第2話「胸見せの儀式」(挿絵:さばにしきさん)


※時々CGと文字が重なる場合がありますので、その時は1回再読み込みしますと直ります。

 奉納祭まであと4日となった今日。  何気ない登校風景の中、ガクラン姿の詩衣奈の姿があった。  数日前に応援団の女団長から、今日だけ団長代行をお願いされていたら しく、それが始業前ということだったので、ガクラン姿で登校してきた。  詳しく言うと、奉納祭で行なう応援演目のお披露目を詩衣奈にして欲し いということだ。(女団長は用事で他校に数日間行っている)   本当だったら学校に着いてからガクランに着替えるべきだが、相変わら ずノーパン・ノーブラの詩衣奈にとってはスケスケブラウスやミニスカー トよりもこっちの方が断然恥ずかしくないと思ったからだ。 (ガクランの方がずっといいわ。1日中、これを着たいぐらいだわ)  が、このガクラン姿の詩衣奈が同性受けしてしまい、女子たちがキャー キャーと黄色い歓声を出しながら駆けつけてくる。 「すっごく似合ってる〜」「素敵ぃぃ〜」「あのー、記念にボタンもらっ て いいかしら?」「私もほしぃぃぃ〜」 「えっ?ボタンって..」  何と女子たちが記念にボタンが欲しいと言いだしたので、一度は断る詩 衣奈だが、必死に押しの一手でお願いする女子たち。 「わ・わかったわ..」とボタンを取られることを承諾した詩衣奈。  途端にガクランのボタンが取られはじめ、気づいた頃には全てのボタン が無くなってしまった。 「う・嘘っ..全部取られちゃうなんて..この下、何も着てなのに..」  これにより、前がガラ空きのガクランになってしまい、その下には何も 着けなかった肌が露となる。左右共、B86Fカップの半乳が柔らかくはみ 出ていて乳輪ぎりぎりと言ったところであろう。  最初はブラウスを下に着ようと思ったが、暑くて汗でびしょびしょにな ることを恐れたからだ。 (もし、ガクラン脱いでいつものブラウスに着替えたら汗でスケスケにな っちゃうから..) 「ともかく、早く応援団の部室に行ってボタンを借りてつけなくちゃ..」  急いで昇降口で向かった詩衣奈に待ち構えていたのは、風紀委員の抜き 打ちの取り締まりだった。  最近、短すぎるスカートを嫌う女子が、短パンやズボンを下に穿いて登 校しており、みっともないということでズボンを没収していたのだ。  詩衣奈の前に居た5人の女子が文句を言いながらスカートの下に穿いて いたズボンを脱いで校内に入っていく。 (ど・どうしよ..)  今のところ、風紀委員は詩衣奈を見ても文句を言ってこなかった。  応援団の格好なのでズボンが当たり前だという認識があるからだろう。  詩衣奈もこれは例外よねと思って素通りすることに決めた。  だけど、いざ内履きに履き替えようとしたところで、罪悪感に襲われる。 (うう、後ろの子が何か冷たい目で見てる..ど・どーしよ..)  そして、周りにはゾロゾロと人が集まる中、詩衣奈はいたたまれなくな って自主的にズボンを脱いでしまう。 (やっぱ..これもズボンなんだから..脱がないと駄目なのよ)  もちろん、ズボンの下にはパンツを穿いていた。それは応援団の女団長 がガクランと一緒に渡してきた白のひもパンだった。  このひもパンはふんどしの代わりらしく、女子がふんどしを穿くわけに はいかないので近いものを渡したらしい。  なので、フロントの方はV字型にカットされており、バックとサイドは ただの細い紐だ。  まあ、ノーパンであるよりはこっちの方がずっとマシであり、上はガク ラン、下はひもパンで校内に入り応援団の部室へ向かう。  が、向かう途中で予鈴のチャイムが鳴った。 「あっ、もう朝礼が始まる時間なのね..仕方ないわ、遅刻するわけには いかないし..」  今日の全体朝礼では、奉納祭で行なう応援演目のお披露目をしなくては ならず、体育館でボタンを借りてつけて、ズボンもそこで穿けばいいと思 った。 (確か、朝礼の一番最後にやるから時間はあるはずよね..)  けれど、体育館につくとすぐにステージに案内される詩衣奈。  もうすでに、全校生徒が集まってきており、「急遽スケジュールが変わ ったから一番最初にやってくれ」と校長が頼んできた。  校長からそう言われたら断ることができないので、詩衣奈はボタンをつ けることも、ズボンを穿くことも出来ずに応援演目を見せることに。  女団長の代わりなので、一番目立つところで応援しなければならない。  が、恥ずかしがってる場合ではない。女団長の顔に泥を塗るわけにはい かないので真剣にやらなければ。  それにガクランの前がガラ空きといっても胸はちゃんと隠れてる。下だ ってひもパンを穿いている。  周りの応援団員(男子)も全員、上半身裸でふんどし姿なので、これが 当たり前なのかもと勘違いしてくる。いや、勘違いした方がいい! (変に意識したら..応援演目なんて出来ない..私よりきっと..えっ と..その..モッコリした団員が目立っているし..)  そう、ふんどしだからそうなってしまうのか、かなりテントが張ってい る団員たち。まさか詩衣奈が裸に近い格好で現れるとは思わなかったから だ。  こうして、全校生徒を前に応援演目を始めたが、言うまでもなく詩衣奈 が大きく身体を動かずたびにB86のFカップがぶるるんと揺れる。 (だ・大丈夫!ガクランのボタンが無くても胸が全部飛び出すことなんて 無いわ!精々、横乳が見える程度なんだから)  が、そう信じているのは詩衣奈だけであって、実際はおっぱいポロリし まくりだった。  正確には詩衣奈が胸の状態を確認するときだけ隠れて見えており、それ 以外は丸出しに近いのであった。  これも偶然の一致だろうか..奉納祭の承諾書には今日は「全校生徒へ の胸見せの儀式」らしい。  奉納祭に出る織姫は、この日に堂々と胸を出して見せることが伝統とな っていた。  そして、今年の織姫である詩衣奈も今まさにB86のFカップを惜しげも なく全体朝礼で見せている。  もちろん、詩衣奈本人は胸を丸出しにしてるなんて絶対に思ってない。  そりゃ、ちょっとはポロリしてしまうこともあると思うけど、それはほ んの数秒の出来事なんだからと諦めていた。 (そ・そうよ..数秒しか出てないはず..ずっと丸出しなんていう野次 は嘘なんだから..嘘なんだからぁぁぁ〜。けれど、おっぱいが出ていた ら..私とんでもないことをしてるわぁぁ〜)  こうして、詩衣奈本人が知らずの内に「胸見せの儀式」の伝統を無事に 終えてしまうことになる。  詩衣奈は何も気づかないまま制服に着替えなおして教室に戻ることにし たが、何故か律儀にひもパンを脱いでノーパンでスカートを着けた。  下着の代わりにずっと穿いていればいいもの、どうやら借りたものは全 部返さないといけないという詩衣奈の意思だった。  教室に戻ると、いつものように詩衣奈が座ってる机の周りには多くの男 子が囲んで、詩衣奈がノーブラ、ノーパンである理由をきいてきた。 「詩衣奈ちゃん、朝礼の応援よかったよ」「おっぱいが丸見えだったぞ」 「そ・そんなことないわよ。ちゃんとガクラン着てたでしょ!」 「着てたけどボタンつけてなかっただろ?」 「それは女子たちにボタンを取られたから..けど、おっぱいが見えるわ けじゃないから」 「そーなんだ。まあ、そういうことにしとくぜ」 (んもぉぉ〜、何なのよ、おっぱいおっぱいって!私は何度も確認したん だからね) 「そういえば今日もノーブラかい?」 「ガクランにブラが合わないと思って、着けてこなかっただけよ..」 「でも、今は普段の制服じゃねーか?」 「ガクランは朝だけってことを忘れてただけよ」 「なるほど、なるほど」 「ところで詩衣奈ちゃん、今日のブラウスもサイズが小さくないかい?」 「そうそう、今日も乳首見えちゃうぞ」 「昨日も言ったでしょ!全部洗濯して、これしかないのよ..」 「そうだったな。すまんすまん」 「おや、今日も乳首が立ってるようだけど、これは擦れて固くなったんだ よな?」  昨日同様に男子たちが鉛筆の先で詩衣奈の乳首を突いてきた。 「ええ、昨日も言ったけど擦れて固くなっただけよ」 「だな〜才女の詩衣奈ちゃんだもんな」 「それじゃ、今日も俺たちが突付いても問題ないってことか?」 「・・・ふん、勝手にどうぞ」  詩衣奈がそう言うと、昨日同様に数本の鉛筆が乳首を弄ってきた。 (少しぐらい弄られたからって、感じはしないからっ!) 「詩衣奈ちゃん、何ぼーとしているんだい?」 「えっ..少し考え事をしていただけよ..」  気が付くと男子たちは乳首への突付きをやめて、見事に固くなった乳首 を見てニヤニヤしている。  チリィィーーーン♪ 「えっ?」  胸元から聞こえる謎の鈴の音に驚く詩衣奈。良く見ると固く勃った乳首 の根元をブラウスの生地の上から糸で縛っていたのだ。 「こ・これは..」 「擦れないように糸で縛ってやったぜ。鈴は糸がわかるように付けただけさ」 「いつの間に..」チリーーン 「あっ、別に乳首には触れないようにしてやったから。けど、そのせいで 少し縛りすぎてしまったかもな。あはは」 「あ・ありがと..これなら擦れる事はないわね..」チリーーン  普通の女性なら、すぐに怒って外すところだが詩衣奈には外す事が出来 なかった。  乳首を勃たせてしまった自分が悪いと素直に思ってしまったのである。 (..なぜ怒れないのかしら..こんな卑猥なことをされてるのに..ど うして..)  卑猥な鈴の音が教室に響く中、授業開始のチャイムが鳴る。  そのチャイムを聞くと男子たちは素直に自分の席に戻り、授業の準備を 始めた。  ガラガラガラッ..  扉の開く音と共に、次の授業の先生が入ってくる。 「起立ーーーーー!」先生が入ると同時に日直の大きなかけ声が響き渡る。 「礼ーーーーーー!」大きな礼のかけ声と共にみんな腰から折るような綺 麗なお辞儀を始める。  一番前の座席の詩衣奈も90度の最敬礼を先生にやっていた。  そんな中、次の日直の言葉におかしなかけ声が入る。 「注目ーーーーー!」本来、起立と礼の間に入る注目が礼のあとに入って きた。  そのかけ声と共にクラスメイトの視線がある1点に集中する。  それは一番前の座席で最敬礼をしている詩衣奈のお尻だった。  何と丈の短いスカートが捲れてお尻が飛び出ていたのである。  90度の最敬礼をしている詩衣奈のお尻はちょうど突き出す姿となって おり、わずかながら双丘の割れ目が少し開いている。  当然ながら、その割れ目の奥には詩衣奈の恥ずかしい肛門や秘部までも が少し見えてしまう。  それなのに詩衣奈は隠すことなく90度の最敬礼のままでいた。  心の中では叫びたくなるほどの恥ずかしさがきているというのに身体が 動いてくれなかったのだ。 「あっ..私ったら、何て事を!こ・これじゃ、お尻が丸見えに..早く 隠さないと..」 「詩衣奈ちゃんもそろそろ自覚しないとね」「そうそう」 「えっ?じ・自覚って..」 「本当に見られてるっていう自覚だよ」「まあ、今更ケツなんてどうでも いいけれど..」 「・・・みんな、な・何を言ってるの?」 (見られてる自覚って..どういうこと..まるで今まで私がいっぱい晒 してるみたいじゃないの..ま・まさか..そんなはずはないわ)  今度は明らかに「見えてない」という言い訳が効かない状況であり、恥 部が晒されてることを自覚していた詩衣奈だった。

(ああぁぁ..覗かれてる..どうし
て身体が動かないの..)
自分の恥部が見られているというのに、
次のかけ声が来るまで詩衣奈の身体は
なぜか動かない。
かけ声を守らなくちゃという自分の意
志が、身体の動きを抑えている。
男子たちが覗いているというのに身体
の自由が効かないなんて、おかしな話
である。
そんな詩衣奈の耳にさらにおかしな日
直の言葉のかけ声が入る。
「やすめーーーーー!」本来、ありえ
ないはずのかけ声が入っていく。
肛門や秘部が少し見えているこの敬礼
の状態で足など開いたら、スカートが
さらに捲れて、詩衣奈の秘部はほとん
ど丸出しになってしまう。

 詩衣奈は思う、こんな無意味なかけ声に従う必要はないと。 (誰が、こんな馬鹿なことで足を開いてたまるものですが!)  絶対に開かない。現に周りの女子たちで開いている人などいない。 (そうよ..誰も開くわけないんだから..でも、かけ声ではやすめなの よ..)  自分の中に何故か、強い罪悪感が生まれる..その罪悪感が強くなって いくと自然に両足が開いていくのであった。 (足が開いていく..何でこんな事を素直に聞いてるの?ああぁぁ..見 えちゃう)  両足が詩衣奈の意識とは関係なく、徐々に左右へ開き始めていく。 (ダメェェーー、開かないでぇぇぇ!)  大股になっていく自分の足にお願いする詩衣奈だが、もう間に合わない。  すでに両足は完全に左右に開き、秘部をみんなの前に晒してしまった。  そんな詩衣奈に男子たちの卑猥な野次が飛んできたのだ。 「詩衣奈ちゃん、あんまり開くとおま●こ丸見えだよ〜」 「誰もそんなこと命令してないんだから、閉じていいんだぜ」  そう、皮肉なことにかけ声に従ったのは自分の意志であり、誰からもか け声通りにしろと言ってない。  もちろん、かけ声通りにしなかったら何かの罰則が来る事もないことか ら、まるで詩衣奈本人が自分から見せ付けている解釈になってしまう。 (違う..別に見せたいわけじゃない..かけ声を守るのは常識でしょ? 私はついかけ声通りにやってしまっただけよ..そうなんだから..)


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