がなくて破局になったのではない!川阪が女に興 味ない料理バカが原因であり、きっとそのうち結愛子の方も愛想をつかさ れて別れると思ったらしい。  が、これが奈緒の失敗だったらしく、結愛子がなかなか別れないことに 相当腹を立てているのであった。 「とりあえず、俺はもう奈緒とは付き合ってない。まあ結愛子なら分かる と思うが俺は色恋には興味ないんでね。変と思われるかも知れないが俺の 頭は料理のことだけでいっぱいなんだ。のん気に女と付き合うゆとりなん てないのさ」 「・・・その割には、いつも相当なグータラぶりだけど..まあ、今日は助 けてもらったから強くは言わないけど..」 「俺が目指してるものが会社とは関係ないからな..俺はどうしても”あ いつ”に勝ちたいんだ..」 「あいつ?誰かと勝負してるの」 「!・・・いや、今のは聞かなかったことにしてくれ。ともかく、今の俺に は料理のことしか頭にないんだ」 「分かったわよ..」 (それにしても..隼人って酔っ払ってもあれだけの味の判断が出来るな んて..私は何度も確認して、あの答えを導き出したのに..) 「そういえば結愛子..あのくだらない味試しで俺と同じ答えを出したそ うだな..あれを正解するとは、ずい分と舌の腕があがったな」 「ううん..そんなすごいことじゃないわ..私なんかより、一発で当て る隼人の方がすごいと思うけど..」 「俺は常に味を疑う癖があるからな。それに、あれぐらい分からないよう じゃ、あいつには敵わないしな」 「・・・・・」 (あいつって..いったい誰のことの言ってるのかしら..)  この時の結愛子はまだ川阪が敵対する相手が分からなかったが、後々こ の人物が結愛子の人生を大きく変えてくることになるのであった。 「隼人、どうせ泊まる気満々みたいだから夜食だけ作って置いとくね」 「サンキュー、結愛子の夜食を食べれるとはついてるな」 「そんな大したものじゃないわよ。不味くても文句言わないでね」と言う と結愛子は夜食を作りに給湯室の方へ向かった。  30分後、結愛子が作ってきたのは具が何も入ってない塩おにぎりだった。 「おかずが無かったから、これで我慢してね。じゃあ、私はそろそろ家に 帰るから」 「ああ、ゆっくり食べさせてもらうよ。結愛子はもう帰った方がいい」 「じゃあ、また来週ね。おやすみ、隼人」「ああ、気をつけて帰れよ」  あまり川阪の鋭い味の指摘を聞きたくなかったのか、結愛子は川阪が夜 食を食べる前に急いで会社を出て行った。  川阪はまだ何も言ってなかったが、こんな何の変哲も無い夜食が出てく るとは思っていなかったらしい。 「まさか塩おにぎりだけとはな..奈緒とは大違いな夜食だな。まあ、奈 緒みたいに胃がもたれる豪勢な夜食を出されても困るんだがな」  ちょっと期待が外れた川阪はとりあえず塩おにぎりを口にしたのだが.. 「!!おいっ..これはどういうことだ?何だ、この美味さはっ!そうか! ご飯一粒一粒がつぶれない完璧な握り具合、米のうまさを引き立てる絶妙 な塩加減っ!いやっ、一見何も具が入ってないと見せながら隠し味を加え て美味さを何倍にもしてやがるっ!だが、この隠し味は一体何だ?俺にも 分からない味を加えてくるとは..これは参ったな」  あまりの美味さに、どんどん口に放り込んでしまい、隠し味を突き止め る前に平らげてしまった川阪だった。  一方、結愛子は帰りの電車に乗ってる途中であり、ヒリヒリするお尻と 胸を気にしているとこであった。 (帰ったら、薬を塗らなくちゃ..まさか胸までこんな風になるとは思っ てもいなかったわ..隼人が変な文句言ってないといいけど..)  実は結愛子は夜食を作る時に大失敗をしており、川阪が文句を言ってそ うな気がしてならなかった。  その大失敗とは何と炊いたご飯を一度こぼしてしまったのであり、こぼ した先は自分の服の中だった。  どうやら給湯室が暑かったらしく、ブラウスのボタンを胸元まで外して ご飯を炊いていた。  そして、炊き上がったご飯を炊飯器から取り出そうときた際に.. 「ああっ!」ツルッ。  何と炊飯器を抱えて転んでしまい、中のご飯をあろうことに自分の服の 中に撒き散らしてしまった。  幸いなことに、ほとんどのご飯は結愛子の胸の谷間でまとまっていた。  だが、すでに炊きなおすご飯はなく、いろいろ考えたあげく、悪いと思 いながらもそのまま拾い上げて塩おにぎりを作ったらしい。 (床にこぼれたわけじゃないし..私の胸も汚いわけじゃないから、大丈 夫よね)  こうして出来た塩おにぎりなので、川阪が見抜けなかった隠し味とはど うやら結愛子の胸から染み出た何かしらの成分かも知れない。  後々、料理のことしか頭にない川阪が結愛子に塩おにぎりの隠し味につ いて聞いてきたが、当然のことながら隠し味なんて入れてないという返事 しか返せない結愛子だった。 (隠し味が効いてて、美味しくなったっていうけど本当に塩しか使ってな いのに..思い当たることといえば胸にこぼしたってことだけど、まさか それが隠し味ってわけじゃないよね?)    とりあえず、今回の味試しの会合は最悪の展開にならずには済んだが、 結愛子への恥辱が治まったわけではない。  すでに新たな恥辱の足音が近づいて来ており、それは早々に起こること になった。  翌日の土曜、結愛子は朝から親友の美亜子とショッピングに出掛けた。  今日こそは辱めが起こることがないと思っている結愛子は陽気に買い物 を満喫し、昼食のあとで美亜子お奨めのエステに行くことになった。 「ねえ?美亜子、そのエステってどんな感じなの」 「んん〜、一言で言うと超人気のエステかなぁ〜。ほら、あそこの人混み のとこが例のエステだよ〜」 「!わぁ、結構混んでるね..」  エステの店前には店内に入る客と出る客で混み合っており、10分程度で 終わるお手ごろコースをしにきた客が多いようだ。 「結愛子ちん、ボクたちは予約してあるから大丈夫だよ〜。しっかりとし たコースは予約制となってるんだ〜」 「そうなんだ..」  店内に入ると中は広く、そこにも大勢の女性客がいることに驚く結愛子。 (・・・ここって、すごく人気があるんだ..今日は思い切りリラックスで きそうね)  まずは更衣室に案内され、ここで服や下着を脱ぎ、バスローブのような ものを羽織るのだが、美亜子は裸のままで部屋に行こうとした。 「!ちょっと美亜子っ、裸のままで行くの?」 「うん?そーだよ。これから受けるの全身エステだし、すぐに裸になるん だから意味ないしね」「だからって..裸のままは..」 「部屋は目の前だから気にすることないよ。ほら、結愛子ちんも裸で行こ うよ〜」「・・・美亜子ったら..んもぉ〜、仕方ないわね」  美亜子の強い押しに負けて、結愛子も裸のままで部屋に行き、ベットの 上で仰向けに寝てタオルをかけて待つことに..  が、エステを受ける部屋にやってきたエステティシャンを見て結愛子は 驚きの声をあげた。 「!ちょっと、美亜子っ。ここのエステって男性エステティシャンがする のぉ〜」「ん?そーだよ。別に声をあげて驚くことじゃないけど..」 「でも〜、美亜子っ。私たちが受けるのは全身エステだし、タオルの下は 裸なのよぉぉ〜」「気にしすぎだよ〜、結愛子ちん。別に変なことをされ るわけないし、ごく普通のマッサージしてくるだけよ〜」 「・・・それは分かってるけど..男の人にマッサージされると思うと気持 ち悪くなっちゃって..」 「・・・そーいや、顔真っ青だね..まあ、最初の5分だけ我慢してみて〜。 それで駄目だったら、エステ中止にするから。ねっ?」 「・・・さ・最初の5分だけよ..私、本当に気持ち悪いんだから..」  結愛子の顔は本当に蒼白となっており、今でも吐きそうな勢いだった。  けれど、男性エステティシャンたちの方は闘志が湧いてきたらしく、自 分たちの腕を見せてやると言わんばかりにオイルマッサージをしてきた。 (うぇっ〜!気持ち悪いっ..やっぱり無理よぉ〜)  今すぐにでも吐きそうな結愛子。全身エステのコース時間は1時間であ り、とても最後まで持ちそうにないと本人は思っていたが.. 「あっ、あぁぁっ..」(あれ?何かどんどん気持ちよくなってくるわ)  さっきまで心配していた嘔吐感は何と3分ぐらいで消えてしまい、10分 も経つと結愛子の全身の力がすっかり抜けていた。  必死に力を入れてがっちり閉じていた両脚も今では男性エステティシャ ンがひょいと持ち上げることが出来、そのまま大股にされてしまった。 「これでようやく股間の方もオイルが塗れそうだ。お嬢さん、ここは念入 りに塗ってあげるよ」  そういうと男性エステティシャンがオイルを堂々と結愛子のおま●こに 満遍なく塗ってくる。もう、パンパンと手のひらでおま●こを叩かれても 結愛子は何の抵抗も見せなかった。  結局、最後まで全身エステを受け、心身ともに気持ちよくリラックス 出来た結愛子だった。  そして、エステが終わったあとの結愛子は相当気持ちよくなったらしく、 いつまでもベットの上で仰向けでぐったりしていた。  美亜子の方はとっくにベットから起き、バスローブ姿でジュースを飲み ながら、全く起きない結愛子の方を見つめていた。 「にゃはは〜。あんなに嫌がってた割には、すごい変わりようだね〜結愛 子ちん。クリと乳首が見てて恥ずかしいほどフル勃起してるよ〜♪」  すっかり変わり果てた結愛子の姿に満足している美亜子。  そんな美亜子の所にベテラン男性エステティシャンの加藤 豊(ゆたか) が相談しにやってきた。 「美亜子様、今日のエステは堪能されましたでしょうか?」 「ええ〜。相変わらず腕がいいわね〜。やっぱエステは力強くじゃないと 駄目ね〜。ここは整体のような施術もしてくれるから身体のコリが取れて 助かるわ〜」 「お褒めの言葉、ありがとうございます。ところで、ご相談がありまして そこのお嬢様のエステを延長させてもらえませんか?いろいろと興味深い ところがありまして」 「ん?延長って、もうすぐで営業時間終わるんじゃないの?」 「そこは営業時間外でやらせていただきます。その方が集中できますので」 「はぁ〜、相変わらず悪い癖が直らないのね..まあ〜加藤っちが興味を 示してくるのは分かってたけどぉ〜」 「やはり、そういう意図でお嬢様を連れてこられたんですね。けど、これ も僕の勉強になるので」 「そうね〜。別に変なことするわけないから延長してもいいわよ〜。本人 もあんなに気持ち良さそうだから、まだ物足りないかもねぇ〜」  美亜子が妖しい笑みを浮かべながら、未だに起きない結愛子の方を見た。 (結愛子ちん、今日こそチョーカーが似合う牝に仕上げてあげるね〜)  どうやら今度は美亜子が本格的に結愛子を堕としにきたようであった。


(最終更新:2011年4月10日)
第36話へ