第1話「よく忘れ物をする少女」(挿絵:さばにしきさん)


※時々CGと文字が重なる場合がありますので、その時は1回再読み込みしますと直ります。

「ああぁっ、遅刻しちゃう〜。い・いってきまーす」 (ちょっと、はしたないけどパン咥えていっちゃおっ)  遅刻寸前で慌てる女子高生が焼きたての食パンを口に咥えて、家から飛 び出していく。  一見、あわてんぼな可愛い女子高生が走る爽やかな光景に思えるが、実 際は破廉恥そのものとなっていた。  何故なら、彼女は服も下着も着忘れてすっぽんぽんで走っていたからだ。  それもパンを咥えているので、変ないやらしさが倍増だろう。 「いやぁぁぁっ!服を忘れちゃったぁぁぁっ〜」  咥えたパンを食べ終わった後で、全裸で飛び出したことに気づいて彼女 が慌てて家に戻る。  運よく、誰にも見られずに家まで戻れたからいいものの、服や下着を忘 れてしまう女子高生がいるのだろうか?  そう、この女子高生は裸で家を飛び出すほどに、忘れ物がひどい少女で あったのだ。  わすれもの..それは挙げるといろいろ出てくる。  雨が止むと傘をつい忘れる者、話に夢中になって買った物を忘れる者。  世間には、よく忘れ物をする人を見かけるが、ここで出てくる少女の忘 れ癖は常軌を逸していると言っても過言ではないだろう。  さきほどの全裸飛び出し女子高生がよく忘れ物を続ける少女であり、名 前は須和 葉須香(すわ はすか)、高校1年になったばかりだ。  この葉須香は中学の頃から忘れ物がひどく、時計、携帯、財布、鞄など 等、気がつくとどこかへ置き忘れている。  その度に交番や、駅の遺失物センターに問い合わせるので、高校生とな った今では顔を見せただけで忘れ物を引き取れる常習者となっていた。  雨季などの雨が続く季節では、晴れた日に引き取りに来たときに自分の 傘が12本もたまっていたという恥ずかしい記録を作ったこともある。  これほどの忘れ癖がひどい少女であるので、出かける際の忘れ物の多さ も半端ではない。  例えば、寝坊をしてしまい、急いでいたあまり、制服に着替えるのを忘 れて思わずパジャマのまま外に飛び出した恥ずかしい話などは聞くが、葉 須香の場合はそんなのは序の口であり、何度もやったことがある。  そう、文頭で話した全裸飛び出しを高校に入学したばかりの頃にやって しまうぐらいひどい忘れ方をするのだ。  全裸飛び出しをした日の朝、葉須香は前の晩に、夜更かしをしてしまっ たせいで、目覚めが悪く、うとうとしている中で母親の怒り声が響いた。 「葉須香〜もう遅刻しちゃうわよぉ〜何時だと思ってるのっ!」 「えっ..ああっ!しまった!こんな時間になってるっ」  母親に言われて時計を見ると、もう遅刻寸前の状況となっており焦り始 める葉須香。  ここまでは良く聞く話だが、葉須香がうとうとしていた場所はベットで はなかった。  実は朝シャンを終えて、髪を乾かしていた途中でうと寝をしたらしく、 急に起こされたせいで本人はベットの中に居たと寝ぼけて勘違いした。  髪を乾かしていたときに巻いてたタオルはうと寝の途中で外れており、 裸でいる事をすっかり忘れて遅刻の心配だけをしていたのだ。 「ああぁっ、早く行かないと遅刻しちゃう。パンは行きながら食べよう」  服を着るのを忘れている葉須香が一刻も早く家を出る為、両親がいる台 所に走っていった。 「今日はパンだけでいいわ。この焼きたて、もらっていくわね」  そういって、急いで朝食の食パンを口に詰め込んで玄関から出かけてし まったのだが、この時の両親は葉須香の姿を見て唖然としてしまった。  葉須香の父親はあまりの事に飲んでいたコーヒーを口から垂れ流してし まい、我に返った母親が慌てて葉須香の後を追いかけて玄関のドアを開け て大声でこう叫んだのだ。 「葉須香ぁ〜あんた服と下着、忘れてるわよぉぉぉ!」  その母親の声に初めて自分の状況を知る葉須香。  当然、おっぱいもおま●こも丸出しのままである。  一応、玄関に置いてた鞄だけは忘れずに持っており、あとは何故かハイ ソックスだけを穿いて葉須香は家から全裸で飛び出した。  ようやく事の重大さを知った葉須香が、顔を真っ赤にして声を出して叫 んでしまう。 「いやぁぁぁぁっ!!」慌てておっぱいと下半身を隠し、母親と一緒に辺 りを確認する。  幸いなことにこの時は辺りに通行人が居なかったから、大騒ぎにならな くて済んだのだが、母親が止めなかったらどこまで気付かないで行くつも りだったのか?  よくハンカチを忘れたり、ネクタイをしめ忘れて外に出る人もいるが、 服や下着を一切忘れて出るのは、あまりにもひどすぎる忘却ではないだろ うか。  それも、全裸で出た葉須香の容姿は正直、素晴らしいから、誰かに見つ かったら襲われてもおかしくないはずだ。  何せ、葉須香は学年内で新聞部で行った新入生美少女調査の企画で3番 目に可愛い美少女として挙げられており、グラビアアイドルに引けをとら ない見事なプロポーションと、弾力のあるCカップのおっぱいを持っている。  おそらく走れば、おっぱいがぶるんぶるんと大きく揺れてるのだから気 付くだろう?  それでも気付かないで裸で行こうとするのだから、葉須香の忘れ癖は重 症に近いものがある。  ちなみに下着を穿き忘れてのノーパンの時も数回あり、慌てて走る葉須 香のスカートが捲れて、大事なとこが丸見えになったこともある。  その度に運悪く、父親が思い切り捲れたとこを見てしまい、飲んでいた コーヒーを吹きだしてワイシャツをシミだらけにしまうのであった。 (まあ、おいしい目に遭って内心嬉しいのは言うまでもないだろう..)  こんな葉須香だからこそ、高校入学早々で学級会のテーマとして”わす れんぼの葉須香の忘れ癖をなくすには”として取り上げられてしまうのは 当然のことだろう。  まるで小学校で出させるようなテーマであるが、葉須香の忘れ癖がひど すぎたので、クラス全員で対策を考えることにした。  「お出かけチェックを作るのは?」 「作ったけど、それ自体忘れました」  「手のひらにマジックはどう?」 「手のひらをあまり見なくて・・・」  「両親に言ってもらうとか」 「うちの両親も忘れんぼで・・・」  次々と一般的なアイデアが出てきたが、殆ど中学の頃にやって効果が出 てないことがわかっただけだった。  結局、いいアイデアが出ないまま学級会が終わろうとした時、1人の男 子がふざけてこう言ってきた。 「それなら、忘れる度に恥ずかしい事、やらせるってのは?」 「えっ..そんな..」 「いいね。俺もそれだったら懲りてしなくなるな」 「そうね。私もそう思うわ」  1人の男子の何気ない提案が盛り上がり、それが葉須香の忘れ癖対策と されてしまったのであった。 で、早速、葉須香は次の日に見事に忘れてしまい、先生公認の元で初めて の恥ずかしい罰を受ける事となった。 「さて、罰だから教壇の所で校歌を歌ってもらうぞ」 「・・・ぅぅ..わかりました..」  葉須香は忘れた罰として1人で校歌を歌いはじめる。  これは相当、恥ずかしい罰だと皆が思い、これで忘れ物が無くなるだろ うと続けることになったが、これが意外と効果が出てこない。  結局再度、学級会が開かれて校歌斉唱の罰をもっと恥ずかしくしようと 案が出ることになった。  それは校歌の替え歌斉唱となり、クラスメイトが考えた替え歌で熱唱す ることになる。  こういう替え歌となると男子はエッチな言葉をついつい入れてしまい、 「いっぱい元気に育つ〜」を「おっぱい元気に育つ〜」などに替えて歌わ せて、葉須香の顔が真っ赤になる様を見て喜んでいた。  ただ校歌斉唱するぐらいでは葉須香の忘れ癖は治まる事はなく、中旬に 入ると歌から踊りへと罰が変化することとなった。  校歌斉唱の時と同じで、教壇の所で踊りを披露することとなり、これも 次第に恥ずかしい踊りへと変わってしまい、女子高生が1人でするのに抵 抗がある阿波踊りなどをさせられるようになった。  最終的は安来節まですることになり、わざわざ頬かむりをして「どしょ うすくい」をみんなの前で披露したのだ。  それも本格的に踊れということでザルを持たされた上に、あろう事に乙 女の鼻に割り箸を2本刺すことになった。 「どうしても割り箸を刺すんですかぁぁーー」「当たり前だ」 「ああぁっ、恥ずかしいよぉぉぉーーー。鼻が痛いよぉぉぉぉーー」 「あはははははっ!せっかくの顔が台無しだぞ。葉須香ちゃん〜」 「あ〜ん、見ないでくださいぃ〜」「あはははは〜いいぞ〜」  この時、クラス中は大爆笑の渦となり、葉須香にとっては死ぬほど恥ず かしい踊りとなったらしい。  けど、こんな目に遭っても忘れ物が続いてしまう。それが葉須香なのだ。  普通の女子高生なら、ここまでやらされれば、忘れ物に注意するであろう。  しかし葉須香の忘れ癖は強固であり、歌や踊り程度では効果が出る事が なく、1人で校庭3周という定番の罰へと移る事になった。  みんなが窓から覗いてる中、1人制服姿で校庭を3周するのはかなり恥 ずかしい。  それもそれが続くと掛け声を出しながら走ることに決まったので、恥ず かしさが増すことになろう。  この時は、ただ忘れ物をしただけで女子生徒を走らせているという事か ら、それを命令した担任の笛地は厳しい教師として周りから見られるよう になった。  4月あたりはまだまだ忘れ物の罰も納得できるものばかりであったが、 この罰の方向性や目的が徐々にズレていくことになる。  そう、5月になっていくと忘れ物の罰は少しずつとんでもないものに変 化していったのであった。  ゴールデンウィークが終わった5月上旬、先月の校庭走りでも効果がな いとわかって、忘れ物の罰が変わる事になった。  次の罰は動物のモノマネをする罰になり、クラスメイトがリクエストし た動物のモノマネを葉須香がすることになった。  始めのうちは普通の動物のモノマネであり、ネズミとか牛とか馬とかを していたが、これで忘れ物がなくなることはなく、男子の提案でちょっと エッチな動物のモノマネに移ってしまった。  その中で幾つか男子の盛り上がるものがあり、まずはネコのものまねが 好評を呼んだのであった。

男子たちが見ている前でネコの
背伸びのものまねが始まる。
四つんばいとなり、お尻を高く
突き出した状態で両腕を伸ばし
ながら、にゃあ〜と鳴き声を出
す葉須香。
「にゃぁぁぁぁ〜〜〜」
甘い声で鳴きながら、身体をプル
プル震わす姿は男子たちの興奮
を呼んだ。

それも結構、葉須香が思い切り
お尻を上げてるので、後ろの方
のスカートは下着ラインギリギリ
となっていたため、男子の誰も
が真後ろから見てみてぇーと心
の中で叫んでいたのであった。

だが、楽しみだけは下半身だけ
ではない。
Cカップのおっぱいの方もよく
揺れるので、そっちの方も目を
離すことが出来なくて迷ってし
まう男子たちであった。

 他にもウサギの耳を付けてのウサギのものまねなども好評で、男子たち のリクエストで何回もジャンプをさせられる羽目になった。  ぴょんっ。ぶるん♪  ぴょんぴょんっ。ぶるんぶるん♪  そう、男子たちはジャンプの際に揺れるおっぱいが楽しみであったみた いだ。  こうしたエッチな動物のものまねでも忘れ物が減る様子がなかったので、 今度はなんでもありのものまねに移ることになった。  しかし、ここまでいろんな恥ずかしいことをさせても忘れ物が続くとは 誰も思わず、可愛い葉須香の罰を見ている内に男子たちの中にはもうしば らく続いてもいいかなと思う不謹慎なものも現れるようになってしまった。


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